Digital_Dream!   作:睡眠タイム

9 / 24
遅くなってしまいましたが、明けましておめでとう御座います。


大変お待たせ致しました。


Roselia編、後編になります。


リアルでの忙しさ&構成の苦労で、かなり遅くなってしまいました…。


それでは皆様、今年も何卒宜しく御願い致します。


P.S 最近この作品を書いている傍ら、『バンドリ×ゴーカイジャー』のクロスを考えています…。
因みに現状の時点で決まっているのが、各2作品の時間軸(+その他の細かい設定)のみで一応としては、


・バンドリ→アニメ2期の1話(但し、Morfonicaの扱いは今の所未定)。
・ゴーカイジャー→『テン・ゴーカイジャー』後(ゴーカイチェンジは、キラメイジャーまで可能)
・敵側の設定と話の展開の関係で、『仮面ライダー』の要素が若干絡む。


と言う感じです。


第7話 青薔薇乱舞

 

 

「ハァ…ハァ…もう何なのよ…!!」

 

 

誰もいない夜道の中を、1人の少女の今の現状に対するうんざりした声が響く。

 

 

友達4人と一緒にガールズバンドの活動をしていた彼女は、ボーカルを担当していた。

 

 

活動して、まだ2、3ヶ月程しか経っていないが、それでもお客さんからの評判もそこそこあったし、本格的に活動を広げ始めた矢先にこの事態だ。

 

 

「さおり…胡桃…」

 

 

既に犠牲になったベース担当とキーボード担当のメンバーの事が脳裏に浮かぶ。

 

 

「舞と一葉…大丈夫かな?」

 

 

同時にはぐれてしまったギター担当とドラム担当のメンバーの少女の名前を呟きながら、辺りを見回す。

 

 

「……ふぅ……何とか逃げ切れたみたいね…」

 

 

 

 

「何から逃げ切れたって?」

 

 

 

 

突如聞こえて来た声に、背筋がゾクッとしながらも、少女は声の聞こえた方を向き、『ヒッ…』と小さく。

 

 

 

 

「見ぃ~付けた~♬」

 

 

 

 

目の前にいたのは、真っ赤な体と右手に三つ又の鎗を持った悪魔――ブギーモンの姿だった。

 

 

「あ…あ…」

「可哀想に……今や君はもう独りぼっち。 しかし安心したまえ。 君も他の4人と同様に仲良く裁きを受けるのだ♪」

 

 

その言葉と同時に、ブギーモンの背後から巨大な影が現れる。

 

 

彼女はブギーモンの今の発言で、途中で別れた2人も既に犠牲になってしまった事を悟ってしまい、次は自分が同じ目に遭う恐怖で言葉が上手く出なかった。

 

 

「やれ!」

 

 

ブギーモンの命令を合図に、巨大な影の目が光り、緑色の光線が彼女に向けて照射された。

 

 

「キャアアアアアアア――!!」

 

 

少女の悲鳴が轟く。

 

 

それから数分後、光の照射が終了すると、其処にいたのは、先程の光線を浴びて、石像と化した少女だった。

 

 

「ハハハ! 見事なまでに良い姿になったではないか!」

 

 

ブギーモンは上機嫌に言って、石像と化した少女を所々撫で回した。

 

 

ブギーモンがこのガールズバンドを狙った理由は、単純に言えば『実験』だった。

 

 

無論、最終的な目的はRoseliaなのだが、念には念を入れて、『実験』と言う形で襲ったのである。

 

 

その時、ブギーモンの背後にいる黒い影の隣に、新たな黒い影が現れる。

 

 

「フフフ…。 さて…次は等々、本命に仕掛ける時だな。 お前達も油断はするなよ」

 

 

ブギーモンの言葉に、背後の2体の黒い影が無言で頷く。

 

 

そしてそのまま、3体はその場から姿を消す。

 

 

石像と化した少女だけが、何の反応のせず、静かにその様子を見ていた。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「ニャ~♡」

「ミィ~♡」

「ふふふ。 喧嘩しないで仲良く食べるのよ」

 

 

とある公園のスペースの一角。

 

 

友希那はそこに住んでいる猫達に餌を与えながら、それを食べる猫達の様子を優しそうな表情で見ながらも、内心ではこの前出会ったチュチュの事について、考え込んでいた。

 

 

(…それにしても、あの子…)

 

 

“何でダメなの!? 私のプロデュースで最強のバンドになれるのに!”

