宮女の探偵コンビ   作:アッシュクフォルダー

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第十五話 空から降って来た女の子

一つの事件が起きて、

空から女の子が降って来た。

 

フィクションの内容では、良くある話だが、

実際起きると、悲惨なものだった。

 

落下したのは、中学二年生の女の子だった。

私の上に落ちて、キャッチしたこともあって、

死なずには済んだものの、意識不明で生死の境を彷徨っている。

 

落ちてきた、女子中学生に女子高生がトドメを刺した。

という、根も葉もないことが広がり、

私自身は極悪人として扱われている。

 

無いとは思うが、報道を警察が鵜呑みにしたら、

いつでも探偵を読んだ方が良いかもしれない。

 

そう言えば、六花はテスト明けに、

長期的な睡眠を取っている。

 

もう、三日三晩も寝ている状態だ。

 

後日、午前11時。

 

「初めまして。探偵の浅野六花です」

 

「白井仁奈です」

 

「早速ですが、お仕事の内容を、

白井仁奈さんでしたっけ?」

 

「えぇ」

 

(本当は何度も会っている、相棒ですけどね)

 

「今回の依頼人は、少年ジャックの編集長の、

近藤さんです。その雑誌で連載している作家さんの、

クリスティーナ郷田さんに問題が発生した」

 

仁奈は医師とも会話をしていた。

 

「白井さん。貴女を直撃した、女子中学生は自殺を試みたのですね」

 

「えぇ、遺書が残されていました。肉筆の」

 

「その遺書こそが、郷田先生の悩みの種なんだ。

彼女は遺書の中で、ファンであることを言及している。

郷田先生の作品に影響を受けて、

その他の世間一般にも影響を受けて、自殺すると、

ハッキリ書かれていたんですよ。

遺書の事は、僕をバッシングする報道のおかげと言ってもいいのか、

表ざたになっていなんです。

だが、作者には伝わってしまった」

 

自分の作品が、他人の命を奪ってしまう。

 

「連載休止になってしまう可能性だってあり得ます」

 

「事実ならば。と、近藤さんは言っていたんですか?」

 

「は、はい、そう言っていました」

 

仁奈は思った。事実は事実だけど、

なんだか、しっくり来ません…

逆に言えば、しっくり来すぎる。出来過ぎている。

 

「作為的な気配を感じます。

その違和感の正体を掴んで欲しいです。六花」

 

「仁奈さん。それなら、おおよその察しはついていますよ?」

 

「そうなのですか?」

 

「予習しているうちに分かりました。

この事件には強い違和感があります。

さすがは、。プロの編集者は感性が豊かですね」

 

「その、違和感とは…?」

 

「午前と午後とで、同じ推理を二度も開示する羽目になるので、

どうか、午後にまとめさせてください。

違和感の正体を突き止めただけでは、探偵の仕事にはなりません。

そろそろ、動くとしましょうか」

 

「でも、近藤さんとの待ち合わせは、午後1時よ?」

 

「その時に現場検証です。

仁奈さんは、幸運にも、じゃなかった。

不運にも、ぶつかった場所。

つまり、宮益坂女子学園の中等部の二年生、三井愛美ちゃんが、

身投げした、ビルです」

 

私と同じ名探偵であることに変わりは無いわね。

 

と、仁奈は思った。

 

「でも、六花。現場に立ち寄ると、お腹が空きますわよ?」

 

「あら、それらな、昼食を抜けばいいだけの話ですから」

 

「…」

 

大丈夫だろうか?と、仁奈は思い込んでいた。

 

 

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