Digital_Dream!   作:睡眠タイム

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お気に入り登録の方、有難う御座います。


続きの方が思い浮かんで、何とか1話を書きました。


本当に自分でも驚きの気持ちの方が強いです。


因みに、今の時間軸はアニメの2期の1話と2話の間位となっています。


また、サブタイトルを見て、『2020』と出ている事に疑問を抱いている方もいるかもしれないので補足で説明すると、今作でのバンドリ世界の年号は、


・アニメ1期→2019年
・アニメ2期&3期→2020年


と言う設定になっています。


それとサブタイトルに関してですが、実は私は特撮好きな一面もあって、サブタイトルは特撮作品関連の様な形式を若干意識した感じにしちゃったりしています。


それと話は変わりますが、新作アニメ『デジモンゴーストゲーム』の情報が解禁されましたね。


特にメインのパートナーデジモンであるガンマモン、アンゴラモン、ジェリーモンに関してですが、若しこの子達をバンドリキャラのパートナーデジモンにするとしたら、私の個人的なイメージでは、


・ガンマモン→ひまり(好物がチョコレート繋がり)
・アンゴラモン→おたえ(ウサギ繋がり)or燐子(アンゴラモンのピアノの音楽を聴くのが好きと言うイメージから)
・ジェリーモン→花音(クラゲ繋がり)


と言う感じですね。


最後に前回の方で行うのを忘れていましたが、デジモン紹介をしておきます。
最初は香澄達5人のパートナーデジモン達についてです。




ドルモン

世代:成長期
タイプ:獣型
属性:データ

香澄のパートナーデジモン。
一人称は『僕』。
額に旧式なインターフェースをもつ為、デジモンが発見される以前の実験用の“プロトタイプデジモン”ではないかと推測されている獣型デジモンで、元々が戦闘種族であるデジモンの性格が特に強く表れており、闘争本能が高く、何にでもよく噛み付きよく吼えるが、一度噛み付いたものには馴れるらしい。
実験の時、デジコア(電脳核)の最も深い部分に隠されたと言われるデータは、伝説の生き物“ドラゴン”の強い生命力のデータであり、強大なデジモンに成長する可能性をもつと言われている。
必殺技は鉄球を口から放つ『メタルキャノン』で、得意技は立ち止まって力を溜めてから放つ方が威力はあるが、突進しながらも鉄球を放つことが出来る「ダッシュメタル」。


ワームモン

世代:成長期
タイプ:幼虫型
属性:フリー

有咲のパートナーで、気弱で臆病な性格の幼虫型デジモン。
有咲の事を『あーちゃん』と呼ぶ(但し、成熟期以降の進化時は『有咲』と呼ぶ)。
古代種族の末裔で特殊なアーマー進化をすることが出来、単体でのワームモンは非力で大型のデジモンには到底敵わないが、デジメンタルの力でアーマー進化することで、信じられないようなパワーを発揮することが出来る。
また、脆弱な幼虫が力強い成虫に成長するように、ワームモンもいつの日かパワー溢れる成熟期へと進化すると言われており、まさに未来への可能性を秘めているデジモンなのである。
必殺技は粘着力の強い網状の糸を吐出し相手の動きを封じこめてしまう「ネバネバネット」と、絹糸のように細いが先端が尖った針の様に硬質な糸を吐出す『シルクスレッド』。


ルナモン イメージCV:南條愛乃さん(代表作『ラブライブ!』絢瀬絵里)

世代:成長期
タイプ:哺乳類型
属性:データ

紗夜のパートナーデジモン。
日菜のコロナモンとは幼馴染の関係である。
一人称は『私』で、チョコレートが好き。
月の観測データと融合して生まれた、うさぎのような姿をした哺乳類型デジモン。
大きな耳でどんな遠くの音も聞き分ける事ができ、臆病だが、なつきやすく寂しがり屋。
必殺技は、一見可愛らしいが、闇の力が込められた爪で引っかく『ルナクロー』と、力を額の触角に集中し、綺麗な水球を敵に放つ『ティアーシュート』。
また、耳をくるくると回し、発生させたシャボンの渦で敵を巻き込む『ロップイヤーリップル』を持つ。


コロナモン イメージCV:赤楚衛二さん(代表作『仮面ライダービルド』万丈龍我/仮面ライダークローズ)

世代:成長期
タイプ:獣型
属性:ワクチン

日菜のパートナーデジモン。
紗夜のルナモンとは幼馴染の関係である。
因みにキャラのモデルは、『仮面ライダービルド』の万丈龍我(仮面ライダークローズ)。
太陽の観測データと融合して生まれた獣型デジモンで、正義感が強く純真で無邪気な性格をしている。
必殺技は、炎の力で熱くなった拳で連続パンチを放つ『コロナックル』と、全身の体力を消耗しつつも、炎の力を額に集中させて敵に放つ火炎弾『コロナフレイム』、そして体全体に炎をまとい、防御または体当たりする『プチプロミネンス』。


ハックモン イメージCV:武内駿輔さん(代表作『遊☆戯☆王VRAINS』鴻上了見/リボルバー)

世代:成長期
タイプ:小竜型
属性:データ

ましろのパートナーデジモン。
一人称は『私』で、性格のイメージは『tri.』のハックモンを若干意識している。
クールホワイトに輝く小竜型デジモン。自由気ままで束縛を厭い、冒険を好む生き方をする。
必殺技は俊敏さを活かした接近戦を得意とし、強靭の爪で相手を切り裂く『フィフスラッシュ』と尻尾をドリルのように回転し突っ込む『ティーンラム』。
また、牽制にも使える『ベビーフレイム』を口から吐く。


第1話 再会2020

 

とある会場。

 

 

そのステージの上に立っているのは、5人の少女達。

 

 

