夢を見ていた。
輝く太陽の元、木漏れ日を眺めていた。
足元を流れる川、優雅に泳ぐ魚たち。
傍らには、パチパチと心地よい音を立てながら燃える薪。
夢を見ているのは分かっている。
川の向こう側で、ヒツジがオオカミに襲われた。
気づくと、息が苦しかった。
全身が冷たく、視界も悪い。
どうやら、海に沈んでいるようだ。
ずっと遠く、下の方に、青緑色の大きな建物が見える。
コンブが揺らめき、その間をイルカが気持ちよさそうに泳いでいた。
私も身体をのばし、水中を泳いだ。
なぜかは分からないが、ずっと息が続く。
風のように当たる、冷たい水が気持ち良い。
ふと、グンと速度が上がった。
足を見ると、さっきのイルカが後押ししていた。
遊んでいるつもりなのか、かまって欲しいのか、煽っているのか。
突然、顔にものすごい熱風が直撃した。
思わず顔をふせ、細目で見渡した。
真っ赤な世界。
どうやら、どこかの崖っぷちらしい。
恐る恐る下を覗くと、ずっと下で、オレンジ色のどろりとした液体が、ゴプゴプ言っていた。
遠くの空間から、女の悲鳴のような声が聞こえる。
ゆっくりと後ずさり、後ろを振り向くと、熱風は収まった。
いや、顔面に受けなくなっただけで、背中や後頭部は熱いままだっだ。
目を開くと、真っ赤な洞窟があった。
足元に注意して洞窟に入ると、白い不思議な石が、壁面に埋まっていた。
石が欲しくなって引っ張ったが取れず、壁面を丁寧に掘ってみた。
赤い壁面はほんのり熱を含んでいて、柔らかかった。
しばらく掘った。
上手く掘れたと思ったが、白い石は砕けてしまった。
代わりにと言ってはなんだが、掘った跡から、マグマが流れ出た。
慌てて後ずさったが、丸で水のようにマグマは私の足元に及んだ。
何とも言えない激痛が走る。
私の身体の水分があっという間に気化し、ジュージューと嫌な音を立てた。
これは夢だ。
すると、川の前に戻った。
ふと、"この世界が欲しい"と思った。
やがて、"欲しい"は、"作りたい"になって、"壊したい"になった。
なぜか、この世界を知りたくなった。
ゴツゴツで、大きくて、不思議なこの世界を。
突然、遠くの空が、黒くなった。
黒い空が、近ずいてきた。
遠くに見えていた山脈が、文字通り崩れていった。
木々が、ポロポロ崩れる。
小さな粒になって崩れる。
川の向こう側で肉を食らっていたオオカミが崩れた。
思わず、手を伸ばした。
角張った腕が、崩れた。
その時、気づいた。
粒は、細かい立方体だった。
立方体がさらに細かい立方体になって、崩れていたのだ。
やがて、何も見えなくなった。
いかがでしたでしょうか。
ちょっと重たくなりましたが、本編からは明るい感じになる予定です。
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