白井仁奈は目撃証言を集めることにした。
「能面を被った、変な奴が、
花ちゃんを襲ったって、どういうこと!?」
「私たちが見た時、倒れた花さんの傍に、
立っていて…その後、すぐに逃げたんです」
「幽霊じゃない!?」
「後、このような文章がありました」
(お前たちの中に犯人がいる!
罪人には罰を!)
「じゃあ、この中に犯人がいるの!?」
「これは、マズイ状況ですね…
スマートフォンも通じない、
通行止めが解除されるまで、この道は通れない」
「それじゃあ、能面旅館に閉じ込められたの!?」
「調査の必要があるみたいですね。
女将さん、泊っている人の従業員の人、
全員を教えてもらいたいです」
「どうして?」
「そ、それは…」
「まぁ、いいですよ。
お客様は、仁奈さんと六花さん、
それとモデルの女の子の4人だけです。
従業員は私と竹蔵、
そして、仲居と板前が一人ずついます」
「わかったかもしれない」
「六花、わかったのですか?」
「この事件の犯人が!
仁奈、手伝ってもらえませんか?」
「えぇ」
ある部屋の一室。
404号室、仁奈は能面を被った犯人が来ることを、
予め予想して、その部屋で寝たふりをした。
そして、能面を被った犯人に蹴りを入れた。
「待ちくたびれましたよ、犯人さん」
「仁奈!」
「犯人は、女将さんだったんですね」
「どうして、貴女達が?」
「ここは、開かずの間の402号室。
わたし達が女将さんの計画に気づいたのは、
この部屋の存在です。
本来なら、存在しないはずの、この部屋、
しかし、女将さんは、一切、言っていなかったんです!」
「それが、どうした!?」
「この部屋は、マスターキーしか、開けることができない
でも、女将さんに案内されて、
花さんは一切気づかなかったんです。
この部屋で、マスターキーを使い、
花さんを襲ったんです」
「で、でも!能面を被った怪しい人を見たけた時、
貴女達と一緒だったわ!」
「能面は人形だったんじゃないですか?」
女将さんは、後すざりをし、大きく息を吐いた。
そして、六花を睨みつけて、こう言い放った。
「能舞台の天井には、釣り鏡を吊るす為の、
滑車が付いているんです。
滑車から、隣の小部屋まで釣り糸を通して、
もう一方は鏡の間に固定した釣り竿のリールに繋げておく。
そこに、能面と服を着させた人形を釣り糸でぶら下げておく」
「調べたところ、この小部屋は、
歯車が付いていた。
釣り糸が巻き取られて、リールの釣り糸は、
歯車の動きに合わせて、少しずつ繰り出されて、
能面の人形はロープウェイのように、移動する!」
「あぁ、そうよ…私がやったのよ…復讐のために!」
「復讐…!?」
「モデルたちが醜いうえに、気に入らなかっただけよ!
だから、全員、殺したかった!
でも、一人も殺せれなかった!」
「逆恨みじゃん…」
「でも、罪を憎んで人を憎まずです」
こうして、悪夢の能面襲撃事件は、幕を下ろすのだった。