なんか第四次聖杯戦争に神霊が来ちゃったんですが…。   作:イビルジョーカー

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連続投降です。

どうぞ!


ちゃんと正式な第一戦目の倉庫街での戦闘 その1

 

 

 

神とは何か?

 

大昔から神と言う概念はこの地球上に五萬と存在するが、果てして神とは何か?

 

無を否定し有を生む者?

 

感情を創り、命を…人を創る者?

 

超自然的な力でもって全てを破壊する者?

 

人を人間としての道から外そうとする者?

 

どう考えても神という定義は不確定で曖昧だ。

 

ふむ……ややこしいので凄く極端に言うと………ぶっちゃけ神様ってよく分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてはて。そんなこと言っている内に聖杯戦争の第一戦は始まっていた。

 

本来ならばここまでに至る段階として、アサシンの破産(笑)が英雄王の財で問答無用な

までに惨殺されてしまうのだが、今回はハサンも英雄王も……ましてや既存のキャラは

全然存在しない第四次聖杯戦争であるかして、そんなことは起きてない。

 

時刻は深夜11時55分。

 

完全に人気の無い倉庫街に三つの影があった。

 

一つは『髑髏をビジュアル化したようなデザインの仮面に妙に角が多い黒マントの男』。

 

二つは『白いコートを着た銀髪の超美人さん』。

 

三つは『中学生の制服を着た一見すると普通な感じの少年』。

 

但し、その少年の目は赤く光っているので『普通な感じ』が台無しになってはいるが。

 

「どもども~~! え~っと……雰囲気的にランサー君でOKかな?」

 

「はい。そういう貴方は……多分セイバーですよね」

 

「あらら、随分とイイ感じの観察眼を持ってるようだね~~君。正直なところ君みたいな

子には是非ともウチの学校に入って貰いたかったよ。いやいや、本当に嫌な因果というか

何というか……………まっ、そんなわけで悪いんだけど」

 

黒マントこと『セイバー』はハリボテのような無機質な手に柄が十字架状になっている

大きな鎌を出現さえ、それを掴むとその刃をランサーへと向けた。

 

「ここで一回死んで頂戴よ♪」

 

「………ひょうきんな口調の割には、随分と過激なことを言うんですね。でも僕も貴方

と同じつもりでしたから、とやかく言う気はありませんけど」

 

少年は手と手を合わせ、まるで仏に祈るような姿勢を見せると一気に両手を離す。

 

両手の間に光が生じ、両手同士が距離を取るにつれ、光は伸ばされていく。

 

やがて光が砕け散ると同時に一本の槍が姿を現した。

 

血。鮮血とも表現できるほどに紅い二又の槍は、ただそこにあるだけで周囲に対し、

常人でさえ感じ取れてしまうほどの威圧感を与えていた。

 

真紅の二又槍を手にし、少年は構える。

 

「僕は貴方のことを知りません。つまり何の恨みもないですけど、死んでもらいます」

 

「それ。私のセリフでもあることを忘れちゃ困るな~」

 

互いにそう交わした瞬間、鎌と槍がぶつかり合う。

 

その衝撃波で周囲にあったコンテナが破損……いや『粉々の鉄片』と化した。

 

「はあああああああああああっっっっ!!」

 

「くっ!」

 

力押しで一気にランサーを狩ろうとするセイバーだが、ランサーもそう簡単に首を

相手にくれてやるほど甘くはないし、安くもない。

 

ランサーはその口を大きく開け、何とビームを発射した。

 

正確には『荷電粒子砲』と呼ばれるもの。

 

当然だが喰らってしまえば塵さえ残らず消滅するだろう。

 

「んおっ?!」

 

しかしセイバーは頭を斜めにずらす事で回避し、一旦距離を取った。

 

「ふ~ん。なるほどね。まさかランサーなのにビームを出すなんて……本当は

ランチャーの方がクラスとしては正しいんじゃないの?」

 

「……否定できないのが悔しいですけど、貴方こそセイバーなのに鎌を使うなんて。

それこそサイズ(大鎌)っていう方が正しいのでは?」

 

「………………………………………………………………あっ!!」

 

「今更気付いたっ?!」

 

あまりに間抜けなセイバーに思わずツッコミを入れてしまうランサー。

 

「ま、まぁ、そんな事どうでもいいですよ。どの道、貴方はここで終わる!」

 

気を取り直し、再度攻撃を仕掛ける為に突進するランサー。

 

それをセイバーは再び鎌を構え、呟く。

 

「スピリット君。いっちゃおうか」

 

『はい、死神様!』

 

(鎌が喋った! それにこの感じは……!!?っ)

 

あの大鎌が人語を発したことは驚きだが、それよりも驚いたのはセイバーの魔力が

急激に上昇したことだ。

 

ランサーは知る由もないが、これは『魂の共鳴』と呼ばれるもので魂同士を共鳴し

合い、強い力を引き出す方法だ。

 

「はああっっ!!」

 