 

 

あの時見せた必死そうな様子や表情から、友希那自身も彼女の音楽への強い情熱を感じていた。

 

 

勿論友希那自身は、『プロデューサー』と言う存在自体を完全に否定しているつもりは無い。

 

 

けれど彼女にとっての『Roseliaの音楽』とは、自分達自身の力で創造し、奏でていく物だと考えている。

 

 

(誰かに命令されて創った曲を、ただ演奏し、歌うだけの音楽なんて、そんなの『Roseliaの音楽』何かじゃない)

 

 

友希那の『Roselia』、そして『音楽』に懸ける決意は相当な物だった。

 

 

「ニィ~♪」

 

 

その時、一匹の猫の鳴き声が友希那の耳に届いたので、声の聞こえた方を向くと其処には1匹の猫が茂みの中で何かを触ったり転がしているのが見えた。

 

 

気になった友希那は、其処に近付いて猫が先程から弄っている物の正体を見て呟く。

 

 

「卵…?」

 

 

其処にあったのは、全体が青一色の卵だった。

 

 

「何なのかしらこの卵?」

 

 

無論、猫の卵では無いのは分かる。

 

 

しかし、こんな色の卵を友希那は今まで見た事が無かった。

 

 

(若しかして、私の知らない新種のにゃーんちゃんかしら?)

 

 

実際、『CiRCLE開店1周年記念ライブ』の一件でデジモンの存在を認知した友希那は、デジモンと言う未知の存在がいるのだから、自身の知らない新種の猫が存在しても可笑しくは無いと考えた。

 

 

若しこの場に他の誰かがいたら、間違い無くツッコミを入れられそうな状況ではあるが、残念な事に今この場には、猫を除いて友希那1人しかいない。

 

 

「ミャ~」

 

 

不意の鳴き声に足下を見ると、先程卵を弄っていた猫が、心配そうな様子で此方を見ていた。

 

 

「大丈夫。 この卵は、私が持ち帰るから、あなた達は安心して、この場所で過ごしていいのよ」

 

 

友希那は猫達の頭を撫でながら語り掛け、その後は拾った卵と共に、自宅へと帰路するのだった。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

ヴーヴーヴー

 

 

「んっ…」

 

 

あの後、自室で作曲作業をキリの良い所で終わらせベッドに入って就寝した友希那は、翌朝になって自身のスマートフォンのバイブ音で、朧気ながらも意識が覚醒する。

 

 

ゴソゴソ

 

 

その時、彼女はふと自身の胴回りに違和感を感じた。

 

 

「んぅ…リサ…? 止めなさい…」

 

 

友希那は最初、リサがてっきり自身悪戯で胴回りを触っているのかと思った。

 

 

ゴソゴソ

 

 

しかし、相手は友希那の制止を無視して尚も胴回りを触り続けていたので、流石にこれはリサではないと気付き、それによって友希那もはっきりと意識を覚醒した。

 

 

(…落ち着きなさい。 相手はたった1人よ)

 

 

そして数秒後、友希那は意を決して、行動を起こした。

 

 

「いい加減にしなさい! このド変態野郎!」

 

 

そう叫んで、布団を思いっ切り目繰り上げた。

 

 

「…は?」

 

 

布団を目繰り上げて見た目の前の光景に、友希那は思わず間抜けな声を出した。

 

 

「zzz…zzz…」

 

 

其処には、頭に2本の青い触角を生やした奇妙な青い体色の生物が、呑気にスヤスヤと眠っていたのだった。

 

 

「んっ…フャアアア…」

 

 

やがてその生物は、目を覚ますと友希那を見て喋る。

 

 

「おはよ(・ω・)」

「おはよう…」

 

 

2人の間を、暫しの沈黙が流れる。

 

 

「いや誰よ!!?」

 

 

我に返った友希那はツッコミ返した。

 

 

「友希那!? 一体どうし……た……の……?」

 

 

其処へ丁度友希那を起こしに来たリサが部屋に入って来て、目の前の光景をポカンとした様子で見る。

 

 

「おはよ(・ω・)」

 

 

一方、青い体色の生物はリサの状況を意に介さず、呑気に挨拶する。

 

 

やがてリサはズガズガと友希那の下に行き、そのまま肩を掴んで深刻な様子で問い掛ける。

 

 

「友希那答えて。 相手は誰? どんな汚い手で孕ませられたの?」

「落ち着きなさいリサ。 私だって、何が何だか分からないのよ…」

 

 

ベッドに座る青い体色の生物を尻目に、リサを何とか宥めて数秒後、何とか落ち着いたリサと共に友希那は、ベッドの上の青い体色の生物に向き合い、会話をする。

 

