Digital_Dream!   作:睡眠タイム

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遅くなって申し訳有りません……。
久しぶりの投稿です。

今回のサブタイトルの元ネタはとあるアニメ作品のEDなのですが、私がこの曲を聴いた感想を一言で言うなら、『今回のメインキャラのキャラソンって言っても、絶対違和感無いと思う』と言う物です。

そう言えば以前、公式でポピパのキャラソンを出していましたが、個人的にポピパ以外の6バンドのキャラソンも出してもいいのではないかなと個人的に思っています……。

後、以前パスパレ回で登場したオリデジのモルスクモンがマッシュモンに関係したデジモンと言う事を書きましたが、何の偶然なのか『ゴスゲ』にも登場した新デジモンのシャンブルモンもマッシュモンに関係があるのを知った時はかなり驚きました……。


第12話 Route BLUE

 

 

「行け! ダークリザモン!」

「ヴオオオオオ!!」

「行くわよブイモン!」

「あぁ!」

 

 

とある日の事。

 

 

友希那はブイモンやリサと共に『CIRCLE』に向かう途中、ブギーモン達の襲撃を受けていた。

 

 

 

 

――EVOLUTION

 

 

 

 

「ブイモン進化! ブイドラモン!」

 

 

そして進化したブイドラモンとブギーモンの命令を受けたダークリザモンの戦闘が開始される。

 

 

「友希那……」

 

 

リサは心配な様子で見ている。

 

 

「とどめよ。 ブイドラモン!」

「ブイブレスアロー!!」

「ルヴオオオオ!?」

 

 

ブイドラモンの口から放たれた超高熱の熱線による直撃を受けたダークリザモンは、そのままデータの粒子となって消滅した。

 

 

「チッ……覚えていろ!」

 

 

ブギーモンは捨て台詞を吐いて撤退して行った。

 

 

ブギーモンの撤退を見届けた後、ブイドラモンはブイモンの姿に退化した。

 

 

「大丈夫? 友希那」

「この程度、大した事じゃないわ」

「友希那!」

 

 

リサは直ぐに友希那とブイモンの元に駆け寄った。

 

 

「ご免なさいリサ。 紗夜達に連絡をしてから行くわ」

「で、でも……」

「次のライブの事を考えたら、休んで何かいられないわ。 ブイモンの方は大丈夫かしら?」

「俺は大丈夫だけど……」

「なら行くわよ。 ブイモン、有り難う。 ゆっくり休んで頂戴」

 

 

そう言って友希那は、ブイモンを自身のディーアークへ戻し、紗夜達への連絡を済ませた後、再び『CIRCLE』への道を歩いて行った。

 

 

「あっ……待ってよ友希那!」

 

 

その後にリサも慌てて友希那を追い掛ける。

 

 

(友希那……)

 

 

胸中に不安を抱いたまま、リサは友希那の事を見つめていた。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

『CIRCLE』のスタジオの一室において、音楽がフェードアウトする。

 

 

「はぁ~、緊張した~」

「大丈夫? あこちゃん?」

「うん。 今まで心に溜まった物が一気にドバーッて解放されちゃったって感じかな?」

 

 

燐子の問い掛けに、あこが自身の感じた物を話す。

 

 

「湊さん……」

「紗夜、お疲れ様。 今日の演奏、良い具合だったわ」

「はい……」

「どうしたのかしら?」

「……失礼を承知の上でお訪ねしますが……湊さん、少し痩せましたか?」

 

 

友希那には紗夜の言葉の意味が一瞬理解出来ず、きょとんとした様子を見せた。

 

 

「……そうかしら?」

「はい。 食事や睡眠の方は大丈夫ですか?」

「失礼ね。 紗夜には私がそんな人間に見えるのかしら?」

「そう言う訳では無いのですが……」

「なら何?」

『友希那……焦って無い?』

「焦る? 私が?」

 

 

紗夜のディーアーク内部のルナモンからの問い掛けに、友希那は疑問で返す。

 

 

「はい……今の湊さんからはその……焦燥感を感じるんです。 ライブの時期が近いと言うのもありますが……それとはまた『別の意味』から来てる様に思えます」

「……」

 

 

紗夜からの指摘に、友希那は沈黙を見せる。

 

 

「友希那……そうなの?」

「……別にリサには関係無いわ」

「え……?」

 

 

友希那の言葉にリサは戸惑いの様子で問い掛けた。

 

 

「何で……何でそんな事を言うの? 私……友希那が困っているのなら力になりたいって思っているのに……」

「……リサの気持ちは正直嬉しいわ。 でも……これに関しては貴女を巻き込む訳にはいかないの……」

 

