……ぅ、わぅっ!……くぅーン……。
ガブっ!
「痛ったあああぁぁああぁぁぁ!!」
心地よい夢から痛みで引き剥がされ、飛び起きる。
ジンジンと痛む腕を見ると、腕の一部が赤く染まり、横で飼い犬が面白そうに見ていた。
くそっ……。
この犬は少し前森で出会ったのだが、私が偶然持っていた骨に興味がある様子だったから与えてみると、驚く程に懐かれた。
そのまま家にまで着いてきて、仕方なく飼い始めたのだ。
狩りに出かけると、牛や豚を追いかけるだけじゃなく、私を襲おうとするゾンビたちを追っ払ってくれるが、朝はこうして噛みつかれる……。
名前はないから相棒って呼んでもいいのだが、相棒なら朝は優しくして欲しい。
「まったく。」
犬を軽くつき飛ばそうとすると、ゴロンと寝転がり、腹を見せた。
犬の鼻先を少しつまみ、ここで大人しくしてろ、と言うと、伝わったかは分からないがその場で座り込んだ。
こういう所は従順なものだ。
さて、私は今、少し大きなことをやっている。
この家の近くには村があるのだが、そこの村人たちがまるで知能がないみたいに振る舞うのだ。
話は通じるが、もっぱら商談に持ち込もうとする。
中には、話しかけても無視をする者までいるが。
戦うすべもなく、リッチーな肉付きは夜に彷徨くゾンビ共には格好の獲物だ。
それに、その村の立地も悪いせいで防壁を建設するのも難しい。
ほっといてもいいが、武器を作ってくれる人もいるから、保護をしたいってことで、家の近くに私が村を作ることにした。
私が放置をしても安全なように、頑丈にだ。
そのために、まずは大量の木材を作らないといけない。
部屋の隅にあるラージチェストを開き、中を覗く。
リンゴや石でできた剣、鉄製のピッケルなど、色んなものがごった返しに保存されてる。
その中から鉄の斧を引っ張り出すと、弾みでイカスミが床に落ち、黒いシミになった。
……ここはあとで何とかしよう。
斧を担いで外へ出ると、日がゾンビを焼いていた。
これくらいは日常茶飯事だから、気にする事はないのだが、怖いのはあの緑色の生物。
歪な体で、人間の胴体の下部から、4つの小さな足が生えたような容姿だ。
顔は可愛いが、それにつられて近寄ると、奴らは爆発する。
意図は分からないが、とにかく私に近寄ってきては、自爆するのだ。
名前は、「クリーパー」と名付けた。
クリーパーやスケルトン、ゾンビを避けながら森へ行き、原木を採集し、木材に加工する。
ここの所、この作業しかやってなくて、そろそろ飽きてくる。
近いうちに1度、旅に出たい、と考えているのだが、有用な村人を失う訳にもいかない。
まぁ、最低限の設備は完成しているから大丈夫だとは思うが、念には念を入れねば。
……さて、こうして作業に没頭すると、1日なんてあっという間だ。
空は赤く、日は沈みかけている。
今日もかなり木材を入手出来たし、素材調達としては成功だろう。
明日は、人口村の不備を改善し、テストで二三人のニートを迎え入れることにしている。
多分大丈夫だろうが、一応ニートだ。