Roseliaメイン回です。
Roselia編は2話構成になっており、今回は紗夜さんメインの話です。
因みに、Roselia(若しくはRoseliaメンバー)のメイン回は基本的に(余程の事が無い限りは)、今回の様な形式で書くと思っていて下さい(アフグロと大して変わりが無いと思われますが、これは元ネタの特撮作品のサブタイトルが、『555』と似た様な感じの物になっている為です)。
それと個人的な話になりますが、アンケートの投票メンバー7人のパートナーデジモンは私自身も考えてはいるのですが、現状では
・沙綾・リサ・あこ→一応決まっている。
・千聖さん→候補が複数ある。
・りんりん・瑠唯さん・あっちゃん→全く決まっていない。
と言う感じです。
特にりんりんに関しては、パートナーデジモンだけでなく進化ルートの方も定まっていないと言う事もあって、苦労しています…。
時と場所は少し遡る。
「申し訳御座いませんでした、●●●●様」
ブギーモンは、自身の主である『存在』に対して、謝罪の言葉ともに跪く。
「まさか連れて行ったミノタルモンが、パートナー関係を結んだばかりの人間とデジモンにやられるなど…」
「…それだけデジモンと人間との『絆』は厄介な物だと言う事か…」
ブギーモンの報告を聞いたその『存在』は、警戒心を更に強めていた。
「もういい…今更過ぎた事を責めた所で、時間の無駄だ。 もう下がっていい。 …それと、もう元の姿に戻ってもいいよ、ブギーモン」
「御意」
その言葉と共に、ブギーモンの姿が全身の黒く妖しい光と共に姿を変える。
そこにいたのは、頭部に2本の角、背中に赤い翼を生やし、顔の部分に巨大な単眼を宿した白い悪魔の様な姿のデジモンだった。
そしてそのデジモンは、直ぐに姿を消した。
(『大ガールズバンド時代』…●●●●からある程度は聞かされて、最初は『人間達の流行りの文化』と言う認識しかなかったけど…嘗ての5人の少女達がそれぞれの形で活動している事といい、新しくテイマーとなった少女がガールズバンドの関係者だった事といい…『ガールズバンド』と言うのは、デジモン達を惹き付ける何かを持っているのか?)
彼は内心、『ガールズバンド』への疑念、興味、警戒の3つが混ざった心境で、先程ブギーモンがいた場所を見ながら、思考に耽るのだった。
☆☆
場所は変わって、氷川家の2階の紗夜の自室。
其処では、紗夜とルナモンが窓越しから満月を眺めていた。
「綺麗な満月ね…」
「ええ…とっても気持ち良いわ」
「こうしていると、デジタルワールドにいた時の夜を思い出すわね」
元々、月の観測データと融合して生まれたルナモンにとって、月は自身の生みの親の様な存在である為、とても喜んでいるのが紗夜には分かり、またルナモン自身も紗夜自身の声色に込められた喜びの感情を感じ取っていた。
「紗夜もライブの方、お疲れ様」
「有り難う…ルナモン」
「…それにしても紗夜、香澄達の事は…」
ルナモンが言及したのは、今日のライブ終了時でのポピパとRoseliaの会話の事だった。
今回のRoseliaの主催ライブでは、ポピパの面々が主催ライブの参考の為に、Roseliaのメンバーで唯1人花女に通っている燐子からの誘いを受ける形でゲストバンドとして参加していた。
ライブ自体は大盛況に終わったのだが、問題はその後だった。
“でも…、同じ事…、出来るかなって…。”
“同じ事…”
“でも! 私達も絶対ライブします! いつか、頑張ってRoseliaの皆さんみたいに!”
