なんか第四次聖杯戦争に神霊が来ちゃったんですが…。   作:イビルジョーカー

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3ヶ月も更新が遅れてすみません(汗)

他にも書きたい小説、やりたい事、など色々あったもので……。

今回で『倉庫街の戦い』は終わります。


ちゃんと正式な第一戦目の倉庫街での戦闘 その3

 

 

 『師よ。これは……』

 

「言うな綺礼……君の言いたいことは分かる」

 

蓄音機のような通信用の魔導具で互いに連絡を取り合っていた時臣と綺礼は、

現在進行形な感じで倉庫街で起きている、異常を通り越して天災とも言うべき

神々の戦いに頭をかなり痛めていた。

 

綺礼は自らが契約しているアサシンとの視覚共有で、時臣は『アーチャーが召喚した

サーヴァント』からの擬似的な視覚共有で倉庫街の惨事を目の当たりにし、途方もない

ストレスで胃に穴が開いてしまいそうなレベルの精神的ダメージを受けてしまったのだ。

 

トッキーさん、マジでご愁傷さま。

 

「倉庫街全域は完全な更地状態。クレーン車は大破どころか破片の山と化している。

このような………このような惨状を……いったい、どう隠蔽しろというんだっ!!」

 

時臣は自身が座っているそこそこ高そうな椅子の腕置き部分を拳で叩き、もはや冷静

且つ優雅など微塵も感じさせないような、そんな酷い有り様だった。

 

『セイバーにランサー、加えてライダーのサーヴァント出現は更なる混乱を極める

可能性が高いと判断できます。早々に手を打たなければ聖杯戦争の漏洩にな………』

 

「? どうした綺礼。先を続けたまえ」

 

突然言葉を切った綺礼に時臣は怪訝な表情を浮かべながら、先を続けるよう促す。

 

しかしこの時、時臣は途方もない嫌な予感というものを悟っていたのだ。

 

そして。その予感は。時臣が予想している通りの『悪い報せ』だった。

 

「師よ……更にもう1体のサーヴァントらしき魔力の存在を確認しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっふっふっふ、皆さんこの私の登場に驚き桃の木と言った感じですね~~♪」

 

「「「………」」」

 

セイバーvsランサー戦に乱入する形で登場したゴスロリっぽい衣装の美少女

『這い寄る混沌』こと『ニャルラトホテプ』、自称『ニャル子さん』の存在は

様々な意味でこの戦いの混乱度合いを更に倍加させるに相応しい者といえよう。

 

「……セイバーさん」

 

「……言わないでちょうだいよ、ランサー君。君が思ってる通りなら私も同じ。

ぶっちゃけ……この子にどう反応すりゃいいのか……迷ってるよ」

 

セイバーとランサーは困惑するのも無理はない。

 

いきなりドラゴンが現れたかと思えば、いきなり美少女登場なのだ。

 

ぶっちゃけ急展開すぎにも程がある。

 

「! これは…」

 

そして、今現在において最も混沌と化している、この戦場へと近付く何者かの

魔力を逸早く感じ取ったアイリはその方向へと視線を向ける。

 

アイリに続いてセイバー、ランサー、そしてライダーと思われる少女は、この

更地と化した倉庫街に近付く何者の魔力……すなわち『サーヴァントの存在』

をそれぞれが感じ取った。

 

「聖杯の寄る辺に従い、この世界へと馳せ参じた神々たちよ。まずは名乗りを

上げておこう。我が名は『オベリスク』の化身たる『巨神兵』。

 

今宵、ここまでの猛者が集いし場で我が血は沸き、とても熱く感じている。

 

故に我はこの場へと馳せ参じた。お前達と戦い勝利する為に」

 

オベリスクの巨神兵は、その10m(本来の大きさだとデカ過ぎるので縮小)にも

及ぶ筋肉隆々の青い身体を空中へと浮かばせ、鋭い視線で眼下にいる者達を見据える。

 

「うっほ~~!! なんか魔王みたいなのが出て来ましたね! あっちがその気なら

こっちも…」

 

「「やめんかいアホ宇宙神がぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」」

 

ニャル子がオベリスクの登場に興奮し、いざ迎え討とうとしたその時。

 

神速のスピードで二つの人影がニャル子の背中に思いっきり蹴りをぶちかました(妙に

格好がダ○ルラ○ダーキックっぽい)。

 

「貴様……いい加減にしろライダー! 倉庫街が只でさえこんな有り様だというのに、

更に被害を拡大させる気かっ?!」

 

「先生の言うとおりだよ! てゆーか……お前は僕のサーヴァントだろうがっ! 

