フォロワーファンタジー ー小豆味ー   作:ニャル太郎

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お前は誰だ

「置いてったことは悪いと思ってる」

 

「いやいいよ、おかげで正座してるニャル太郎見れたし」

 

「落ち込むことはないですわ!誰にだってこういうとはありますし!」

 

「お前らから離れたら何があるとも知らずに突っ走って、ごめん」

 

「ニャル太郎って、謝れるんだ」

 

ニャル太郎は東雲にアッパーを食らわせた、三メートルほど飛んで落ちた。

 

「イタァイ!!!」

 

「人が反省してんのになんでそういう事言うんだよ!!!」

 

「いいだろ別に!!!」

 

「よかぁねえ!!!」

 

仲裁に入ったシノタロスがビンタ、どちらかといえばパンチを二人にした。

 

東雲は約五メートル吹き飛び、ニャル太郎は少しよろめいた。

 

「喧嘩はよくありませんわ!!!」

 

「……悪い、ちょっと熱くなりすぎた」

 

「いや待って!?ボク殴られて上に叩かれたんだけど!?」と戻ってくる東雲。

 

「全く、そもそもお二人はご兄妹なのでしょう?仲良くしないとだめですわ」

 

「無視ぃ!?ひどくない!?」

 

「ちげえよ、どちらかといえばオレが姉だろ」

 

「そこじゃない!あとお前が姉とか弟のボクが可哀想!」

 

「散々妹扱いされたオレの気持ち考えてみろよ、いやまて弟の立場受け入れんな」

 

「でしたら間をとってワタクシがお二人の姉になりましょう!」

 

「いやなんで?」

 

「そうはならんだろ」

 

「え?でしたら妹?」

 

「違う違う、そうじゃないだろ」

 

「まあ多分この話キリないからここでおしまいにしよ」

 

「そうだな」

 

「えー!?気になりますわー!」

 

「はいはい、そんなことよりドラゴン探そうぜ、ここら辺にいるべ」

 

まあ急に東雲の幻想屋とニャル太郎は同一人物なんて信じてくれないだろうと、二人は思っていた。

 

「てかドラゴンってやつどこにいるんだよ」

 

「山にいるみたいだけど、見当たらないなぁ」

 

「大きさ的にも見逃さないと思うのですが」

 

「大きさってどんぐらい?」

 

「ええと、大体」

 

シノタロスは目の前にいる体長十メートルを超えるドラゴンを指さした。

 

「あの大きさくらいですわ」

 

…………………………………………。

 

「いるじゃん!!!」「おるがな!!!」

 

「ほんとですわ!」

 

「んなこと言ってる場合じゃねえ!おい変身すんぞ!」

 

「おう!任せな!」

 

ドライバーを取り出し腰に装着する。

 

「変身!」「変身ッ!」

 

〈仮面ライダークラウゥゥゥド!〉

 

〈仮面ライダァ、カオス!!!〉

 

こちらが戦闘態勢に入るとあちらも咆哮してきた。

 

「で、どう戦うの」

 

「ノープランかよ!」

 

「相手は生き物ですわ!殴れば死にます!」

 

「そりゃそうだけどよ!」

 

「とりあえず頭を殴ったら相手は死ぬ!」

 

「そうですわ!」

 

「二人揃って脳筋かよ……!」

 

「とりあえず殴ってみる!」

 

右手を突き出し標準を頭に合わせる。

 

「ロケットパンチ!」

 

狙い通り右手は頭に命中し、ドラゴンは大きくよろめいた。

 

「おぉー!効いてる効いてる!」

 

「でしたらワタクシも!」

 

どこからともなく自分と同じ大きさのハンマーを取り出し、ドラゴンの腹に叩き込んだ。

 

うめき声をあげたもののまだ動けるようだ。

 

「いやどっから出したそのいかついハンマー!!!」

 

「ワタクシの武器ですわ!」

 

「そうじゃねえ!」

 

ツッコんだのも束の間、突然視界にノイズが走った。

 

またか、今度はどんな未来だと周りを見た。

 

直後シノタロスと東雲が尻尾を叩き込まれて吹き飛んだ。

 

勢いよく全身を木に叩きつけられる。

 

しかしその勢いが死ぬ事はなく、そのまま地面に打ち付けられ気絶した。

 

ドラゴンの方へ目線を向けると、大きな口を開け火を吹いてきた。

 

再びノイズが走った。

 

「──避けろ!!!」

 

その言葉を聞いた二人は間一髪のところで避けた。

 

「おっと、ナイスニャル太郎!」

 

「助かりましたわ!」

 

「まだだ!あいつは火を吹いてくるぞ!」

 

「かえんほうしゃだと!?あいつほのおドラゴンタイプだったのか!」

 

「ならおまかせ、をっ!」

 

ハンマーを力強く振り下ろし地面を叩いた。

 

叩いた地面がうまく盛り上がり、土の壁を作った。

 

「こちらへ!」

 

三人は素早く土の壁に隠れた、直後火が吹かれる。

 

「ナイスシノタロス!」

 

「けど隠れてもこのままじゃ森が燃える、街にまで被害が出るぞ」

 