「皆――!! 盛り上がってる――!?」

 

 

ボーカル担当の少女の言葉で、会場から一斉に歓声が沸き上がる。

 

 

「それじゃあLastの1曲、楽しんでいこう!」

 

 

再び、観客の歓声が会場を支配する。

 

 

 

 

「No…てんでダメね」

 

 

 

 

そんな中1人だけ、彼女達に対して、小さな声で否定的な感想を呟く人物がいた。

 

 

ピンク色の髪に、猫耳を彷彿させるヘッドホンを付けた中学生らしき少女は、彼女達の演奏をつまらなさそうに眺めていた。

 

 

『随分と不服そうだね』

 

 

そんな中で聞こえた別の声。

 

 

しかしその声は、この少女にしか聞こえていない。

 

 

「衣装と派手なPerformanceだけに力ばっか入れて、肝心の演奏技術が疎かになっている様じゃ、流行りに乗っかってバンドを始めましたって言うのが見え見えよ」

 

 

“いっその事、この力であの子達をDeleteしてしまおうかしら”と思う自分を抑えながら、会場を後にした。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「それで、貴方の話は本当なの?」

 

 

『…ああ。 彼女達はかつて、僕の同郷を倒し、世界を救った――言わば『救世主』さ』

 

 

「●●●●様~!」

 

 

そんな2人の会話に割って入る様に1人の少女が現れる。

 

 

「●●●! いきなり吃驚するじゃない!」

 

 

「申し訳御座いません!! でも、マンションのほうにも、●●●●様がいらっしゃらなかったので、此方も心配しましたよ~!!」

 

 

「No, 分かったわ! 分かったから離れなさい!」

 

 

安堵感から抱き付いてくるピンクと水色の派手な配色のツインテールの少女を、ヘッドホンの少女が何とか抑える。

 

 

「●●●●、あんまり●●●を困らせちゃだめだよ」

 

 

ツインテールの少女に続く様に現れた背の高い大人びた雰囲気の黒髪の少女が、ヘッドホンの少女に声を掛ける

 

 

「…全く…帰るわよ●●●、●●●」

 

 

「宜しいのでしょうか? ライブの途中だったのでしょう?」

 

 

「衣装と派手なPerformanceを重視して、肝心の演奏を疎かにしている様なバンドのライブなんて、最後まで聴くだけ時間の無駄だわ」

 

 

ヘッドホンの少女はそのまま立ち去り、ツインテールの少女と黒髪の少女もその後に続くのだった。

 

 

(…今はまだ、本格的に動く時では無い。精々何も知らず、この平和な時間を楽しむがいい)

 

 

次の瞬間、3人の少女の影がほんの一瞬だけ、全く異なる姿と化すも、直ぐに元に戻る。

 

 

その様子を、空の満月だけが見ていた。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

時は現代。

 

 

世間では、少女達による音楽バンド……『ガールズバンド』が圧倒的なまでに人気を博していた。

 

 

人々は今の様子を挙って、『大ガールズバンド時代』と評した。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

4月中旬の水曜日。

 

 

「皆~!! おはよう―――!!」

 

 

「おはよう香澄」

 

 

「おはよう、香澄ちゃん」

 

 

「おはよう、香澄」

 

 

香澄の挨拶に、背の高い黒髪の少女と大人しそうな少女、そして黄色いリボンが特徴のポニーテールの少女が返事を返す。

 

 

「ちょま、ちょっと待てー!」

 

 

その直後に、金髪ツインテールの少女――市ヶ谷有咲が遅れてやって来た。

 

 

「有咲、ビリっけつだ」

 

 

「うるせー!」

 

 

「あははは。 まぁ、取り敢えず学校に行こっか」

 

 

ポニーテールの少女の一声で、彼女達は再び歩き始めた。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

そして放課後。

 

 

「…それにしても、主催ライブか…」

 

 

有咲の住居兼営業店の質屋『流星堂』の敷地内にある蔵に、香澄の呟きが小さく響く。

 

 

香澄は有咲、背の高い黒髪の少女――花園たえ、大人しそうな少女――牛込りみ、そしてポニーテールの少女――山吹沙綾の5人と、中等部の頃から、『Poppin'Party』と言うガールズバンドを組んで活動していた。

 

 

そんな彼女達が高校2年生に進級してから、1週間が経った日の事。

 

 

ひょんな事から知り合った『朝日六花』と言う後輩の少女からの依頼で、彼女がバイトをしている『Galaxy(ギャラクシー)』と言うライブハウスのリニューアルオープン記念ライブへ参加し、其処で同じく参加をしていた知り合いのバンドである『Afterglow』、『ハロー、ハッピーワールド!』、『Roselia』、『Morfonica』と共に、記念ライブを無事成功させた。

 

 

しかしライブ終了後、Roseliaが主催ライブを開催することを発表したことをきっかけに、香澄もPoppin'Partyで主催ライブを開催することを宣言し、そして今に至るのだった。

 

 

「全く…あの場で思いっ切り宣言しちまったけど、何か考えあんのか?」

 

 

「無い!」

 

 

「威張って言うんじゃねぇ!!」

 

 

「はい! オッちゃん達を呼んで、一緒に『花園ランドパーティー』をしよう」

 

 

「それもうライブ関係ねぇだろ!」

 

 

香澄とたえの発言に対し、有咲の容赦無いツッコミが飛んだ。

 

 

「あはは…香澄もだけど、おたえのうさぎ好きもいい勝負になる程の凄さだね…」

 

 

沙綾は苦笑混じりに、目の前のやり取りに対して評価する。

 

 

「あ、あの…」

「どうしたの、りみりん?」

「『主催ライブ』もそうだけど、金曜日の『CiRCLE(サークル)開店1周年記念ライブ』の方もやらないと…」

 

