デジモンアドベンチャー:33話に関する妄想です。
この話が放送されるまでは、ヒカリの行動について悶々としながら日々を過ごしてましたが。この放送を観た後ヨッシャァァァアアア!!と心の中でガッツポーズして踊ってました。w
それであの話しの内容を観てから、あの行動の理由として2人にこんなことがあってたら良いなーと思い、執筆してみました。
一応太ヒカと付けてはいますが、内容的にはヒカ太という感じかもしれません。

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アドコロ33話妄想短編

今にもわたし達を飲み込もうとしていた暗い闇を切り裂いて。あなたは助けに来てくれた。

 

「ダメだろ、1人で遠くに行って!迎えに来たぞ…、ヒカリ」

 

闇は消え去り…、光で満ちあふれた空間の中で、あなたがわたしに優しく手を差し出してくれる…。

 

「ごめんなさい…。でも、信じてた。絶対、来てくれるって」

 

そう…、あのときみたいに……。

 

 

この世界に来ていきなりあなたから引き離されたとき……、本当はすぐにでもそばに戻りたかった。

 

でも今にも消えてしまいそうな声でずっとわたしを呼んでるあの子を放っておけなくて、わたしはあのときあのまま連れて行かれることを選んだの。

 

連れて行かれたその場所で暗い闇がわたしのことを取り込もうとしてきたけど…。その闇の奥にずっと呼んでくれていたあの子がいるのを感じて。

 

だからあの子を助けに行くために、まだあなたの手を取ることはできなかった。

 

わたしが手を伸ばさないせいであなたが辛そうな顔になるのは…、すごく辛かったけど。

 

それでも、あなたは絶対に助けにきてくれるって信じてた。

 

 

あれは少しだけ昔の話し。

 

家族みんなで買い物に出かけていたあの日。あなたに手を握ってもらって歩いてたわたしは、道端の草むらの影で何か小さい子がじっとしているのを見かけたの。

 

わたしはそれが気になったけど…、そのときは何もせずにそのままそこを通り過ぎちゃったんだ…。

 

でもその後で、あなたと2人でお母さん達の買い物が終わるのを待ってたら。外が今にも雨が降り出しそうになってるのが見えたの。

 

それを見たら急にさっきの草むらの影にいた小さい子のことが心配になって。

 

居ても立ってもいられなくなくて、わたしはさっきの場所へ1人で走りだしてた。

 

あなたの呼び止める声が聞こえたけど、わたしは止まらず人混みの間をすり抜けながら走り続けた。

 

後ろであなたが必死に追いかけて手を伸ばしていたのに……。

 

 

そこへわたしが戻れたときには、もう辺りで雨が降り始めてたけど。あの草むらのそばに近づいたわたしが中をのぞいてみたら。小さな、本当に小さな子ネコが、体を丸めて一匹で震えてたの。

 

わたしは、この子を助けなきゃ、何とかしなきゃって思って。子ネコを抱えてすぐお母さん達のいたところへ戻ろうとしたんだ。

 

でもその前に降っている雨が強くなってきて。わたしは子ネコが雨に当たらないように服の下へ包んで抱えてたけど、このままじゃ子ネコが濡れちゃうと思ったから。すぐ近くに見つけた公園に駆け込んで大きな遊具の下で雨宿りすることにしたの。

 

だけど…、雨は止まないどころかどんどん激しくなって、気付いたら辺りがほとんど見えないくらいの大雨が降り出してた。

 

帰りたいのにその場所から動けないでいたら、今度は雷まで鳴りだして…。そうして1人でじっとしてると…、わたしはだんだん怖くて寂しくて仕方がなくなっていったの……。

 

そのうち、わたしは子ネコを抱えてうずくまったまま今にも泣き出してしまいそうになって……。

 

 

「ヒカリ!!大丈夫か!?」

 

だけどそのとき。心配そうな顔をしたあなたが、わたしを見つけてくれたの。

 

「探したぞ、ヒカリ!!心配したんだぞ!!」

 

わたしに優しく手をそえてそう言ってくれるあなたの顔に安心したからか、ガマンができなくなってその場で泣きだしちゃったけど。お母さん達が迎えに来るまで、あなたは泣いてるわたしをあやしながらずっと抱きしめていてくれた。

 

迎えに来たお母さん達に叱られそうになったときも。わたしと一緒に謝りながら子ネコのことをかわりに説明してくれて、ずっとわたしの味方でいてくれた。

 

 

それから家に帰ったあと。あのときどうしてわたしを見つけられたのかが気になって理解を聞いてみたら…。

 

「俺がどれだけ呼んでも止まらないおまえの様子を見てたら、何か訳があると思ってな。それで、一緒に歩いてたとき、おまえがあそこの草むらをやけに気にしてたのを思い出してさ。そこから近くの雨宿りできそうな場所を探し回ったんだ」

 

それを聞いたわたしは、あのときあなたが心配してくれていたのにとても酷いことをしてしまったと思って。ごめんなさい、ごめんなさい、ってあなたに何度も何度も謝ったの。

 

でもね

 

「そんなこと気にするなよ。可愛い妹を兄が守るのは当然なんだからさ」

 

あなたはそう言ってわたしの頭を撫でながら、笑って許してくれたんだ…。

 

 

だから信じていられた。

 

どんなところにいても、どんなことがあっても、あなたは絶対に助けに来てくれるんだって。

 

 

優しい顔で差し出されたあなたの手を、今度はちゃんと握り返す。

 

ありがとう、助けに来てくれて。

 

大好きなわたしの…

 

「お兄ちゃん」


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