11月に入り、放課後、宮益坂女子学園の正門に、
日野森雫の幼馴染の倉谷桃子が立っていた。
「あっ!桃子ちゃん!」
「雫さん」
「この人は?」
「朝比奈さんは、初めましてだよね?
私の幼馴染の倉谷桃子ちゃんよ」
「初めまして、神山高校の全日制の二年。
倉谷桃子です」
「宮益坂女子学園の高等部。二年、朝比奈まふゆです。
日野森さんがお世話になっています」
と、桃子とまふゆが挨拶を交わした。
「朝比奈さんも桃子ちゃんも、お勉強がとっても出来て、
真面目でみんなに頼られているの!優等生の鏡だわ!」
と、雫が言いだす。
「ありがとう。日野森さん」
「改めて、雫さんに言われると、照れますね…」
「桃子ちゃん、大丈夫かしら?寒くないかしら?」
と、雫が桃子にギュッと抱き着く。
「あっ、雫さん!いきなり、抱き着かれたら…!」
「だって、桃子ちゃんが寒がっていたら、
私まで寒がるわ」
「気持ちは嬉しいけど…あっ、雫、これって雫の刺しゅう入りのマフラー?」
と、桃子が雫がマフラーを編んだと感じていた。
「そうなの。私が編んだのよ。あっ、今度、桃子ちゃんの為に、
マフラーと手袋を編みたいわ」
「私は大丈夫だけど…」
「ううん!私、桃子ちゃんの為に、編みたいわ!マフラーと手袋を!
ダメ…かしら?」
と、雫の純粋無垢な瞳を桃子に向ける。
「わかりました。それでは、楽しみにしていますね」
「ありがとう!桃子ちゃん!大好きだわ!」
と、雫が再び桃子に抱き着いた。
「ちょっと、苦しいですよ…」
「日野森さんと倉谷さんは、本当に仲良しですね」
「えぇ、とっても、仲が良いのよ。
あっ、桃子ちゃん。手袋とマフラーはクリスマスに完成させるから、
楽しみにしていてね」
「わかりました」
と、桃子が了承した。
「あっ、みんなでマフラーと手袋の生地や糸を買いに行くのはどうかしら?」
「私も行くの?」
と、まふゆが言いだす。
「もしよかったら、一緒に行けれないかしら?」
「もちろん、行けれるよ」
「じゃあ、倉谷さんと朝比奈さんと、私とで行きましょう!」
こうして、来週の日曜日に、三人で買い物をすることになった。
日曜日、買い物の当日…だが。
「朝比奈さんと私だけ…雫がいませんね…」
「日野森さん、道に迷わず、ちゃんと来れるか心配だね…」
「探しに行ってくるから、朝比奈さんは、
この場で待ってて!」
「わかった」
桃子は雫が居そうな場所を特定して、
雫を探し出すことに成功するのだった。
「ごめんなさい…道に迷って迷子にになっちゃって…
そうしたら、桃子ちゃんが探してくれて…」
「それは、よかったね。じゃあ、行こっか」
「えぇ、行きましょう」
と、三人は糸と生地を買いにショッピングに向かった。