仮面ライダーシング   作:放仮ご百物語

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どうも、放仮ごです。水曜日じゃないけど諸事情により更新。こちらではお久しぶりです。お待たせしました!時間がかかった理由は今回を読んでいただければ多分納得していただけると思います。楽しんでいただけたら幸いです。

※4/11:読者の一人から、黒い背景だと色が反映されてないと報告を受けました。できれば白い背景でお楽しみください。


第18テンポゥ!問答と音速セッション

「さて、何から話すとしやしょうか……」

 

 

 forteの居住スペースの応接間にて。古ぼけたソファに座り机を挟んで俺とカナデはバンライと対面していた。枇々木万雷。仮面ライダー残響の正体で、そしてスタジオノイズの元幹部らしい。得られる情報は得ておきたいところだ。

 

 

「まず、お前は何者だ」

 

「よくぞ聞いてくださいやした!おいらの名は、枇々木万雷!スタジオノイズで、レコードリルを作成するチューナーをやっていた、しがない男でございやす!今はスタジオノイズの悪事を見過ごせず、すっぱり裏切らせていただきやした!」

 

「……そいつは、大物だな」

 

 

 まさかのレコードリルの開発者、チューナー。とんでもない人物が出てきたもんだ。

 

 

「じゃあ、もうスタジオノイズはレコードリルを作れないって事?」

 

「そいつは残念ながらノーでございやす。レコードリルはおいらが一から作ったわけではなく、その作成法は先人から引き継いだもの。おいらが抜けたところで……」

 

「じゃあ、これは見たことあるか?」

 

 

 そう言ってレコードリル【フェスタ】を取りだすとバンライは目を見開いた。

 

 

「そいつはおいらの作った新型レコードリル!どこに消えたかと思っていたらシングの手に渡っていたとは。あいや、こいつぁ嬉しい誤算でさあ!」

 

「これ、お前が作ったのか。何のために作ったんだ?」

 

「シングが社長に敗れたと小耳に挟みやして。助けになれば、と作って送り届けるつもりだったのでございやす。それをなくした時はどうしようかと思い悩み、それならおいらも戦力になろうと新型ドライバーを持ち出したのでございやす」

 

「じゃあ、最初から私達に協力するつもりで……」

 

「まあ情報が一切なかったので、出てそうそう迷子になってしまいやしたが!」

 

 

 アッハッハッハ!と高笑いするバンライ。頭はいいんだろうが行き当たりばったりなんだな。

 

 

「スタジオノイズについて教えてくれ」

 

「おや。レコードライバーを持ち出した御仁から聞いていないのでございやすか?」

 

「それは私なんだけど、記憶がなくて……教えてくれると嬉しいな」

 

「なるほど、そういうことなら喜んで!おいらがいたスタジオノイズは、とある企業の裏の顔でございやす」

 

「とある企業?それはどこだ?」

 

「面目ない。生憎とおいらは技術者でございやして。どんな会社か、どんな名前なのかもさっぱり存じておりませぬ」

 

「…嘘じゃないんだな」

 

「この霹靂万来に誓って」

 

 

 そう言って琵琶型の武器を机に置いてじっと俺の眼を見てくるバンライに、観念したようにため息を零す。……嘘を付けそうなやつじゃないしな。

 

 

「他に知っている情報はあるか?」

 

「目的ならば存じておりやす。地球に録音された音楽「ガイアコード」が刻まれたレコードリルに録音した「悪意の音色(ノイズ)」を使ってノイザーを生み出し、社長の目指す楽曲を作り上げるのを目標としていやす」

 

「社長……魔王ノイザーか。正体は?」

 

「残念ながら、おいらたち幹部と会合するときでも影で顔が見えないようにしていやした。恐らく幹部の中でも社長の正体を知っているものはいやせんね。社長という呼び名しか」

 

「…そうか」

 

 

 変な奴だな、という感想が最初に出た。警戒心が高いのか、それとも顔を知られたくないのか。幹部すら信用していない人間嫌いなのかもしれない。

 

 

「幹部は他に誰がいるの?」

 

