宮女の探偵コンビ   作:アッシュクフォルダー

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第二十話 現場検証と事件の真相

病院の後、帰り際に…六花が言いだす。

 

「気になったことがあるんです」

 

「何か気になっているんですか?」

 

「どうして、愛美ちゃんが、飛び降りたのか…」

 

「その理由を、私と六花が調べていますよね」

 

「じゃなくて、どうして、このビルを選んだのか?

です」

 

「確かにあるのビルは他のビルより、高かった。

違う地域に行けば、もっと高いビルだってあったはず。

中等部も天井が高く、飛び降りて死のうとしたら、

十分な高さです」

 

「愛美ちゃんが、あのビルから飛び降りようと考えるなら、

自殺した理由と、ニアリーイコールである、可能性もあります。

だから、立ち返ろうと思います」

 

「はい」

 

「実は愛美ちゃんの部屋に軽く不法侵入しました!」

 

「六花!やめなさい!何をやっているのですか!」

 

と、仁奈に怒鳴られた。

 

「愛美ちゃんの部屋には、本棚が置いていませんでした。

どうも本は、捨てるようです。

参りましたね…これで、本当にやることがなくなりました…」

 

「困りましたね…」

 

何かあったはず…!あっ!あれは!

 

「誰かに突き落とされた、可能性は?

つまり、自殺では無く、殺人事件という可能性!」

 

「は?仁奈は探偵ですよね?推理作家でも目指したらどうですか?

その辺りは、他の誰かがやってくれますよ?」

 

(警察がやってくれるとは限りませんが…)

 

「気になったことがあります」

 

「なんですか?」

 

「六花の右の太ももに、何書かれていました」

 

「どうして、教えなかったんですか?」

 

「その見えますから…」

 

「女の子同士だから、大丈夫ですよ?ほら~!」

 

と、六花はスカートを自分でめくった。

 

「今日のショーツはピンクです」

 

「あっ!六花!はしたないですよ!

屋上だから、誰もいないですけど…

消しておきますね…」

 

(自殺じゃないとしたら?)

 

と、六花の右足の太ももには、そう書かれていた。

 

「く、くすぐったいです!」

 

「我慢しなさい」

 

と、仁奈は誰かが書いた落書きをシートで拭くのだった。

 

「誰が書いたのでしょうか?私は違います」

 

「私じゃないですよ?じゃあ、誰が…」

 

 

その後、ジャックの編集長の元へ…

 

「それで、自殺の動機がわかったんですか?」

 

「編集長さん。こんな風に考えたことはありませんか?

愛美ちゃんの飛び降りが、もし、自殺じゃなかったとしたら…?」

 

「浅野さんは、殺人事件だと思ってるのですか?」

 

「はい。私の考えていた通りです!」

 

「…」

 

「さすがは、一日で解決する、名探偵コンビ…」

 

「しかし、警察は、ちゃんと捜査していたんですか?

それとも、警察たちを欺くような、

狡猾な犯人が?」

 

「女子中学生を殺そうとしたのは…

正しくは、彼女を殺そうとしたのは、誰ですか?

と、問うべきですね。だって彼女が犯人ですから」

 

「それって、私を殺そうとして?」

 

仁奈は混乱していた。

 

「いえ、狙われたのは、仁奈じゃないです。

人違いです」

 

「じゃあ、誰を?」

 

「昔、同じ小学校だった、イジメの主犯格を殺そうとしたのです」

 

と、六花が写真を提示する。

 

「見た感じ、髪型は違いますが、

そっくりですね」

 

「彼女を殺そうとして、仁奈と、イジメっ子を間違えて、

殺そうとした」

 

「そういう事だったのか…」

 

「それと、勝手な分析も出来ますけどね」

 

「お願いします」

 

ある少女は、ある人物に殺意を持っていました。

 

それはもう、強い殺意です。

 

少女は、その人物の行動を、カメラやストーカー同然のように、

つけまといました。誰にも気が付かず。

 

少女は、イジメの主犯格を殺そうとした。

子どもらしい動機で。

 

「殺そうとしているなんて、思われたら、

自身が加害者になってしまう。だから、自殺にみかけての殺人だった。

真の動機を探られたくない為、こうした。

偽りの遺書を書いた、と」

 

「あの作家さんと、とばっちりでしたね」

 

「そうみたいだな。

それじゃ、郷田先生に会った時に、

事件の真相を伝えておきます」

 

「ありがとうございます」

 

六花は疲れたのか、ぐっすりと寝てしまった。

それも、仁奈の膝に…

 

「全く、六花ったら…!」

 

仁奈は少しムッとした。

 

こうして、一つの事件は解決した。

 

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