 

『CiRCLE開店1周年記念ライブ』。

 

 

2日後の金曜日は、香澄達がお世話になっているライブハウスーー『CiRCLE』が開店して1周年となる日で、香澄達ポピパの面々も日頃何かと御世話になっている事もあり、恩返しの意味合いを込めて、この記念ライブに参加する事にしたのだった。

 

 

「はっ…そうだった。 『花園ランドパーティー』の事に夢中で忘れてた…」

「おたえ…お前なぁ」

「でも主催ライブの事もそうだけど、今は『CiRCLE』のライブの方に集中しよう」

「そうだね…開店1周年だし、日頃御世話になっているまりなさん達の為にも、絶対に成功させたいもん!!」

 

 

香澄の強い意気込みに、皆が頷いた。

 

 

そしてその後、ポピパの面々は残り時間を徹底的に練習に費やして、その日は解散となったのだった。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

そして2日後の当日の金曜日。

 

 

香澄達は、馴染みのあるライブハウス『CiRCLE』に来ていた。

 

 

ガラン、と扉を開ける音が響く。

 

 

「いらっしゃい。 待ってたよポピパの皆♪」

 

 

「こんにちはまりなさん。ところで他のバンドの皆は?」

 

 

「それなら…」

 

 

「おーい! ポピパの皆ー!」

 

 

『CiRCLE』のオーナーの女性――月島まりなの台詞を遮り、アイスブルーのショートヘアの少女――香澄達の『ポピパ』と同じガールズバンドの1つである『Pastel*Palettes』こと通称『パスパレ』のギター担当――氷川日菜が、香澄達の方に駆け寄って来た。

 

 

「日菜! いきなり割り込んだら駄目じゃない! …ポピパの皆さんもまりなさんも、本当にごめんなさい」

 

 

そして更に日菜の後ろから、彼女の姉――同じくガールズバンドの1つである『Roselia』のギター担当――氷川紗夜が現れ、日菜を窘めると同時に香澄達とまりなに対して、日菜の行動に対しての謝罪をする。

 

 

「あはは…日菜さんは相変わらずですね…」

 

 

更にその背後にいた白髪の少し気弱な少女――香澄達の後輩で、同じくガールズバンドの1つである『Morfonica』のボーカル担当――倉田ましろが苦笑混じりに言葉を発する。

 

 

「日菜さんに紗夜さん! ましろちゃんもこんにちは!」

 

 

香澄が返事を返す。

 

 

「おたえ、りみ、沙綾。 悪ぃけど先に行っててくれねぇか?」

 

 

「了解。 それじゃあ先に行って、準備してるね」

 

 

有咲の言葉を了承した沙綾は、たえやりみを連れて、控え室の方へ向かって言った。

 

 

「…さて、私と日菜。それに香澄に有咲にましろ。こうして5人で集まるのも、久し振りかしら」

 

 

紗夜が砕けた口調で言葉を紡ぐ。

 

 

基本的に紗夜は、実妹である日菜以外に対しては、名字+『さん』付け&敬語で喋るが、今の様にこの5人で一緒にいる時は、この様な砕けた形の口調にしている。

 

 

「そうですね…ここの所、皆それぞれの生活が忙しかったのも、ありますから…」

 

 

「そう言えば私、今日『ドルモン』の夢を見たんですよ」

 

 

「わ、私も実はハックモンの夢を…」

 

 

「あはは。何だか5年前の『あの冒険』が昨日の事みたいに思えるな~」

 

 

「5年…もうそんなに経つのね…」

 

 

そう言って紗夜は、スカートのポケットから、ターコイズブルーの縁取りのディーアークを取り出す。

 

 

それを見た4人も、自身の持つディーアークを取り出した。

 

 

 

 

香澄の持つ赤いボディと金色の縁取りのディーアーク。

 

 

有咲の持つライトグリーンの縁取りのディーアーク。

 

 

日菜の持つライトイエローの縁取りのディーアーク。

 

 

そして、ましろの持つライトブルーのボディと白い縁取りのディーアーク。

 

 

 

 

5人共通の『パートナー』との『絆』の象徴が目の前にあった。

 

 

 

 

「香澄ちゃん、有咲ちゃん、紗夜ちゃん、日菜ちゃん、ましろちゃん」

 

 

その時、事の様子を見守っていたまりなが、声を掛けてくる。

 

 

「今更こんな事を言っても許してくれないかもしれないけど、『あの時』は本当に御免なさい。

本当なら、私達がしっかり『彼ら』と共に管理・守護しなきゃいけなかったのに…結果的に貴女達を巻き込んでしまった」

 

 

「まりなさん…謝らないで下さい。 確かに最初は、分からない事や不安な事だらけで、投げ出したい気持ちになった事もありました。

…でも、『あの冒険』があったから、私達はこうして皆と出会えたんです」

 

 

「そうですよ。私だって香澄やましろ達、それにワームモンと出会わなかったら、ずっとぼっちのままでした」

 

 

「私も日菜も『あの冒険』があったから、こうして和解し、今の私達がいるんです」

 

 

「そうだよ。 誰もまりなさんの所為だなんて思っている人なんて、此処にはいないよ」

 

 

「だから…自分を責めないで下さい」

 

 

「香澄ちゃん…皆…有り難う」

 

 

まりなは静かに感謝を返した。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

その後まりなと別れ、香澄達5人は控え室のドアを開けて中に入ると、其処には既にポピパの面々以外に見知った顔触れの姿があった。

 

 

「おっ、香澄と有咲も来たね!!」

「あっ香澄さんに有咲さん、今日は宜しく御願いしますね」

 

 

香澄達の存在に気が付いた茶髪のギャル風な見た目の少女と眼鏡を掛けた少女――それぞれ紗夜が所属する『Roselia』のベース担当と、日菜が所属する『パスパレ』のドラム担当――今井リサと大和麻弥の2人が声を掛けてくる。