 

「あなたは誰?」

「ボク、チビモン」

「チビモン…あなた一体どうやって私の部屋に侵入したのかしら?」

「え~、ボクをこの部屋に入れたのは友希那じゃん」

「は?」

 

 

その直後に背後から聞こえるリサの色々と喚く声を無視して、友希那は暫し、思考の海へ落ちた。

 

 

そして数秒後、何かに気付いた様子でチビモンを見る。

 

 

「あなた若しかして、昨日の卵から生まれたの?」

「うん! 友希那が温めながら一緒に寝ていて、気が付いたらこうして生まれたんだよ♪」

 

 

チビモンは嬉しそうな様子で友希那に言った。

 

 

「フフフ…友希那を孕ませたクズ野郎…アンタみたいなこの世における『癌細胞』は、『敗者に相応しいエンディング』をプレゼントするよ…フフフ…」

「ねえねぇ友希那。 何であの人は、さっきから怖そうな顔でブツブツ言っているの?」

「チビモン、見ちゃいけないわ」

 

 

そう言って友希那はチビモンの視界を遮った。

 

 

その後、友希那は30分位の時間を掛けて、どうにかリサを正気に戻すのだった。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「なる程。 恐らく湊さんが公園で拾ったのは、デジタマですね」

 

 

友希那の話を聞いた紗夜が納得した様子で言う。

 

 

あの後、友希那は来週のライブに向けての練習の為、リサと共にCiRCLEに来ていた(因みにチビモンは、ぬいぐるみのフリをさせて同行させた)。

 

 

そしてその後、既に来ていた紗夜達とまりなに事情を説明し、今に至るのだった。

 

 

「「「「デジタマ?」」」」

「その名の通り、デジモンの卵よ。 基本的にデジモンは皆、このデジタマから生まれて成長し、死んだらデジタマに戻ってまた生まれるの…」

「それって…所謂『輪廻転生』と言う物かしら?」

 

 

まりなの言葉を聞いた友希那は、先程から紗夜のルナモンと戯れるチビモンを見ながら問い掛ける。

 

 

「その様な物だと考えても構いません」

「それにしてもチビモンのあの様子、すっかり打ち解けてるみたいだね」

 

 

リサの視線の先を見ると、そこにはチビモンとルナモンの2体が仲良く交流を深めていた。

 

 

「ボク、チビモン!」

「私はルナモンよ。 宜しくね、チビモン!」

「うん! ルナモンのお姉ちゃん!」

 

 

その瞬間、ルナモンは自身の身体中に、稲妻が走り渡る程の衝撃を感じた。

 

 

「…ねぇチビモン。 今のもう一度、言ってみてくれないかしら?」

「? どうしたのお姉ちゃん?」

「はううぅぅ!!」

 

 

チビモンの愛くるしい様子は、ルナモンにとって心をときめかせる物があるらしい。

 

 

「フッフッフ…お姉ちゃん…いいわ…! 今の内にこの子には、KKL(賢い可愛いルナモン)の魅力をたっぷり理解させるわ…」

「ねぇ、ルナモンは何をさっきからブツブツ言っているの?」

「あこ。 あれは見ちゃいけないものだよ」

(リサ…貴女も『注意出来る立場』じゃないでしょ…)

(『燐子お姉ちゃん』…とってもいいな…あこちゃん、若しあこちゃんが私の妹になりたいのなら、私は何時でも歓迎するよ…)

(何でかしら…今の白金さん…ルナモンと同じく…とんでもない方にトリップしている様な気が…)

 

 

その後、各自は正気に戻って練習を開始するのだった。

 

 

「わぁああ…皆、音楽がとっても上手だぁ…」

「フフフ…そうでしょう。 紗夜達の音楽は正に『天からの舞い降りた』と言う表現がしっくりくる位、凄い物なのよ!」

「ルナモン…貴女が威張って言う事じゃないでしょ…」

「あはは…そう言われると逆に反応に困っちゃうなぁ…」

「でも…不思議と悪い気もしないわね…」

「きゃ〜♪」

 

そう言って友希那はチビモンの頭を撫でる。

 

 

「あれ? チビモンの体が光ってるよ」

 

 

あこの言う通り、チビモンは体を光り輝かせ

、次の瞬間には一回り大きい青色の小竜へと姿を変えていた。

 

 

「何? 何が起こったの?」

「チビモンが進化したみたいね…」

 

 

そして紗夜は自身のDアークを取り出して情報を調べる。

 

 

