※11/9 新戦士のデザイン間違えてたので修正しました。
「ヒッヒッヒ!何だか知らねえが俺は守られてるみたいだな!ヒヒヒヒッ…遠慮なくこの世を火の海に変えてやる!」
仮面ライダーシングが仮面ライダーノイズに阻まれている間に距離を離したドラグーンノイザーは、口から高熱の火炎を放出して眼下の街々を燃やしていく。燃え盛る炎を見て、蜥蜴の様な顔を喜悦に歪ませるドラグーンノイザー。
「ああ、綺麗だ……燃えろ燃えろ、全部全部燃えちまえ!ヒヒヒヒッ!」
そんなことを吠えるドラグーンノイザーの放火を、小高い丘の高台から見守るのは人間態のセロ・ドゥエス。するとザザザザッ…!とテレビの砂嵐の様な耳障りな雑音と共に、まるで幽霊のごとくスゥ…と姿を現したのは、仮面ライダーノイズ。それに特に驚くことなく振り返ったセロ・ドゥエスは不敵に笑う。
「よくやった、仮面ライダーノイズ。…名称が決まってなかったがシングの野郎が仮面ライダーなんて呼ばれ始めて名称が決まったんだってな?よかったな、呼び名がないのは面倒だ」
「……私は自分の仕事を果たしただけです」
相変わらず靄に包まれていてシルエットしか見えず、16分音符を模した複眼だけが紫に光らせて口を開く仮面ライダーノイズにセロ・ドゥエスは肩を竦めて眼下で燃え広がる街に視線を向ける。
「聞こえるか?悲壮、怒号、絶望の音色。悲鳴の奏でるオーケストラが。これならあっという間に我らスタジオノイズの求める曲が完成する。なんて
「セロ・ドゥエス様……残念ながらそれは難しいかと」
「ああ?」
上機嫌に缶コーヒーを啜るセロ・ドゥエスだったが、仮面ライダーノイズの指さした方向を見て眉を顰める。そこには、スタジオノイズの表の顔である大手音楽プロダクション【
「あいつは……!?」
――――「私の資金源に……何してるの?」
《ブラスター・チューニング!》
「グオオアアアアッ!?」
そこにいたのは全身に金管楽器めいたパイプを組み合わせた装甲と青い五線譜のラインが走った黒いアンダースーツを纏い、顔に青い八分音符を二つ合わせたようなバイザーを付けた戦士だった。その手に持った金と青のソプラノサックスの様な武器から放たれた群青色のレーザーを受けたドラグーンノイザーは撃墜され、ギリギリ落ちることなく飛び去って撤退した。
「おい、なんでわかってて止めなかった!?」
「私が命令されたのは「シングの妨害」です。あの者の排除までは命じられていません。命令を上書きしますか?」
「いや、いい。うちのお得意様だ……今回はこっちに非がある。すぐ詫びに行く。お前はドラグーンノイザーを見張ってシングが邪魔しようものなら妨害しろ。いいな」
「承知しました」
「次からは自我ある奴はちゃんとスタジオノイズのしのぎを教えないといかんなあ…」
肩を落としながらその場を去っていくセロ・ドゥエスを見送り、仮面ライダーノイズは靄で見えない腰から漆黒のレコードリルを引き抜くと、靄が散ってそこから変身していた人物が現れ、撤退するドラグーンノイザーに視線を向ける。
「…仕事ですから守りますが………社長を脅かそうとするとは、度し難い……」
仮面ライダーノイズに妨害された後に、あの竜のノイザーを追いかけたのだが途中で引き返してきたノイザーが雲の中に消えていったのを見て、あれは追えないとして一度forteに戻ってきた俺。考えるのは、ノイザーと邪魔してきた仮面ライダーのことだ。何があったのか知らないが姿を消した。街は消火活動で何とか被害は最小限に抑えられたらしいが……。
「放火魔なら、また人のいる街中に出てくるはずだ…そこを叩く。問題はあのノイズとかいう仮面ライダーだが……」
「カケル、おかえり。怖い顔だけど大丈夫?街では火災が起きてたみたいだけど……」
考え込みながらforteに入ると、出迎えてくれるカナデ。つけっぱなしのテレビを見ながら商品のレコードを整理していたのか棚に並べていたようだった。
