これは、自殺の為の自殺だ。
愛する死の為の死だ。
死ぬことで人は完成する。天使になる。
どうか悲しまないで、私の死を祝ってください。
この死を天使に捧ぐ、神に捧ぐ。
「遺書は写真や複製や偽装は一切許されません。
私の記憶ですが」
「引用から応用したものですね」
「これだと、例の女子中学生が、
どんな人柄か読み解くことが出来ませんね…
個性が感じられません」
「そんなことはどうでもいいです。
彼女は死んで天使になろうとしていました。
探偵さんたちが言っている事は非常に立派です。
クリエイターとしても、そうあるべきだと感じます。
だけど、俺はそうじゃない…」
と、郷田先生は自身を責めていた。
そして、彼は話をつづけた。
「絵がたまたま上手だったから、漫画家を目指した。
それだけの話だ。下手だったら、小説家になっていた」
「大丈夫です。人柄はそんなに影響を与えませんので、
作品が面白ければいいので」
「はぁ…」
「ま、郷田先生が引退なさるかは、そちらで話し合ってくださいね」
「はい」
「近藤さんは、白井探偵事務所に、ご依頼を頂いた。
遺書の内容の正体ですが…結論から言うと、
遺言少女です」
「えっ?」
「へっ?」
「遺言少女が飛び降りた動機に、この作品は無関係です」
「根拠はどこに!?」
「確実な真実なら一つあります。
心にとどめたまま聞いてくださいね。
その作品を読んだのですが、大して面白くなかったので、
読者を自殺に追い込む影響はありません」
「はっ?」
「はぇっ!?」
その後、白井仁奈と浅野六花は、追い出された。
「全く、六花!」
「ごめんなさい…怒られるとは…」
「当然です!」
「物語の評価は、一応は、人それぞれのはず」
「だから、調査続行と…作家は大変な仕事ですから、
今回の事件は屈強と同時に、
楽になるチャンスだったかもしれません」
「あれだけ、煽りましたから、
私に対する怒りが、モチベーションになるでしょう」
「…」
「だから、あえて強い言葉を選びました」
「…」
「いやぁ、続きも何も、明日になれば、
私に記憶がリセットされますから」
「確か、遺言少女の通っている学校は、
私と六花の女子校の中等部でしたね」
「そうなのですか?」
「はい」
私と六花は、宮益坂女子学園の中等部の中へ。
「私たちは高等部の一年生ですからね」
「そうでしたか」
私と六花の得た情報は、
成績は学年首位でしたが、人間関係でトラブルが多く、
図書室にいつも一人でいたという、証言がありました。
クラスメイトの中には、名前すら覚えていない生徒もいました。
三井愛美 宮益坂女子学園の中等部の二年生。
自殺の動機は、クラスの皆は口を揃えて、
気持ちはわかると言っていました。
本当に(それな!)という感じだったらしい。