魔力の稲妻を纏い、突進して来るランサーの身体を上下真っ二つにしようと鋭くも

速い一閃を仕掛けた。

 

「がっ…ぁぁっ!」

 

「やった!」

 

アイリスフィールが思わず歓喜の声を上げる。

 

果たして。ランサーの身体は上下に分かれ死んだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筈だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むむっ!」

 

『こいつは……全然手応えがないだとっ!』

 

「当たり前ですよ。それはホログラムみたいなものなんですから」

 

背後からランサーの声と気配を察知したすぐさま鎌を後ろへと振り返るように一閃する。

 

しかし、そこにいる筈のランサーもまたホログラムに過ぎなかった為、そのまま消滅。

 

セイバーは警戒を上げ周囲を見渡し、ランサーを探そうとするが叶わなかった。

 

「ぐっ?!」

 

『し、死神様ぁぁっ!!」

 

外灯によって照らし出されたセイバーの影から、紅い槍の尖端が出現すると同時に

セイバーのその身を貫いた。

 

しかし幸いにもサーヴァントの核である『霊核』には傷一つ無い為、致命傷を負うことは

免れた。

 

「ふんっ!」

 

影の中にランサーが潜伏していることを知ったセイバーは手を地面につけ、影の中に衝撃波(魂の

波長)を送り込んだ。衝撃波をモロに喰らったランサーは外灯の影からまるで吹き飛ばされるよう

な形で出てきた。

 

「くっ、ぅぅ……」

 

苦悶の声を上げながら、いつでも戦闘続行できるように即戦闘態勢に入るランサー。

 

まさか影の中を攻撃されるとは思っても見なかったのか、少しばかり信じられないといった

表情だ。

 

(第十二の宝具『レリエル(影を司りし者)』が看破されるなんて……あのセイバー、ふざけた

格好と口調だけど、油断できない!)

 

「痛てて……結構イイの貰っちゃったけどさぁ~~私を殺すには力不足だね~」

 

「言ってくれますね。なかなかの攻撃ですけど、こんなんで僕を殺そうだなんて

早計にも程がありますよ」

 

「あれ? やっぱ本気で殺そうと思ってたの分かっちゃった?」

 

「もちろん。それくらい僕にだって分かりますよ」

 

「まっ、君もまた『神霊』だっていうなら、衝撃波程度じゃ死んでくれないよね」

 

少し溜息を吐くように言うセイバーに、シンジもまた少し苦笑しながら溜息を漏らす。

 

「でも、驚きましたよ。実体の無い影に衝撃波を送り込んで僕を攻撃するなんて」

 

「いやいや~~そう言われると照れちゃうけどさぁ、ぶっちゃ神様ってチートみたいな

もんじゃない?」

 

「否定はしませんけど、いくらチートな神様にだって…できないことはありますよ」

 

「……うん、確かにそうだね」

 

両者それぞれ会話を一旦中止し、文字通り『神速の戦い』が始まった。

 

もはやあまりのスピードにアイリスフィールの動体視力は完全についていけておらず、

ただ驚愕するばかりしかできなかった。

 

槍兵たる少年は突き一点の戦術で押していくが、剣士たる髑髏仮面の黒マント男は

本当なら戦闘向きではない大鎌をちゃんと武器として役立てており、確実にランサーの

攻撃を防いでいく。

 

もちろん防ぐばかりではなく相手の攻撃の中に僅かでも隙が生じれば、攻撃を加える手

も難なく行使している。

 

まさしくそれは、『神の武の極地』とも言える攻防戦だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「舞弥。そちらからランサーのマスターは視認できるか?」

 

『いいえ、私の方角からではランサーのマスターを確認できません』

 

「そうか……僕の方でもまだ確認できてはいないが、おそらくいる筈だ。注意しておけ」

 

『了解しました』

 

さて。セイバーとランサーの攻防戦が続く中、闇夜の倉庫街の陰に隠れセイバーとランサー

の戦況を伺う者達がいた。

 

セイバーのマスター『衛宮切嗣』。

 

耳に装着したインカムで舞弥に指示を飛ばした切嗣は狙撃銃を構え、暗視スコープから

自らの剣士の戦闘を見据える。

 

やはり、切嗣の目から見ても神々の戦闘を捉えることはできないようだ。

 

「セイバー。お前が本当に『あの約束』を守ると言うのなら……お前を信じよう」

 

唐突的に呟かれたその言葉は、あまりに切嗣らしかぬセリフだ。

 

衛宮切嗣という男を知っている者なら…尚更『異様な光景』に違いないだろう。

 

サーヴァントは彼にとって目的を成就させる為だけの手駒に過ぎず、情など移さない。

 

それが切嗣にとって『当然の行為』であり、これは絶対の筈だ。

 

なのに……嘘偽りがなく真実味に溢れた、あの言葉は何を指すのか?

 

先程の言葉の真意を知るのは、まだ先になるだろう。

 

『神霊が交わりし第四次聖杯戦争』という物語はまだ……、始まりを迎えたばかりだ。

 

 

 

 

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