なんか第四次聖杯戦争に神霊が来ちゃったんですが…。   作:イビルジョーカー

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ちゃんと正式な第一戦目の倉庫街での戦闘 その2

 

 

 

「おお~~こいつは随分と派手にやってますなぁ~」

 

「いや、何ていうか……もうやり過ぎですよ、あれ」

 

倉庫街から数十km離れた高層ビルの屋上で、セイバーとランサーの壮絶な戦いを監視する

二人組みの影がいた。

 

一人は水色のショートヘアー髪型で同色の胸当て、白いコルセットのような服装を上半身に

纏っており、下半身は左右非対称の青いスカートを履き、その腰には鞘に納まったサーベル

剣。全体的に『青い剣士』を連想させる少女だ。

 

もう一方は明らかに人ではなく、まさしく『ファンシーさ』をこれでもか!という感じで

押し出している、そんなぬいぐるみ。

 

しかも人語を喋っている時点で『普通のぬいぐるみ』でないことは明らかだ。

 

「さてさて。どっしたもんかねぇ~~あれ。下手に介入して倉庫街壊滅……いやそれ以上

の最悪パターンが来た日にはまど…アーチャーのマスターも胃に穴が開いちゃうよな~~

マジで」

 

「どっちみち私達が無理して介入する必要は無いと思いますよ? 私達の敵であるセイバー

とランサーが戦っている以上、引き分けに至ったとしても相手の戦略…運が良ければ宝具が

どんなものかを確認することができますし、両方のいずれかが敗れれば敵が減ります。前者

後者のどちらかに転んだとしても、私達に損は無いかと。あっ! それにもし逆に共倒れだ

ったとしたら大万歳だと思いますよ?」

 

「ふ~~ん。まっ……確かにそんなもんだよねぇ~~」

 

ぬいぐるみの正しい意見に何か思うところがあるのか、何かを考えるような表情と仕草をし

ながら、遠い距離にある倉庫街で行われている神々の戦いを見据える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~~何ていうかさ、中々イイ攻撃しちゃってるよねぇ~~君~~。もしかして、

『あっちの方の槍』も使いこなせちゃったりするの~~?」

 

「……(何だろ。段々イラッとしてきな)」

 

神速の攻防戦を繰り広げながらも、そんな軽口を叩いて来るセイバーにランサーは若干

ながら苛つきを覚え始めていた。

 

しかしここでセイバーはランサーとの間に距離を作り、また魔力を増幅させた。

 

「いっくよ~~! 『鬼神狩り』!!」

 

大鎌の刃が虹色に輝き出す。

 

同時に刃は巨大化し、仮面と同じような三つの穴の紋様が浮かび上がった。

 

『鬼神狩り』。

 

嘗て狂気にその身を堕とし鬼神と化した、死神の断片である阿修羅を狩る為の技。

 

此度の聖杯戦争においては宝具として昇華され、鬼神に限らず神性あるもの全てに

『神殺し』の力は発揮される。

 

「宝具っ! だったら……『ロン(刺し貫くーー」

 

「はああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!」

 

「『ギヌス(真紅の神殺槍)』!!」

 

ランサーの真名開放によって二又槍の尖端がドリル状に変形し赤く神々しい輝きと共に

鋭く精錬された『突き』が放たれた。

 

槍の尖端と鎌の刃はぶつかり合い、凄まじい衝撃と破壊を生む。

 

アイリはセイバーの防護術式によってその身を守られているが、正式なセイバーのマスター

である切嗣とその従者である舞弥に身を守る手段は無い。

 

なのでそうなる前に、二人は既に倉庫街から撤収していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「…………………………………………ええ~~~~」」

 

さて、倉庫街はもう何ていうか、更地も同然と化していた。

 

何個も積み重なっていたコンテナ、電光で道を照らしていた外灯、クレーンその他諸々が

分子レベルで粉々にされてしまっており、『これも……ごまかしとか普通に無理だろ』な

光景が広がっていた。

 

そしてこの光景を生み出したセイバーとランサーはというと、まさかこうなるとは予想だ

にしてなかったらしく、微妙な表情を浮かべそんなことを言うしかなかった。

 

「いやいや~~拙い拙い。本っっ当に拙いよね~~ランサー君。いや、何ていうか………

……ぶっちゃけ、これってランサー君のせいじゃな~~い?」

 

なんということでしょうか。

 

規律の旧支配者とは思えない、明らかに責任転嫁もいいところな言葉を口にするセイバー。

 

ていうか、てめぇも十分悪いだろーが。

 

「はあァっ?! いや、それって完全に責任転嫁ですよね? 僕が悪いってそんな…」

 

「だって~さ~~? そもそも君がこんなところ戦場にしなければさぁ、ここまで被害は

なかったと思うよ。つまり元を正せば君のせいってことだよね~」

 

「ムカッ)いやいや、セイバーさんの方にも凄く非があると思いますよ? 大体僕の挑発に

乗ったのは他でもないセイバーさんなんですよ? セイバーさんが場所に関して異論して

くれればこんな事態にはならなかったと断言できますよ、はい」

 

「ムカカッ)えぇ~~何それ。責任転嫁って奴かな~~ランサーちゃん」

 

「それは断言します。貴方ですよ。っていうか『ちゃん』付けとかやめて下さい。気色悪い

ですよ?」 

 

セイバーがああ言えば、ランサーがこう言う。

 

逆にランサーがああ言えば、またセイバーがこう言う。

 

非常に面倒臭く、幼稚レベルな言い争いを繰り広げる二人に対し、何処か遠いものを見る

ような目で見るアイリ。

 

もはや、さっきまでシリアスな感じで良い具合のゴッドバトルな雰囲気は何処へやら。

 

