荒野の国のアリス   作:玲理 星光

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久しぶりの更新(おい)


S1 帝国にて……
S1-1 目覚め


 

僕が……

いやもう違うかも知れない。

何故ならば僕は機械になってしまったからだ。

見た目は女の子の…いわゆる男の娘というもの。

こうなった理由は分からない。

それだけでは無い。

身体は自分だけど…動かす事は出来ない。

ただ、プログラミングされた通りにしか動かせない。

自分の意思では動けない…そうなってしまったのだ。

 

「〈未来都市〉製、XHvLfー00ーxc9 機体名〈アリス〉、よろしくお願い致します」

 

それが機械にされて最初の言葉……いや正確には言わされた言葉だった。

周りには知らない人たち。

しかし目の前には色んな物が浮かんでいた。多分本当に浮かんでいるのではなく自分の目に投影されているのだと思うけど。

しばらくして、白髪で黒目、髪がボサボサだけども童顔な男が来た。身長167cm…そう表示されていた。名前は…〈岸場ロキ(キシバ  )〉、と表示されている。

そのロキという男が指示を下しているようで、僕の体に色んなものを付けて調べているようだ。

 

「どうだ?」

 

とロキが言うと周りの人たちが答える。

 

「魔力値700から900、電力値40から45、魔導炉に若干の誤差があると思われます。電力変換器には問題なし」

「兵装は…相手側の言う通りの物が付いてますね」

 

するとロキは手持ちのスキャナー?を持って近づいてきた。

 

「失礼させてもらう」

 

といい、僕の頭をスキャンし始める。

無論僕はなにも出来ず立ったままである。

と、ロキが顔をしかめる。

 

「…ちっ、これも相手が言った通りか。総員集まれ!」

 

すると、ロキは言った。

 

「予想通りだ。こいつには〈禁忌〉が使われている」

「禁忌が…!?」

 

なんの事か分からない。

禁忌とはなんだろうか。

 

「幸いにも収容パターンは一号機と変わらない。だが…問題は意識があるかどうかか。念の為機器を持ってこい!それと〈ユウ〉を呼べ!」

 

もう一度思う。

なんの事か分からない。

収容パターンって、なに?

しかしその疑問はすぐに解ける事になった。

ロキが問う。

 

「アリス…と言ったな。総合処理システムの型式は?」

 

僕の意思に従わない体が答える。

 

「X105vveFGaLです。」

「X1系統か……やはり。aLという事はもしかするとだな。アリス」

「はい」

「あー…やはり自動か」

 

するとロキは予想外の事を言い出した。

 

「君の意思があるのならば心配しないで欲しい。必ずたすけるからな」

「私に意思はありません」

 

即座に体が答えるが僕の心はその言葉を聞いた。

もしかすると収容パターンとは意思を封じ込めるパターンなのではないか。

つまりロキは僕の意識を感じ取っていたのだと思う。

と、ベッドの横に色んな機械とモニターがつけられたものが来た。ロキが言う。

 

「アリス、そこに寝てくれ」

「了解」

 

すかさず自動的に答え、僕の体はベッドの上に横になる。

頭に何かが付けられる。

 

「これから一時的にシステムを落とす。詳しい説明は終わってからにしてくれ。まずは停止信号lap1を送れ!」

 

しかし隣の人が、

 

「駄目です、シグナル拒否されました」

 

と答える。

すかさずロキが指示を出す。

 

「コマンド、アーキテクチャ表示を」

「アーキテクチャにロックがかけられています!」

「ちっ、コマンド、ririn syskill!」

「リリンシステム…応答せず…!」

「仕方ない、緊急停止信号を送れ!停止と同時にリリンシステム隔離、外部システム接続させろ!」

 

その瞬間、僕の意識はまるで落ちるかのように眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

なにか音が聞こえる。

風の音だ……。

しかしどうせ体は動かない。そう思いつつも思わず目を開けようとする。

すると……開けれた。

眩しくて思わず手をかざす。

……待って、手が動いた?

