荒野の国のアリス   作:玲理 星光

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これを見ている人は居ないと思ってしまう。


S1-6 敵

僕が謹慎処分に処せられた…?でいいのかな。二週間が経った。

正直、とても嫌だった。

怖かった。なぜか怖かった。

怖くて…寂しかった。

二週間が経ったとき、僕は放心状態だった。

ほぼ監禁状態で二週間、解放されたとき僕は泣いてた。

ユウの腕の中で…

 

でも、もう僕は、分からない。

軍人とは人を守る、それは分かってる。

なる覚悟もあった。

でも、その守るべき人から虐げられたら?

そして、あの優しいことを言ってくれた皇帝陛下が、僕がこうなった原因?

僕が機械にされた原因は、皇帝陛下?

…僕たちは、人から歓迎されてない…?

そう、二週間考えていた。

それからだと思う。

僕は、いつの間にか人を信用しなくなっていた。

 

「…でもアリス、少し離れてくれないと歩きずらいかな」

 

僕にはユウしかいない。あとカムイさん。

だから…と、無意識にユウの腕にしがみついていた。

 

「あ、ごめん…」

 

僕は少し離れる。でも腕はしっかり握ったまま。

と、目の前に人が出てくる。思わず睨みユウの後ろへ回り警戒する。

 

「ユウ、そいつが新入りか?」

「その言い方は無いと思うよ、〈リリ〉?」

「…そうだな。悪い目にあってたからな…」

 

〈リリ〉と呼ばれた女性は、ユウと同じ髪色で同じ目をしていた。

違うのは身長がリリの方が高いのとすこし男勝りな顔で、髪は腰まであるストレートな点かな。

その女性は僕の方へ近づいてきた。

 

「別に怖がることは無いじゃないか?俺はリリ。ユウの双子の妹…らしい。俺的にはユウが妹な気がするんだがな」

「えっ」

「だってそうじゃないか、体力は俺が勝ってたし」

「リリは筋肉バカじゃん!!」

「それは酷くねぇか!?」

 

そのやり取りを見ていると、自然と笑顔が出てきた。

 

「あと身長!!ユウは小さすぎるだろ!!」

「それはリリに吸い取られたの!!!かわりに姉と言う身分を取ったの!」

「どういう原理だよ!?」

 

こういうのを何というんだろ…そうだ。

喧嘩するほど仲がいい、だっけ。

笑ってる僕を見て二人は言った。

 

「「笑わないで!?」」

 

その後も色んな人…いや、僕と同じリリン型に会った。

世界を移動できる装備を持っていて、冷静なリナ・リリン、

遠い所も攻撃できる装備を持っているユウとリリの妹のレナ・リリンと防御が凄いルナ・リリン、

リリン型かは分からないけど、とにかくアンドロイドのユキナ・リリン。

いっぱい居た。

そして、僕を救ってくれたカムイ・リリン…でもなんか下ネタ的な意味でやばいらしいけど。

とにかくたくさんの味方がいた。

わかってくれる人は、たくさん居た。

 

でも、自分の部屋には行きたくなかった。

誰だってそうだろう、監禁されたところに誰が行きたがるのかな……

だからひとまずはカムイさんの部屋に泊まることにした。明日からは新しい部屋を用意してくれることになったけど。

 

「散らかってるけどごめんね」

 

カムイさんの部屋に入ると、服が散乱していた。

少ない量ではあるけど、なんか気になる。

女性が着る物が多いからだと思う。

 

「すこーし待ってよ…」

 

とカムイさんは言い、服をハンガーにかけて閉まっていく。

 

「君に似合う服を探してて結構散らかっちゃったんだよね…あ、あったあった」

 

と、服を出してきた。

その服は、メイド服にも似た半袖のワンピースで白を基調にしてるけど、胸は深青、黒いネクタイとセットになってるものだった。袖口はアンガジャント?っていう袖口になっていて細かさが伝わる。

 

「アリスの為に作ってみたんだよねー」

「えっ、あ、ありがとうございます」

 

びっくりしすぎてそうとしか言えなかった。

さらにカムイさんは色々出してくる。

袖用のベルト、動く邪魔にならないように密着させるためのものらしいけど…と膝まである白色で裾が深青色のズボン、腰用のベルトなど、一式を持ってきた。

 

「あの、ここまでしてくれるのですか…?」

 

と思ってしまい、聞いてみるとカムイさんは少し笑いながら、

 

「作ってみたかっただけだから気にしないでいいよ?」

 

と言った。そういう物なのかな…

 

ということで着てみると、とてもフィットしていて、ちょうど良かった。

まるで、自分の体の一部みたい。足のスラスター?とかいうものもきちんと覆われたのに使うときは邪魔にならずズボンと靴が変形する。僕専用の服、そう思った。

 

「あとは明日ユウがガントレット持ってきてくれるはずだよ」

「本当にありがとうございます…」

「気にしなくていいってば。あとタメ口でいいよ?」

 

とカムイさんが微笑んだ時、サイレンが鳴った。

 

『警報発令、第二防空域より敵飛行体接近。緊急発進(スクランブル)開始。』

 

と警報が鳴ったと同時にカムイさんは僕の手を引いて部屋を出た。

 

「ごめん、時間がない!ついてきて!」

 

しかし、警報は無情だった。

違う、敵が無情だった。

 

『緊急警報、敵接近。敵接近。』

 

と鳴ると同時に銃声が聞こえ始めた。

 

「対空砲火!?こんな近くに――」

 

次の瞬間、目の前が真っ白になった。

体が吹き飛ばされて、上と下が分からなくなる。

何があったか、僕は分からないまま意識が飛んだ。




次回カムイ死なない!(ネタバレ)
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