フォロワーファンタジー ー小豆味ー   作:ニャル太郎

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夏だ!水着だ!お披露目回だ!

「アッヅイッッッ!」

 

エアコンもない部屋で、ニャル太郎は暑さのあまり目が覚めた。

 

「何この暑さ、馬鹿じゃねえの?」

 

異世界だからなのか、それでもこっちの世界に体が慣れていないのか、あるいはどっちもなのか。

 

愚痴をこぼしつつ髪を結び、ベッドから起きる。

 

外は明るく、時間にして九時頃。

 

「あいつ起こしに行くか」

 

東雲(ねぼすけ)の部屋に行き扉を開ける。

 

「おら原稿書けー、朝だぞー」

 

中に入るとベッドの上で寝てる東雲の姿があった。

 

「暑いのによく寝てられるな、ほら起きろ蹴るぞ」

 

反応はない、死んだ様に寝ているようだ。

 

「はぁ、仕方ねぇ」

 

アホ毛を掴み、引っ張る。

 

「ゴッ、ガァァァァァ!?!?」

 

引っ張られた衝撃で東雲は飛び起きた。

 

「おはよう」

 

「おはようじゃないよ!?アホ毛引っ張んな!神経詰まってんだよ!?」

 

「詰まってねえよ」

 

「ほんとだもん!アホ毛力学の本に載ってたもん!」

 

「はいはい、ほら下行くぞ」

 

不服そうな顔をこちらに向けながら一階に行く。

 

一階に行くと本を読んで待っていたシノタロスがいた。

 

「あ、お二人ともおはようございますわ〜!」

 

「おはよー」

 

「おはよう、ん?その本……」

 

「少しだけこちらの言語の勉強をしておりました」

 

「シノタロスってこっちの言葉わかるの?」

 

「ここら辺の言葉なら一応わかる程度ですわ」

 

「すごいな……」

 

「さすがシノタロス!怪力ゴリラの暴言暴力女とはちがっ──」

 

脇腹に拳を刺し、黙らせる。

 

「もう少しでこちらの地理もわかる様になりますわ!」

 

「こいつは頼もしい」

 

「えっへん、ですわ!」と胸を張る。

 

「何に事もなかったように話進めないで……」と脇腹を押さえながら立ち上がる。

 

「てかすごいね、こんな短期間でそこまで覚えるなんて」

 

「そんなに難しいことなのでしょうか?」

 

「難しいってどころじゃねえと思うんだけどな」

 

「楽しいことに難しいも何もありませんわ!」

 

「うーん正論」と参った、と顔をする。

 

「これから通訳とか頼んでいいか?」

 

「おまかせを!」

 

「心強すぎるな……」

 

「とりあえず言語問題に関してはなんとかなりそうだね」

 

「まぁそうだな、あとは」

 

どこからともなく誰かの腹がなる音が響き渡る。

 

「とりあえずさ、朝飯食おうぜ!」と食堂に走った。

 

「はぁ、調子狂うぜ」

 

「すみませんですわ……」

 

「……お前のお腹の音だったのかよ?!」

 

「皆さんとご飯食べたくて、三時間ほど前から待っていましたの」

 

「先に食っててよかったんだぞ!?」

 

ニャル太郎はシノタロスを連れて食堂に向かった。

 

・ー・ー・

 

「ごちそうさまでした」「ごちそうさまでしたわ!」「ごちそうさん」

 

「本日も美味しゅうございました」

 

「てか、リチャードは?」

 

食器を片付けながらニャル太郎は食堂を見渡した。

 

「今日は見てませんわね」

 

「そうなの?」

 

「へぇ……」

 

難しそうな顔するニャル太郎を横目に、東雲は食器を片付ける。

 

「まあリチャードさんなら急に出てきくるから問題ないっしょ」

 

「そうですね」

 

東雲の後ろに、リチャードが現れた。

 

「あ、おはようございまーす」

 

「おはようございますわ」

 

「……おはよう」

 

「皆様おはようございます」

 

いつもの笑顔で挨拶をした。

 

「朝からいなかったけど、なんかあったのか?」

 

「えぇ、丁度調整が終わったところでしたので」

 

「調整?」

 

「はい、こちらに用意してありますので」と図書館の方に歩き出す。

 

「お前なんか頼んだのか?」

 

「何にも頼んでないよ?」

 

「ワタクシもですわ」

 

三人は頭の中にはてなをいっぱいにしながら食堂を出た。

 

図書館の方に行くと、カウンター上に先程までなかったアタッシュケースが置かれていた。

 

