仮面ライダーシング   作:放仮ご百物語

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評価2もらって落ち込んでるけど私は元気です。どうも、放仮ごです。書きたくなったんで続きを書きました。今回から新要素出るのでタグも追記。仮面ライダーにこれぶっこんだのはさすがにそういないんじゃなかろうか。

今回は世界観の説明も兼ねてます。また二人目の幹部怪人登場。楽しんでいただけたら幸いです。


第2テンポゥ!配信とエキゾースト!

「こいつで最終楽章だ!」

《ヘイ!アウトロ・ブレイク!》

 

 

 ドリルキックがノイザーを穿ち、爆散させる。これで今週三体目。結構な頻度でノイザーは生まれている。しかも、この間のダイナソーノイザー以来セロ・ドゥエスが姿を現さない。ソードランペットで貫かれた傷が深かったのだろうか。到着する頃にはノイザーが暴れているだけで、ノイザーを生み出したであろう奴が姿を見せないのが続いている。

 

 

「用心深いだけか、それともセロ・ドゥエスが俺と戦うのを避けているのか…どっちだろうな」

 

 

そんなことを考えながらforteに戻ると、カナデがいるはずなのに鍵がかかっていたので、もう一つの仕事をしているのだと察して裏口から入ると、カナデに宛がった自室から楽しげな声が聞こえてきた。こっそり開けて覗くと、専用の機器に繋がれ、色とりどりの音符をちりばめた白と黒に交互に塗られた髪が特徴の美少女が映ったパソコンに向き合いながら元気に挨拶している姿があった。

 

 

「ハイ!こんにちアデュー!個人Vtuberの奏輝(かなでて)ミソラです!今日も噂の仮面ライダーシングについて語って行くよ!」

 

[相変わらず挨拶と別れを同時に言われるの草]

[もう十何回目だから今更だけどもっといいのなかったんか]

[誰だよ怪盗戦隊のことを教えたやつ。ミソラちゃん純粋なんだぞ]

[私だ]

[お前だったのか]

[特撮ヒーローや都市伝説のことばかり語るのもいいけど]

[たまには自分のことを語ってもいいのよ?]

 

 

 いつもは見せないハイテンションで声を上げるのは、カナデのもう一つの仕事。バーチャルYuotuberという奴だ。これを始めたのは、俺こと仮面ライダーシングを皆に知ってほしいからだそうだが、本人が特撮好きなのも相まって特撮オタクの溜まり場になってるのが現状だ。

 

 そもそも仮面ライダーってのは特撮番組のヒーローのことを刺す言葉で、俺の名乗っている仮面ライダーシングもカナデがそう呼べって言うから名乗ってるだけなんだよなあ。

 

 

「もー、何度も言うけど、仮面ライダーシングは実在してるの!だって実際に私が助けられたんだもの!」

 

[いつもの妄想]

[はいはい、本当ならすごいね]

[まあでも怪人騒ぎが起きてるのも事実なんだよなあ]

[まさか特撮の怪人が現実にも出るとはなあ]

[ところでその仮面ライダーシングって本人が名乗ったの?]

 

「ううん、私がそう呼んだら名乗ってくれたんだ!」

 

[ええ…]

[なんてノリのいい…]

[本当なら草]

[特撮好きのこの子なら仮面ライダーって呼んでもおかしくないな]

[なんでシング?]

 

「変身する時にシング!シング!シーング!ってベルトが言ってるから」

 

[ふぁっ!?]

[変身する時ってまさか正体も知ってるの!?]

[ベルトの音声が完全に今時のライダーで草]

[でもやっぱりミソラちゃんの妄想なんじゃないの?]

 

「知ってるけど恩人だから言わないよ。あと妄想じゃないからね!写真だってあるんだから…」

 

 

 そこまでやるのか(呆れ)。どういうわけか仮面ライダーシングの存在を世間に正しく伝えたいらしいが、なんだか必死にも思える。

 

 

「じゃじゃーん!これが仮面ライダーシングです!」

 

[おお!]