「ブイモン。 成長期。フリー種。 小竜型デジモン。 必殺技は『ブイモンヘッド』と『ブンブンパンチ』」

「へへへ。 改めて宜しく、友希那。 …友希那? 如何したの友希那?」

 

 

ブイモンの呼び掛けに友希那は全く反応しない。

 

 

「如何やら、混乱してフリーズしちゃったみたいですね…」

「わーん! 友希那----! 死なないでよ----!」

「勝手に湊さんを殺さないで下さい…」

 

 

フリーズした友希那を如何にか正気に戻した後、5人は再び練習を行い、その後は各々解散となった。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

そして、ライブ当日。

 

 

友希那達Roseliaの面々は、会場の控え室にて最後の調整を行っていた。

 

 

「皆、準備はいいかしら?」

「アタシは何時でもOKだよ♪」

「あこの方も、問題無しです!! 今回のライブも絶対に成功ね、りんりん!!」

「うん。そうだね…あこちゃん」

 

 

リサとあこと燐子がそれぞれの会話を交わす。

 

 

「湊さん」

 

 

不意に紗夜が友希那に呼び掛ける。

 

 

「若しもの時は、私とルナモンが皆さんを守ります。 だから…」

「紗夜」

 

 

紗夜の言葉を遮り、友希那が言葉を発する。

 

 

「貴女の気持ちは確かに有り難いわ。 でも、1人で抱え込もうと何てしないで。 貴女は『テイマー』でもあるけど、同時に『Roselia』のメンバーなのだから」

「湊さん…有り難う御座います」

 

 

そしてRoseliaのライブが開始した。

 

 

『CiRCLE(サークル)開店1周年記念ライブ』の時よりも、よりレベルアップした圧倒的な友希那の歌唱力と紗夜達各楽器担当の演奏力、そしてこれら2つの要素が絡まって奏でられる音楽が、観客達を魅了し、会場を熱狂の渦に巻き込み、今回のライブも見事大成功に収めたのだった。

 

 

「皆、今日のライブでの応援、有り難う。 私達Roseliaは、これからも頂点を目指し、私達の音楽を極み続けるわ」

 

 

友希那のマイク越しでの決意表明に、観客達の歓声の声が上がった。

 

 

 

 

「ハハハ…。 それでは、此処からは我々のステージだ」

 

 

 

 

突然、謎の声が響き渡る。

 

 

「!! 皆避けて!!」

 

 

Dアークの中のルナモンの声を聞いた5人は慌てて移動すると、先程の場所に何かが突き刺さった。

 

 

「な、何!?」

 

 

リサの疑問の声に応じる様に天井から現れたのは、覆面を被り、植物の葉を身に纏った忍者の様な見た目の異形だった。

 

 

「ハハハ、そう簡単にやられてしまっては格好悪いから、仕方がないか!」

 

 

そしてその異形の背後から、ブギーモンが現れる。

 

 

「「ブギーモン!」」

「紗夜さん、アイツを知っているんですか?」

「そう言えば、其処の彼女以外は、会うのが初めてだったな。 私はブギーモン。 去るお方達の為、この人間界の侵略を実行する者だ」

 

 

するとただ事では無いと理解した観客達の歓声が、一気に悲鳴に変わった。

 

 

「皆さん、逃げて下さい!!」

「皆逃げて――!!」

 

 

紗夜とあこの呼び掛けに応じる様に、観客達は一気に会場の出口へと駆け出し、それから数分後には、会場はRoselia5人とブギーモン達しか残っていないと言う状況になった。

 

 

「ルナモン!」

「ええ!」

 

 

紗夜は自身のDアークからルナモンをリアライズし、同時に相手の忍者デジモンの情報を調べる。

 

 

「シュリモン。 アーマー体。 突然変異型デジモン。 必殺技は『草薙』と『紅葉おろし』…」

「紗夜! 私を進化させて!」

「分かったわ!」

 

 

 

 

――EVOLUTION

 

 

 

 

「ルナモン進化!! レキスモン!!」

 

 

Dアークの光を浴びて、ルナモンはレキスモンへの進化を完了する。

 

 

「…参る…!」

 

 

そう言うや否やシュリモンは自身の右手を伸ばし、その先の手裏剣を回転させて攻撃をして来た。

 

 

「ティアーアロー!」

 

 

咄嗟に攻撃を回避して、そのままレキスモンは攻撃を仕掛けるが、シュリモンは空いた左手の手裏剣を回転させてレキスモンが放った氷の矢を切り裂き、そのままレキスモンに襲い掛かるも、レキスモンも再度回避し、両者は互いに距離を取った。