「おい、それって」

 

見覚えのあるアタッシュケースを前に、ニャル太郎は頭を抱えた。

 

「ワタクシ達、運び屋でもさせられますの?」

 

「おっボクとおんなじ反応してる」

 

「ふふっ、そんなことはしませんよ」

 

リチャードがアタッシュケースを開く。

 

「こちらの“バケックスドライバー”をシノタロス様に受け取ってもらいたいのです」

 

中には金色に塗装され、その中央に狐の横顔の装飾が施されたドライバーが入っていた。

 

その横に木の実を模したコインが四つ置かれていた。

 

「えっ!?ワタクシに!?」

 

「おぉ〜!シノタロスもついにライダーか!」

 

「マジか……」

 

「い、いいんですの!?ワタクシなんかに……」

 

「以前の狩りでご活躍したと聞きましたので」

 

「そ、それほどでも」

 

「そんなことないよ!シノタロスいなかったらボクら丸焼きだったよ!」

 

「そうだな、あの時はいろいろ言っちまったけど、ありがとな」

 

「え、えへへ」と恥ずかしそうに頬をかいた。

 

「では大切に使わせていただきますわ」

 

「はい、こちらにサインを」

 

いつの間にか出された契約書に“シノタロス”と書き込む。

 

書き込んだ直後、青く燃えなくなった。

 

「ほわぁ!?燃えてしまいましたわ!?」

 

「大丈夫ですよ、契約は成立したので」

 

「そうなのですのね……」

 

シノタロスはここ図書館だから燃えたら危ないのでは、と言いそうになったのがやめた。

 

「そういえばこのコイン?はなんでしょうか」

 

「そちらはフォーム変更ができるアイテムでございます」

 

「ふぉーむ?」

 

「実際に見るのがいいでしょう、こちらへ」

 

リチャードは裏口の方へ三人を案内した。

 

外に出ると日差しが刺さる。

 

「あっづ、脱ご」

 

東雲は着ていたパーカーを脱ぎ腰に巻いた。

 

「この暑さでよく今までパーカ──何そのクソダサTシャツ」

 

「え?あれ?!」

 

前に“イエスショタ”後ろに“ノータッチ”と書かれた黒いTシャツを着ていた。

 

「おっかしいな、転生前は無地の黒Tシャツ着てた気がするんだよね」

 

「なんで文字浮き上がってんだよ、それで街の中歩くんじゃねえぞ」

 

「えっ?大丈夫大丈夫!読めもしないのに英語のTシャツ着てるとおんなじだよ」

 

「いや、そういうことじゃなくてだな」

 

「お二人ともー!何してるんですのー!」

 

「おー今行くー!ほら行くよ」

 

「はぁ、まあ街の中以外ならいいか」

 

シノタロスに近づくとすでにドライバーをつけてる状態だった。

 

「ええと、ワタクシのドライバーだと……」

 

「説明書に“赤いコインを狐の口に入れた後に変身と言う、その後口を閉じる”って書いてあるね」

 

狐の顔を動かすと口が開いた、その中に赤いコインを入れた。

 

入れた瞬間、ファンシーなBGMが流れ始めた。

 

深呼吸をし、ポーズを決める。

 

「変身っ!ですわ!」

 

狐の口を閉じると、シノタロスの周りが煙に囲まれた。

 

〈パックーン!バイクフォーム!〉

 

女性の声が響き渡った。

 

ファンシーなBGMからポップなBGMに変わる。

 

煙が消えると、狐がモチーフのバイクがそこにいた。

 

「……えぇぇぇええ?!」

 

「嘘だろ……?」

 

「ななな、何がどうなっていますの!?」

 

バイクからシノタロスの声が聞こえた。

 

「シノタロスがバイクになった!?」

 

「どういうことだこれ!」

 

「以前召喚システムが使えないと言っていたでしょう?」

 

「言ったけど、それはオレらが分裂してるからだったはず」

 

「それで、シノタロス様のドライバーにバイクに変身できる様にしてみました」

 

「してみました、じゃねえが?!」

 

「体に影響はないので大丈夫ですよ」

 

「どこがだ!」とシノタロスの方に目を向ける。

 

「この姿でも動けますわ!しかも速いですわ!」

 

「すげー!バイクになれるなんて最強じゃん!」

 

「これで移動などが楽になりますわ!」

 

「……」

 

思いもよらない展開(テンション)についていけなくなるニャル太郎。

 

「喜んでる様ですね」

 

「……だな」

 

あいつが嬉しそうならいいか、と考えることにした。

 