 

そう言うと友希那は、ドアを開けて部屋を出て行った。

 

 

「待ってよ友希那!」

 

 

リサの声だけが虚しく部屋に響き、あこと燐子も目の前で起きたやり取りにただ戸惑っている。

 

 

『どうするの? 紗夜……』

「宇田川さん、白金さん。 今井さんの事を頼みます。 湊さんは私が……」

「分かりました」

 

 

そう言って紗夜は友希那を追って部屋を出て行った。

 

 

「湊さん」

 

 

部屋を出て直ぐの所で友希那を見つけた紗夜が声を掛ける。

 

 

「紗夜……」

 

 

それから暫く2人は何かを話し合った後、部屋に戻ってくるも、その後の練習での演奏は不安定な面が目立つ形と言う結果で終わりを迎え、そのまま解散となった。

 

 

「紗夜!」

 

 

自宅へ帰ろうとする紗夜とルナモンをリサが呼び止めた。

 

 

「何ですか今井さん?」

「さっき友希那と何を話していたの?」

「……申し訳ありません。 これに関しては私達の口からは言う事は出来ません」

「そう……何だ……」

「でもこれだけは言わせて下さい。 湊さんは貴女の事を常に大切に想っています」

「私も紗夜や友希那達と一緒に会話の場にいたけど、友希那が語ってた想いに嘘や偽りは感じられなかったわ」

「では、これで失礼します」

 

 

そう言い、紗夜とルナモンは立ち去って行った。

 

 

「友希那……」

 

 

リサの小さな呟きだけが、空気中に虚しく消えていった。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 

休日のある日、特にする事も無く歩くリサの口から溜め息が零れる。

 

 

友希那はRoseliaのリーダー&ボーカルとして活動する傍らに加え、紗夜や香澄達と共にデジモン関連の事件の対処も行っている。

 

 

リサ自身も、出来るなら友希那の事を支えたかった。

 

 

だがRoseliaの活動と違い、デジモンの事となれば危険性が付き物であり、そうなれば無防備なリサは足手纏いにしかならないと言うのが実情であった。

 

 

(アタシ……一体どうしたらいいんだろう?)

 

 

リサは内心抱えた自身の悩みへの答えを見つけられない儘、トボトボとした様子で歩いた。

 

 

暫くして自身の現在地が何処なのか気になって辺りを見渡したリサは、とある場所を見て表情を変えた。

 

 

(此処……)

 

 

そしてリサは何かに導かれる様に、その場所へ足を進めて行く。

 

 

やがて暫く歩いたリサは、其処で目に入った光景を見て足を止めた。

 

 

「やっぱり……」

 

 

其処は、リサと友希那が幼少期の頃によく来ていた場所だった。

 

 

(懐かしいなぁ……。 此処でアタシと友希那、それに友希那のお父さんと一緒に音楽のセッションをしたんだっけ)

 

 

リサの脳裏に幼少期の頃の思い出が浮かんでくる。

 

 

(あの頃の友希那は唯純粋に音楽が好きな女の子で、アタシもそんな友希那の隣で一緒に音楽をするのが好きだったんだよね)

 

 

しかし父の一件を切欠に、友希那は変わってしまった。

 

 

『自身が愛した父の音楽を周囲に認めさせる』

 

 

友希那はその為に大好きな『音楽』を『復讐の道具』として利用した。

 

 

 

 

“『そう言えば聞いた? あのバンド解散したんだって』”

“『そうなんだ~。 あのバンドって急に音楽の雰囲気が変わってから、何だかダサくなっちゃったもんね――』”

“『あんなゴミみたいな音楽しか作れないなんて……きっとあのバンドの人達、表向きはカッコ良く振る舞っているけど、裏では素行の悪い事していたんだろうね』”

“『それってヤバい薬とか!?』”

“『いーや、きっと売春とかでしょ! だってこの間、そのバンドのプロデューサーやマネージャーが売春で捕まったってニュースで言ってたし……』”

 

 

 

 

中学の頃、友希那のお父さんのバンドが解散してから暫くして、友希那にとって『バンドを解散に追い込んだ元凶』とも言える人達が警察に逮捕された事もあって、友希那のお父さんは『自身の音楽を否定される』だけでなく、『犯罪者』の汚名を着せられると言う不幸も味わった。

 

 

幸い『犯罪者』の汚名は濡れ衣だった為に直ぐ晴れたけど、友希那自身の目的は『自身が愛した父の音楽を認めさせる』では無く『お父さんの全てを否定し、挙句に泥塗れの汚名を着せたこの世界への復讐』へと大きく広がっていった。