 

 

「ハハハ…! 絶好のチャンスとは、正にこの事! やれ!」

 

 

その言葉を合図にRoseliaの5人の背後から緑色の光が現れる。

 

 

「! 危ない!」

 

 

その時、紗夜のDアークからブイモンがリアライズし、咄嗟に全身の力を込めて、友希那と紗夜に体当たりをし、2人は乱暴な形ではあるが、その場から離れる。

 

 

「ペトラファイヤー!!」

 

 

その直後に、緑色の光が残りの3人に向かって命中する。

 

 

「「「キャアアアアアアアアア!!」」」

 

 

そして光線をそのまま浴びたリサ達は、その数秒後には3人揃って物言わぬ石像と化してしまった。

 

 

「リサ! あこ!」

「白金さん!」

「チッ! 逃げられたか!」

 

 

すると先程緑色の光が発射された場所から、白い体色の鶏を様な見た目のデジモンが現れた。

 

 

「あれは…コカトリモン!」

「ペトラファイヤー!」

「避けて下さい!」

 

 

紗夜の言葉で友希那とブイモンは回避する。

 

 

「紗夜!」

「逃がしはしない…!」

 

 

レキスモンは紗夜達の方へ向かおうとするも、シュリモンの妨害で思う様に動けない状況だった。

 

 

「ハハハ! 中々良いでは無いか! しかし、このまま唯普通に石にしただけでは詰まらん。 少しだけ手を加えさせて貰おう。 ルビーアイ!」

 

 

そう言ってブギーモンは自身の目を紅く光らせると、リサ達の石像のライブ衣装が粉々に砕け散り、3人は一糸まとわぬ裸婦像へと変わってしまった。

 

 

「リサ! あこ! 燐子!」

「ハハハ! お前達2人も仲良くこの3人と同じく素っ裸の石像にして、『あのお方達』への献上品にしてやろう!」

「この下衆デジモン…!」

 

 

「ウワアアアーーーー!!」

 

 

その時、ブイモンが両腕をグルグル振り回しながらブギーモンに突撃してきた。

 

 

「…随分元気が良い物だなと…」

 

 

しかしブイモンの奮闘も空しく、片手で止められてしまう。

 

 

「友希那を……Roseliaの皆を……虐めるなああああ――――!!」

 

 

するとブイモンの動きを抑えていた筈のブギーモンの片手が徐々に押され始めた。

 

 

「何…?」

「ウワアアアアア―――!!」

 

 

そこからブイモンはブギーモンの顔面に、思い切り力を込めた渾身の頭突きを浴びせた。

 

 

「ガフッ!?」

 

 

ブギーモンはそのまま地面に崩れ落ちる。

 

 

「ハァ…ハァ…」

「チッ…貴様、余程死にたい様だなぁ…!? コカトリモン! このクソ生意気なチビを八つ裂きにしてしまえ!!」

「クェエエエエエ!!」

 

 

コカトリモンの攻撃の手がブイモンに迫ろうとする。

 

 

「危ない!」

 

 

其処へ友希那が駆け付け、ブイモンを抱えて間一髪の所でコカトリモンの攻撃を回避した。

 

 

「友希那…大丈夫?」

「それはこっちの台詞よ! 何であんな無茶を…」

「俺…友希那やRoseliaの皆が好きだから…だから守りたかった…」

「ブイモン…貴方」

 

 

そして意を決し、友希那はコカトリモンの前に立った。

 

 

「そこの鶏野郎! これ以上Roseliaの皆やブイモンを傷付けるのなら、私がシメるわよ!」

 

 

友希那の声が強く響き渡った。

 

 

その時、友希那とブイモンの目の前にに白い光の球体が出現する。

 

 

「これは…」

 

 

友希那は白い光の球体――菫色の縁取りのDアークを手に取る。

 

 

「やはりそうでしたか…」

 

 

紗夜は確信していたのか、納得した様子で2人を見ていた。

 

 

Dアークを手にした友希那は、ブイモンに向かい合って問い掛ける。

 

 

「ブイモン。…貴方はRoselia…いえ、私に全てを懸ける覚悟はあるかしら?」

「友希那…うん。俺は…俺自身の全てを友希那に懸けるよ!!」

 

 

そして友希那はブイモン、隣に立った紗夜はレキスモンと共にブギーモン達の方に向かい合って対峙する。

 

 