「他のコインを使えば武器、水上バイク、ライダーに変身できます」

 

「ライダー!?ちょっとなってみてよ!?」

 

「かしこまりましたわ!あ、入れてくださいまし」

 

「おっけおっけー!」

 

狐の口に緑のコインを入れて閉じる。

 

〈パックーン!ライダーフォーム!〉

 

女性の声が響き渡り、ファンシーなBGMが鳴る。

 

煙がシノタロスを包み、数秒後に消える。

 

現れたのはゴツいスーツに狐耳が生えたライダーだった。

 

「おぉー!すげー!ちゃんと尻尾も生えてる!」

 

「お、お触り禁止ですわ!」

 

「えぇ〜……」

 

「お前ら、楽しそうだな」

 

「めっちゃ楽しい!」「とっても楽しいですわ!」

 

「そうかぁ……」

 

ため息をつき、リチャードの方を向いた。

 

「で、ただでくれる訳じゃねえんだろ?」

 

「察しが良くてほんとに助かります」

 

「あぁマジかぁ……」

 

そんな気がしていた、多分逃げられないんだろうなと思ってたけど。

 

「本日はこちらの半魚人を討伐していただきたいのです」

 

紙を取り出し三人に見せてきた。

 

「おまかせを!今のワタクシは一味も二味も違いますわ!」

 

「頼もし〜!」

 

「まあ予定とか決まってなかったし、ちょうどいいか」

 

「それでそいつはどこにいるんですか?」

 

「ここから十キロ離れた海にいます」

 

「十キロ!?徒歩だとキツいね」

 

「だからバイク機能を取り付けたのですね!」

 

「海かぁ、いいねぇ時期だねぇ」

 

「遊びに行くつもりじゃねえんだぞ」

 

「わーってるよ、でも海かぁ」

 

「あぁ、でしたらちょっとお待ちください」

 

リチャードは何かを思い出したかのように館に一度戻った。

 

「にしてもシノタロスがバイクになるとはね」

 

「移動が楽になったのはいいことだけどなァ……」

 

「ご安心を!自動運転もできますわ!」

 

「そういうことじゃねえんだよ……」

 

怪しい物品の実験動物にされてる気がしてならない。

 

「大丈夫だよ!なんかあったらボク全部押し付けてもいいよ!」

 

「言ったな?言ったな!?」

 

「言った、男に二言はないぜ」

 

「取り消すなよ?絶対だぞ?」

 

「わかってるって」

 

「いいのですか?」

 

「大丈夫だよ、どうせこの先危ないことなんてそうそうないだろうし」

 

「お前がそういうなら、まあいいか」

 

もうどうにでもなれと思い、リチャードを待つ。

 

「お待たせしました」

 

「おかえりなさい、ってなんですかその手提げ鞄」

 

「海に行くならばと、準備していたものでございます」

 

持っていた手提げ鞄を東雲に渡す。

 

「なんですこれ?」

 

「水着です」

 

「……あぁー!」

 

「あぁーじゃねえが!?遊びに行くつもりじゃねえんだぞ!?」

 

「夏ですから、楽しむのも大事ですよ」

 

「いやそうだけどな!」

 

「いいじゃんいいじゃん、海だし水着の方が動きやすいよ」

 

「ただシノタロス様だけ準備ができなかったので、代わりといってはあれですが」

 

二本のハイビスカスがついた麦わら帽子を渡してきた。

 

「お気持ちだけでも嬉しいですわ!」

 

大事そうに帽子を抱えた。

 

「そう言ってもらって何よりです」と笑顔で答える。

 

「よーし準備も終わったし、行くか!」

 

「でしたら!」

 

狐の口を開き赤いコインを入れる。

 

〈パックーン!バイクフォーム!〉

 

シノタロスがバイクの姿へと変わった。

 

「さあお乗りください!ルートはもう頭の中に叩き込みましたわ!」

 

「もうこいつ一人でいいんじゃねえかな」

 

「何してるんですの?早く乗ってくださいまし!」

 

「え、ボク免許持ってない」

 

「じゃあオレが乗る、お前後ろ乗れ」

 

「バイクの二人乗りは違反だからなぁ」

 

「早く乗れ!!!置いてくぞ!!!」

 

「えぇ〜」

 

不服な顔をしながら東雲はニャル太郎の後ろに乗る。

 

「んじゃ、行ってくるわ」

 

「いってきまーす」

 

「いってきますわ〜!」

 

「お気をつけて〜」と手を振って三人を見送った。

 

・ー・ー・

 

潮の香り、照りつける太陽。

 