 

 

常に交流のあったアタシは、友希那の『この世界に対する憎悪』が痛い程分かっていたのに、結局逃げてしまった。

 

 

だからRoseliaに加入した時、アタシは友希那の全てを理解し、分かち合える『存在』になろうと強く誓った。

 

 

でもここの所、ブイモンや紗夜達と一緒にデジモン達の脅威に立ち向かう友希那の姿とこの前言われた言葉で、私の中にあった不安と寂しさはより強くなっていった。

 

 

 

 

「見つけたわ!」

 

 

 

 

その時背後から知らない声が聞こえたので振り返る。

 

 

「アナタね! ここの所この公園で悪さをしているのは!」

 

 

其処には頭に葉っぱを生やした埴輪みたいな表情をした見た事も無い生き物が中に浮かびながら此方を見ていた。

 

 

「待って! 公園で悪さって……」

「惚けないで! 此処の公園の植物を傷付けたり燃やしたりする何て、アンタ以外誰がやるって言うのよ!」

 

 

ピンク色の生物の言葉を聞いて周りを見ると、確かに所々に焦げ付いた所や刃物で鋭く切り裂かれた様な後が見られた。

 

 

「いやアタシ知らないよ! そもそも彼処までの事、アタシ1人で出来ると思う?」

「うっ……た、確かに言われて見れば……」

「若し良かったらアタシも犯人探しを手伝うよ! そうすればお互いに納得するでしょ?」

「……分かったわ。 でも私はまだ貴女を完全に信じた訳じゃないから。 其処は忘れないでね」

「分かっているよ。 ……そう言えばまだ名前を言ってなかったね。 アタシはリサ。 貴女は?」

「……ララモン」

「そっか……宜しくねララモン!」

 

 

リサの様子にララモンは、まだ戸惑うばかりであった。

 

 

 

 

「キキィィィ――――!」

 

 

 

 

その時、辺りに甲高い鳴き声が響いた。

 

 

「な、何!?」

「! 危ない!」

 

 

ララモンが咄嗟に突き飛ばし、それと同時にリサのいた所に大きく抉られた痕跡が出来る。

 

 

「大丈夫?」

「あ、有り難う……」

「キキィ――!」

 

 

声の方向を向くと、其処には両手に白い翼を生やした女性の様な見た目の異形がいた。

 

 

「いけない! ハーピモンよ!」

「ハーピモンって……デジモン!?」

「キキィ――!」

 

 

ハーピモンは再び風を操って真空刃を作り出し、リサとララモンに向けて放った。

 

 

「「キャアアア――!」」

 

 

リサとララモンは何とか回避するも、真空刃の衝撃の余波で吹っ飛ばされてしまう。

 

 

ハーピモンはそれを面白く思ったのか、リサ達に向けて集中的に攻撃を行いだした。

 

 

「ナッツシュート!」

「キキャア――!!」

 

 

ララモンは咄嗟に反撃するも、ハーピモンは真空刃でララモンが放った固い木の実を、まるで豆腐を切るかの如く切断して相殺した。

 

 

「ダメ……全然効いてないわ……」

「ど……どうしよう……?」

「キキャア――!」

 

そんなリサ達を見たハーピモンは再度、彼女達に襲い掛かって来る。

 

 

もう駄目だと思った2人は目を閉じる。

 

 

 

 

「ブイブレスアロー!」

 

 

 

 

その時両者の間を光線が走り、ハーピモンは少し下がった。

 

 

「今の……「リサ!」ッ!」

 

 

声の方向を見ると、其処には此方に来る友希那とブイドラモンの姿があった。

 

 

「友希那……」

「大丈夫リサ?」

「う、うん……。 何とか」

 

 

そして友希那達が視線を向けた先には、殺気立った様子で此方を見るハーピモンの姿があった。

 

 

「ハーピモン。 アーマー体。 幻獣型デジモン。 必殺技は『ウィンドシーカー』……」

「キキャア――!」

「ブイドラモン!」

「あぁ!」

 

 

ハーピモンが此方へ突進してくるも、ブイドラモンがそれを受け止める。

 

 

「キキキキキキ……!」

「くうううぅ……!」

 

 

やがてこれ以上の拮抗は無意味と悟ったのか、ハーピモンは体勢を変えてブイドラモンに蹴りを喰らわせて脱出し、距離を取った。

 

 

(相手は空中戦が得意。 飛行能力を持たない此方には不利だわ。 何とか地上戦に持ち込まないと……)

(友希那……)

 

 

