フォロワーファンタジー ー小豆味ー   作:ニャル太郎

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第一条 ショタに触れるかべからず

時間にして十三時。本来の予定なら三人で遅めの昼飯を食べている頃。

 

しかし、それどころではなくなったようで。

 

全員部屋に集まり、緊急会議が開かれていた。

 

ニャル太郎は腕を組み、目の前を人物をみる。

 

東雲はというと、シノタロスの手当を受けながら離れた位置でその様子を眺めていた。

 

「ほう、こういう感触か、興味深い」

 

黒髪の短髪で右髪を三つ編みに結んでおり、頭のてっぺんに大きなアホ毛。

 

やや細めのつり目で色は黒。瞳孔部分が星形。黒い丸眼鏡をかけており、無くさないようにかチェーンが付いている。

 

服装は白いシャツに黒いベスト、黒のリボンタイに橙色のブローチ。

 

膝丈のキュロットにはサスペンダーが着けられており、膝下の所からはバンドで靴下留めに拠って黒いソックスが抑えられ、極め付けの靴は少し高めの黒いヒール靴。

 

どこぞのイカレ性癖野郎が考え出した姿をした少年が自身の体を弄りながら、そう呟いていた。

 

「なかなか興味深い姿になったな、いやさせられたというべきか?」

 

不敵な笑みを浮かべながら当然現れた少年、もといライウェーが呟く。

 

「文句ならそこのバカに言え」

 

呆れ顔で東雲(犯人)を見る。

 

目が合った東雲(犯人)はシノタロスの後ろに隠れ、さながら恐ろしいものでも見たかのように震えていた。

 

「文句などひとつもないぞ?ただ」と東雲を見ながら、「なぜ、このような姿にさせたのかいささか気になってな」

 

「うわあぁぁああああぁぁあ!!!!!!!!」

 

窓からの逃走という名の自殺を図った、が。

 

「抑えろ」

 

「はいっ!」

 

「離せーッッッ!!!いいから離せーッッッ!!!死なせろーッッッ!!!死なせてくれーッッッ!!!」

 

迅速な対応によって抑えられた。

 

頭を搔くニャル太郎の横を満面の笑みのライウェーが通り過ぎ、東雲を見上げるように話しかける。

 

「まあ落ち着きたまえよ黒の主、いいや?お兄──」

 

「う゛わ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!!」

 

絶叫と共に、どこからともなく包丁を取り出し自身の首に向かって刃を突き刺す。

 

「包丁はまずいですわ!?うわぁ力強い!?」

 

「やめろここTwitterじゃねえんだから!首切ったら死ぬんだよドアホ!つーかどっから出てきたその包丁!」

 

二人がかりでようやく鎮圧。

 

包丁を取り上げ縄で拘束。何かあったらまずいので、二人の間に挟み半ば強引にライウェーの前に置く。

 

その間ライウェーは笑顔でその光景を眺めていた。

 

「そう怯えるではない、取って食ったりなどせん」

 

「アッ……ハイ……」

 

「東雲さん、お子様苦手でしたの?」

 

「に、苦手じゃないよむしろ……うん……」

 

「?、よく聞こえなかったですわ、もう一度お願いしますわ」

 

「やめて……もうころしてくれ……ころしてくれ……」と机に突っ伏し身体を振るわせる。

 

「はわわ、どうしましたの東雲さん!?」

 

「ハッハッハ!愉快愉快!」

 

「……はぁ……」

 

こんな地獄絵図をよく楽しめるな、と頭を掻いた。

 

このままだと東雲が腹を切りそうなので、ニャル太郎が渋々口を開く。

 

「で、お前なんだよ」

 

「ん?もしや人型になる武器は初めてか?」

 

「初めてだよ!!!」

 

「ニャル太郎……そんな大声出したらライウェーくんびっくりしちゃうから……」

 

「うるせえ黙ってろ!!!」

 

「それに人型に向かってなんだは失礼ではないだろうか?」

 

「悪かったな畜生!!!」と頭を掻き乱し、大きく溜息を吐く。

 

「そうだな、まずは自己紹介からいこうではないか」

 

「いい案ですわね!」

 

「ボクはパス……」

 

「おいおい、契約者の名前を知らないのはこちらとしてもは非常に困る、それにこういうのは普通契約者側が名乗るものではないだろうか?」

 

「ウッ……ごもっとも……」

 

「いや乗せられるなよ」

 