「さてやって参りました、海ー!!!!!!」

 

「いえーい!ですわー!」

 

「……」

 

「おいおいニャル太郎、テンション上げていこうぜ!なんたってここはうイデデデデ!!!!!」

 

ニャル太郎はアホ毛掴んだ、そのまま引っこ抜こうか考えたが流石に可哀想だったので手を離した。

 

「何するの!?ひどい!」

 

「遊びに来たんじゃねんだぞ、さっさと半魚人探して帰るぞ」と海の方へと歩き始める。

 

「ニャル太郎さん海嫌いですの?」

 

「そんなことはないよ、まああの水着じゃねぇ」

 

ニャル太郎が来ている水着はフレアビキニと呼ばれるもので、幼稚な柄物が描かれていた。

 

「今時の子供で着なさそうなデザインだし、恥ずかしいんだろ」

 

「かわいいと思いますのに」

 

「何してんだ、早く行くぞ」

 

「はーい」

 

「今行きますわ!」

 

静かなビーチを三人は歩いた。

 

「てか誰もいねえな」

 

「そりゃあね、半魚人が出るビーチに遊びに来る奴なんていないでしょ」

 

「そもそもこの世界に水着という文化はあるのでしょうか?」

 

シノタロス自身が少し調べたことを話す。

 

「この世界やけに文明レベルが低いんですの、ドライバーという明らかに技術レベルが高いものがあるのにも関わらず」

 

「そういやそうだな」

 

「これだけの技術があればもっと進んでいてもおかしくないはずですのに」

 

「まぁこのドライバー、ボクらみたいな転生者しか使えなさそうだし」

 

「待て、なんでオレ達にしか使えないんだ?」

 

「ほえ?」「えっ?」

 

「こういうものって、むしろ異世界(こっち)の人間が使えるのが道理だろ」

 

「……確かに!」

 

「盲点でしたわ」

 

「この世界、なんかあるな」

 

思考を巡らせようとした時、水辺から何かが飛び出てきた。

 

「──オラァッ!!!」

 

それを跳ね返すようにニャル太郎は蹴った。

 

「人が考え事してる時にちょっかい出すんじゃねえ!」

 

「ボクじゃない!」

 

「ワタクシでもないですわ!」

 

「は?じゃあ誰が」

 

跳ね返したモノに目を向ける。

 

それは硬い鱗に囲まれた人型で、手には立派な鉤爪、顔は魚だった。

 

おそらく、いや確実に、こいつが半魚人と呼ばれるものだと三人は瞬時に理解した。

 

ゆっくりと起き上がり体勢を直そうとした。

 

「させるか!!!」

 

地面を蹴り、そいつとの距離を詰める。

 

そのまま顔面に一発、フラついたところにもう一発ぶち込む。

 

口から体液を垂れ流し、膝をつく。

 

──そこを逃すな、と己に言い聞かせる。

 

ヤツの顔面を蹴り上げ、落とす。

 

「地面と熱いキスでもしてなクソ魚!!!」

 

鈍い音と何か生物が潰れる音が聞こえた。

 

「よし討伐完了、ってどした?」

 

「お、おま、お前こわっ」

 

「半魚人さんがかわいそうですわ……」

 

「敵じゃん、手緩める必要あったか?」

 

「いやそうだけど、お前蹴って殴って蹴り殺すって」

 

「すごく……楽しそうでしたわ……」

 

「?」

 

言っている意味が理解できず頭を掻いた。

 

「まあともかく、依頼終わったし帰ろうぜ」

 

「意外とあっさりですのね」

 

「……ボクは賢いからわかるんだけど」

 

「あぁ?」

 

「こういう場合って、一匹を倒すとさ」

 

さっきの出てきた場所を見る。

 

「何匹か出てくる仕様だったりするんだよねぇ」

 

その言葉通りに、そこにいくつもの影があった。

 

こちらが気付くと、何匹か飛び出てきた。

 

「おほー、こいつぁ大漁大漁」

 

「言ってる場合か、数にして何匹だ?」

 

「わかる範囲でしたら、三〇体」

 

気がつけば囲まれていた。

 

「うーん、一人で十匹で捌けるな!」

 

「まじで言ってんのかお前」

 

「よゆーよゆー!」とベルトを取り出す。

 

「あぁもう!早く帰りたいんだけどな!」

 

「今夜はお魚ですわね!」

 

「食べんなこんなゲテモノ!」

 

三人が腰にドライバーを巻いた。

 

「変身!」「変身ッ!」「変身っ!ですわ!」

 