「えぇ!?じゃあどうすんのさ!」

 

「口さえ塞げば、まだなんとかなる」

 

「えーじゃあここら辺に縄とか落ちてないかな、蔦でもいいけど」

 

「落ちてるわけねえだろ、いやさっきのこともあるから見落としてる場合も……」

 

などと考えてる間にもヤツは火を吹いてくる。

 

ジリジリと土は剥がされていった。

 

「……ニャル太郎、遠距離武器とかあるっけ」

 

「持ってたらすでに使ってるってーの」

 

「だよねー」

 

もはやお手上げムードの東雲。

 

「頭に大ダメージ与えたらあいつ死ぬよなぁ」

 

「それどの生き物にも当てはまるからな」

 

「頭ですわね!頭にいけたらいいのですわね!」

 

「ん?」「え?」

 

シノタロスは二人の腕を掴み走り出した。

 

未だにドラゴンは土の塊に火を吹き続けていた、こちらには気づいてないようだ。

 

「ちょちょちょ!シノタロス!?」

 

「ま、まて!あっつ!」

 

「ここら辺ですわね」

 

「なになになに!?どしたの!?」

 

「おいシノタロス、何し──」

 

「どっ、せーいッッッ!!!」

 

なんの前触れもなく、二人は投げられた。

 

「嘘ぉー!?」

 

「えー!?」

 

ドラゴンもやっとこの状況に気がついたのか、顔をあげもう一度火を吹いてきた。

 

「やべ!ニャル太郎!もうやけくそキックだ!」

 

「はっ、上等だ!」

 

体制を立て直した二人。

 

レバーを右に引く東雲、砂時計を右に回すニャル太郎。

 

左足が体から外れ、噴射口から煙を吐き出しながら進んでいた。

 

いくつのも自分の残像が見え、全部ヤツの頭に蹴りを入れていた。

 

〈ディサセンブル!フィニーッシュ!〉

 

体が左足とつながり、その重さで加速する。

 

〈フィーチャーサァート、フィニッシュ!〉

 

全ての残像が一つにまとまり、未来の出来事を今起こす。

 

「ガッ、ウァアアア!!!」

 

「くたばり、やがれェェェェ!!!」

 

火と黒白(二本)の光がぶつかり合う。

 

わずかに、ほんのわずかだが二人の力が上回り押し切った。

 

黒白(二本)の光がドラゴンの頭を貫いた。

 

そのまま二人は着地を決めるが、東雲は耐え切れずそのまま転がり木にぶつかり首が落ちる。

 

「イッッッデェ……」と立ち上がり、首を付け直した。

 

「なんとか、なったな」とニャル太郎は呟き変身を解いた。

 

〈バイバーイ!〉

 

「お二人ともー!」

 

そこへ手を振りながらシノタロスが走ってきた。

 

「お前なァ!なんか一言言えや!」

 

「すみません!一刻を争う状況でしたので!」

 

「いや、それはそうだけどな!」

 

東雲もようやく立ち上がり、レバーを引き変身を解く。

 

〈ヤスメヨー〉

 

そして二人の元へと歩く。

 

「まあいいや、とりあえず依頼達成したし」

 

「そうですわね!あ、でもどうやって達成したことを証明しましょうか、首持ち帰ります?」

 

「戦国武将かよ、まあ持ち帰ろうにも頭があれじゃあなァ」

 

ニャル太郎は頭がグジャグチャになった死体を指差しながらため息をつく。

 

「むう、どうしましょうか東雲さん」

 

声をかけたものの、東雲は右耳を掻きながらぼけっとしていた。

 

「東雲さん?」

 

「え?あぁ、うん、ごめん」

 

「大丈夫かお前」

 

「あぁ、大丈夫大丈夫!で、何?」

 

「お前聞いてねえじゃねえか!だから──」

 

ドスンッと大きな音が後ろの方から聞こえた。

 

音の方を見ると、先程のドラゴンと同じのやつが現れた。

 

こちらの方を睨み、明らかな殺意を向けてきた。

 

「うわやば、ニャル太郎!もう一度変身するよ!」

 

「あぁ、言われなくても!」

 

二人がドライバーを腰に装着しようとした時。

 

「やめた方がいいですよ」

 

艶やかな男性の声が後ろから聞こえた。

 

振り返るとそこには銀髪の長髪で後ろの方を三つ編みにまとめており、中世的な姿をした人物が立っていた。

 

「二回目の変身は体に悪影響を及ぼしますよ」

 

「え、そうなんだ……」

 

「けど今ここで引くわけには……!」

 

「では、ここはお任せを」にドライバーを取り出した。

 

植木鉢をモチーフとしたデザインのドライバー、小型のポンプがついた花を活けてポンプに水を吸わせると変身できる仕組みのようだ。

 

「それって……」

 

「もしかして……」

 

ドライバーを腰にまき、小型ポンプがついた薔薇を活けるとケルト風の待機音が流れ始めた。

 

「変身」

 

ポンプに水を吸わせると、その人物の周りに薔薇の花びらが舞い上がる。

 

花びらが全身を覆い、再びその姿を表した。

 