なんでマスター放置で勝手にやってんだよっ!!」

 

ライダーに対し正論のマシンガンを叩き込む二つの人影……その正体については、

読者方のお察しの通りである。

 

それはランサーのマスターこと『ケイネス・エルメロイ・アーチボルト』とその一番

弟子にしてライダーのマスター『ウェイバー・ベルベッド』だった。

 

「それとランサー! 貴様も貴様で何だ! この惨状はっ! 少しは手加減と言う

ものを考えろっっ!!」

 

「あ、あのマスター。こんな場所で自分が僕のマスターだって公言するのは……」

 

「それ以前に危うく貴様に殺されかけたことの方が問題だ、アホっ!」

 

聖杯戦争が始まる前に同盟を組んでおいた両名は互いのサーヴァントの性能を考え、

序盤で槍兵たるランサーが敵の戦力を確認しその情報を得て、後々にライダーと共に

格サーヴァントを撃破するというものだった。

 

計画自体は順調だった。

 

ただランサーがセイバー共に倉庫街に壊滅的な被害を齎し、ライダーが面白半分で

この場に来てしまったことを除いては。

 

しかもケイネスは自身の存在を隠蔽した上で倉庫街に来ていたが、セイバーと

ランサーによるあの壮絶な激戦の余波で危うく殺されそうになったのだ。

 

当初の計画は台無しにされ、自分のサーヴァントに危うく『うっかり』で殺されかける。

 

これで怒らないという方がおかしいものだ。

 

とにかく。ケイネスはこれ以上の被害を出さぬよう、宙に浮かぶ新たなるサーヴァント

『オベリスクの巨神兵』に対し、その威圧感に圧迫されながらもロードとしての威厳を

崩さず進言した。

 

「オベリスクよ! わざわざ来てもらってすまないが、今宵の戦はあまりにもやり過ぎた

。ここは我がロードエルメロイの顔に免じて去っては貰えないだろうか。貴方のマスター

も、この惨状を見ている筈だ。良き答えを聞きたい」

 

ケイネスの言葉を聞き、オベリスクはしばし沈黙する。

 

どうやら考え事に浸っているようだ。

 

そして……答えは出た。

 

「いいだろう。たった今、我が主からの令が下り『今回は早々に撤退せよ』との

ことだ。ここまでの猛者が集いし場でやり合えず、早々に帰るのは真に残念だが

致し方ない。また後々の楽しみとしよう」

 

「感謝します。ありがとう」

 

そう言ってケイネスは頭を下げ、礼を述べる。

 

オベリスクが霊体化し、とりあえずは去ってくれたことで、緊張の糸が解ける

その場の面々。

 

「で、ライダー。僕に何か言うことはないのかよ」

 

凄まじい怒気を発し、鬼のように自分のサーヴァントであるライダーを睨みつける

ケイネスの弟子ことウェイバーベルベット。

 

その威圧的な視線に思わず『うっ!』となってしまうライダー。

 

ベタな感じで明らかに動揺しまくっているライダーにウェイバーは呆れて何も言え

なくなり、その光景を見ていたケイネスは深い溜息を吐きながらも、高らかに宣言

した。

 

「聖杯戦争に参加したマスター及びサーヴァント諸君に告げる! これ以上の闘争は

聖杯戦争の漏洩に繋がる恐れがある。故に、この場は我がアーチボルト家が九代目当

主ことケイネス・エルメロイ・アーチボルトに免じて引いてはもらえないだろうか。

無論、この場にいる全員が『聖杯戦争の継続不能』などという事態を懇意に招く気は

微塵もないと見るが……どうかね?」

 

ケイネスの意見は正しい。

 

本来ならば精霊程度の位でしかない英霊をサーヴァントとして戦わせる筈だった、

この聖杯戦争は根本から大きく逸脱してしまった。

 

