宮女の探偵コンビ   作:アッシュクフォルダー

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第十九話 一日の記憶と女子中学生

浅野六花の体質は、人と違う。ハッキリ言って。

 

「私も記憶が一日でリセットされるので、

仁奈の顔も名前も忘れているでしょう」

 

「えぇ。でも、貴女は頼りになるパートナーよ。

記憶じゃ、語る事が出来ない位には」

 

「一日、死んでいるようなものです」

 

「何度も生まれ変わっているようで、ラッキーですからね!

仁奈と何度もキスしても、ファーストキスですから」

 

「ちょっと!六花!からかわないでちょうだい!」

 

「でも、仁奈といて、私はいつも新鮮です」

 

「そうですか。遺言少女の件ですが、

中等部でのトラブルがあって、死のうとした可能性が高いですね…

クラスでも浮ていたようですし。なるほどね…

真の理由を隠すために、マンガを巻き添えにしたと…

そうなると、郷田先生がとばっちりです」

 

「動機以前に、彼女の性格を知る人は、家族の中ですらいません。

語られる程の彼女の人格を知らないでしょう。

ただ、図書委員の人からの証言によると、

興味深い情報を持っていました」

 

「図書委員なら、何か知っているかもしれないわね」

 

「それって、結局、本の影響ですよね?

そして、本の貸し出しにも法則性があった」

 

六花が言うには、新しい小説と古い小説。

 

私小説にはファンタジーを、

SFとビジネス書を、

ライトノベルと一緒に純文学を、

そして、どう考えても、返却日ギリギリまで読むのに、

時間がかかりそうな程の量を借りていた。

 

「それって、つまり、フェイクをかけていた…?」

 

「レズの本と百合の本を、一緒に借りるとか?」

 

「なんか、違うようで、そうじゃないようで…」

 

仁奈は思った。遺言少女の本性が何だったのかと…

 

家を訪ねたが、入院しているので、

武神大学付属病院へと向かった。

 

看護師曰く、こう語る。

 

「入院当初から、家族が一度もお見舞いに来ていません」

 

「えっ?」

 

「とにかく行きましょう」

 

「えぇ」

 

三井愛美ちゃんの家庭環境も問題があるようだと、

私は感じた。

 

仁奈は思い出す。自身が探偵になったのは、

祖父と父の影響だと。

 

曾祖父の代からの探偵一家、白井家。

曾祖父、祖父、父も、

怪盗キッドと何度も対決していた。

 

それも、初代・怪盗キッドとである。

 

そして、曽孫で孫で娘の仁奈は、二代目・怪盗キッドを、

六花と一緒に、この手で捕まえる事である。

 

それが、白井仁奈の生きている使命である。

 

話を戻すと、三井愛美ちゃんの顔が、

一瞬見えた気がする…

 

その影も見えるようになった、どうしてだろうか?

 

実際にはまだ、その影さえ、見えていないはずなのに…

 

私と六花は、入院部屋のドアの前まで来ているのだった。

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