ライブ終了後、Roseliaの主催ライブの圧倒的な凄さの前に、香澄は不安な心境も見せつつも直ぐに前向きな姿勢で決意を述べる。
“その努力に、意味はあるの? Poppin'Party、あなた達、主催ライブする覚悟が足りていない。”
しかしそんな彼女達を前に、友希那は厳しい指摘を下ろしたのだった。
紗夜のディーアークの通してその様子を見ていたルナモン自身、『仲間』として困っている香澄達の事を、何とか助けてあげたいと言う気持ちから、つい言及したのだった。
「ルナモン、貴女の気持ちも分かるわ。 でも、これは香澄達Poppin' Partyの『問題』。 彼女達の道は最終的に彼女達自身が決める事よ」
「紗夜…」
「それに、湊さんは口では厳しく言っているけど、あれは湊さんなりに香澄達の事を思って言っているのよ」
ルナモン自身、紗夜を通してRoseliaのメンバーになってまだ日が浅い事もあって少し誤解しているが、紗夜はRoseliaの活動を通して、友希那の音楽に懸ける想いや姿勢を見ていたからこそ、あの厳しい指摘の中に、彼女なりの香澄達への優しさが込められているのが分かった。
「私達に出来るのは、香澄達を信じて見守る事だけ。 それに香澄があんな事で簡単に諦める程の子じゃないのは、デジタルワールドで一緒に冒険した貴女だって知っているでしょ?」
「…そうね。 ポピパの皆もきっと自分達なりの『答え』を見付けるに違いないわね…」
そして再度、夜空の満月を見上げる。
其処から放たれる月光は、まるで安心感を与えるかの如く、2人を強く優しく照らすのだった。
☆☆
「おはよう御座います。 そこの貴女、ネクタイが曲がっていますよ」
「す、すみません…」
数日後、その日の紗夜は朝早くから羽丘の校門前に立って風紀委員の仕事の一貫である『挨拶運動』を行っており、その際に登校して来た生徒の見出し並みのチェックも平行して行い、その際1人の羽丘生徒のネクタイの乱れに気付き、それを直していた所だった。
『うわぁ…紗夜、気合い入ってる…』
ディーアークの内部からその様子を見るルナモンは、紗夜の気の入り様に興味心身だった。
☆☆
『美味え―――!!』
「あはは! コロナモン、すっかりそのカップラーメンの虜になっちゃってるね~」
昼休みの生徒会室。
ディーアークの内部空間で、自身の愛用食である『プロテインラーメン』のカップ麺を美味しそうに食べる様子を見ながら、日菜の楽しむ声が響く。
「コロナモン、カップ麺が好きな貴女の気持ちも分かるけど、ジャンクフードばかり食べていると、栄養的に良くないわよ」
『何だよ! 紗夜だってこの間のライブの打ち上げの時、ファミレスでポテトを3箱平らげてたって聞いたぞ~』
「なっ…!? 何処からそんな情報を……!?」
(御免なさい紗夜……)
うっかりその事をコロナモンに話してしまった情報元のルナモンは、内心紗夜への謝罪をしつつ、下手なとばっちりを回避する為、黙々と食事をする。
「それにしても、まさか蘭ちゃんがテイマーになるなんてね~」
「えぇ…あれは、私もかなり驚いたわ…」
日菜の予想外だと思いながら、妙に楽しさを含んだ発言に、紗夜も自身の気持ちを吐露する。
「ねぇねぇお姉ちゃん。蘭ちゃんの事を考えたらさ、今後もガールズバンドのメンバーから、あたし達や香澄ちゃん達みたいにパートナーデジモンを持つ子達も出てきたりするじゃないかな~?」
「それは…」
紗夜自身、口では言い淀んでいるが、嘗てデジタルワールドを冒険した自分達5人が、こうして『ガールズバンドのメンバー』として再び集まった事もあって、日菜の発言も強ち否定出来ないと言う気持ちがあった。
「…お姉ちゃん、若しかして『ガールズバンドの皆を巻き込んでしまって、申し訳無い』って、思っている?」
「…っ! …日菜、貴女…」
「『あたしはお姉ちゃんと血を分けた実の妹だよ』って言うのもあるけど、それに、今のお姉ちゃんの様子を見たら、何を考えているのか何て、ある程度分かっちゃうよ」
「…それなら、貴女にも分かるでしょう。 私の考えている『最悪な想像』を…」
紗夜はまりなから聞いたブギーモンの話と実際に戦った時の様子から、考えていた事があった。
「あの時、ブギーモンはまりなさん達に対して言っていたのよ」