ライウェーは手を広げ、「さあ名乗りたまえよ諸君」と高らかに宣言した。

 

「ではワタクシから、シノタロスと申します!」

 

「なかなか変わった名前だな、にしてもその見た目は着ぐるみか何かか?」

 

「何言ってますの?これは着ぐるみではございませんわ」

 

「あぁそうだったか、いやレディーにこのようなことを聞くのはいささか失礼であったな、謝罪しよう」と頭を下げる。

 

「いえそんな……レディーだなんて……」と手で顔を覆いかくし恥ずかしそうに俯いた。

 

異世界(こっち)に来てからシノタロスのそういう姿をみるのは初めてなこともあり二人は動揺していた。

 

「こ、今後ともよろしくお願いしますわライウェーさん!」

 

「こちらこそ、同じ契約者を持つものとして仲良くしようではないか」

 

「シノタロスが陥落したぞ」

 

「隙がねえよあのショッタ」

 

「では、次はそこのメイドの名でも聞こうか?」

 

「オレはニャル太郎、あとメイドじゃねえから」

 

「なんだ違うのか」

 

「こいつのメイドとか死んでも嫌だわ」

 

「そうだったか、では兄妹か何かか?」

 

「ちっげえよアホ!どう見たらオレらが兄妹に見えるんだ!?」

 

「何を言っている?どう見ても君は()ではないか」

 

「……はぁ?」

 

「年齢は契約者より二つ下だが、ほぼ同一人物(・・・・)だろう?」

 

見た目に反して予想外の発言にニャル太郎は困惑した。

 

なぜ東雲の幻想屋とニャル太郎が同一人物だと知っているのか、年齢まで当てられてたことに動揺し、生唾を飲む。

 

(こいつ、本当にただの武器(・・・・・)なのか?)

 

「あぁニャル太郎はボクの後に生まれた名前だからか、それで妹扱いされてんのね」

 

「そうでしたのね、納得納得」

 

「そんな理由で妹扱いされてたのかよ!?あとそれで納得すんな!」

 

「しょうがないじゃん、ニャルラトホテプとハム太郎の名前組み合わせたら語呂良かったんだもん」

 

「オレの名前そういう感じでつけられたの!?なんか地味に嫌なんだけど!」

 

「可愛くていいじゃん」

 

「可愛いのかこれ!?」

 

「ワタクシは可愛いと思いますわ」

 

「邪悪の塊だろこんなの!」

 

思わず話が脱線したことに気づき、すぐさま話を戻す。

 

「んで、どうしてオレらが同一人物だと知ってんだ?しかも年齢も当てやがって」

 

「トウホウは、あぁこれ(・・)にも影響が出るのか、まあいいか」

 

こほんっ、と咳払いをし改めて三人の方を見ながら話し始める。

 

「では改めて、トウホウはライウェー。正式名称を FOLLOWER RIDER WEAPON VAR3.0(模倣者の黙示録)、そしてそこの契約者の『書け、黒歴史(白歴史、理想を描け)』の魔法の一部でもある」

 

しばしの沈黙。

 

「はぁ!?」「えぇ!?」

 

ニャル太郎とシノタロスが声を上げる中、東雲はというと。

 

「……っ……!」

 

自力で縄を解いたのか、先程の包丁を持ち自身の首に突き刺そうとしていた。

 

すぐさま取り押さえられ、罪人の如く縛り上げる。

 

「殺してくれよ……大罪犯したんだからもう殺してくれよ……」

 

「介錯はしねえぞ」

 

「東雲さんの魔法ってこういうこともできるのですね」

 

「いや……知らない……割とマジで……」

 

嘘でしょ?と表情を向ける二人を横目にライウェーが口を開く。

 

「それについてなのだが、契約者の血を吸収した際にこの機体(からだ)に自我、つまり感情というものがインストールされたようだ」

 

「えっ、ボクの魔法感染型なの?」

 

「そうではない、この機体(からだ)は契約者の血を吸収し情報を読み取っただけにすぎん」

 

「ええと、つまり?」

 

「契約者が望む姿になっただけだ、トウホウの担当する精神はおそらく、悪意だろうな」

 

しばらく見つめ合い、東雲は思いっきり舌を噛んだ。

 

「この流れでそうはならんだろう」

 

「……いだい……」と口から血が垂れる。

 

「だろうな!よかったお前が変ところでヘタれるやつで!」

 

「どどど、どうしましょう、例の薬でも飲ませますか?」

 

「大丈夫……いつもの気の迷いだから平気平気……」

 