 

 

「リサさん、麻弥さん! 此方こそ、今日は宜しく御願いします!」

 

 

香澄も3人に挨拶を返す。

 

 

「か~すみ~!!」

「か~く~ん!!」

 

 

すると今度は金髪の少女とボーイッシュな少女――同じくガールズバンドの一角である『ハロー、ハッピーワールド!』こと通称『ハロハピ』のボーカル兼リーダーとベース担当である弦巻こころと北沢はぐみが現れる。

 

 

「ハッピー!」

「ラッキー!」

「スマイル…!」

「「「イェーイ!!」」」

 

 

香澄は2人と共に、『ハロハピ』独特の掛け声を取った。

 

 

「…本当に、ウチのこころ達が何時も御世話になっています…」

(奥沢さん…すっかりあの2人の『保護者役』が染み付いてるな…)

 

 

同じく『ハロハピ』メンバーの1人である帽子の少女――奥沢美咲の苦労振りを、有咲は察していた。

 

 

「お~。 あちらの方も相変わらずの勢いですな~」

「みたいだね」

「おやおや~、若しかして蘭も、あの中に一緒に混ざりたいのかな~?」

「なっ…そんなんじゃないし!!」

 

同じく香澄達の様子を見ていたガールズバンドの1つである『Afterglow』のギター担当――青葉モカが、同じく様子を見ていた幼なじみでボーカル担当の少女――美竹蘭を弄り、それに対して蘭は慌てて否定する。

 

 

「遅くなってしまってすみません。 湊さん」

 

 

一方紗夜は、真っ先に自身のバンドメンバーのいる方に向かい、『Roselia』のリーダー兼ボーカル担当の少女――湊友希那に謝罪の言葉を述べる。

 

 

「別に気にして無いわ。 調子の方はどう?」

「問題は無いです」

 

 

「お~い、シロちゃ~ん」

「あっ、七深ちゃん」

 

 

ましろが声のした方に振り向くと、ましろと同じ『Morfonica』のベース担当――広町七深が来るのが見えた。

 

 

「ははは。 七深はシロにべったりだな」

「ううう…。 私、めちゃめちゃ緊張しちゃっているよ~」

 

 

そんなましろと七深の様子を、同じ『Morfonica』のメンバーで、ギター担当の透子とリーダー兼ドラム担当のつくし、そしてバイオリン担当の八潮瑠唯がそれぞれの反応を示しながら、見つめていた。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「みんなー! 準備は良い? そろそろライブの開始だよー!」

 

 

それから1時間後、まりながライブの開始を告げに現れる。

 

 

「皆、何時も御世話になっている『CiRCLE』やまりなさん達の為にこのライブ、絶対に大成功させよう!!」

 

 

香澄の言葉にRoselia、Afterglow、Pastel*Palette、ハロー、ハッピーワールド!、Morfonicaの面々が頷く。

 

 

「あの輝く景色へ」

「それじゃあ笑顔でっ!」

「いつも通りっ」

「最っ高のステージに!」

「全身全霊で」

「いっくよーっ!」

 

 

そして各バンド達は、それぞれの音楽を自身達のライブで奏でる。

 

 

一見バラバラで個性的な感じに思えるその音楽はとても美しく、会場にいる観客やまりな達『CiRCLE』スタッフの面々の心を幸せと楽しい気持ちで満たしていた。

 

 

こうして、『CiRCLE開店1周年記念ライブ』は文字通りの大成功で幕を下ろしたのだった。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「皆、今日のライブ御疲れ様! 本当に有難う!」

 

 

ライブを終えて控え室に戻ってきた6バンドの面々に、まりなが労いの言葉を掛けてくる。

 

 

「有難う御座いますまりなさん!! 今日のライブ、私達も本当に楽しかったです!!」

 

 

その後6バンドの面々は、各自ライブの話題で暫しの談笑を繰り広げていた。

 

 

 

 

――ドオォォォォォン!!

 

 

 

 

その時、それは突然起こった。

 

 

『CiRCLE』全体を、巨大な衝撃音と振動が支配する。

 

 

「な、何!? 一体何なの!?」

「若しかして、これも演出の一環なの!?」

「違う…!! こんな演出の予定なんて無いわ!!」

 

 

ガールズバンドの面々からの疑問の声を、まりなは即座に否定する。

 

 

 

 

――グオォォォォォン!!

 

 

 

 

「「「「きゃぁああああああああっ!!」」」」

 

 

 

 

その直後、爆発音と悲鳴が響き渡った。

 

 

 

「!! 外の方からだわ!!」

 

 

 

気付いたまりなが一目散に出口に向かって駆け出し、香澄達もその後に続く。

 

 

そして会場の外を見渡すと、中央辺りに双肩から巨大なツノを生やした緑色の恐竜と、4本の腕を生やした真っ赤なクワガタムシ。

 

 

そして突然の事に混乱し、逃げ惑う観客達の姿があった。

 

 

『キシャアアアアアアアアアッ!!』

『グオオオオオオオオオオオッ!!』

 

 

「な、何なのアレ!?」

「大きなクワガタに、緑色の怪獣!?」

 

 

『キャオオオオオオオオオオッ!!』

『シェエエエエエエエエエッ!!』

 

 

そして更に2体の泣き声に呼応するように、空から真っ黒な燃え盛る翼をもった巨鳥、そして奥から背中に大きな貝殻を背負った緑色の生物が現れた。

 

 

「見て!! 真っ黒な鳥さんに緑のヤドカリさんも出て来たよ!!」

「ふ、ふえぇぇぇ!?」

 

 