三人が輝き、ライダーに変わる。

 

「行くぜオラー!」

 

先陣を切って東雲が突撃する。

 

軽い挨拶(パンチ)をかましながら、半魚人たちを薙ぎ倒していく。

 

「おっと!」

 

後ろから殴られたが問題はない、なぜなら頭が外れるからだ。

 

その光景をみた半魚人たちは困惑の表情を見せた。

 

「ふっふーん、知ってか?人間の頭ってボウリングくらいの重さなんだ、ぜッ!」

 

目の前で困惑したままの半魚人に鈍器を振り下ろした。

 

当然トマトのように潰れてしまった。

 

「一回やってみたかったんだよね、これ」

 

まだ周りにいることを確認し、次の獲物へと足を躍らせた。

 

「オラァ!!!死にてえのからかかってこい!!!」

 

振りかぶってきた手を掴み、相手を地面に叩きつける。

 

首を掴み持ち上げ、折る。

 

「さて、あと何人だ?」

 

死体を投げ捨て、数える。

 

「逃げたりすんなよ?今のオレは機嫌が悪いんだ、追いかけるのがだるいからなァ!!!」

 

近くの半魚人に掴みかかり、殴る。

 

突然ノイズが走る。

 

後ろから突っ込んでくる半魚人がいる、それも五体。

 

それで刺されて気絶した。

 

再びノイズが走る。

 

「!」

 

掴んでいた半魚人を盾にする。

 

鋭い鉤爪が盾を貫く。

 

「おいおい、お仲間(お魚)さんが死んじまったじゃねえか」

 

盾を投げ捨て、残りの奴に殴りかかる。

 

「はああっっっ!!!」

 

自身の武器を駆使し敵をぶっ飛ばしっていた。

 

飛ばされたモノはあらぬ方向に首が曲がってたり、頭が潰れてたりしていた。

 

「こんなことでバテるなんて、まだまだですわね」

 

敵の位置を確認し、ハンマーを持ち直す。

 

「こんなことでは、女が廃りますわ!!!」

 

後ろから襲ってきた半魚人に向かってハンマーを振り下ろす。

 

「甘いですわ!魚介類の匂いを落としてから出直しなさい!」

 

すぐさま目の前の敵をロックオンし、畳み掛ける。

 

「どりぁぁぁですわッッッッ!!!」

 

地面を叩き、敵を浮かせる。

 

一瞬の隙を見逃さずに、ハンマーで敵を巻き込む。

 

そのまま地面に叩き潰す。

 

「あ、あとお一人残してましたわ」

 

最後の一人は怯え切った顔をしながら、逃げた。

 

「あ!逃げてしまいましたわ」

 

「任せろー!」

 

レバーを引き、左手を発射する。

 

逃げた半魚人の足を掴んだ。

 

「ニャル太郎!」

 

「任せなァ!」

 

一瞬で距離を詰めそいつの頭めがけて回し蹴りをする。

 

肉が潰れる音が聞こえ、その半魚人の命が消えた。

 

「はぁ、これで全員?」

 

「そうみたいだね」

 

「ごめんさなさいですわ、お二人の手を煩わせてしまいましたわ」

 

「謝ることじゃねえよ」

 

「そんなことないよ!頑張ったよ!」

 

「ほんとですか?」

 

「ほんと!えらいぞ〜!」

 

東雲はシノタロスの頭を撫で回した。

 

「ともかく討伐完了ってことで、帰るか」

 

「そうだなー」

 

変身を解除しようとした時。

 

突然大きな水柱が立ち上がった。

 

「おっ?」「はっ?」「えっ?」

 

体長二十メートル程ある大魚が現れた。

 

こちらを睨むと咆哮をあげた。

 

その咆哮に反応するかのように、さっきの倍以上の数の半魚人が上がってきた。

 

「マジか」

 

「なんか、やばくね?」

 

「な、七十体はいますわ!」

 

「うそぉ!?」

 

「一旦引くぞ!」

 

しかし素早い連携で囲まれてしまった。

 

「うはー囲まれてしまったー!」

 

「さっきのテンションでこの数やるの流石に無理があるぞ!」

 

「どどど、どうしましょ〜!」

 

絶体絶命、と思った直後。

 

敵が爆ぜた。

 

「へえ、たくさんいるじゃあねえか」

 

赤い鎧に金属バットを持ったライダーが呟く。

 

「大丈夫ですかー!?ってあれ転生者では?」

 

上半身は虹色の球体(水玉)のスーツになっており、触手がスカートになっているライダーがこちらに手を振っていた。

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