倉谷桃子は神山高校の全日制の二年生、
白石杏は神山高校の全日制の一年生。
学校内でも風紀委員としても、先輩と後輩に当たる。
今日も二人は校内の見まわりをしていた。
「最近、他校の生徒が、また出入りしていると、
一年生の間で噂になっていますが、
白石さんは、何かご存じですか?」
「わ、私はわかりませんね…倉谷先輩…」
(ひょっとして、こはねのこと?
だとしても、こはねがそこまで出入りしている訳じゃないし…
別の誰か…?でも、誰なんだろう…)
「困りましたね。以前、他校の生徒を捕まえる為、
一年生の生徒に捕獲をお願いしたのですが、
取り逃がしてしまいました…」
「あーあの時ですね…あの時は、みんな、大騒ぎでしたね…」
「特に校舎内に侵入して、奇声をする方がいて…
司さんや類さんは、その方と知り合いっぽい感じでしたし…」
「先輩たちと知り合いだったんですね…」
(どんな子なんだろう…全然、見当が付かない…
こはねなら、わかるかもしれないけど…)
「制服を見る限り、撫子と同じ学校に通っていそうですね…
非情に似ています」
「倉谷先輩の妹って、確か宮女の子でしたよね?」
「恐らく、侵入した他校生は、宮女の方ですね…
目撃証言も多数ありましたし…」
後日。図書室にやって来た、倉谷桃子は草薙寧々と出会った。
「多分、それは…えっとその…えむのことだと思います。
鳳えむっていう子です」
寧々は桃子に対して、えむの写真を見せた。
「私は会った事は無いですが、小岩井さんや草薙さんは、
その…えむさんという方と仲良しと…?」
「はい。ただ、えむも悪気があって、
来ている訳じゃないので…」
「わかりました。
ただ、むやみやたら、侵入してはいけない事だけは、
伝えておいてください」
「はい…わかりました」
「ところで、えむさんとはどういう関係なんですか?」
「一緒にショーをする仲間なんです。
フェニックスワンダーランドで、えむや司、類と一緒にやっているんです」
「ショーをする仲間でしたか…
その…よっぽど、草薙さんに会いたかったと…?」
「そうみたいですね…えむも、私のことが好きで」
「フフッ、その、えむさんって方は、
私の幼馴染に似て、ピュアな部分がありそうですね」
「えっ?」
「えむさんの写真を見ると、雫を思い出しました。
きっと、えむさんも、友達を大切にしたり、
仲間を思いやる気持ちや心がある方だと、
何気に感じました」
「えむは、いつもは…そ、その…大切ですから…
いつも、いつも、私のことを大切にしてくれているので…」
「そうでしたか…ただ、侵入だけは止めて欲しいって、
言ってくださいね」
「わかりました」
風紀委員の仕事は、とにかく大変である。