存在に気が付いた『パスパレ』のボーカル兼リーダー――丸山彩の声に、『ハロハピ』のドラム担当――松原花音は驚きの声を上げる。

 

 

 

 

誰もが慌てふためく中、香澄、有咲、紗夜、日菜、ましろの5人は人一倍驚きの様子を浮かべていた。

 

 

 

 

「有咲!! 紗夜さん!! 日菜さん!! ましろちゃん!! アレって…」

「嘘だろ…!? なんで『デジモン』がこの世界に!?」

「と、とりあえず皆さんを避難させないと!!」

 

 

その時、緑色の恐竜――タスクモンが逃げ惑う観客達に襲い掛かろうとしていた。

 

 

「「「きゃぁあああああああああっ!!」」」

 

 

それを見た5人とまりなは、動揺する他のガールズバンドを尻目に、真っ先に行動する。

 

 

「止めて――!!」

 

 

そう叫んで、香澄は近くに落ちていた小石をタスクモンに投げつけた。

 

 

そしてその小石は、タスクモンの右手辺りに命中し、タスクモンは視線を香澄の方に向ける。

 

 

「ッ! 皆さんは早く避難してください! ここは私達が何とかします!」

「皆!! 危ないから逃げて!!」

「「「は、はい!」」」

 

 

香澄と日菜の言葉に従って、観客達は『CiRCLE』の中に避難する。

 

 

紗夜も香澄と同様に真っ赤なクワガタムシ――クワガーモンに対し、小石を投げて注意を引き付け、有咲とまりなは観客達を誘導する。

 

 

「凄い…香澄達、あそこまで冷静に対処している」

「それにしても…一体あの生き物達は何なのかしら?」

「戸山さん達は、『デジモン』って呼んでいたわね…」

 

 

他のガールズバンドの面々は、目の前で起こっている状況と香澄達への疑問で、冷静な判断が出来ない状態であった。

 

 

「さぁ、皆さんも早く避難を…っ!!」

 

 

真っ先に他の観客達の避難を終えたましろが、他のガールズバンドの面々を避難させようとしたが、その時緑色の怪獣――モリシェルモンが、硬い貝の中に手足をしまい、回転しながら突進してきた。

 

 

「皆!! 避けて!!」

 

 

ましろの叫びで他のガールズバンドの面々は何とか避けるも、辺りに衝撃が響き渡る。

 

 

「あ、危なかった…」

「何て威力なの…あんなの喰らったりでもしたら一溜りもないわ…」

 

 

その時、今度は黒い巨鳥――セーバードラモンが空中から襲い掛かって来た。

 

 

そして真っ先に気が付いたましろが、セーバードラモンの視覚の先にいた透子とつくしに対して叫ぶ。

 

 

「透子ちゃん!! つくしちゃん!! 伏せて!!」

 

 

2人を庇ったましろに、セーバードラモンの爪が僅かに掠り、彼女の衣装の背部を切り裂く。

 

 

「「「「シロ(ましろちゃん)(しろちゃん)(倉田さん)!!」」」」

 

 

Morfonicaの4人の声が響く。

 

 

「シロ、大丈夫か!?」

「大丈夫…少し掠っただけだから…」

「大丈夫じゃないよ!! 背中から血が出てるよ!!」

 

 

「うわぁっ!」

「くうぅ!」

 

 

その時、タスクモンとクワガーモンの攻撃の衝撃で香澄と紗夜が吹き飛ばされて来た。

 

 

「香澄!!」

「お姉ちゃん!!」

 

 

其処へ有咲と日菜が駆け寄ってくる。

 

 

顔や衣装が汗や泥で汚れ、ボロボロになっている様子を見るに、あの後必死であの2体に抵抗していたのだろう。

 

 

そして視線を向けると、目の前には4体のデジモン達が此方を敵意のある目で睨んでいた。

 

 

「みんな、大丈夫?」

「正直…少しキツイかな?」

 

 

香澄の問い掛けに、日菜が痩せ我慢で答える。

 

 

「こんな時、アイツ等が今の私達を見たら、何て言うだろうな…」

 

 

5人の脳裏に、嘗て共に過ごしたパートナーの姿が映る。

 

 

「でも…だからって…」

「自分達だけ逃げるなんて事をしたら、皆に合わせる顔がないわよ…!!」

 

 

その時、タスクモンの右腕が無情にも振り下ろされた。

 

 

「「香澄!!」」

「有咲ちゃん!!」

「「「紗夜(さん)(氷川さん)!!」」」

「「日菜ちゃん(さん)!!」」」

「「「「シロ(ましろちゃん)(しろちゃん)(倉田さん)!!」」」」

 

 

 

 

『一巻の終わり』

 

 

 

 

この光景を見ていた香澄達5人以外のガールズバンドのメンバーの誰もが、この言葉を脳裏に過らせていた。

 

 

 

 

 

 

「メタルキャノン!!」

「シルクスレッド!!」

「ティアーシュート!!」

「コロナフレイム!!」

「ベビーフレイム!!」

 

 

 

 

 

 

(…ああ、これが所謂『走馬燈』って物なんだね…)

 

 

だが幾ら待っても自分達の体に何の衝撃も無い事に疑問を抱いて、閉じていた目を開くと、見えた光景に思わず声を出す。

 

 

「…え?」

 

 

其処には何故か、右手を抑えるタスクモンの姿。

 

 

だが驚いたのは、それではなかった。

 

 

 

 

香澄達5人の目の前には、小さな5体の生物達の姿があった。

 

 

 

 

紫色の体毛に覆われ、額に赤い三角形の結晶を付けた獣。

 

 

尻尾にリングを付けた緑色の幼虫。

 

 

額に三日月の模様が入った兎。

 

 

全身を真っ赤な体毛に覆われたライオンの子供を彷彿させる見た目の獣。

 