緑と赤を基調としたデザインで、スーツに赤い薔薇が絡み付いている。

 

〈情熱のローズフォーム!〉

 

「仮面ライダープラント、以後お見知りを!」

 

花瓶がモチーフの剣を取り出し、ドラゴンに向かって走る。

 

咆哮をあげ、プラントに向かって火を吹く。

 

しかしそんな火に臆せず、彼は華麗に避ける。

 

触れるほどの距離に近づくと、腹に剣を振り下ろした。

 

切り裂かれた部分から血が吹き出したが、気にせず次の攻撃へと体を動かす。

 

負けじとドラゴンも大きな爪で引き裂こうと振りかぶるが、剣で受け流し反撃をくらわせる。

 

「……」

 

明らかにレベルの違う戦いをしていることに困惑を隠せないニャル太郎。

 

「キャー!かっこいいー!プラントさーん!キャー!」

 

「優雅ですわ!可憐ですわ!こっち向いてですわ!」

 

こっちは黄色い歓声を出してプラントを応援(?)をしていた。

 

「さて、そろそろ終わりにしますか」

 

プラントは小柄ポンプのついた薔薇を剣に活けた。

 

全身の薔薇が足に集中し、蔦が体を持ち上げる。

 

標準を頭に合わせ、キックを放った。

 

〈ファーストスライド!〉

 

「ファーストスライド!」

 

無機質な声と力強い声が重なる。

 

真っ直ぐな軌道を描き、ドラゴンの頭に蹴りを入れる。

 

頭を貫くと血飛沫が薔薇のように舞い、ドラゴンの命は散った。

 

「ふぅ」と一息つき変身を解く。

 

スーツが花びらのように散り、最初に会った姿に戻った。

 

「大丈夫でしたか?」

 

「か、かっけ〜!」

 

「え!?そ、そんな〜」

 

そんなこと言われると思わなかったのか、プラントは照れていた。

 

「めっちゃかっこよかった!もうニチアサみたいだった!」

 

「もう素敵ですわ!」

 

「あはは、ありがとうございます」

 

「助かった、ありがとう」

 

「いえいえ、困った時はお互い様ですよ」

 

笑顔が眩しいとはこのことを指すのかと三人は思った。

 

「ドラゴンの咆哮が聞こえたので来てみれば、まさか同じ人たちに会えるとは」

 

「?、同じ人?」

 

「あれ、違うんですか?」

 

シノタロスはともかくと東雲とニャル太郎はお互いの顔を見て、プラントに話しかける。

 

「も、もしかして転生してきた、とかです?」

 

「あぁはい、そうですよ」

 

「さらっと大事な情報出してきたな……」

 

ニャル太郎はやれやれと肩をすくめた。

 

「あ、名前聞いてもいいですか?ボクは東雲の幻想屋です」

 

「ニャル太郎だ」

 

「シノタロスと申しますわ!」

 

その名を聞くとプラントは驚いた顔を見せた。

 

「えっと、どうかしました?」

 

「……東雲の幻想屋って、あの東雲の幻想屋さん!?」

 

「え、はい、え、ボクなんかした???」

 

「わかりませんか!?私ですよ私!」と東雲の肩を掴んだ。

 

「わわわ、ま、待って、ええと」

 

「お前、友達いたのか」

 

「いるよ!いるけどこんなイケメン知らない!」

 

「ひどい!ひどいですよ東雲さん!」

 

「ま、待って!ほんとに待って!」

 

東雲は思い出そうとする、こんな印象に残りやすい人を忘れるはずがない。

 

「学校じゃない、会社でもない、飲み会はそもそも誘われない、ええと」

 

だめだ何も思い出せない、と頭を抱えた。

 

「……すみません……思い出せません……」

 

「え、まじかよお前、プラントさん可哀想だろ」

 

「うるさーい!てかボクの知り合いならお前もなんか知ってるだろ!」

 

「お前と知識を共有しても、記憶までは共有してねえよ」

 

「それ先言え!!!」

 

「あの、ほんとに思い出せそうにないですか……?」

 

「あ、はい、ごめんなさい」と深々と頭を下げた。

 

「でもそうか、実際会ったことないですもんね」

 

「え?実際?」

 

「では改めて、私は仮面ライダープラント、またの名を180ポイントと申します」

 

「え」

 

180ポイント、その言葉を聞いて。

 

「えぇえぇええええええ!?!?!」

 

思わず叫んだ、すぐさま土下座した。

 

「この度は大変失礼な態度を取りましたぁー!!!!!!!!」

 

「なんで土下座するんです!?顔あげてください!」

 

「お許しをー!!!」

 

「ちょっと!二人も見てないでなんとかしてくださいよ!」

 

「面白いから放置で」

 

「ええと、東雲さんがやりたそうなら」

 

「え、えぇー……」

 

プラント、もといポイントは困り顔になりながら東雲を土下座を見ていた。

 

・ー・ー・

 

ここから少し離れた場所で、四人の会話をこっそり聞いていたある人物。

 

「データ回収完了、これは面白くなりそうですねぇ」

 

タブレットを閉じて、森の中へと姿を消した。

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