[画質良くて草]

[全身に楽譜みたいなのが付いてるんだな]

[ファイズみたい]

[複眼が四分音符みたいでお洒落だ]

[かっこいい]

[これは実在する証拠なのでは?]

[というかテレビもまだ半信半疑でしか報道してないのに、これ大スクープじゃね]

 

「仮面ライダーシングが正義のヒーローとして知られるなら喜んで提供するよ!」

 

[怪人を倒してくれている謎の存在がいるとは知ってたけども]

[マジで仮面ライダーみたいだな。側にバイクあるし]

[腰のバックルは見にくいけどレコードプレイヤーを模してるのか?]

[普通に次の仮面ライダーにいそうなデザインで草なんだ]

[え、これ本物?マジ?]

 

 

 そんな感じに盛り上がっているのを見届け、俺は時計を見てから夕飯を作るために台所に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「Vの仕事はどうだ?」

 

「んー、楽しいよ。勧めてくれてありがとね、カケル!」

 

 

 少し遅めの夕食を食べながら他愛もない会話をする。そもそも俺はカナデが何者なのか知らない。本人も知らないから当たり前だが。奴らに怯えていた様だったので、顔を知られずありのままの自分を曝け出せるVtuberを勧めてみた訳だ。機材やらも買い揃えてやった。恐怖に怯えていた顔が今は笑顔になっていると思うと感慨深い。…正直手痛い出費だが、この人気ならそのうち広告収入も入るだろうからあまり気にしてない。ほんとだ。

 

 

「今日もノイザーと戦ったみたいだけど、大丈夫だった?」

 

「ああ、お前のおかげで犠牲者が出ないうちに倒せたよ」

 

「そうじゃなくてカケルのことだよ。怪我してない?」

 

「怪我もしてないし、気にするな。俺が好きでやってることだ。それに、シングは心の音色が聞こえる俺にしか変身できないんだろ?やってやるさ」

 

「カケル……っ!?」

 

 

 すると神妙な顔をしていたカナデが耳を押さえて苦痛に呻き、俺は慌ててテーブルを迂回して駆け寄る。

 

 

「どうした、奴等か!?」

 

「うん、西の広場辺り…だけど………何かを引き摺るような音…気を付けて、セロ・ドゥエス以外の幹部だよ」

 

「ああ、行ってくる!」

 

 

 こんな夜更けに来るか。レコードライバーを腰に取り付け、マシンシングラーに乗り込んで言われた場所に急行すると、耳障りなアイドリング音を響かせながら車の様なナニカが横から激突、俺は投げ出され何とか受け身を取った。すると目の前には、また不気味な異形なノイザーがいた。

 

 

「クソッ、いきなりか…!」

 

《レッツ・ミュージック!》

 

「どうも初めまして。ワタクシ、ノイザーのマネージャーをしておりますガゼッド・ブーデと申します。仮面ライダーシング様ですね。お見知りおきを」

 

 

 レコードリルを装填しながら、電灯に照らされた奴…ガゼット・ブーデの身体を見る。第一印象はミイラ女、だろうか。お洒落な帽子を被っているが、全身茶色の妙に光を反射する包帯の様な物にグルグル巻きにされスタイルのいい女性のボディラインを形作っている。胸から下の腹部を形成している横にしたカセットテープの様な部位と包帯(?)が繋がっていることから、包帯じゃなくてテープなんだろう。目の部分は隙間から女性的な優しい眼が露出しており、セロ・ドゥエスと比べると人間に近い怪人だった。

 

 

「気に入ったらスカウトするセロ・ドゥエスと違って私は才能を感じた者しかノイザーにしませんの。此度のノイザーもその一人。フフフッ…」

 

 

 手を上げたガゼッド・ブーデに従うように、先ほどの車の様なナニカが従順にその背後に止まると、立ち上がりやがった。踝と両肩にはタイヤがつけられ、両腕には窓ガラスの様な半透明のブレードが、背中には赤い甲羅の様な装甲、頭部のフロントガラスの様なヘルメットの下で赤い眼光が輝く。車と亀を合体したようなノイザーが現れた。トランスフォーマーかなにかかな?