友希那はハーピモンの特徴を冷静に観察しながら策を練る一方、リサはララモンと共にそんな彼女を心配な様子で見ている。

 

 

「グオッ!?」

 

 

その時横から赤い炎が飛んできて、命中したブイドラモンは苦悶の声を上げる。

 

 

「ブイドラモン!」

「友希那! あれ!」

 

 

友希那がリサの声を聞き、赤い炎が飛んで来た方を見ると、其処には全身を炎に包んだ赤い山椒魚の様な見た目の異形がいた。

 

 

「サラマンダモン。 アーマー体。 両生類型。 ウィルス種。 必殺技は『ヒートブレス』と『バックドラフト』……」

 

 

友希那は自身のディーアークで相手の情報を確認する。

 

 

「ハーピモンの真空刃とサラマンダモンの炎……此処の公園を荒らしていたのは、コイツらだったのね……」

 

 

ララモンは2体のデジモンの攻撃から、公園荒らしの真実を悟った。

 

 

「ガアアア――!」

「クッ!」

「キキィ――!」

「グアア!」

 

 

サラマンダモンは再び口から灼熱の炎を吐き出し、ブイドラモンは何とか回避するが、その直後にハーピモンの放った。

 

 

「「ブイドラモン!」」

「大丈夫だ……!」

 

 

そう言ってブイドラモンは態勢を整え直し、再度2体の方に向かって行く。

 

 

「……リサ、貴女はその子を連れて逃げなさい」

「友希那!?」

 

 

リサは友希那の発言に戸惑う。

 

 

「リサ。 貴女にはこれまで沢山助けられて来たわ。 小さい頃、そしてRoseliaの事に関しても……」

「友希那……」

「……でも同時に沢山迷惑を掛けて傷付けてしまったわ。 あの時も……」

 

 

“『ペトラファイヤー!!』”

“『キャアアアアアアアアア!!』”

 

 

「……石になった貴女の姿を見てデジモンとの戦いの危険を知って、貴女を巻き込ませたく無いと思ったわ。 だから、紗夜にしか話さなかったのよ」

 

 

友希那の言葉に、リサは息を飲んだ。

 

 

「私自身……不器用なのは分かっているわ。 でも……リサが傷付く姿を見るのは……もっと辛いの」

「そう……だったんだ……」

 

 

友希那は例え仲が険悪になったとしても、リサの事を守りたかった。

 

 

 

 

“『湊さんは貴女の事を常に大切に想っています』”

“『私も紗夜や友希那達と一緒に会話の場にいたけど、友希那が語ってた想いに嘘や偽りは感じられなかったわ』”

 

 

 

リサは紗夜とルナモンが言った言葉の意味が漸く理解した。

 

 

「グオオ!」

「! ブイドラモン!」

 

 

友希那はブイドラモンの元へと駆け出した。

 

 

「くうぅ……」

「ブイドラモン! 大丈夫?」

「言っただろ……こんな痛み……クッ……大した事無いさ……っ! 友希那!」

 

 

その時ハーピモンが友希那に対して攻撃の構えを見せていた。

 

 

(もう駄目ね……)

 

 

友希那は動きを止めた。

 

 

 

 

「止めて――!」

 

 

 

 

その時ハーピモンの体に小さな石が当たる。

 

 

友希那とブイドラモンが声の聞こえた方を向くと、其処にはリサの姿があった。

 

 

「これ以上友希那達を傷付けるんなら、アタシが相手になってやるんだから!」

 

 

そう言ってリサはハーピモンに対して、地面に落ちている小石を投げ付け始める。

 

 

「止めてリサ! 危険よ!」

「リサ! クッ!」

 

 

ブイドラモンは何とかリサの下に向かおうとするが、サラマンダモンの妨害もあって動けなかった。

 

 

「キキャア――!」

 

 

そしてハーピモンの方も、狙いをリサに対して攻撃態勢に入る。

 

 

「ナッツシュート!」

 

 

だが今度は無数の固い木の実が降り注ぎ、ハーピモンは咄嗟に自身の羽の生えた腕で防御する。

 

 

「今の……」

「大丈夫!?」

 

 

リサが振り向くと、其処にはララモンの姿があった。

 

 

「どうして……」

「ハーピモンは力は強くは無いけど、獰猛なデジモンなの! あのままだったら八つ裂きにされてる所よ! ……それと」

 

 

不思議そうな様子のリサを前に、ララモンは一拍置いて言う。

 

 

「……さっきは疑ってしまって御免なさい。 貴女のブイドラモンのテイマーを心配する様子を見てたら……悪い人に思えなくて……それにこのまま誤解したままなのも嫌だったから……」

