宮女の探偵コンビ   作:アッシュクフォルダー

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第十二話 不審な死の謎

六花が口を開く。

 

「お祭り騒ぎに水を差すのは気が引けます。

これが私…いや、私たちの仕事ですから」

 

「えぇ、そうですね、六花」

 

「糸川警部」

 

「はい」

 

「どこか、他の場所で飛び降りた、

百田さんを誰かが運んできた。

と、見るべきでしょうか?」

 

「えぇ、でも、それはないんですよ。

死体を移動させたら、必ず痕跡が残りますから、

死斑や死後硬直の具合で、

今ではかなり正確になっているんです」

 

「今は…か」

 

「?」

 

「百田さんの今はどうだったんですか?」

 

「はい、ベテランと言えば、

聞こえはいいですが、体の故障も多かったようで、

勇退を勧められた時は、非常に嫌がっていた素振りを、

見せていたようで、(死ぬときはマウントで)

という、一点張りですからね」

 

「死ぬときはマウントで死にたい…」

 

「インタビューの発言ですから、

脚色されている可能性もありますし、

自殺…と疑われる、もっともの要因になっています」

 

「ふむ、自殺説、意外と濃厚ですか?」

 

「成績が伸び悩んでいたのは事実ですが、

遺書はありませんし、あくまで世間がというか、

マスコミがというか、自殺じゃないのに、

そう思われたら、嫌でしょうに。

いくら、名誉の死と語られても…」

 

「名誉の死…か」

 

「え?それって、どういう?」

 

「仁奈!キャッチボールしたい!

気分転換に!」

 

「も~う…六花ったら…」

 

「あのね、仁奈、私、始球式の経験があるの!」

 

「んな訳あるか!」

 

と、仁奈は六花に、ボールを投げつけた。

六花はキャッチした後、投げ返す。

 

「ようやく、私を振り回す、六花に…

って、六花?」

 

六花が倒れていた!

 

「大丈夫?」

 

「こんなところで、私が死なれたら、

ファンが泣くし、幻想でしかない」

 

「何が言いたいの?」

 

「マウンドの上で死にたい。

という、彼の発言を真に受けた、熱烈なファンが、

彼の望みを叶えてあげた線。

つまり、殺人というケース」

 

熱烈なファン。確かに想定するべき容疑者だ。

 

熱烈どころか、熱狂的なファンが、

成績を落としていた、百田良太郎を見るに堪えず。

 

「ただ、そんな人間が、そばにいたら、

何となく、思い浮かびますが…」

 

「六花、何かわかる?って、六花!?」

 

六花は網をよじ登っていた!

 

「危ない!降りて!」

 

「私はボルダリングが得意です!

忘れちゃったけど!」

 

ボールを取った直後、六花は落ちた!

 

それを仁奈が六花をキャッチした。

 

しかし、六花は気絶してしまい、

記憶がリセットされてしまう!

 

「六花!」

 

「おはようございます」

 

「大丈夫…って、言ってられないか、

記憶がリセットされたし」

 

「はい、意識はクリアされています」

 

「…意識があって良かった…

ということは、やっぱり…」

 

「貴女は誰ですか?」

 

「白井仁奈。後で詳細を教えます」

 

「ねぇ、もしかして、私、始球式に呼ばれたんですか?」

 

「違う」

 

仁奈は六花に、事件の経緯を伝えるが…

 

「何を言っているのですか?

バックネットによじ登った訳ないでしょう?

適当なことを言わないでください。

そして、この人は?」

 

「糸川警部です」

 

「後、六花、前も後ろも、土まみれよ」

 

「あっ、失礼」

 

事件は、まだまだ続く。

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