「よくも私達のステージを…ここまで滅茶苦茶にしてくれたわね…!」

「Roseliaの音楽を…これ以上アンタ達に汚させはしないわ!!」

「チッ……そこまで言うなら徹底的なまでに地獄へ突き落としてやろう! コカトリモン! シュリモン!」

「クェエエエエエエ!!」

「御意」

 

 

ブギーモンの命令されたコカトリモンとシュリモンの2体が襲い掛かる。

 

 

「行くわよブイモン!」

「うん!」

 

 

 

 

――EVOLUTION

 

 

 

 

「ブイモン進化!!」

 

 

Dアークの光を浴びたブイモンは、その身を鋭い牙や爪を持ったより大きな青い体色の竜へと変えていった。

 

 

「ブイドラモン!」

 

 

「ブイモン…それが貴方の決意なのね…」

「ブイドラモン。 成熟期。 幻竜型デジモン。 ワクチン種。 必殺技は『ブイブレスアロー』」

 

 

友希那はブイドラモンの姿にブイモン自身の強い決意を感じ取り、紗夜はDアークでブイドラモンの情報を調べる。

 

 

「進化したからと言って調子に乗るなよ!」

「ブイドラモン! シュリモンは私が引き受けるわ!」

「分かった!」

「湊さん、私達は今井さん達を」

「ええ」

 

 

そして2体は各自の相手と戦闘を開始する。

 

 

「紅葉おろし!」

「ムーンナイトボム!」

 

 

シュリモンが右手を伸ばし、その先の手裏剣を回転させて攻撃を仕掛けるが、レキスモンは両手のグローブから発生させた水の泡を投げつけて、その隙に空中へジャンプする。

 

 

「ムーンナイトキック…」

「甘いわ!」

 

 

其処から急降下のキックを繰り出そうとするも、先にシュリモンが伸ばした左手に捕まってしまい、その勢いで地面に叩き付けられてしまう。

 

 

「グッ…!」

「最早これまでだな。 大人しくこの『草薙』の錆になるがよい…!」

 

 

シュリモンは右手で背中の大手裏剣の『草薙』を持って此方に近付いて来る。

 

 

両者の間を緊迫とした空気が流れる。

 

 

「止めだ!」

 

 

シュリモンが『草薙』を振り下ろそうとした瞬間、レキスモンは両手をシュリモンに向けた。

 

 

「!?」

「この距離なら、防ぎ様が無いでしょ!」

 

 

そしてそのままグローブから発生させた水の泡を、シュリモンの顔面に向けて放った。

 

 

「ぐっ…!」

「ハアアアア!!」

「グアッ!」

 

 

そして更にシュリモンの顔面に強烈な拳の一撃をお見舞いし、拘束の緩んだ左手から脱出する。

 

 

「今度はこっちが止めを刺す番よ! ティアーアロー!」

 

 

即座に背中の突起から美しい氷の矢を引き抜き、シュリモンに放つ。

 

 

「グオオ!! 無…無念!!」

 

 

全身を氷の矢で射抜かれたシュリモンは、そのままデータの塵と化して消えていった。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「ウオオオオオ――!」

「クェエエエエ――!」

 

 

一方、ブイドラモンはコカトリモンと激しいぶつかり合いを繰り広げていた。

 

 

「ペトラファイヤー!」

「ウオッ!」

 

 

咄嗟に左に避けるも、運悪く左腕に命中し、その部分が石化してしまう。

 

 

「クェエ……」

「それなら、これでも喰らえ!」

「クェエブ!?」

 

 

それを好機と見たコカトリモンは、再度ペトラファイヤーを放とうとするが、ブイドラモンの石化した左腕に顔面を殴られた事で、攻撃を中断してしまう。

 

 

「ヘヘヘ…良い物手に入れちゃったぜ…! オラオラオラオラオラオラ!」

「クェ! ギャブ! クェデブ! クェラバ! クェブフォ!」

 

 

そのままブイドラモンは石化した左腕による連続攻撃をコカトリモンに叩き込んだ。

 

 

「クェ…クェエエエ…」

 

 

数分後、其処には連続攻撃を浴びて瀕死に近い状態のコカトリモンがいた。

 

 

「くっ……これは不味い!」

 

 

状況の不利を悟ったブギーモンは、ゲートを開いて逃亡した。

 

 

「ブイドラモン!」

「行くぞ! ブイブレスアロー!」

 

 

ブイドラモンの口から、光輝く矢の形の光線が放たれた。

 

 

「クェエエエエエエ―!」

 

 

直撃を受けたコカトリモンは、断末魔と共にデータの塵と化して消えていった。

 

 

「やりましたね、湊さん」

「ええ」

 