偉大なる神霊たる筈の二人が下らない言い争いを繰り広げている光景など、シュール以外の

何者でもない。

 

だが、そんな光景に終止符が打たれた。

 

剣士と槍兵の二騎、そしてホムンクルス一人が感じたのはサーヴァントの気配。

 

つまり、敵が現れたのだ。

 

漁夫の利を狙うつもりで現れたのか、もしくはそれ以外の思惑があってこちらへ来たのかは

定かではないが……確実にサーヴァントはこの更地と化した倉庫街へと向かっていた。

 

「ランサー君!!」

 

「馴れ合うとか、そんなつもりは無いですけど仕方ないですね! 一旦休戦で一時的共闘です!」

 

セイバーはアイリを守るように、ランサーは槍をいつでも投擲できるよう遠距離攻撃の構えで

サーヴァントの到来を待ち構える。

 

果てして。それは現れた。

 

「ギュモオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!」

 

『竜』。

 

幻想種の頂点に君臨し、数々の神話や民話にも登場したきた大空の覇者。

 

それがセイバーたちのいる倉庫街上空へと姿を現した。

 

「ド、ドラゴン!!」

 

驚くも無理はないだろう。今日に至るまで多くの神秘が失われて来たが、ドラゴンもその例外

ではない。もはやこの地上に恐竜と同じくドラゴンは一匹も生息してはいないだろう。

 

故にその『生きた姿』は、今まで数々の神話や民間伝承にしか確認できず、現代に至っては

恐竜と同じく『化石』しか残っていない。

 

「竜か~~懐かしいね。私のいた世界では結構いたね~~」

 

「暢気に言ってる場合ですか。聖杯の情報だと、確かこの世界の竜は総称として『竜種』って

呼ばれているらしいですね。しかも厄介なくらい強いだとか……見るからに宝具っぽいけど…

…あんな幻想種を宝具として具現化できるクラスと言えば…」

 

「『ライダー(騎乗兵)』、しかいないわよね」

 

二人が思い浮かんでいるクラス名を代弁するかのように答えるアイリ。

 

すると竜の背中から何者かが飛び降りて、見事着地を決める。

 

「ふっふっふっふっふ、いつもニコニコ! 貴方の隣に這いよる混沌! その名も~~~

ニャルラトホテプです!!」

 

それは、『可愛らしい美少女』という言葉が相応しく、両肩にフリルが付いたゴスロリ?

っぽい服を着たその少女はそんなセリフを言いながら仮面ラ○ダーのあの有名なポーズを

とった。

 

「「…………………………………………ええ~~~~」」

 

「ニャ、ニャルラトポテト? お、美味しそうな名前ね」

 

ランサーとセイバーは本日二回目の『何とも言えない微妙すぎる表情のええ~~~』をし

、セイバーの仮マスターであるアイリは首を可愛らしく傾けながら普通に名前を間違えた

。本当にありがとうございます、はい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ありのままに話すぜ……いきなりなんか竜みたいなもんに乗った可愛い美少女が

仮○ライ○ーみたいなポーズをしてた……何を言ってるのか分からないと思うが、こん

な話しをしている私も分からない!!」

 

「はいはい、ジョ○ョネタはしないで下さい」

 

所変わって謎の二人組がいる高層ビルの屋上。

 

有名なジョ○ョネタを口走る青い少女にツッコミを加えた後、改めてファンシー&プリ

ティーぬいぐるみは怪訝な表情を浮かべ青い少女に質問してみた。

 

「で、あれどう思います?」

 

「う~~ん……………自分の真名をああも言っちゃう時点でアホでしょ」

 

「ですよね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また場所は変わり、倉庫街からそう遠くない廃墟に二人組の男性と女性がいた。

 

女性……というよりは褐色の肌を持ち、黄色いフレームの眼鏡をかけた、胸元が

開いたセーターのような格好の少女で男性の方も少年と言う方が正しく、何処か

神々しさを放つ太古の衣装を身に纏っている。

 

二人は水晶玉に映る倉庫街の様子を観察していたのだが……表情が何とも言えない。

 

「『キャスター』……貴方をこれをどう見ますか?」

 

「……正直なところ、何とも言えないな。聖杯戦争で自ら真名を明かすなど……」

 

「そう、ですよね。とりあえずこのニャルラトホテプと名乗るライダーの情報が

ほしいので、得る為にも『三神』の何れかを放ちたいのですが、誰にしますか?」

 

『ならば、我が行こう』

 

二人の近くにあったテーブルに置かれた三枚のカード。

 

その中心のカードが独りでに宙に浮き、更には人語を発した。

 

『剣士の神霊と槍の神霊、加えて騎乗兵の神霊とは我が血潮も滾るというもの。

ファラオのマスターよ、どうかここは私にやらせてはもらえぬだろうか」

 

「……分かりました『オベリスクの巨神兵』。『ラーの翼神竜』、『オシリスの

天空竜』、御二人とも異論はありませんか?」

 

『構わない。私はその者のような『バトルマニア』とやらではないのでね』

 

『僕も巨神兵みたいな暑苦しいのは嫌だね。やっぱり相手にするなら僕みたいな

策略家じゃないとね』

 

赤い一つの頭部に二つの顔を持つ赤き竜が描かれたカード『オシリスの天空竜』は

そう言い、金色の機械を彷彿とさせる両翼の竜が描かれたカード『ラーの翼神竜』

は若干生意気な口調で喋る。

 

二人の言葉に、青い悪魔のような存在が描かれたカード『オベリスクの巨神兵』は

負けじと言い返す。

 

『ふん。言っていろ竜どもが。それと翼神、太陽神の化身である貴様に暑苦しい…

などと言われたくないな』

 

そんな言葉をカードに宿りし竜神たちに吐き捨て、青き巨神兵は倉庫街へと向かった。

 

 

 

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