仮面ライダーシング   作:放仮ご百物語

4 / 21
どうも、放仮ごです。またもや約一年ぶりらしいですよ奥さん。リバイスが始まる前に一話を書いたはずなのだけどギーツも終わってしまいましたねえ(しみじみ)今回はリハビリ回となります。スポーツカーノイザー編終幕。楽しんでいただけたら幸いです。


第4テンポゥ!真実とドラムセット!

 更に翌日の朝、楽器店「forte」。仮面ライダーシングである曲尾翔こと俺は己の店であり相棒である同居人、空見奏との朝食の席で。二日続けての捜索、徹夜でフラフラだ。これが敵の作戦なら敵ながら天晴れだ。

 

 

「ふああ…」

 

「カケル、そろそろ眠らないと危なくない?」

 

「でも俺しか戦えないなら頑張るしかないだろ…」

 

 

 姿をくらましたスポーツカーノイザーを探しまわったが、姿を現して奏の連絡で場所を聞いても駆けつけた時には暴れ終わった後であり、怪我人を乗せた救急車や、破壊されたであろう廃車がレッカー車で運ばれていくのを見ていることしかできなかった。俺を警戒しているのか影も形すら見えないのはやはりおかしい。

 

 

「でもおかしいね。ノイザーは倒さないと人間に戻ることはなく暴れ続けて悲鳴や破壊音を集めて楽曲を作り続ける筈なのに」

 

「ああ、そうだな……ん?それは初耳だぞ。なんで今まで言わなかったんだ?」

 

「聞かれなかったし…?」

 

 

 聞き捨てならないことに思わず問いかけるとこてっと可愛らしく首をかしげる奏。心の音色は特に悪意は聞き取れない。それは俺が悪いなあ!

 

 

「いやそうなる前に倒してたから聞くこともなかったけどさ……ということは放っておくとやばい?」

 

「楽曲が完成すると完全体になって宿主は曲の一部になってもう二度と戻れなくなる。スポーツカーノイザーはずっと暴れてるわけじゃないから、まだ間に合う。早く止めないと」

 

「そう言われても何も手がかりが……」

 

 

 今まで襲った場所に共通点があるといえば、必ず廃車がレッカー車で運ばれているぐらいだけど……。

 

 

「うーん、車に何か恨みでもあるのかな?」

 

「あいつ自身も車なんだがな…ピッカピカのスポーツカーに変形して体当たりもしてくるし」

 

「それは初めて聞いたかも。………あれ、おかしいな」

 

「なにがだ?」

 

 

 首をかしげる奏に問いかけながら味噌汁を啜る。うん、今日も美味い。

 

 

「いやだってさ。襲われてすぐに翔が駆けつけてるのに、毎度レッカーが都合よく来てるのおかしくない?」

 

「…たしかにそうだ。待てよ、奴が変形できるのがスポーツカーじゃなくて「車」なのだとしたら……じゃあ毎回運ばれているあの廃車が……!」

 

「きっとそうだよ!」

 

「そうと決まれば町中回ってあのレッカー車を見つけ出して……大丈夫か、カナデ?」

 

 

 すると耳を押さえて苦痛に呻く奏に慌てて駆け寄る。こんな朝っぱらからまたか!

 

 

「っ……その必要はないみたい。テープを引き摺るような音、あいつだ。場所は多分…駅前の公園」

 

「わかった、今日は配信せずに休んでおけよ!」

 

 

 机の上に置いていたレコードライバーを手に取り腰に付けると五線譜が飛び出してベルトとなり装着。外に出てマシンシングラーに跨り、周りに人目が無いことを確認すると懐からレコードリル【シング】を取り出すとレコード針を模してるレバーを上げてくぼみに装填してレバーを下ろす。

 

 

《レッツ・ミュージック!》

 

 

 そしてアクセルを吹かしながらバックルの右側面を叩いてレコードリルが回転、クラシックの音楽と共に音声が鳴り響くとマシンシングラーの上にレコード盤が出現すると回り出し、片手でベルトを叩いて鳴らしていくとそのたびに合いの手が上がり、その言葉を叫ぶ。

 

 

