俺の名前は■■ ■■、今は木曾だ。
俺はしがないゲーマーだったんだが、ある日死んでしまった。
死因はとてもダサい、マンションの鉄柵が錆びていたのかそれが外れて四階から落下、グシャリって訳だ。
それで俺は死んだ。
死んだんだが、どうやら物好きな神様がいてな、俺を俗に言う転生をさせてくれた。
ついでにチート能力をくれたし、本当もう、あの神様は何がしたいんだろうな。
で、今俺が持っているチート能力は『ブレイブルー』のアズラエルの全能力だ。
当然全能力のため、セーラー服の下は暴虐呪(エンチャントドラグノフ)による刺青まみれだ。
と言うか、艦これの世界にアズラエルが来たら『グロウラーフィールド』からの『ファンラクスキャノン』だけで勝てるのでは?
艦娘や深海棲艦の娘達の攻撃って全部射撃だし・・・
いや深いこと考えるのは止めよう。
さて、今俺は自分の部屋でボ~としている。
何故?それは簡単な事だ、俺を作った提督が資材をあんまり持っていない新米提督だからだ。
その資材枯渇の原因が『最初の秘書艦を強くしてあげたくて装備を作りまくったから』だ。
初心者によくある失敗例だな。
かく言う俺も前世でやらかした失敗だしな。
ちなみにここの秘書艦は『電』だ。
そして俺はこの鎮守府の二番目の艦らしい。
おい、初めて建造した艦が軽巡ってどんだけだよ・・・その運を俺にくれよ・・・
そんな事考えていた時、トントンと扉を叩く音がした。
「木曾さん、司令官さんが呼んでいるのです」
「ああ、電か・・・なんだ、作戦か?」
「ええと、たぶん作戦なのです」
やっとか・・・この鎮守府について初めての任務だよ、建造されて既に2日経ってんのに、どんだけ資材使ったんだよ。
まあ、愚直いっても仕方ないか・・・
「わかった、直ぐ行く」
俺はそう言って電と共に自分の部屋をあとにした。
「え~と、この鎮守府初めての任務は鎮守府近海の警護任務だよ、そんなに危なくないと思うけど気よつけてね、旗艦には電、おねがいするよ。それじゃあ行ってきてね」
「なのです!」
「了解した」
一番最初の作戦、つまるところの1-1か・・・
このチート能力がどこまでチートか見極めるにはちょうど良い難易度だな。
よし、張り切って行くか!!
駆逐艦イ級やホ級との戦いをしたけどあんまり面白くない戦いなのでカット!!
・・・フツーに木曾の標準の力で勝てた。
これじゃあ自分の能力がどこまでチートなのかわからないじゃないか!!
資材がないこの情勢だと暫くは資材回復まで暇だし、クソ!どうすりゃあいいのよ!
・・・・待てよ、演習があるじゃないか!
演習なら誰も轟沈しないし、簡単に格上と戦える!さらに俺は勝とうが負けようがこの能力のチート度がわかる!
よし!そうと決まれば早速提督に吹き込もう!演習しようと吹き込もう!!
イヤッハーーー!!