 

 

そんなリサはララモンを優しく抱き締める。

 

 

「有り難うララモン……」

「リサ!」

 

 

其処へ友希那が駆け付ける。

 

 

「リサ! 何て無茶を……。 此処は私に任せて貴女は……」

 

 

次の瞬間、乾いた音と痛みが友希那の頬を走った。

 

 

リサの方を見ると、リサは目尻に涙を浮かべながら此方を睨んでいた。

 

 

「リサ「バカ!」」

 

 

友希那の言葉を遮り、リサは叫ぶ。

 

 

「バカバカバカ! 友希那のバカ!」

「リサ……」

「如何して友希那は1人で何でも無理して抱え込もうとするの!? ……アタシ……『迷惑』だ何て言った? アタシは自分の意思で友希那の側にいるって決めたの!」

「……」

「“リサが傷付く姿を見るのはもっと辛い”って言ったよね? アタシにとっては友希那に若しもの事があったらって考えたら、そっちの方が辛いの! ……アタシが……友希那を想う気持ちを甘く見ないで!」

「リサ……」

 

 

そしてリサは友希那を優しく抱き締めた。

 

 

「友希那……貴女が背負っている物……アタシにも背負わせてよ……。 その為ならアタシは……汚れたって傷付いたっていいから」

「……有り難うリサ……ご免なさい」

 

 

 

 

「キキャア!」

 

 

 

 

2人は叫び声の方を向く。

 

 

「行こう友希那!」

「でも……貴女「私に任せて!」」

 

 

その時、ララモンがリサの隣に現れる。

 

 

「リサには指一本たりともアイツらに触れさせないわ!」

 

 

その様子を見たハーピモンとサラマンダモンは嘲笑の様子を浮かべた。

 

 

「笑うな! リサは……相手の事を理解し思いやれる優しい女の子よ! アンタ達みたいな下品で乱暴な奴ら、リサの足下所か、全身にすら及んでないわよ!」

「ララモン……」

「私はこの子の……パートナーだもん!」

 

 

その時リサの目の前に眩い光が現れ、彼女が目の前の光を掴むと、光はカーマインの縁取りのディーアークへと変わった。

 

 

「これ……友希那や紗夜の物と同じ……」

 

 

不意に悪寒を感じて視線を向くと、ハーピモンとサラマンダモンが先程と違い、殺気立った様子で此方を睨み付けていた。

 

 

「リサ。 改めて聞くわ。 デジモン達との戦いは危険な物よ。 これから先、今の状況以上に危険な状況に遭う事だってあるわ。 貴女はそれでも私達と一緒の道を行く勇気はある?」

「……何当たり前の事を聞いているの。 そんなの既に決めているよ」

「私はリサのパートナーよ! リサは私が守ってみせるもん!」

「……貴女達の想い、しっかりと感じたわ」

 

 

友希那がブイドラモンの方を見ると、ブイドラモンもリサとララモンの想いに対して、肯定を示す様に頷いた。

 

 

「キキャアア――!」

「キュオオオ!」

 

 

友希那達が振り向くと、ハーピモンとサラマンダモンが叫び声を上げていた。

 

 

「行くわよ皆!」

「ああ!」

「ララモン! 準備は出来てる?」

「うん!」

 

 

 

 

――EVOLUTION

 

 

 

 

「ララモン進化!」

 

 

ディーアークから放たれた光に包まれたララモンが姿を変えていく。

 

 

小さな肉体は大きくなり、そして光が収まると、太い尻尾と背中に葉を付けたヒマワリの様な姿をしたデジモンへと変わっていた。

 

 

「サンフラウモン!」

「ララモン……」

「サンフラウモン。 成熟期。 植物型デジモン。 データ種。 必殺技は『サンシャインビーム』と『スマイリービンタ』、『カクタステイル』……」

 

 

リサはサンフラウモンの姿に呆然とし、友希那はディーアークでサンフラウモンのデータを調べる。

 

 

「此処からは私も参戦するわ、ブイドラモン」

「サンフラウモン……あぁ、共に戦おう……!」

 

 

2体はハーピモンとサラマンダモンに視線を向ける。

 

 

「ブイドラモン、ハーピモンは私が引き受けたわ」

「分かった。 行くぞ!」

 

 

そしてブイドラモンとサンフラウモンはそれぞれの相手へと向かって行った。

 

 

「ウオオオオ――!」

 

 

ブイドラモンは駆け出す。

 

 

サラマンダモンは口から炎を吐いて攻撃するも防戦一方だった先程と違い、ブイドラモンは怯む事無く向かって行く。

 