 

赤いマントを身に着けた全身の白い竜。

 

 

 

 

「香澄!! 大丈夫!?」

 

 

 

 

香澄達は、最初は夢を見ているのではないかと言う気持ちだった。

 

 

 

 

何故ならその5体は、彼女達にとってとても大切で、もう二度と逢えないと思っていた存在。

 

 

 

 

「ドルモン…?」

「ワームモン…?」

「…ルナモン?」

「本当にコロナモンなの…?」

「ハックモン…だよね?」

 

 

 

 

香澄達ははっきりと意識が覚醒し、痛みも忘れて5体の下へ駆け寄った。

 

 

「ドルモン!! 本当にドルモン何だよね!?」

「うん!! そうだよ香澄!!」

「……っ、ドルモーン!!」

 

 

香澄の問い掛けに対するドルモンの返答で、改めてドルモンが其処にいる事を実感したのか、目に涙を浮かべ、ドルモンに抱き付いた。

 

 

それは、有咲達も同じだった。

 

 

「ワームモン!!」

「やっと会えたね…あーちゃん」

 

 

「随分大きくなったわね、紗夜」

「久し振りね…ルナモン」

 

 

「よう日菜! 元気だったか?」

「…っ…勿論に決まっているじゃん! コロナモン!」

 

 

「久し振りだな、ましろ」

「ハックモン………」

 

 

 

 

 

 

『ギャオオオオ!!』

 

 

 

 

 

 

その時、怒声に近い叫び声が響き渡る。

 

 

5組はハッと、叫び声のした方に振り向くと、其処には此方を睨み付けるタスクモンの姿があった。

 

 

「…皆」

「そうだな、私達にはやる事があったんだった」

「再会の喜びを楽しむ前に、先ずはあのデジモン達を何とかしないとね」

 

 

香澄達は再度、自分達が置かれている状況を前に、会話を交わす。

 

 

 

 

「「香澄(有咲ちゃん)(紗夜)(日菜ちゃん)(シロちゃん)!!」」

 

 

 

 

その時、今までの状況に漸く落ち着いて来た他のガールズバンドの面々が、声を掛けて来た。

 

 

 

 

「沙綾…りみりん…おたえ…皆…」

「戸山さん…貴女達は一体何者の? あの怪物達やその子達は一体…」

「初めまして! 僕、ドルモン!」

「しゃ…喋りました…」

「湊さん、白金さん、それに皆さん。安心して下さい。この子達は私達のパートナーであり、味方です」

 

 

紗夜が皆を宥めた後、5人は自身のディーアークを取り出し、改めてタスクモン達の方に向ける。

 

 

「タスクモン。 成熟期。 恐竜型デジモン。 ウィルス種。 必殺技は『パンツァーナックル』」

「クワガーモン。 成熟期。昆虫型デジモン。 ウィルス種。 必殺技は『シザーアームズ』」

「モリシェルモン。 成熟期。 軟体型デジモン。 データ種。 必殺技は『パイルシェル』と『マインドフォッグ』」

「セーバードラモン。 成熟期。 巨鳥型デジモン。 ワクチン種。 必殺技は『ブラックセーバー』」

 

 

香澄がタスクモン、有咲がクワガーモン、日菜がモリシェルモン、ましろがセーバードラモンのデータをそれぞれ確認し、前に出る。

 

 

 

 

「行くよ! ドルモン!!」

「おっけー! 香澄!!」

 

 

「ワームモン、久し振りで悪いけど、一緒に戦ってくれるか?」

「大丈夫だよ、あーちゃん」

 

 

「ルナモン…貴方の力を貸して!!」

「ええ勿論…。 だって私は紗夜のパートナーだもん!!」

 

 

「コロナモン!! 久し振りに『るんっ』てしていくよー!!」

「おう、せっかくの再会がてら、一発決めてやるぜ!!」

 

 

「お願いハックモン!! 皆を守る為に私に力を貸して!!」

「無論だましろ。私は君の為なら、どんな時だって力になるさ」

 

 

 

 

――EVOLUTION

 

 

 

 

Dアークの画面にそう表示されると、Dアークが眩い光を放つ。

 

 

その光がドルモン達5匹を包み、5匹達自身が光を放った。

 

 

 

 

「ドルモン進化! ドルガモン!!」

「ワームモン進化! スティングモン!!」

「ルナモン進化! レキスモン!!」

「コロナモン進化! ファイラモン!!」

「ハックモン進化! バオハックモン!!」

 

 

 

 

光の中から現れた5匹はそれぞれ、藍色の体毛を持つ翼を生やした獣竜、人型の形態をした緑の昆虫、両手にグローブを身に着けた兎の獣人、その身に炎を宿した翼の生えた獅子、赤いマントを身に纏い、より成長した白き恐竜へと、その身を変化させていた。

 

 

「見て! 姿が変わったよ!」

「あっ、ウサギさんだー!」

 

 

デジモンの進化を初めて目の当たりにし、『Afterglow』のベース担当である上原ひまりとたえが声を上げる。

 

 

特にたえはレキスモンの姿を見て、自身の好きな物の1つである『兎』と認識し、興奮を抑えきれない状態だった。

 

 

 

 

「「行くぞ(行くよ)皆!!」」

「「「「「「「「ああ(ええ)(うん)(はい)!!」」」」」」」」

 

 

 

 

香澄とドルガモンの掛け声と共に、各自それぞれの相手に向かって行く。

 

 

「ハァアアアー!!」

 

 

バオハックモンがセーバードラモンに攻撃を仕掛けるが、セーバードラモンは直ぐに急上昇して交わした後そこから急降下し、バオハックモンも立ち向かい、激しい激突を起こす。

 

 

そしてそれは一瞬後の事だった。

 

 