 

コカトリモンが倒された事により、石像と化していたリサ達も元の姿に戻った。

 

 

「あ…」

「元に戻った!」

「友希那~! 紗夜~!」

 

 

3人の姿を見た友希那と紗夜だったが直ぐに視線を逸らし、元に戻ったブイモンとルナモンも目を隠す。

 

 

「どうしたの?」

「いえ…その…目のやり場に困るので…」

 

 

紗夜の言葉にリサ達は自分の体に視線を移すと、見慣れた自身の裸が目に映っていた。

 

 

「「「イヤアアアアアアア(キャアアアアアアア)(ウワアアアアアアア)――!!」」」

 

 

数秒後、3人の悲鳴が会場の跡地に響いた。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「はぁ…この前は酷い目にあった~」

「でも、私達以外誰もいなかったじゃない」

「友希那や紗夜は無事だったからいいけど、アタシとあこと燐子はあの後帰る時、必死だったんだからね!」

 

 

それから数日後、友希那はブイモンやリサと共に『CiRCLE』へと向かっていた。

 

 

『ヘヘヘ…』

「ブイモン…随分嬉しそうな顔しているわね…」

『俺は友希那のパートナーでもあるけど、同時に友希那のファンだよ。 だって友希那の歌っている姿、とっても格好良いんだもん』

「……有り難う、ブイモン」

(今の友希那の笑顔、何だか小さい頃を思い出しちゃうな~)

 

 

2人の様子を見ながら、リサは内心そんな事を考えながら、微笑ましく見ていた。

 

 

暫くして、不意に友希那の足が止まる。

 

 

「友希那?」

「…にゃーんちゃん…」

「へ?」

 

 

リサが友希那の視線の先を見ると、其処には黒いフードを身に纏い、背中に鞄を背負った黒猫がいた。

 

 

しかしその黒猫――ブラックテイルモン(Uver.)は友希那達を気にも止めずにそのまま歩いて行った。

 

 

「…行くわよ、ブイモン」

『え?』

「あのにゃーんちゃ…黒猫は間違い無くデジモンよ…見失う前にモフモフ…何とかするわよ(そしてできる事なら、あの子をRoseliaの新メンバーに……)」

 

 

そう言うと友希那は駆け出した。

 

 

「ちょっと友希那!? 待ってよ友希那ってば~!」

 

 

暫くして我に返ったリサも、暴走する友希那を止める為に慌てて駆け出すのだった。

 

 

 

 

尚、友希那とリサが『CiRCLE』に到着し、そこから紗夜の説教を受けるのは予定時間から20分程過ぎた後の事であった(因みにブラックテイルモン(Uver.)はあの後見失ってしまい、友希那が更に落ち込む要因になったのは言うまでもない)。




Roselia編、之にて終了です。


前回と違って、Roselia要素、そして友希那とブイモンの関係を丁寧に描きました。


因みに最後に登場したブラックテイルモン(Uver.)は、RASの面々とは特に関係の無い唯のモブデジモンです。


そして、アンケートの結果ですが、


1位 沙綾・リサ(4票)
2位 あこ・千聖・瑠唯・明日香(2票)


と言う結果から、同着1位だった沙綾とリサの2人に、パートナーデジモンを付ける事になりました。
2人のパートナーデジモンが何になり、そしてどの様な形でパートナー関係を築いていくかはまだ秘密です。


それでは何時も通り、今回登場したデジモンの紹介しておきます。
尚、紹介するデジモンの内の1体は今現在本編には登場していませんが、関係性的な立ち位置の意味合いを込めて紹介しておきます(一応分かり易いように、(※)マークが付いています)。




チビモン

レベル:幼年期Ⅱ
タイプ:幼竜型

ブイモンの幼年期である幼竜型デジモン。
幼年期のデジモンには珍しく胴体と両手足を持っており、小さな両手で物をつかみ、両足でぴょんぴょん跳ねながら移動することができる。
非常に食べ盛りで、特に甘いものが大好き。また寝ることが非常に好きで、目を離すとすぐに寝てしまう。
必殺技はぴょんぴょん跳ねながら相手に体当たりをする『ホップアタック』。


ブイモン

レベル:成長期
タイプ:小竜型
属性:フリー

今作における友希那のパートナーデジモン。
一人称は『俺』(但し、チビモン時は『ボク』)。
新たに発見された新種デジモン。
デジタルワールドの創世記に繁栄した種族の生き残りで、デジメンタルを用いて“擬似進化”である「アーマー進化」をすることが出来、中でもブイモンは優れた戦闘種族であり、秘めた力を持っており、アーマー進化で爆発的な能力を発揮する。
性格的にはやんちゃでいたずら好きだが、正義感の強い一面も持っている。
得意技は両腕をグルグル振り回し、相手を殴る『ブンブンパンチ』。
必殺技は強烈な頭突きで相手を倒す『ブイモンヘッド』。