『神霊の召喚』が、その最たる証拠だ。

 

その結果としてこのような惨事を生んでしまった以上、これよりも派手に戦闘続行を

望めば……聖杯戦争の、神秘の漏洩に繋がる恐れがある。

 

それは聖杯戦争という儀式の崩壊を意味する。

 

なので、この場にいる全員の意見は一致した。

 

「う~~ん、そ~だね~~。確かに君の言うとおりだ。私としてもできることなら

余計な被害は出さず、最小限に留めておきたいところだし」

 

「僕も賛成です。それがマスターの意向なら尚更ですけど」

 

「わ、私はその…このまま何の見せ場もなしってのは嫌だな~~…なんて」

 

「「あ゛あ゛っ?」」×2

 

「ひィィ?! すみませんっ!」

 

セイバーやランサーとは違い、このまま続けようと意見するニャル子に対し、

ケイネスとウェィバーは、そんじょそこらのヤクザなどとは別格のガン飛ばし

で黙らせる。

 

かくして、此度における聖杯戦争の初戦は何とも言えない道化な幕引きとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、まさしく珍劇とも言える倉庫街戦が終わりを迎えた頃、一人の青年が

魔方陣を描きながら上機嫌に鼻歌を醸し出していた。

 

青年の名は『雨竜龍之介』。

 

世間一般で言うところの『連続猟奇殺人犯』であり、殺人に関しての美学や

哲学を追求する、『ある意味で学者』とも言えるイカれた男だ。

 

彼は殺人に対し、最初こそは快楽を覚えていた。

 

あらゆる方法で『死』というものを観察し、堪能し尽くした。

 

故に最初のような情熱を、悦を、彼は徐々に感じなくなってしまっていた。

 

これは拙い。そう判断した龍之介は原点帰結ということで最初の殺人を行った

自分の実家へと戻ってはみたもののこれといって何の収穫もなく、あるのは、

龍之介が最初に殺した実姉の干乾びたミイラの死体のみ。

 

だが、彼は見つけた。見つけてしまった。

 

かつて彼の祖先が遺した『魔術書』を。

 

そこには『召喚』に関する魔術の知識が集約していたものの、猟奇殺人者と

いう点を除けば一般人である龍之介に理解できる筈もなかった。

 

しかし彼は実践してみようと思った。

 

彼は『悪魔』を召喚するつもりだった。悪魔という人智を超えた存在が一体どの

ようにして『死』を見させてくれるのか……それはもう胸が高鳴り新たな未開の

領域に対する開拓でもあった。

 

龍之介は偶然にも冬木に来ており、そこで適当に選んだ一軒の民家へ侵入して

そこに住んでいた若い夫婦を殺害しその一人息子である男の子を殺さずロープ

で縛りつけ、身動きを封じた。

 

「ねぇ、坊や? 悪魔っていると思う?」

 

龍之介はまるで、子供番組のお兄さんのような陽気な口調で男の子へ語りかける

が、今やっている行為が原因で男の子は小さく悲鳴を漏らした。

 

「やっぱりさぁ、すっげ~殺し方とか知ってると思うんだよね。もしそうなら

ぜひともご教授願いたいんだよ。お分かり? っつーわけでさぁ……もし悪魔

が出てきたら一つ殺されてみてくれない」

 

「っっっ~~!?」

 

男の子でも、この男が異常な感性の人間であるということは嫌と言うほど分かる

……故に男の子は恐怖しこの場から逃れようとするが、ロープでガチガチに拘束

された身体は、子供一人でどうにかなるような代物ではなかった。

 

「いてっ!……何これ?」

 

突然。自分の手の甲に現れた赤い紋様に驚き疑問を抱く龍之介。

 

それは間違いもなく『令呪』だった。サーヴァントを御す為の強制執行装置。

 

そして令呪が現れるのと同時に魔方陣がとてつもない光を発し、中心から誰かが

姿を現した。

 

「問おう。僕を『この世界』へと招き込んだのは、君かい?」

 

それは、どのクラスにも該当しないイレギュラークラス『復讐者(アヴェンジャー)』

の参戦だった……。

 

 

 

 

 





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