「あ、ああ。俺は大丈夫だ…」
「って、ボロボロじゃない!?早く手当てしないと…」
慌てて心配され、今の自分を見下ろす。奴のキックの影響か服はボロボロで、胸部は爛れている。とんでもないパワーだ。シングに変身していなかったらと思うと、恐ろしい。
「なあカナデ……仮面ライダーノイズって、知ってるか?」
「何それ知らない。二号ライダーかなにか?」
俺の問いかけに、首を傾げるカナデ。救急箱から包帯や薬瓶を取り出しながら問い返してくる。
「いや、むしろ敵だ。靄に包まれていたが複眼が紫の真っ黒なシングともいうべき見た目だった」
「…え?」
すると呆けて手にしていた薬瓶を取りこぼすカナデ。慌ててキャッチする。危なかった。すると目に見えて狼狽えだすカナデ。信じられない、とでも言いたげな顔だ。
「そんな……でも、あれは人間にもノイザーにも使えないはずなのに……どうして?」
「カナデ?」
「…多分だけど、それはシングのプロトタイプ、プロトシングだと思う……」
「シングのプロトタイプ…?」
「うん。出力が高すぎて、ただの人間じゃ変身するだけで大怪我する代物なんだけど……シングもカケルみたいな特異体質以外は変身でもできないんだけどね」
「そんな危険なものだったのか……だけど普通に攻撃してきたぞ?」
「おかしい話だね……でも、絶対に直接戦っちゃダメ。プロトシングは拡張武装こそないけど、出力はシングとは比べ物にならない。真正面からの対決は勝ち目がないよ。スタジオノイズの誰かが変身しているなら、今度は殺されるかも……」
「だろうな……だけど、負けるわけにはいかないんだ」
テレビに映し出される緊急速報で、またあのノイザーが今度は隣町で放火を始めたというニュースを見た俺は、レコードライバーを手に再び外に出る。仮面ライダーノイズに蹴られた傷が疼いたが、やせ我慢でマシンシングラーに乗り込みヘルメットを被る。
「カケル!」
「俺は仮面ライダーらしいからな。負けるからってノイザーを放置するわけにもいかないだろ?」
止めるカナデを振り切りながら、マシンシングラーを走らせる。今度こそ、負けない。
「性懲りもなく、しつこい……」
ビルの屋上からドラグーンノイザーの悪行を監視していた仮面ライダーノイズの変身者は、常人よりはるかに優れた視界にとらえた仮面ライダーシングの姿を見て、溜め息を吐きながら手にしていたトランクケースから取り出したバックルを腰にとりつけると、黒煙を纏った五線譜が飛び出し靄の様なベルトを形成。それは、スイッチなどの機械部分が露出しているレコードライバーだった。
《レコードライバー
そして同じくトランクケースから取り出した漆黒のレコードリルを、レコードライバーVer.0のレコード針を模しているレバーを上げてくぼみに装填、レバーを下ろすとバックルの右側面を押し込んだ。
《ノ・ノ・ノ・ノイズ…!》
するとレコードリルが回り出して雑音混ざりのクラシックの音楽と共に音声が鳴り響くと足元にひび割れたレコード盤が出現してぎこちなく回り出し、エネルギー体となって上昇しその身体に装甲が装着されて、靄が放出される。
《ノイ…ズ…!アン…コ…ンセク…ション!ノォ…イズ!》
そして雑音交じりの物々しい音声がその場に響き渡り、仮面ライダーノイズへの変身を完了。ビルの屋上から躊躇なく飛び降りた。
「さあ、雑音に呑まれろ…!」
もう少し物語に深みを持たせたいけどまだ役者が揃わないのだ。
・ドラグーンノイザー
制御不可能のバーサーカー。強い奴は避けて隣町を狙う姑息なやつ。
・セロ・ドゥエス
顔面蒼白の中間管理職。社長に怒られた。
・仮面ライダーノイズ
優先順位は社長→越えられない壁→幹部→自分→ノイザー。仕事はきちんとする。変身者の正体は…?
・新戦士
謎の戦士。【
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