「木曾さん、司令官さんがお話しがある・・・ふにゃあぁ!?」
「演習じゃあぁー!!提督ぅぅ!!」
「・・・い、今のは一体・・・木曾さんが瞬間移動している?・・・あれ?電は疲れているのでしょうか?いくら目を擦っても瞬間移動しているみたいに見えるのです・・・」
今、俺達はとある提督と演習予定だ。
どうやら提督は俺と少し違うが、同じ考えをしていて、少ない資材で艦娘をレベル上げするには格上の艦娘にぶつけられる演習が一番良いと判断したようだ。
その為、俺の演習殺ろうぜ!を快く承諾してくれたよ。
さて、相手の艦隊はどんな艦隊かな~
旗艦・天龍
金剛
大鳳
赤城
榛名
古鷹
・・・なんともコメントし難い艦隊だ。
これで扶桑姉妹が天龍と古鷹だったら完全にバ火力艦隊だったのに。
対する俺達の艦隊(?)は・・・
旗艦・木曾
雷
なし
なし
なし
なし
これは酷いな。
俺が普通の艦娘だったらまずグレるぞこれ。
まあ、普通ではない俺にとっちゃあとてもありがたい状況だけどな。
「はわわわ、こ、これは勝てるでしょうか!?」
「普通なら絶対無理だな提督も理解していての事だろうよ」
唯一困ると言えば電の存在だ。
前世の俺の主力艦隊に居たからな、思入れがダンチなんだ。
出来れば演習とはいえ沈めさせたくないな。
「軽巡1隻と駆逐艦1隻のたった2隻で戦艦2隻と正規空母2隻に挑むのか?自殺行為にも程があるぜ」
あ、今話しかけてきたこいつが対戦相手の天龍だ。
取り合えずこう返しておこう。
「分からんぞ、たとえ相手がたったの2隻だとしても油断をすれば死ぬ・・・それが戦争だ。今回は演習だかな。だか、俺達は勝ちに行くぜ!」
そう言うと、天龍は苦笑しつつその場を離れた。
演習開始の照明弾が打ち上げられた。
俺の名は天龍、ふふ・・・怖いか?
おっと、今はそれは置いておこう。
今から演習する相手は駆逐艦1隻と軽巡1隻という少ない艦隊だ。
対する俺達の艦隊は戦艦2隻、正規空母2隻、重巡と軽巡の俺が1隻づつとかなりやり過ぎな気がしてくる編成だ。
なのにあいつ・・・木曾とか言ったな、あいつの目は死んでいなかった。
むしろまるで野獣のような、『狂犬』のような、狂った猛獣のようなヤバイ輝きがあった。
まあいいか、どうせ直ぐにその輝きは無くなる。
戦艦2隻も相手にあの輝きを保てる分けない。
そう、俺は思っていた。
殺戮者(あいつ)と演習と言う名の遊びをするまでは・・・・
演習開始!
敵艦見ゆ!!
ものの数分で見つけれたわね。
どうも赤城です、今回の演習・・・少し相手が可哀想に思えてきました。
たったの2隻、しかも駆逐艦と軽巡洋艦じゃあどうやっても私達の艦隊は倒せないですから。
さて、こんなこと言ってても演習は終わりませんね、やりますか。
「第一次攻撃隊、全機発艦!!」
私はその手に握っている弓矢を使い、紫電と雷電を発艦させた。
もう1つあるのですが、これだけでも大丈夫でしょう。
ほら、現にあの駆逐艦の娘はもう中破判定ですし・・・・あれ?軽巡洋艦のほうは何処に?
「赤城さん上!!」
妖精さんがそう叫ぶ!
え?上?直上!?
私が上を見上げるとそこには・・・踵落としの体勢のあの軽巡洋艦がいた。
次の瞬間、私は意識を失った。
赤城が沈んだ、軽巡洋艦の一撃で沈んだ。
それは衝撃的どころの騒ぎではなかった。
彼女、木曾は普通の艦娘ではない。
しかし赤城の味方の艦娘達はそんな事知らない。
ただわかる事と言えば、さっきまで駆逐艦の隣に居たはずの彼女がまるで瞬間移動でもしたかの如くのスピードで赤城の真上に現れて踵落としを喰らわし撃沈判定どころか意識までも奪い取った、
それしか解らなかった。
「あ?正規空母って聞いたからもっと頑丈と思ったんだけどな?」
殺戮者(彼女)が薄笑いを浮かべる。
恐怖、それが彼女達に突き抜けた感情。
「・・・・ハッ!全艦!砲撃開始!!全門制射!!」
天龍が声を荒げる、もはや油断など彼女達にはない。
油断など出来ない、正規空母を一撃で沈めるような軽巡洋艦だ。
その危険性などいうまでもない。
彼女達は演習だということを忘れ、駆逐艦の存在を忘れ、その軽巡洋艦を沈める事に全力をそそいだ。
しかし、彼女はまるで弾の軌道でも分かっているかの如く避けてゆく。
瞬間また消える、次は大鳳の目の前に
「ひっ!!」
「悪いが寝てな、タイガー!!」
トガァ!!ボディーブローとは思えない一撃が彼女の鳩尾を抉る!
