一つの事件が起きて、
空から女の子が降って来た。
フィクションの内容では、良くある話だが、
実際起きると、悲惨なものだった。
落下したのは、中学二年生の女の子だった。
私の上に落ちて、キャッチしたこともあって、
死なずには済んだものの、意識不明で生死の境を彷徨っている。
落ちてきた、女子中学生に女子高生がトドメを刺した。
という、根も葉もないことが広がり、
私自身は極悪人として扱われている。
無いとは思うが、報道を警察が鵜呑みにしたら、
いつでも探偵を読んだ方が良いかもしれない。
そう言えば、六花はテスト明けに、
長期的な睡眠を取っている。
もう、三日三晩も寝ている状態だ。
後日、午前11時。
「初めまして。探偵の浅野六花です」
「白井仁奈です」
「早速ですが、お仕事の内容を、
白井仁奈さんでしたっけ?」
「えぇ」
(本当は何度も会っている、相棒ですけどね)
「今回の依頼人は、少年ジャックの編集長の、
近藤さんです。その雑誌で連載している作家さんの、
クリスティーナ郷田さんに問題が発生した」
仁奈は医師とも会話をしていた。
「白井さん。貴女を直撃した、女子中学生は自殺を試みたのですね」
「えぇ、遺書が残されていました。肉筆の」
「その遺書こそが、郷田先生の悩みの種なんだ。
彼女は遺書の中で、ファンであることを言及している。
郷田先生の作品に影響を受けて、
その他の世間一般にも影響を受けて、自殺すると、
ハッキリ書かれていたんですよ。
遺書の事は、僕をバッシングする報道のおかげと言ってもいいのか、
表ざたになっていなんです。
だが、作者には伝わってしまった」
自分の作品が、他人の命を奪ってしまう。
「連載休止になってしまう可能性だってあり得ます」
「事実ならば。と、近藤さんは言っていたんですか?」
「は、はい、そう言っていました」
仁奈は思った。事実は事実だけど、
なんだか、しっくり来ません…
逆に言えば、しっくり来すぎる。出来過ぎている。
「作為的な気配を感じます。
その違和感の正体を掴んで欲しいです。六花」
「仁奈さん。それなら、おおよその察しはついていますよ?」
「そうなのですか?」
「予習しているうちに分かりました。
この事件には強い違和感があります。
さすがは、。プロの編集者は感性が豊かですね」
「その、違和感とは…?」
「午前と午後とで、同じ推理を二度も開示する羽目になるので、
どうか、午後にまとめさせてください。
違和感の正体を突き止めただけでは、探偵の仕事にはなりません。
そろそろ、動くとしましょうか」
「でも、近藤さんとの待ち合わせは、午後1時よ?」
「その時に現場検証です。
仁奈さんは、幸運にも、じゃなかった。
不運にも、ぶつかった場所。
つまり、宮益坂女子学園の中等部の二年生、三井愛美ちゃんが、
身投げした、ビルです」
私と同じ名探偵であることに変わりは無いわね。
と、仁奈は思った。
「でも、六花。現場に立ち寄ると、お腹が空きますわよ?」
「あら、それらな、昼食を抜けばいいだけの話ですから」
「…」
大丈夫だろうか?と、仁奈は思い込んでいた。