宮女の探偵コンビ   作:アッシュクフォルダー

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第十一話 謎の転落事件

早朝に、グランドで倒れている、人物が発見された。

 

「これは…?」

 

「どうやら、転落死らしいけど、

ドームの真ん中で、倒れるなんて、

どう考えても不審ね…」

 

「あっ、どうも、糸川です。

階級は警部です」

 

私と六花は、糸川警部と一緒に、

現場を調べていた。

 

「転落死とはいえ、

どこから、倒れたんでしょうか…?」

 

「死体についてですが、

百田良太郎さん」

 

「有名な方なんですか?」

 

「なにせ、キャッツの野球選手で、

ベテランの選手で、ピッチャーだったからな」

 

「それじゃあ、練習中に心臓発作で倒れているわけじゃ…」

 

「当初は、そう考えていましたが…」

 

「どうも、転落死だったみたいです。

高所から落下して、全身を強く打って、

死亡したようなんです」

 

「高所って…どこから落ちたっていうんでしょうか…?」

 

「ですよね」

 

「全身打撲によるショック死…即死でした」

 

「自殺か他殺か、あるいは事故か、不明です。

遺書らしきものはなかったです」

 

六花は考える。

 

「それじゃあ…ピッチャープレートにつまずいて、

転んだ事故とか?」

 

「それは…あんまりな死に方…」

 

「遺体の発見時の服装などは?」

 

「えっと…いわゆる、ランニング用のジャージ姿でした。

グローブやボールは無かった」

 

「じゃあ、この説は却下」

 

(六花、真面目に考えていたの!?)

 

「理論上、一流の単距離ランナーが、

全力疾走して、固い壁にぶつかれば、

即死出来ると聞いています」

 

「その理屈で、野球選手なら、ボールを投げる勢いで、

転べばと…?」

 

「いえ、言いませんけどね。

ただ、犯人はそう見せかけようとした、可能性はあります」

 

「えっ?」

 

「まだわからないけど、

何らかの人の意図が絡んでいるように思うの」

 

 

「事故だった場合でも、故意が絡むことなんて、

あるんですか?」

 

「ありますよ。

どんな事故も、誰かが何かをした結果、

起こるものですからね」

 

「そういえば、この球場は使われていないのですか?」

 

「現在は、営業停止中です。

試合の予定は、全てキャンセルされています」

 

「一日でも早く、この球場を使用可能にするために、

仁奈さんと六花さんに依頼がいったのもあるかと…

いつまでも、マスコミに面白がられる訳にも、

いきませんからね」

 

「マスコミが、面白がっているんですか?」

 

「マスコミというよりは、ファンですね。

ピッチャーがマウンド上で死ぬ。

ちょっとした、お祭り騒ぎですよ」

 

「ゴール!」

 

「どうしたの?六花?」

 

「お祭り騒ぎに水を差すのは、気が引けますが、

これが、私たちの仕事ですからね」

 

「糸川警部」

 

「はい」

 

 

「日差しを遮るものが無いので、

ベンチで続きを話してもいいですか?」

 

 

こうして、三人はベンチに座った。

 

(遮るものが無い、空から転落したと推測出来るのか?

飛行機から落ちたって説も出ている位だ。冗談半分だが)

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