“今まではゲートを適当に開いていただけだったが、今回は『あのお方』の命で、私自らがこうしてやって来たのだ”
「あの台詞から見て、ブギーモンの背後には間違い無く『大きな存在』がいる。 …彼奴が忠実に従っている事やゲートを容易に開ける事を考えても、その『大きな存在』は間違いなく『究極体』クラスの強さを持っているのは明白よ…」
「それだけじゃないわ…。 私も戦っていて感じていたんだけど彼奴…本気を出していなかった様に思えたのよ…。 何と言うか…敢えて成熟期の姿で現れたって感じなの…」
「んだよ~。 相手が究極体で来るんなら、こっちも究極体で対抗すりゃいいじゃねぇか!」
コロナモンの『やられたらやり返す』的な発言に、紗夜とルナモンは思わず呆れ半分に溜め息を吐いた。
「そう言う単純な問題じゃないわ。 私達5人の場合だったらまだしも、美竹さんはテイマーになってまだ少ししか経っていないのよ。 それに私達だって、四六時中他のガールズバンドの皆と一緒に居られる訳じゃないの」
例えば若しパートナーデジモンがいるメンバーが誰もいない状態で、他のガールズバンドがデジモンに襲われる様な状況が起こったなら。
そう考えると、紗夜自身がネガティブな事を思ってしまうのも無理も無いのだった。
「…確かにお姉ちゃんの考えもある程度、理解は出来るよ。 でも、あたしはガルパの皆を守りたいな」
「…日菜」
「確かにあたし達は、『デジタルワールドを冒険してデーモンを倒して、平和を取り戻したよ』…でもだからって、別に特別な力を使える様になった訳でも、神様みたいに偉くなった訳でも無いよ。 あの戦争だって、多くのデジモン達が犠牲になって、その中には私達が仲良くなったデジモンだっていた」
紗夜の脳裏に、今まで出会ったデジモン達の姿が浮かぶ。
「正直、拒絶されてもしょうがないのに…それでもパスパレの皆やつぐちゃんは、私とコロナモンを巻き込まれる前と変わらない姿勢で接してくれた。 その時あたしは、『皆の事を守りたい』って強く思ったんだ」
「日菜だけじゃねぇよ。 俺だって、日菜達や彼奴等との毎日が一緒に過ごす内に、すっげえ楽しいって思える様になったんだ。 だから、俺も守りたいんだ。 彼奴等の事を」
日菜とコロナモンの言葉を聞いた紗夜は、優しそうな表情を浮かべた。
「日菜…コロナモン…御免なさい。 私、『守る』って言っておきながら、結局は自分勝手な思い込みや罪悪感を理由に、放棄しようとしていたわ…本当に最低ね…」
「そんな事無い。 紗夜は優しいわ。 だって紗夜は、何時も皆の事を考えて、それでこうやって悩みながらも前に進んで来たじゃない」
「ルナモン…」
「辛い事や困っている事があったら、1人で抱え込まないで。 だって私は、紗夜のパートナーだもん。 どんな時だって私は紗夜の味方でいるわ」
「…有り難う、ルナモン」
「…さっ! 辛気臭い話は此処までにして、ほらこれも食えよ!」
そう言ってコロナモンは、紗夜とルナモンに自身が保存している『プロテインラーメン ~ビタミンCたっぷりversion~』を差し出す。
「いえ…これ以上食べると眠くなりそうだから、止めておくわ」
「私も紗夜と同じく…」
「オイ! 其処は普通貰って食べるのが、『テンプレ』じゃねぇのかよ!?」
「アハハ! 何だかコントみたい!」
一部始終を見た日菜が楽しそうに笑う。
その後、時計の針が昼休み終了の5分前である事に気付いた紗夜が慌てるも、その際に日菜から『もうこの時間なら間に合わなさそうだから、5限はこのまま此処でサボっちゃおうよ♪』と提案され、紗夜自身も渋々『…今回だけよ』と了承し、そのまま2人は自分達のパートナーデジモンと共に、5限終了のチャイムが鳴るまで、生徒会室で静かな一時を過ごすのだった。
☆☆
「アアアアアア!! もう信じられない!! 何が『プロデューサーなんて必要ないわ』よ!!」
とあるマンションの一室。
其処で猫耳を彷彿させるヘッドホンを付けた少女が、怒りを露わに叫んでいた。
「チュチュ様~!! 落ち着いて下さい~!!」
「あんな屈辱的な思いを受けて、このまま黙ってなんていられる訳無いでしょ!!」
その傍らでピンクと水色の派手な配色のツインテールの少女が、ヘッドホンの少女――珠手ちゆ(通称チュチュ)を必死で宥めようとしている。