「かはっ!?」
「コブラ!!」
次に間発入れずに蹴りが顎に跳ぶ!
バキャア!!
「締めだ、レオパルド!!」
最後に強力なラリアットにより、大鳳轟沈判定。
正規空母全艦撃沈判定!!
「戦艦、次はお前にするか!」
「っ!!全砲門ファイアー!!」
身の危険を感じた金剛と榛名が砲弾で弾幕を張る!
避けれるわけない、勝利こそ確信はしていないが少しは傷を付けれるはず!
しかし、彼女達の思いはあっさりへし折られる。
「避けれないか、なら!グロウラー!!(Γ・ω・)Γ」
真っ赤なまるで狂気のようなオーラが木曾を包み込む。
瞬間、彼女に触れた砲弾がなんと彼女に吸収されていくではないか!!
「ファット!?どういうことですかー!?」
「そら返すぞ!」
そう叫ぶと彼女は先程吸収した金剛達の砲弾を何もない空間から吐き出した!
しかしその数は3つ、つまり先程の雨のような弾幕を3つの弾に圧縮したのだ!
威力は皆まで言わなくとも分かる、当たったら不味い!!
二人は即座に回避した・・・が!
「掛かったな!グスタフ!!」
彼女のねらいは金剛達の後ろにいた古鷹だった!
金剛姉妹に視界を潰されていた彼女は当然即座に対応できず・・・
「ふわあぁぁ!?」
腹に強力な一撃を喰らい海面を数回バウンドし、そのまま意識を失った。
「まだだ、ホーネット・・・」
「なっ!?」
「バンカー!!」
今度は金剛の目の前に現れ、ちゃぶ台返しのように彼女を打ち上げた。
「おらぁ!!」
彼女を追尾するように木曾も飛び上がる。
痛恨の一撃、ほぼゼロ距離で木曾は自身のもつ20センチ連装砲を金剛の腹にぶち当てた。
それは金剛の意識を一瞬で刈り取るほどだった。
天龍達は混乱していた。
本来なら逆だ、圧倒的戦力を持っている彼女達が木曾達をボコボコにしているはずだった。
それがどうだ、たったの1隻の軽巡洋艦に艦隊があと2隻まで追い詰められている。
「金剛姉様!!」
「よそ見している暇はないぜ!ヴァリアント!!」
「え?ああぁぁ!?」
ヤクザキックよろしく強力な蹴りが榛名を吹き飛ばす。
「まだ終わりじゃねえよ!」
木曾が急接近し・・・
「ゴミクッゴミクッゴミクッゴミクッゴミクズガ!!」
連続で蹴る!!・・・少しシュールな光景になってはいるが・・・
当然あんな化け物筋力で蹴られまくってる榛名は意識を失った。
「最後はお前だな」
「クソ!」
天龍はあわよくばと砲撃を打ちまくる!
だが
「意味ないぜ、そんなの!天龍さんよ本当の恐怖を教えてやるよ!てめえのフフ怖よりも怖い恐怖をな!!」
「な!!」
『その身を持って教えてやろう・・・最強の暴力を!!』
ヤバイ!そう天龍が思ったときには既に遅し・・
『ブラックホークスティンガー!!』
それをもろに喰らった天龍は鎮守府の湾口までぶっ飛ばされた。
その日以降、天龍は怖いかと人に言わなくなった。