宮女の探偵コンビ   作:アッシュクフォルダー

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第十六話 女子中学生の身投げ

私は六花に道案内をした。

 

「それでは、道案内をお願いします」

 

「はい」

 

「道案内と言えば、遺書に書かれていた、

郷田先生の作品のタイトルでもありますね?」

 

「そうなのですね」

 

「チチェローネ。イタリア語で案内役という意味です。

作中では死神という、ニュアンスがあります」

 

「どんな話ですか?」

 

「午後にお話しします。

誰しも皆、一度は子どもだった時代があるはずです」

 

「どういう意味かしら?」

 

「純粋と言えば、聞こえはいいですが、

愚かで思考の足りない子ども時代は、皆、一度は経験している。

だから、悪いのは規制しないといけないって、

つい思ってしまうのかも知れませんね」

 

「身も蓋も無いですね」

 

「親としては、子どもに自分と同じ失敗をして欲しくないと、

思ってしまうのかも。

その気持ちを頭ごなしに否定するのは、大きな間違いです」

 

その後、私と六花は現場に到着した。

 

「ここが、現場ですね」

 

「私が歩いていたら、女子中学生がビルから転落しました。

それを私が、キャッチしました」

 

「それでは、屋上に行きましょう」

 

「わかりました」

 

屋上についた途端、六花が手すりから、乗り出そうとしていた!

 

「危ないですよ!六花!」

 

「ものは試しですよ?」

 

「何か新しく判明したんですか?」

 

屋上の安全な場所へ、六花が戻った。

 

「今のところ、発見と言えるのは、ありませんが、

一つ、ハッキリしたことは、

三井愛美ちゃんが、本当に死ぬつもりは無かったことです。

ここに立っていたら、わかりました。

7階建てのビルって、結構高いんですよ?

まず、助かりません。狂言自殺の線はまずなかろう…

これは、結構、重要かもしれません」

 

「最初から、誰かをクッションにするつもりがあったと?

助かる前提で、行った、自傷行為」

 

「無いでしょうね。助からない公算が大きいですよ?

実際、三井ちゃんも危篤状態ですから。

中学二年生の三井ちゃんが、そこまで思考が及ばなかった、

可能性があります。人をクッションにすれば、助かると思って、

クッションになった方が、どうなるか、一切想像せず、

遊びの気分で飛んでいたかもしれませんね」

 

「そうですね」

 

「でも、隣のビルなら、助かるかもしれません。

だから…」

 

「ちょっと、六花!?」

 

「じゃあ、いい時間ですし、参りましょうか」

 

「えっ?どういうことなんです?」

 

六花が飛び降りようとしたが、仁奈が辛うじて止めるのだった。

 

「危ないですよ!死ぬところだったじゃないですか?」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「全く…」

 

事件の解決まで、まだまだ続く。

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