(おやおや…チュチュ、先程から随分荒れているね。 パレオ…君の苦労も察するよ)
『謎の影』――――●●●●は、内心そう思いつつチュチュと―彼女のお供兼キーボード担当のツインテールの少女――鳰原令王那(れおな)(通称パレオ)のやり取りを見ていた。
やがて気の済むまで吠えまくり、ある程度の落ち着きを取り戻したチュチュは、言葉を再び発した。
「フフフ…! いいわよ。 私の『プロデュース』を蔑ろにしたら、どの様なOutcomeになるのか、思い知らせてあげるわ…!」
『そうだねチュチュ。 私達はいずれデジタルワールドと人間界、双方の頂点に立つ存在だ。 あの様な愚かな振る舞いをした報いは、ちゃんと与えないといけないね』
●●●●の言葉に更に気を良くしたチュチュは、満足そうな笑みを浮かべる。
『――●●●●』
『御意』
●●●●の呼び声に応じた巨大な単眼の悪魔姿のデジモンが姿を現す。
「●●●●。 私の『プロデュース』をTrashと評価したあのRoseliaの奴らに、相応の制裁を与えて来るのよ!」
「ハッ。 畏まりました」
チュチュの怒りの籠もった様子から発せられた命令に、悪魔姿のデジモンは顔色1つ変えずに了承の意を示す。
「チュチュ様! その一件、このパレオも力をお貸しします!」
すると側で話を聞いていたパレオも志願者の如く、割り込んで来た。
「No. 唯でさえ、此方は戦力的もまだまだ乏しい状態よ。 特にあなたは私達の貴重な戦力の一角。 幾ら究極体の力があるとはいえ、若し今の状況で『あの5人』を相手にしたら、今後にも影響が出るわ」
「ううう…ではせめて、私の配下の者をそちらの方に加勢させても宜しいでしょうか?」
『ハハハ。 チュチュ、彼女は本当に君想いの良い存在じゃないか』
「……Yes,I get it. パレオ、貴女の加勢、感謝するわよ」
「有り難う御座います! チュチュ様!」
「フフフ…制裁を受けたRoselia…いいえ、ミナト・ユキナの惨めで無様な様子が楽しみでしょうがないわ…アハハハハハ!!」
チュチュの怪しげな笑い声が響いた。
☆☆
此処は近くの公園の茂みの中。
不意にパチパチ…と言う音が小さく鳴る。
次の瞬間、其処に小さな白い光の渦が発生し、中から丸い物体が現れる。
そして白い光の渦は、まるで役目を終えたかの如く、徐々に小さくなっていき、そのまま消滅した。
誰も人がいない夜の時間帯の公園での出来事。
その様子を夜空に輝く星と月だけが、静かに見守っていた。
Roselia編で紗夜さんメインと言いつつも、殆どさよひなメイン(しかもRoselia要素は序盤のみ)&戦闘が一切無い今回の話…。
そして、等々RASのメンバーの名前を出す事が出来ました…。
作中の会話で察している方も多いですが、敢えて説明すると白い悪魔姿のデジモンは、ブギーモンの究極体です。
但しブギーモン自身は四天王枠では無く、チュチュ様の背後にいる存在の『従者』的な立ち位置です。
後、最後の件は次の話に関わるフラグです。
それと今回はデジモン紹介の方はお休みになります。
アンケートの方に関しては、次回の話までの締め切りとなっております。
其方の方も、何卒宜しくお願い致します。
この中のバンドリキャラで、貴女がパートナーデジモンを付けてほしいと思うのは誰ですか?
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山吹沙綾
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今井リサ
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宇田川あこ
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白金燐子
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白鷺千聖
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八潮瑠唯
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戸山明日香