「おいらを抜いて全部で四人。スカウトマン、セロ・ドゥエス。マネージャー、ガゼッド・ブーデ。プロモーター、ジュール・ボクス。そしてテックエンジニアのチキチキ・オング。あと社長と、その秘書四人。それが主なメンバーでさあ」

 

「そんなにいるのか」

 

「でも大丈夫だよ、今のカケルなら!」

 

「これからは微力ながらおいらも手伝わせていただきやす!」

 

 

 倒すべき敵ははっきりした。その幹部四人と秘書四人、社長を合わせた九人か。……先は長いな。ジャオーン……律調歌音とは結局敵とも味方ともいえない関係だが……協力関係を築いた方がいいかもしれないな。その時だった。

 

 

「うっ…」

 

「なんでい!?」

 

「カナデ?まさか…?」

 

 

 カナデが耳を押さえて蹲る。これは、ノイザーか?

 

 

「河口の鳴守(なるかみ)大橋付近から、甲高い轟音が聞こえる……」

 

「わかった、お前はここでじっとしてろ、カナデ!…バンライ!」

 

「あいや!さっそく出番でさあ!」

 

《ラぁジカセっドぉライバぁー!》

《稲妻!そして、喝采!》

 

 

 無駄に騒がしい音を立てながら、ラジカセの様なバックルを腰に取り付けベルトにして、カセットテープ型のガジェットにレコードリル二本を取り付けてバックルに再装填するバンライ。

 

 

「おいらは先に行かせていただきやす!あ、へぇんしぅん!」

 

《イヨッ!イヨッ!イヨーッ!》

ざぁんきょぉう(残響)けぇん~ざぁん(見参)~!はぁれぶぅたぁいぃ(晴れ舞台)~!》

 

 

 そして霹靂万来を握ると、稲妻の様に折れ曲がった五線譜が落雷の様にバンライに突っ込み、仮面ライダー残響に変身を遂げる。

 

 

「仮面ライダー、残響(ザンキョウ)。あっ、推参~!」

 

ベンベンベンベンッベンッベンッベベベベン!!

 

 

 そう歌舞伎の大見得の様なポーズをとると霹靂万来を弾き鳴らしながら外に出ると、電気を溜めて姿を消した。速いな。

 

 

「じゃあ、俺も行ってくる!」

 

《レッツ・ミュージック!》

《ヘイ!ヘイ!ヘイヘイ!ヘンシーン!》

《シング!シング!シーング!》

 

 

 俺もマシンシングラーに跨りながら変身し、海の方に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雷の速度で街を駆け抜けた残響。河口の鳴守(なるかみ)大橋付近までやってきた彼は、霹靂万来の柄を握って警戒する。

 

 

「カナデさんの話じゃあ、ここいらのはずでございやすが……!?」

 

 

 瞬間、抜刀し鞘から引き抜かれるかどうかの刃で、その一撃を受け止める。文字通り音速で襲い掛かってきた凄まじい速さのその一撃に吹き飛ばされ、残響は宙返りして着地するも、その瞬間には追撃してきたそのノイザーの一撃を受けて転倒、地面を転がって受け身を取る。

 

 

「くっ……充電する暇が……!?」

 

「最速で、キター!!」

 

 

 瞬間、一瞬だけ姿を現したロケットノイザーの分割したロケットの様な右腕の一撃を受けて吹き飛び、さらに一瞬で吹き飛んだ残響の背後に迂回し回り込んだロケットノイザーの、肘のブースター部分から炎を噴射した勢いで繰り出したアッパーカットで打ち上げられる。

 

 

「レーダー……ランチャー!狙い撃つぜ!」

 

 

 さらにロケットノイザーのパラボラアンテナの様な頭部が向けられると、腕を組んで両肘のブースター部分からミサイルが三つずつの六つ発射。残響は咄嗟に抜刀し、迫るそれを纏めて斬り裂いて爆発に乗ってさらに高く舞い上がり、距離を取る。

 

 

ベンベンベンベンッベンッベンッベベベベン!!