ブイドラモン

レベル:成熟期
タイプ:幻竜型
属性:ワクチン

友希那のブイモンが進化した成熟期デジモン。
広大なデジタルワールドでも、フォルダ大陸にしか存在しないと言われている幻の古代種デジモン。
その存在は非常に貴重であり、フォルダ大陸でも滅多に出会うことは無い。
また、ブイドラモンを手なずける事ができたデジモンテイマーも1人しかいないと言われている。
胸にある「V」型の模様からブイドラモンと呼ばれるようになったこと以外その生態系はナゾであるが、何故か犬に間違えられる。
成熟期の中でも並外れた攻撃力の持ち主であるが、窮地に立たされると完全体をも凌ぐパワーを発揮する。
必殺技は口から吐き出す高熱の熱線『ブイブレスアロー』。


シュリモン

世代:アーマー体
タイプ:突然変異型
属性:フリー

ホークモンが純真のデジメンタルでアーマー進化した突然変異型デジモン。
“純真のデジメンタル”は“草木”の属性を持っており、このデジメンタルを身に付けたものは自然に同化する能力をもち、木の葉が舞うごとく風にかくれ、敵の死角よりあらわれて的確な攻撃を叩き込む。
その姿は、まさに忍者といえる。
得意技は伸びる手足の先の手裏剣を回転させ敵を攻撃する『紅葉おろし』、必殺技は、背中の大手裏剣を空中高くから敵に投げつける『草薙』(『草薙』と『紅葉おろし』は手裏剣の名前でもある)。


コカトリモン

世代:成熟期
タイプ:巨鳥型
属性:データ

2本の脚が巨大に発達した巨鳥型デジモン。
地上での生活を長く続けていたため、空を飛ぶ事ができず、地上に適した体に進化した。
そのために体も巨大になり、脚力も凄まじく発達した。
羽の部分は完全に退化しており、戦闘の際に尻尾と共に大きく広げて敵を威嚇する。性質は荒く獰猛だが、その巨体を維持するために、エネルギーの消費が激しいバトルは苦手。
必殺技は『ペトラファイアー』。
この攻撃を受けると炭化するのではなく、体が石化してしまう恐ろしい技。


ブラックテイルモン Uver.

世代:成熟期
タイプ:魔獣型
属性:ウィルス

デジタルワールドに近年大量に流れ込んできた宅配便のデータをブラックテイルモンが吸収したことで変化した姿で、意地の悪い性格はまったく無くなり、頼まれた配達物をどんな日でも献身的にしっかりお届けする。
背中の配達バッグは保温保冷なんでも最適な状態を保つことができ、またブラックテイルモンにしか開閉できないため機密データでも安心だ。
配達の邪魔をするデジモンには得意技の『ネコパンチ』や、振り下ろした配達バッグの角でぶつける『バコーニャ』で排除する。
『バコーニャ』で敵に大ダメージを与えても配達バッグは中身も無傷でとても丈夫だ。


(※)ブラックテイルモン

世代:成熟期
タイプ:魔獣型
属性:ウィルス

真っ黒な毛なみが印象的な、ウィルス種のテイルモン。
完全なる悪の申し子で、ブキミな闇を渡り歩いて生きている。
テイルモンの変種であるブラックテイルモンが生まれるのは非常に稀で、その個体数は少ないと言われている。
また、性格は意地悪でプライドが高く、弱いものいじめが大好きな困ったデジモンである。
基本的には堕天使型のデジモンへ進化する暗黒系デジモン。
必殺技は、テイルモンと同じく『ネコパンチ』。

以前言及した『バンドリの7バンドのイメージをデジモンに例えたら?』と言うネタで、私が考えた『各バンド×バンドのイメージデジモン』の組み合わせで、あなたが一番ピッタリ合っていると思った組み合わせはどれですか?

  • ポピパ×ガンマモン
  • ポピパ×ブイモン
  • Roselia×ララモン
  • アフグロ×アグモン(セイバーズ版)
  • パスパレ×プロットモン
  • ハロハピ×ベアモン
  • RAS×インプモン
  • モニカ×モルフォモン
  • モニカ×ハックモン
  • 寧ろ全部合っている。
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