《ヘイ!ヘイ!ヘイヘイ!ヘンシーン!》

 

「変身!」

 

《シング!シング!シーング!》

 

 

 すると頭上のレコード盤がエネルギー体となって下降。俺の身体に装甲が装着されていき、仮面ライダーシングへの変身を果たすとアクセル全開にして突き進む。前方から女性が運転するレッカー車と、そのレッカーに引かれた廃車が見え、俺は迷うことなく突撃。レッカー車は急ブレーキしてぴっちぴちの女物スーツを身に着けたスタイル抜群の黒い茶髪の美女が出てきて非難の声を上げる。

 

 

「ちょっと!危ないでしょ!」

 

「…俺に驚かなかったのは悪手だったな?ガゼッド・ブーデ」

 

「なーんだ、ばれたのですか。潮時ですわね」

 

《フェローチェ!》

 

 

 そう言って取り出した【フェローチェ】と思われるレコードリルのスイッチを起動し、胸に突き刺す女性。するとレコードリルを突き刺した胸元から大量の茶色いテープが溢れだし、女性の全身に巻き付いていくと現れたのはガゼッド・ブーデ。同時に背後の廃車も変形してスポーツカーノイザーに変貌して控える。幹部は人間にも変身できるのか…!

 

 

「廃車でもなんでも車に変身できるノイザーをワタクシが運転するレッカー車で移動させる、完璧な作戦でしたのに。残念ですわ」

 

「残念だったな!お前たちの曲作りは俺が止める!」

 

「させませんことよ!ノイズタッフ!La~!La~!Lala~!」

 

 

 マシンシングラーから降りて身構えると、さらにガゼッドの甲高い金切声の様な歌声と共に戦闘員ノイズタッフが複数出現。スポーツカーノイザーと共に囲まれる。…生活音から生まれるから数だけは多いんだよなノイズタッフ。

 

 

「ドゥルルル!」

 

「ちっ!」

 

 

 ノイズタッフが俺の動きを阻害する様に纏わりついてきたところに、足のタイヤを回転させて高速で突撃してきたスポーツカーノイザーが窓ガラスの様なブレードで斬り裂いてくる。反撃しようにもノイズタッフが体を張ってスポーツカーノイザーを庇うため届かない。厄介なコンビネーションだな。

 

 

「こうなったら…!」

 

《ガッキ・ウェポン!3!ドラムハンマー!》

 

《ガッキ・ウェポン!4!シンバルシールド!》

 

 

 左側面の一番下のスイッチを押しこみ、三回右側面を叩くとレコードリルから銀色のスネアドラムを模したハンマーが出現、右手に握る。さらに左側面の一番下のスイッチを押しこんで四回右側面を叩くとレコードリルから金色のシンバルを模した盾が出現、左手に握る。

 

 

「行くぞ!」

 

《ドン!ドンタッタ!ドン!ドンタッタ!》

 

《ジャン!ジャジャン!ジャンジャンジャン!》

 

 

 ガッキウェポンの中でもこの二種は特別だ。二つで一つの特殊な武器。そもそもスネアドラムはバチと一対、シンバルも二つで一対と言う楽器だ。それを、二つを組み合わせることで成立させる。ドラムハンマーをシンバルシールドで打ち鳴らし、リズムを刻む。互いに音が集束し、リズムに合わせて鼓動を鳴らす。

 

 

「そんなもの、こけおどしよ!行きなさい!」

 

 

 警戒していたが、ガゼッドの命令でノイズタッフの一人が突撃してきたので、ドラムハンマーを下から振るって殴りつけると同時に衝撃波が発生。天高く打ち上げて爆散させる。その隙を突いて突撃してきたスポーツカーノイザーの体当たりを、シンバルシールドで防御すると音のドームが発生してノイズタッフ共々弾き飛ばして引っくり返した。音を集めて、攻撃と防御に転用する。それがこの対のガッキウェポンの特性だ。

 

 

「さあ、レッツ!パーリータイムだ!」

 

《ヘイ!ヘイ!ヘイヘイヘイ!》

 

 