 

「マグナムパンチ!」

「ギュル!?」

 

 

ブイドラモンの拳がサラマンダモンの顔面に直撃し、サラマンダモンは大きく吹っ飛ばされる。

 

 

「さて……こっからは俺とお前のタイマン勝負と行こうぜ」

「ギュ……ギュアアアー!」

「ブイブレスアロー!」

 

 

サラマンダモンは再度口から灼熱の炎を吐き出すが、ブイドラモンは口から放った高熱の熱線でそれを打ち消し、両者の間に煙が湧き上がった。

 

 

「キキ――ッ!」

「クッ……!」

 

 

一方では、ハーピモンが放った真空刃をサンフラウモンが両手をクロスして防ぐ。

 

 

「ハアアァァ―――!」

 

 

サンフラウモンは自身の尻尾を伸ばすも、ハーピモンは距離を取る様に空中に回避する。

 

 

「やっぱり空を飛べる分、あっちの方が有利みたいだね……」

 

 

リサは空中のハーピモンを見て呟く。

 

 

「リサ、大丈夫よ」

「サンフラウモン?」

「飛行能力はアイツだけの『専売特許』じゃない……今から見せてあげるわ」

 

 

そう言ってサンフラウモンは背中の葉をパタパタと少しずつ動かし、次の瞬間、空中へと舞い上がって行った。

 

 

「え……えええええっ!?」

 

 

リサ自身、背中の葉を単なる飾りだと思っていた為、まさかサンフラウモンが空を飛べるとは思っておらず、驚きの声を上げた。

 

 

「キキャア!?」

「お返しよ! スマイリービンタ!」

 

 

リサと同じ様に驚愕して動きを止めたハーピモンに対し、サンフラウモンは両手で往復ビンタをお見舞いした。

 

 

「キキャ! キキャ! キキャ!」

「ヤアア……ハアア――!」

「キキャイイ――!」

 

 

最後に全力の籠もった右手のビンタを顔面に受けたハーピモンは、バランスを崩して地面に墜落して行く。

 

 

「キュルル!?」

 

 

そこには先程の煙に紛れて逃走を図ろうとするサラマンダモンの姿があったが、突然墜ちてきたハーピモンに気付くも避ける事も出来ず墜落したハーピモンの下敷きになる。

 

 

「見つけたぞ!」

 

 

しかもその時丁度煙が晴れた事もあって、ブイドラモンに見つかってしまう。

 

 

「キキィ……!」

「キュキュ……!」

「カクタステイル!」

 

 

サンフラウモンは尻尾の様に生えた茎を振り回してトゲを放ち、2体の動きを封じた。

 

 

「キキャア!?」

「キュル!?」

「サンフラウモン!」

「ええ!」

「ブイブレス……」

「サンシャイン……」

 

 

「アロー(ビーム)!!」

 

 

ブイドラモンの熱線とサンフラウモンの光線による同時攻撃がハーピモンとサラマンダモンの2体に炸裂する。

 

 

「キキャアア―――!?」

「キュルルオオォォ!?」

 

 

そのまま2体は苦痛の叫び声と共に、データの粒子となって消えていった。

 

 

「ふぅ……」

「リサ、大丈夫?」

「うん、何とかね。 ララモンもお疲れ様」

 

 

リサは進化が解けて此方に来たララモンに労いの言葉を掛ける。

 

 

「くっ……」

「ブイモン!? 大丈夫!?」

「結構キツいけど……何とか生きてるよ」

「友希那!」

「私は大丈夫……ただブイモンの方が……」

「それなら私に任せて!」

「ララモン?」

「友希那とリサは少し耳を塞いで。 ブイモン。 ちょっと我慢してね。 シング・ア・ソング!」

 

 

ララモンはブイモンに対し、優しく歌い出す。

 

 

「ん……んぅ」

 

 

数分後、ブイモンは静かに眠りに付いた。

 

 

「ララモン。 一体何をしたの?」

「ブイモンに私の歌を聞かせて眠らせたのよ。 後はゆっくり休めば大丈夫よ」

「有難う、ララモン」

 

 

そして友希那はリサに向き合い、自身の右手に持つ菫色の縁取りのディーアークを掲げ、それを見たリサも右手に持ったカーマインの縁取りのディーアークを掲げて重ね合わせる。

 

 

そんな2人の姿を太陽の光が祝福する様に照らしていた。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「おっ待たせ~!」

 

 

数日後。

 

 

人が行き交うショッピングモールの広場に友希那とリサがいた。

 

 