「ウオオオオオー!!」

「グェエエエエー!!」

 

 

バオハックモンとの激突で力負けをしたセーバードラモンが吹っ飛ばされ、バランスを崩した。

 

 

「今だよ!! バオハックモン!!」

 

 

ましろの言葉を受け、バオハックモンはセーバードラモンに向かって駆け出し、両手の爪を構える。

 

 

「フィフクロス!!」

 

 

鋭い爪による斬撃で両断されたセーバードラモンは、悲鳴を上げる間も無く、そのままデータの粒子になって消えていった。

 

 

 

 

「ウオオオオ!!」

「フッ!! ハッ!! ムーンナイトキック!!」

 

 

一方此方では、ファイラモンとレキスモンの2体とモリシェルモンの戦闘が行われていた。

 

 

力押しのファイラモンと素早い動きのレキスモンの息の合ったコンビネーション攻撃の前に、モリシェルモンも次第に追い詰められていき、疲弊の色が見られていた。

 

 

「シェエエエエエエエエエッ!!」

 

 

焦ったモリシェルモンは、再び硬い貝の中に手足をしまい、回転しながら突進する。

 

 

「!! 来るわよ!!」

「ああ!!」

 

 

レキスモンの言葉で、ファイラモンも自身の爪に炎を纏って、モリシェルモンに対抗する。

 

 

「ファイラクロー!!」

 

 

そのまま2体の技が、激しく拮抗し合う。

 

 

「グゥウウウウ…!!」

「ファイラモ――ン!!」

「日菜…!! ウオオオオ!! 負ける気がしねぇ!!」

 

 

日菜の呼び声に応える様に、ファイラモンは己の持つ全力でモリシェルモンを拮抗の末に押さえつける。

 

 

「シェエ!?」

「喰らいやがれ!! ファイラボム!!」

「シェエエエエエエエエエ!!」

 

 

そしてそのまま動揺するモリシェルモンに対し、ゼロ距離から無数の火炎弾を喰らわせた。

 

 

唯でさえ威力の高い火炎弾を無数、しかもゼロ距離から喰らったモリシェルモンは、断末魔と共にデータの粒子になって消えたのだった。

 

 

 

 

「キシャアアアアアアアアアッ!!」

「フッ!」

 

 

クワガーモンは4本ある腕で攻撃をしてくるが、スティングモンは紙一重でその攻撃を躱す。

 

 

そしてクワガーモンの懐へ飛び込み、

 

 

「ムーンシューター!!」

 

 

其処にエネルギー弾の連続攻撃を炸裂させる。

 

 

「ギシャァアアアッ!?」

 

 

連続攻撃の痛みに、クワガーモンは堪らず転倒する。

 

 

「ヘルスクイーズ!!」

 

 

スティングモンはその隙を付き、今度は頭部の触角を伸ばし、クワガーモンの体を締め付けた。

 

 

「ギッ…ギュオオオ!?」

 

 

スティングモンの『ヘルスクイーズ』で体力を吸い取られるクワガーモンは、苦痛の声を上げる。

 

 

「ギャオ…ギャオ…」

 

 

数分後に漸く苦痛から解放されたクワガーモンには、かなり疲弊している様子だ。

 

 

「有咲、どうする?」

「止めを刺せ!!…って言いたい処だけど、この状態じゃあ…もう勝負は付いてるし、これ以上はなぁ…」

「有咲ちゃん、これ以上の戦いは私も無用だと思うわ。 だから…」

 

 

そう言って、まりながノートパソコンの開く。

 

 

「分かりましたまりなさん。 スティングモン、クワガーモンをこっちに」

 

 

まりなの考えを察した有咲はスティングモンに指示を出し、スティングモンは指示通りにクワガーモンを運ぶ。

 

 

「それじゃあ行くぞ。 デジタルゲートオープン!!」

 

 

するとまりなのノートパソコンから白い閃光が現れ、それに包まれたクワガーモンはデジタルゲートの中に消えていった。

 

 

 

 

「グオオッ!!」

「行け! ドルガモン!」

「グワァッ!」

 

 

香澄の声に応える様に、ドルガモンはタスクモンに立ち向かう。

 

 

「グオオッ!!」

 

 

そこからタスクモンは、必殺技のパンツァーナックルを喰らわせようとするが、ドルガモンは間一髪急上昇し、その一撃を避ける。

 

 

「ウオオオオ!!」

「グオオッ!!」

 

 

そしてドルガモンはそこから急降下して、全身の力を込めた突進をタスクモンに浴びせ、喰らったタスクモンはそのまま痛みで倒れる。

 

 

「よーし!! 其処だ!!」

「やっちゃえー!!」

 

 

2体の戦いを観戦していた『Afterglow』のドラム担当――宇田川巴と彼女の妹で『Roselia』のドラム担当――宇田川あこが声を上げる。

 

 

「凄い…それに香澄ちゃん達のあの様子、パートナーデジモン達と呼ばれたあの子達と強い信頼関係で結ばれているのが、初めて会う私にも分かるわ」

 

 

同じく観戦していた『パスパレ』のベース担当の金髪の少女――白鷺千聖は、香澄達とドルガモン達夫々のパートナーデジモン達の姿に、双方の強い信頼関係を感じていた。

 

 

そして再び急上昇したドルガモンは、止めの必殺技を放つ。

 

 

「パワーメタル!!」

 

 

ドルガモンの口から放たれた巨大な鉄球がそのままタスクモンに直撃し、そのまま押しつぶされたタスクモンはデータの粒子になって消滅した。

 

 

「…ふう」

 

 

香澄は戦いの終わりを感じて一息つく。

 

 

そして同じく戦いの終わりを確認したドルガモンが地上へ降り、香澄は優しく出迎えた。

 

 

「香澄…」

「ドルガモン…」

 