 その隙を突いてバックルの左側面の上から二番目のスイッチを押し込み、右側面を五回リズムよく叩く。するとレコードリルは高速で回転しだして、早送りのクラシックが鳴り響き、俺はシンバルシールドを放り投げ、高速で動けるのを利用してドラムハンマーで打ち出した。

 

 

《アップテン・ポゥ!》

 

 

 すると高速で打ち出されたシンバルシールドがノイズタッフにぶつかってピンボールの様に跳ねて次から次へと炸裂。立ち上がったスポーツカーノイザーの後頭部にぶつかって戻ってきたのを手に取りながら高速で突進する。

 

 

「速く!速く!行くぜ、行くぜ、行くぜ!」

 

 

 ノイズタッフをドラムハンマーで殴りつけ、シンバルシールドで斬り裂き、薙ぎ払って行く。仮面ライダーカブトのクロックアップか仮面ライダー555のアクセルフォームみたいなもんだ。生憎早送りした一曲分しか無理だが。

 

 

「私の手柄の邪魔はさせないわ!」

 

 

 ガゼッドも鋭いテープを伸ばして攻撃してくるが今の俺にはスローモーションでしかない。ドラムハンマーで弾きながらシンバルシールドを撃ち出し、胴体のカセットテープの様な部位に突き刺さって火花が散る。

 

 

「キャアアアアッ!?」

 

「こいつでとどめだ」

 

《ドラム・テンポゥ!》

 

 

 ドラムハンマーの柄をマシンシングラーに合体。レバーの様に引いてバイクの車体を変形させシンバルシールドも合体させるとベルトと連結して、ドラムセットモードにチェンジ。足元のバスドラムが無い簡易版だが、タイヤがそれぞれもう一つのスネアドラムとシンバルになっていて、ハンドルが変形したスティックで掻き鳴らしていくと音が重力となってスポーツカーノイザーと残りのノイズタッフを打ち上げ、鳴らすたびに放たれる音符型の弾幕を次々と炸裂させていく。ガゼッドはギリギリ逃れたようだった。

 

 

《ヘイ!アパッシオナート・ブレイク!》

 

 

 最後にジャン!ジャン!ジャジャン!とシンバルを同時に打ち鳴らすとシンバルシールドとシンバルタイヤが打ち出されてスポーツカーノイザーとノイズタッフを斬り裂き、レコードリルのメロディーをその内部に響かせ刻み込み、爆散させた。

 

 

「うう…」

 

 

 金髪の男が爆散跡から出てきて、無事を確認。マシンシングラーを元に戻し、ドラムハンマーとシンバルシールドを再び手にしてガゼッドに向き直る。

 

 

「お前の野望もこれで終わりだ」

 

「くっ…覚えておきなさいな!」

 

 

 そう言ってテープを鞭の様に地面にぶつけると煙幕が発生。姿を消すガゼッド。…幹部共は本当に逃げ足が速いな。俺は呆れながらマシンシングラーに跨り、その場を後にするのだった。




バイクの変形はロマン。

・ノイザーの目的
悲鳴や破壊音を集めて「楽曲」を作り上げるのが目的。楽曲が完成すると完全体になって宿主は曲の一部になって己の心の音色すらも悪意の音色に上書きされ完全に怪人と化してしまい、二度と戻れなくなるため早急に倒さないといけない。

・スポーツカーノイザー
能力は車への擬態。スポーツカーから廃車にまで変形できる。擬態性の高さが持ち味。ガゼッドはこれを利用してレッカー車でけん引して移動させていた。

・ドラムハンマー
シンバルシールドと対になるハンマー。音を集束させ衝撃波に変えることができる。元ネタはMCUのミョルニル。

・シンバルシールド
ドラムハンマーと対になるシールド。音を集束させドーム状にして範囲防御が可能。打ち出すことで斬撃武器にもなる。元ネタはMCUのキャプテンアメリカのシールド。

・ドラムセットモード
マシンシングラーの戦闘形態。タイヤがドラムとシンバル、ハンドルがスティックになる。必殺技「アパッシオナート・ブレイク」専用形態。元ネタは一応オートバジンとかマシントルネイダーとか。

お気に召していただけたら感想ならびに評価、お気に入りしてくれると嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。