動かせた?

普通の事なのに、驚いた。

動かせなかったのに……

 

と、目の前の白い扉が開いた。

 

「あっ目、覚めた?」

 

入ってきたのは水色の髪をした床まであるポニーテールの少女だった。

にしても背が低すぎる……120cmぐらいじゃないかな?

それはさておき僕は答える。

 

「はい…」

 

しかしこの状況、はいとしか言えない。

目の前の少女はそれを聞き微笑む。

 

「なら良かった……あっ自己紹介してなかったね」

 

そう言われても…目の前には前と変わらずウインドウが浮かんでいたから分かってしまう。

ユウ・リリン。それが名前らしい。

 

「私の名前はユウ・リリン。ユウでいいよ?」

 

ユウと言えば……あの男の人が呼んでた人?

その疑問を持ったまま、僕も自己紹介をする。

 

「えっと…アリスです。アリス………」

 

その時、ある事に気づいた。

名字が、思い出せない。

自分の名前が……思わず焦る。

しかしユウは優しく言う。

 

「慌てなくて大丈夫だよ…アリス、よろしくね」

 

その時気づいた。

名前だけじゃない。

ここに来る前の記憶が…遠くにある気がする。

なんで………

自分の呼び方も分からない。

〈僕〉だったはずだ。だけども……〈私〉だったかもしれないしまさかそのまま一人称すら〈アリス〉だった気もする。

頭が混乱してくる。

一体自分は何者なのか…

するとユウは神妙な顔になって言う。

 

「アリス、落ち着いて聞いてね。今君はいわゆる記憶喪失って奴になってて…正確には記憶が封印されたって感じで…」

「記憶喪失……封印…?」

 

するとユウは詳しく話し始めた。

 

「まずアリスがここに来る時の記憶はあるよね…?その前の記憶は多分〈向こう側〉が封印してそれで思い出せないようにしたんだよ多分…だからここに来る前のものは全部思い出せないって訳」

「向こう側…?」

 

つまりなにかされたということか。

少なくともアンドロイドにされた、という記憶だけはある。その文章だけが、残っている。

でも向こう側とは何か、全く分からない。

 

「向こう側って…なんでしょうか…?」

 

ユウは言った。

 

「アリスをアンドロイドにした所…多分それ以上言ったら混乱すると思うし分からないと思うからこれ以上は…」

 

つまり忘れているということか……?いや封印だから思い出せないようにされているのか……

その時、ユウの後ろから男が入ってきた。

あのロキという人だ。

 

「ユウ、大丈夫そうか?」

 

ロキがどうやらユウに聞いてるようだ。

ユウが答えている。しかしその話は頭に入ってこなかった。

何故ならアンドロイドにされる前……に何か大切な事があった気がするのにそれを思い出せないから……

何か嫌な気分……思い出したくても思い出せない、頭が痛くなってくる。

それを見ていたロキが声をかける。

 

「感情抑制システムを破壊するために強制的に停止させた影響かもしれない…それならば一時的なものだ。落ち着いてくれ……または記憶の抑制システムか…」

 

そしてユウが隣に座り優しく言った。

 

「大丈夫、まずは落ち着いて…君がここにいる限り私が守るから…絶対に」

 

その時、何か別の声が聞こえた気がした。

 

──大丈夫、俺が守る…絶対に

 

この声は…なんだろう………

そうだ、兄さんの声だ。

…兄さん…?

ああ……そうだった…兄さんを探し…に…

でも兄さんは………

兄さんは………!!

 

「ぁ………」

 

目の前が滲む……

 

「ああああぁあああうわああああああっっっあ!!!」

 

言葉にできない…悲しい気持ちが溢れてくる。

その時、温かくて柔らかいものが顔を包んだ。

 

「…大丈夫だよ………」

 

多分ユウの体………

そして……意識が遠のいていった…

でも、まるで眠る時みたいに、心地よかった……




本当に更新するのか中の人()
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