リサからの誘いを受けた友希那は、気分転換とこの前のお詫びを兼ねて、今日は彼女と共に外出をしていたのであった。

 

 

「ゴメンね友希那」

「いえ。 私もついさっき来たばかりよ」

「それじゃあ行こっか!」

「待ってリサ」

 

 

そう言って歩き出そうとしたリサを友希那が呼び止める。

 

 

「友希那?」

「今日着ているその服……とても素敵で似合っているわ」

「っ……あ、有り難う友希那……(友希那が……アタシのファッション見て『似合っている』って言ってくれた……!)」

 

 

リサは照れ臭そうな様子を見せながらも、内心嬉しさとドキドキを抑えられない様子だった。

 

 

「それじゃあ行きましょうか」

「あっ、あのさ!」

 

 

数秒程意識がトリップしていたリサは気を取り直し、友希那を呼び止めた。

 

 

「リサ?」

「もし良かったなら……アタシと手を繋いでくれないかな……?」

 

 

リサは自身の右手を差し出して言う。

 

 

2人の間を沈黙が支配する。

 

 

(やっぱり……そんな都合良く行かないよね……)

 

 

リサが顔を伏せながら内心そう思い掛けた時、右手に柔らかい感触が走る。

 

 

振り向くと其処には自身の右手を左手で優しく握る友希那の姿があった。

 

 

「友希那……」

「さぁ、行きましょう」

「! うん!」

 

 

そして2人は共に歩き出した。

 

 

『はあああ! 良かったわねリサ!』

『ララモン……何だか嬉しそうだね……』

『ブイモンはあれを見て何とも思わないの!?』

『いや……2人が仲良し何だなぁ~っとは思うけど……』

『リサ! 私、リサの幸せの為なら全力でバックアップするわ!』

『ララモンが燃えている……』

 

 

ディーアークの中の2体の会話を余所に、リサと友希那は会話をする。

 

 

「友希那、この喫茶店行ってみない?」

「! 『黒猫亭』……?」

「うん! 此処、可愛い黒猫がいるし、偶に小さなコンサートをやっていたりするから、アタシも気になっていたんだけど……どうかな?」

「(黒いにゃ~んちゃん……)……そうね。 偶には変わった所に行くのも悪く無いわ」

「有り難う友希那! じゃあ行ってみようか!」

 

 

そして2人は目的地に向けて再び歩き出した。

 

 

(友希那……可愛い)

 

 

リサは口では冷静でいながらも内心そわそわした様子を隠しきれない友希那を微笑ましい気持ちで見ている。

 

 

(……友希那の言う通り、これから先も楽しい事だけじゃ無く、辛い事や悲しい事もあるかもしれない。 でも、例えどんな事があってもアタシは友希那の手を絶対に離したりはしないよ。 だから友希那。 一緒にこの道を歩いていこう)

 

 

リサは内心そう想いながら、友希那と共に歩いて行った。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「皆さん、本日は黒猫亭へようこそ!」

 

 

桃色のショートヘアの少女が、開口一番に口を開く。

 

 

「まだこの歌謡ショーを初めたばかりではありますが、皆さんを私達の歌や踊りで楽しませていきたいと思います。 それではお聞き下さい!」

 

 

そして音楽が流れ出した。

 

 

「へぇ、結構良い感じじゃん」

『あっ、次の曲よ』

(さっきから思ってたけど……あのピンクの子と司会の蒼い髪の女の人、何だかララモンとリサにそっくりな物を感じる……)

 

 

リサとパートナーデジモン達は、思い思いの様子で楽しんでいる。

 

 

(にゃ~んちゃんも可愛い……それに料理も美味しいし、歌も踊りも素敵……こういうのも良いわね)

 

 

友希那も満足そうにショーを鑑賞中、幾つか本人も納得のいく歌詞が浮かんで手帳に書き込む中、ふと手を止めて歌詞を見返す。

 

 

(この歌詞……何だか『Roseliaの曲』と言うより『リサの曲』と言う感じね……)

 

 

ふと視線をリサの方に向けた友希那は思う。

 

 

(そう言えば前にリサは、Roseliaの為に作詞に挑戦してたわね……。 Roseliaの各メンバーの曲……思い切って作ってみようかしら)

 

 

そんな事を内心で考えながら、友希那は手帳を閉じ、再びショーを鑑賞し始めた。

 

 

 

 

その後暫くして、珍しく緊張気味な様子でリサに何かの紙を渡す友希那とそれを見たリサが嬉しそうな様子で友希那に抱き着く姿が目撃される事になったのは、また別の話である。