 

「充電を、させていただきやす…!?」

 

「ドリルゥ……タイマンで甚振らせてもらうぜ!」」

 

 

 そのまま演奏して充電を行おうと試みるも、飛び上がって等身大のロケットの姿に変形、ドリルの様に回転して迫ってきたロケットノイザーの四方八方からの連続体当たりを喰らい、文字通り甚振られて撃墜されてしまった。

 

 

「ぐぬっ……不意打ちとは、卑怯な…!」

 

「タイマンしてやってるんだ!何が卑怯なもんかよ!俺が最速だ!」

 

「ぜー、はー……ふふっ、無様ですわね、枇々木万雷!」

 

 

 たまらず抗議する残響に、人型に戻って右手を突きつけながら豪語するロケットノイザー。そこに、走ってきたのか息を切らせたガゼッド・ブーデがやってきて勝ち誇る。ワープできるはずなのだがそこまで頭が回らなかったらしい。

 

 

「ガゼッド・ブーデ……あんたの差し金でございやしたか!」

 

「ご明察。わたくしの生み出した自信作のノイザーはいかがかしら。速度には速度、そしてロケットのパワー!轟音が心地よいですわ~」

 

「ぐっ……同じカセットテープ仲間ってことで見逃して……もらいやせんよねえ」

 

「あなた私とモチーフ被ってるんですわ!訴訟もんです訴訟もん!」

 

 

 言いながら腕をほどいてテープ型の触手を伸ばし、残響を縛り上げるガゼッド。抵抗しようとするもダメージで動けない残響。万事休すかと思われたその時だった。

 

 

「うおぉおおおりゃああああああっ!」

 

《ヘイ!バーニン・ブレイク!》

 

 

 横に構えたソードランペットの刀身から噴き出した炎で加速してきたシングの一撃がガゼッド・ブーデのテープをぶった切り、そのまま返しの刃で残響に巻き付いたテープを斬り裂いて解放する。

 

 

「タイマンの、邪魔をするなあ!!」

 

「二人がかりで何がタイマンだ!」

 

 

 ロケットノイザーの肘からの炎で加速したパンチを、つまみを捻り加速したソードランペットで弾き飛ばし、シングはレコードリル【フェスタ】ヲ取り出しながら背後の残響に視線を向ける。

 

 

「いけるよな?」

 

《レッツ・ミュージック!ロックンロール!》

 

「いやはや、助かりやした。名誉挽回とさせていただきやしょう!」

 

ベベン!!!ベンベンベンベンッベンッベンッベベベベン!!

 

 

 霹靂万来の演奏をBGMに、シングはソードランペットを投げ捨てて消し去り、装填したレコードリル【フェスタ】をリズムよく叩いていく。

 

 

《ヘイ!イエーイ!ヘイエーイ!ヘンシーン!》

 

 

 テンションが異様に高い音声と共に掛け声を上げ、赤、橙、黄、緑、青、紫の六色のレコードディスク状のエネルギーが足元に出現してスポットライトの様にシングを照らし、ギャイーン!というギターの様な音色やドラムロールと共に六色のスポットライトが束ねられてその身を包み込み、歓声が上がる。

 

 

《ロックンロール…!ダダダッ!ダダダッ!…ウ~ッ!フェスタ!!》

 

 

 ロックンロールフェスタへと変身を遂げたシングはエクスギタリバーを両手で構え、振り回して切っ先をガゼッド・ブーデに突きつけ、充電を終えた霹靂万来を引き抜いた残響と共に叫ぶ。

 

 

「さあ、レッツ!フェスタイムだ!」

 

「本日二度目の~!仮面ライダー、残響(ザンキョウ)。あっ、推参~!」

 

「まとめてタイマン張らさせてもらうぜ!」

 

「お手並み拝見させていただきますわ!」

 

 

 そして、それぞれ雷速と音速で突撃した残響とロケットノイザーが激突、テープを束ねてサーベルの様にしたガゼッド・ブーデとエクスギタリバーを振り上げたシングが激突した。




・枇々木万雷
あんまりスタジオノイズの事は知らないらしい根っからの技術屋。戦力となってくれることを霹靂万来に誓う。

・ロケットノイザー
実はかなり強いノイザー。音速で攻撃を繰り出し、ミサイルやレーダーを駆使した攻撃やドリルを模した回転攻撃で追い詰める。

・リニューアル!ロックンロールフェスタ!
残響を凝り過ぎたのでそれに合わせてリニューアル。時間がかかった理由。お気に召されただろうか。

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