「それは平気とは言わないですわ」

 

とりあえずホッとしたのか胸を撫で下ろし、東雲を下すシノタロス。

 

ニャル太郎は深い溜息を吐き、やれやれと頭を掻いた。

 

「そういえば、まだ契約者の名を聞いていなかったな」

 

「アッ、ボクのことは別に、そこらへんの石ころと思ってくれていいので」

 

「先程も言ったが、それはこちらとしては困るのだ」

 

「いや、名乗るほど者ではないので、それに名前なら血液を通してみたんじゃねえかなって」

 

「プライバシーの問題というのがあるだろう?」

 

「そういう変なところは引き継いでんのね!?なんか恥ずかしいんだけど!」

 

「恥ずかしいと言われても、契約者の望む姿になっただけであるぞ」

 

「それが恥ずかしいんだって!!!」と顔を伏せ、耳まで真っ赤になる。

 

「赤面しているところ悪いが、早く名前を教えてくれないか、こちらも色々調整をしたいのだが」

 

「え、じゃあ石ころでいいよもう」

 

「……」

 

「そんな憐れむような目でボクを見るな!!!心に刺さるだろ!!!やめなさい!!!」

 

「いいから名乗ってやれよ」

 

「やだよ、ボクの名前無駄に長いし」

 

「そうか、じゃあお前の初期の名前を教えてもいいか?」

 

「初めまして、東雲の幻想屋です」

 

目にも止まらぬ速さでライウェーの前で土下座をし、今まで生きてきた人生の中でしたこともないキメ顔で告げる。

 

「できんじゃねえか、最初からやれよ」

 

「初期の名前の話はずるいぞ」

 

「お前の黒歴史の原点だもんな」

 

「やかましい、その話他の人の前では絶対すんなよ」

 

「しねえよ、大して面白くもねえんだし」

 

「じゃあなんで出したんだよこの外道!鬼!悪魔!」

 

「名前くらい普通に教えてやれよ」

 

「うるせえ、いいか?ショタに触れるのも認知されるのもボクの美学に反するんだよ」

 

「捨てちまえそんな美学」

 

「お前みたいな野蛮ゴリラで美学のかけらもないやつにはわからん話だぐぼぇ!」

 

怒りのこもった右ストレートは東雲の頬を刺し、軽く吹っ飛ばす。

 

「イカレ特殊性癖が」

 

「お前もだからな!!!」

 

「あぁ?!どこがだよ!!!」

 

WA2000(わーちゃん)に似た者に興奮しやがってよ!!!」

 

「可愛いからいいんだよ!!!」

 

一触即発、下手をすれば軽く死人が出そうな雰囲気。

 

「橙の主改めシノタロス、彼らはいつもああなのか?」

 

「そうですわ、でも大体はニャル太郎さんが勝ちます」

 

「言ってみろよ!お前の何が好きなんだ?アァ!?」

 

「無機物のショタでやたら大人っぽい話口調の子好きなのこれでいいかクソッタレェエ!!!」

 

「好きなものは人それぞれだ、どんなものであれトウホウは君の味方だぞ」

 

「肯定してとは言ってないじゃんやめてよもうー!!!」

 

「よかったな、念願の理想のショタだぞ」

 

「やめろやめろ!!!ボクは性犯罪者なんかになるつもりはねえ!!!」

 

「もう手遅れだろ」

 

「うるせえお前だって無機物フェチだろ」

 

「黙れ変態指揮官、お前には言われたかねえ」

 

「はぁ〜〜〜?もうキレた、表出ろ」

 

「上等、狩りに出んぞ、どっちが多く狩れるか勝負だクソボケ」

 

「面白いじゃねえか〜!?まあボクが勝つんですけど〜?」

 

「はっ、オレに十戦中十敗してる奴はいうことが違うな〜?」

 

「「ハッハッハ」」

 

これは大量にモンスターの死人が出ると察したシノタロス。

 

「いまが稼ぎ時ですわね……!」

 

「出掛けか?」

 

「ええ、ライウェーさんはどうします?」

 

「無論行くとも、トウホウの性能を見せるのにもぴったりなタイミングだろう」

 

「そうですわね!でもその前に!」

 

どこからともなく二人の腹の音が響く。

 

「まずは腹ごしらえからですわ!昼食を済ませてから狩りに向かいましょう!」

 

「だな……」「だね……」

 

こうして新たなメンバー、ライウェーと共に昼食を済ませる一同であった。

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