とある休日、某ショップ前。
ひょんなことから、雫の動画撮影を
手伝うことになった、倉谷桃子は、
桃井愛莉と顔合わせをするため、
待ち合わせ場所まで来ていた。
いつもより、はりきった格好で雫と合流し、一緒に歩き出す。
「場所カラオケだっけ」
「ええ、すぐこの近くよ。
愛莉ちゃんはもう来てると思うから」
「うん」
「ごめんね、ファミレスとかだと目立っちゃって」
「それは大丈夫。でも…雫ちゃんの友達とは言え、
大丈夫かな…?」
「ふふ、気持ちは分かるけど、大丈夫よ!
桃子ちゃんも、きっとすぐに仲良くなれると思うわ」
「だといいけどね」
少し表情を曇らせる桃子と、張り切る雫。
数分歩いて目的のカラオケに着く。
受付に軽く声をかけて、
桃井愛莉が、待っているらしい部屋へと
エレベーターで向かった。
「307号室みたい」
エレベーターを降りて奥の方、
聞いていた部屋の扉を雫が開ける。
広めのカラオケルームへ、
桃子が足を踏み入れるとすぐ、
愛莉が立ち上がって二人を出迎えた。
「愛莉ちゃん!お待たせ!」
「待ってたわよ!この子が、雫の幼馴染?」
「そうなの!」
「倉谷桃子です、よろしくお願いします」
「もう、そんなに、かしこまらなくても、いいのに…」
「あっ、ごめん、つい、初対面の人には、
やってしまうんだ…コレって…」
「フフフ、桃子ちゃんらしいわ」
「それで、隣の子は?」
「桐谷遥です」
「雫ちゃんから、聞いているよ、
うちの妹と、同じ学年だよね?」
「えっと…雫から、聞いているけど、
妹の撫子ちゃん?」
「うんっ!ひょっとして、遥ちゃん、
会ったことあるかなって!」
「うーん、会ったことないな…
第一、アイドル活動していて、
学校に滅多に、出席しないから…」
「まぁ…撫子も、時々学校サボるから、
その時は、姉である、私が優しく勉強教えますけど!」
「ウフフ、いいお姉さんでしょう?桃子ちゃん!」
「う、うん…なんか桃子さん、過保護すぎない?」
「よく言われます、でもこれは、撫子の為ですから!」
「妹の為に全力を尽くす、お姉ちゃん!
私も尊敬しちゃうわ」
「アハハ…雫が、尊敬する理由、何となくわかってきたかも…?」
「じゃあ、動画作りのアイディア、考えよう!」
「みのりちゃんは、体調不良で、休みだけど…大丈夫かしら?」
「みのりちゃん?」
「私と同じ一年生で、ひょっとすると、撫子っていう人と、面識があるかもね」
「妹の撫子は人見知りだから…優しく接してね!
もし、撫子の身に何かあったら…」
「何かあったら…?」
「私に連絡して!必ず!」
「わ、わかった…」
「なんか怖い…」
「ウフフ…桃子ちゃんったら、本当に撫子ちゃんの事が好きなんだから、
私も、しぃちゃんが大好きだけど…なかなか、好意を向いてくれないわ」
「そりゃ、お節介焼きだからでしょう?」
「うぅ…どうしたら、いいのかしら…」
「あっ、そんなことより、動画作り!」
「そうだったわ!本題に入るわ、
モアモアジャンプの、今度の新作動画を作る事なんだけど…」
こうして、作戦会議が始まるのだった。