 

 

「行きなさい、スポーツカーノイザー!」

 

「っ、変身!」

 

《ヘイ!ヘイ!ヘイヘイ!ヘンシーン!≫≪シング!シング!シーング!》

 

 

 足のタイヤを回転させて高速で襲いかかってきたので、咄嗟に急いでバックルの右側面をリズミカルに叩いてステップを踏み、変身。ギリギリ、振り下ろされた窓ガラスみたいなブレードを真剣白刃取りで受け止め、蹴り飛ばすことに成功した。

 

 

「さあ、レッツ!パーリータイムだ!」

 

《ヘイ!ヘイ!ヘイヘイヘイ!》

 

 

 左側面の二番目のスイッチを押して高速移動で翻弄しようとするも、それと同等の速さで追い付いてくるスポーツカーノイザーに度肝を抜かれる。

 

 

《アップテン・ポゥ!》

「速い、だと!?」

 

「ドゥルルルル!」

 

 

 不快なアイドリング音…咆哮を上げながら斬りつけてくるスポーツカーノイザー。咄嗟に右腕の装甲で弾き、アップテンポから戻して左側面一番下のスイッチを押し込み右側面を一回叩く。

 

 

「ならこいつだ!」

《ガッキウェポン!1!ソードランペット!》

 

 

 ソードランペットを召喚し、奴のブレードを斬り弾く。両手じゃないと受け止めることもできず、弾くので精一杯。車の馬力でも持ってるってのかこいつは。

 

 

《スピードテン・ポゥ!》

 

 

 ならばこちらは炎を吹かして高速で振るうことで斬り飛ばす。通じた。これなら…!

 

 

「はい、そこまで」

 

「っ!?」

 

 

 何かが飛んできたため、咄嗟に斬り弾く。それはペラペラの包帯の様な物…ガゼット・ブーデの両手がほどけたテープだった。

 

 

「そんなことができるのか。なんのつもりだ」

 

「ワタクシはマネージャー。ノイザーが目いっぱい暴れるために貴方の隙を作ることもお仕事です」

 

「な、に…!?」

 

 

 耳障りなアイドリング音に振り向けば、スポーツカーノイザーが再び車型へと変形していた。そのまま突っ込んできて…不味い!?

 

 

「があああ!?」

 

 

 一瞬で最高速度に達したであろう、スポーツカーの名に恥じない高速の体当たりが俺に真正面から激突。俺はなすすべなく、吹き飛ばされるしかなかった。




今回もキャラ紹介と用語紹介。

・奏輝ミソラ
空見奏が扮するⅤtuber。仮面ライダーシングの応援他、特撮談義やゲーム実況や歌動画でぐんぐん伸びてる個人勢。挨拶はルパンレンジャーに影響されて「こんにちアデュー」。なお頭が残念なので意味まで知らずに決めた。

・世界観
仮面ライダーやスーパー戦隊などが特撮として浸透している現実に限りなく近い世界。仮面ライダーシングは都市伝説に近い形で知られているがミソラの活動で知られ始めている。

・ガゼッド・ブーデ
スタジオノイズの幹部怪人。気に入った者で作ったノイザーを補佐する「マネージャー」。体をほどいて中距離攻撃を行う。モチーフ及び名前はカセットテープ。

・スポーツカーノイザー
何者かにガゼッド・ブーデが「車」のレコードリルを埋め込んだことで生まれた怪人。アイドリング音という雑音を響かせるノイザー。赤いスポーツカーに変形できる。モチーフはドライブ・タイプトライドロン。

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