 

「「「「香澄(ちゃん)(さん)!!」」」」

 

 

その時、同じ様に戦いを終えた有咲達がそれぞれのパートナーデジモン達と共にやって来る。

 

 

「有咲…紗夜さん…日菜さん…ましろちゃん…」

 

 

そして集まった5人は、その様子を見ていた他のガールズバンドの面々を見つめる。

 

 

 

 

「皆に全て話すよ。 私達とドルモンの関係から今までの事を」

 

 

 

 

戦いが終わった辺り一面に、香澄の決意が込められた言葉が、静かに強く反響した。




第1話、之にて終了です。
戦闘シーンって書くのが難しいですね。
私自身、今でも書いた後読み返していて、『ここ何だか表現が可笑しいのでは?』と感じてしまったりしています…。


それと活動報告にも書きましたが、日菜さんのパートナーデジモンはコロナモンに変更になりました(詳しくは活動報告の方で)。


更に作中での日菜のディーアークがライトイエローである理由ですが、実は最初は紗夜さんと同じターコイズブルーにしようと考えてたのですが、それだと紗夜さんと被ってしまうと言う事で没になってしまい、次に考えたのが、『ブルーのボディに赤い縁取りのディーアーク(別名『ビルドカラー)』と言う物ですがこれも自信が無くなって没にしてしまい、最終的に、


『コロナモンとルナモン→太陽と月→日光と月光→サンライト&ムーンライト→ライトイエロー』


と言う連想ゲームの様な形式で決まったのでした。


最後にまた連続ですが、デジモン紹介です。
此方は香澄達5人のパートナーデジモンの成熟期の紹介です。




ドルガモン

世代:成長期
タイプ:獣竜型
属性:データ

香澄のドルモンが進化した成熟期デジモン。
獣と竜“ドラゴン”の資質を持ち、多くのデジモンがその影を見ただけで逃げ出すほどの重量級にして獰猛な獣竜型デジモン。
戦いとなると野性の獣の如くその獰猛性を発揮するが、竜の知性を併せ持ち、普段は非常におとなしい。
額に旧式なインターフェースをもつ為“プロトタイプデジモン”の進化系ではないかと推測されている。
必殺技は大型の鉄球を口から放ち、敵を打ち砕く『パワーメタル』。
得意技は立ち止まって力を溜めてから放つ方が威力はあるが、突進しながらも鉄球を放つことが出来る『キャノンボール』。


スティングモン

世代:成熟期
タイプ:昆虫型
属性:フリー

有咲のワームモンが進化した成熟期デジモン。
人型の形態を持つ、非常に珍しい昆虫型デジモン。
昆虫型デジモン特有の硬い外骨格と素早い動きを持っていて、暗殺者としての能力に長けており、俊敏な身のこなしと的確な判断力で敵の急所を狙い、一撃で敵を沈黙させる攻撃を得意とする。
いたって冷静で知性は高く、クールな性格の持ち主。
必殺技は腕から伸びるパイルで敵を貫く「スパイキングフィニッシュ」。
得意技はエネルギー弾を撃ち出す「ムーンシューター」と触角で敵の体力を吸い取る「ヘルスクイーズ」。


レキスモン

世代:成熟期
タイプ:獣人型
属性:データ

紗夜のルナモンが進化した成熟期デジモン。
驚異的なジャンプ力を身に付け、素早い動きで敵を翻弄する獣人型デジモン。
月の満ち欠けのように、つかみどころのない性格をしてるが、その佇まいはどこか神秘的である。
必殺技は、両手の“ムーングローブ”から発生させた催眠効果のある水の泡を投げつけ、敵を眠らせる『ムーンナイトボム』と、背中の突起から美しい氷の矢を引き抜きいて放つ『ティアーアロー』。
また、空高く跳躍し、急降下キックを繰り出す『ムーンナイトキック』も強力である。


ファイラモン

世代:成熟期
タイプ:獣型
属性:ワクチン

日菜のコロナモンが進化した成熟期デジモン。
“空を翔る獅子”と異名をもつ獣型デジモンで、デジタルワールドのとある遺跡を守護しており、面倒見の良いリーダー的な存在でもある。
必殺技は、全身に炎をまとい、上空より急降下突撃をする『フレイムダイブ』と、炎をまとった強靭な前足で敵を引き裂く『ファイラクロー』。
また、額に全身の力を集中させた火炎爆弾『ファイラボム』を放つ。


バオハックモン

世代:成熟期
タイプ:恐竜型
属性:データ

ましろのハックモンが進化した成熟期デジモン。
ハックモンが厳しい鍛錬を重ね、類い稀なる戦闘センスに磨きがかかり心技体ともに成長を遂げた姿。
高みを目指して鍛錬を続け、強敵とのバトルを通じて培った戦闘経験も蓄積し、戦うほどに進化する戦闘巧者で、成長とともにロイヤルナイツへの志も高まり、自分が成すべき事は誰に言われて決めるのではなく、自分で見て考え決意することを信条としている。
必殺技は全てが強化され、爪で切り裂く『フィフクロス』、尻尾の刃を軸に回転させ突貫する『ティーンブレイド』、迎撃にも使用できる『バーンフレイム』と威力は格段に増した。
さらに両足の斬れ味鋭い刃を生かした『ドラグレスパイカー』で敵を両断する。

この中で、前書きで語った『バンドリキャラ×『デジモンゴーストゲーム』のメインデジモン(ガンマモン、アンゴラモン、ジェリーモン)』の組み合わせで、1番しっくりくると思った組み合わせはどれですか?

  • 上原ひまり×ガンマモン
  • 花園たえ×アンゴラモン
  • 白金燐子×アンゴラモン
  • 松原花音×ジェリーモン
  • 寧ろ4組全て

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