と言う訳で、今回のメインであるリサ姉にもパートナーが出来ました。

因みに私の中でのイメージだと、今回サブタイトルに使われた曲は『リサ姉のキャラソン&この回のED』と意味で付けました。

また、おまけの件で登場した『黒猫亭』の面々は、『本家作品』では無く、あくまで『バンドリ世界にいるそっくりさん』と言う設定です。


それでは今回も何時も通りのデジモン解説です。




ララモン イメージCV:和氣あず未さん(代表作『ブレンド・S』桜ノ宮苺香・『ウマ娘 プリティーダービー』スペシャルウィーク・『東京リベンジャーズ』橘日向・『プリマドール』灰桜・『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-』音無いちえ)


レベル:成長期
タイプ:植物型
属性:データ


今作におけるリサのパートナーデジモン。
つぼみの様な姿をした植物型デジモンで、頭部の葉っぱを回転させてふわふわ飛び、無表情だが愛嬌がある。
口から固い木の実を放つ必殺技『ナッツシュート』は、意外と狙いは正確である。
また、葉っぱを目一杯回転させて敵に突撃する『ララスクリュー』と、敵を心地良い歌で眠らせる『シング・ア・ソング』をもつ。


サンフラウモン


レベル:成熟期
タイプ:植物型
属性:データ


リサのララモンが進化したヒマワリの様な姿をした植物型デジモン。
太陽の光を浴びるととても元気になり、攻撃力もアップする。
また、天気の良い日は背中の葉をパタパタさせて飛ぶこともある。
必殺技は、花びら全体から放つ太陽光線『サンシャインビーム』と、笑顔で敵をビンタする『スマイリービンタ』。尚、その笑顔は不気味だと恐れられている。
また、尻尾のような茎を振り回しトゲを放つ『カクタステイル』をもつ。


ダークリザモン


レベル:成熟期
タイプ:邪竜型
属性:ウィルス


冒頭に登場。
静かに燃える闇の炎で全身をおおったデジモンで、性格はクール。
必殺技は、闇の炎で敵の精神を焼きつくす『ドレッドファイア』。


ハーピモン


世代:アーマー体
タイプ:幻獣型
属性:フリー


ホークモンが光のデジメンタルのパワーによって進化したアーマー体の幻獣型デジモン。
翼の腕と女性の上半身を持っており、データベース(遺跡)から貴重なデータ(秘宝)を奪うところから「かすめ取る者(ハーピーの原義)」と呼ばれる盗賊デジモンであり、力はさほど強くないが、疾風のごとく現れては、その大きな鉤爪で宝を奪って攻撃する。
必殺技は風を操り、真空刃を発生させる『ウィンドシーカー』と音波で攻撃する「サイレントシンフォニー」。
因みに公式でも上半身が女性と明言されているが、アニメ作品では何故か男性寄りの性格や声で登場することが多い。
また、元々は『デジモンウェブドット絵コンテスト』の入賞作品デジモンの1体である。


サラマンダモン


世代:アーマー体
タイプ:両生類型
属性:ウィルス


勇気のデジメンタルでアーマー進化した両生類型デジモン。
炎をまとうサンショウウオのような姿で、見た目通りノンビリしているが、一度怒らせると体の炎をさらに燃え上がらせて襲い掛かってくる。
得意技は口から灼熱の炎を吐き出す『ヒートブレス』、必殺技は空気中の酸素を集めてキョーレツな爆発を起こす『バックドラフト』。
因みに余談であるが、モデルはサンショウウオなのにアニメ版ではヤモリの様に壁や天井を這う姿で描かれている事が多い(最も名前の由来であるサラマンダーは、トカゲの幻獣なのであながち間違いでも無いのだが)。




ここ最近は『bleach 千年血戦篇』や『D4DJ』の新ユニット&アニメ2期の情報、更に『相棒』と『科捜研の女』の新シリーズ、そして『ハリケンジャー』と『アバレンジャー』の20周年記念Vシネマ製作決定だったりと、目が離せない情報に驚きと興奮が混ざった状態が日々続いています……。
因みにララモンのイメージCVの和氣あず未さんですが、私は『スタリラ』が切っ掛けで和氣さんの事を知った身です。

若しもあなたがデジモンで、バンドリキャラのパートナーデジモンになるとしたら、どのバンドのメンバーのパートナーデジモンになりたいですか?

  • Poppin'Party
  • Roselia
  • Afterglow
  • Pastel*Palettes
  • ハロー、ハッピーワールド!
  • RAISE_A_SUILEN
  • Morfonica
  • 思い切って、まりなさん(月島まりな)
  • いっその事、あっちゃん(戸山明日香)。
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