荒野の国のアリス   作:玲理 星光

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本当に不定期です!すまぁん!!


S1-4 悪意

 

僕たちが元いた所から移動して数分。あの人達と多分離れることが出来たと思う。ユウは、

 

「…だからこのままではこちらに危害が及びます!!」

 

と軍の輸送車の要請をしている。

なんで僕たちはあの人達に探されなきゃいけないのかな…そう僕は思った。

その時、なにか嫌な予感がした。違う、予感じゃない。視界の右下に表示されてた。

<敵性反応接近>と。

ユウが叫ぶ。

 

「隠れて!」

 

しかし間に合わなかった。目の前に出てきたのは…さっきの人達だ。ユウが僕の前に来た。

さっきの人達…いや、<敵>は言った。

 

「悪魔め……俺らが退治してやる!」

 

そして……銃を撃ってきた。でも幸いにもビクともしなかった。ユウも僕も、「キンッ」という音だけで弾は貫通しなかった。

 

「何故そこまでするんですか!?」

 

ユウが叫ぶ。

でも相手は言った。

 

「悪魔だからだよ」

 

次の瞬間、ユウが僕を持って飛んだ。

ユウの背中が白く光ってる気がする。その理由は既に僕の頭の中にあった。

第二世代魔力偏向制御(ルギウスII)システム。リリン型に搭載されている飛行用の機械。それで飛んだんだと思う。

でも……それは無意味だった。

相手がユウに弾を撃って当たった瞬間、その光は消えた。

急激に落ちていく。

 

「システム…停止!?」

 

それが僕が気絶する前に聞いた最後の言葉だった…

 

 

━━━━━━━━━━━━━

 

 

「──た。我……悪魔を殺…事が出来…のだ」

 

意識が朦朧とする。目は覚めたけど……

辺りが暗い。どうやら…ベットの上らしい。ろうそくの火しか無いのかな。

さっきの人達だと思う奴らが話している。

と、僕が目覚めたのに気づいたのか1人が近づいてくる。

 

「目が覚めたか?」

 

何故か相手は少し笑顔を浮かべている。

僕は身構える。悪魔と呼ばれたのだから、何をしてきてもおかしくない。

しかし相手は言った。

 

「そんな固くならないでくれよ……俺たちは君を助けたんだからな…乱暴な手段を取ったとはいえ。というかアレは……」

「助けた…?」

 

そう言われ呟いてしまった。相手は続ける。

 

「…まぁ誤解をするのも当然だな。簡潔に言う。君ははめられたんだ。帝国が新しい悪魔、いやあの皇帝、ルレアがリリン型を求めて作られたのが君だ」

「えっ…?」

 

信じられなかった。あの笑顔が…嘘とは思えないから。

と、相手の後から声が聞こえる。

 

「やはりです。もう片方も同じです」

「だろうな」

 

その相手はもう一度僕の方を見る。

 

「いいか、撃った奴らははっきりいって目的を勘違いしてる奴だ、それは悪かった。本当の目的、それは作られた人間…つまり君たちみたいな人間の脳を使っていない奴らの生産を止め、そして人間の脳を使わせた皇帝の奴らを失脚させることにある」

 

その目に疑いは無い。本当なのかな…と思った。あの自分のせいだと責めていたルレアさんが黒幕なんて…

その時、残酷なことが起きた。

相手が、撃たれた。相手だけじゃない。その後ろにいた人も撃たれてる。

怖い、逃げたい。でも逃げられなかった。

僕の脚が撃たれた。痛みはない、けど……動けなくなった。

 

「…綺麗事を。そんなの考えてねーよ!ただ殺したいだけだっての!」

 

入ってきたのは…狂っていそうな奴。

 

「遊ぼーぜ、お嬢さん?いや違うか、男だもんな確か」

 

銃を乱射、僕に向かって撃ってくる。穴はあかないけど……怖い。

ふと頭に何かわからない光景が浮かんでくる。

荒野で……撃たれて……殺されて……

僕は動けなくなった。

涙がでる。機械でも出るんだ……と思う暇なんてない。何故か涙が……撃たれて、何も出来ずに殺される……!

手足が動かない。

ただ、顔は恐怖を写すだけ…

 

「機械のくせに怖がっちゃってさぁ!!」

 

相手は撃つのをやめない。

ついに……外が壊れた。

中に弾が入ってきて暴れるのがよく分かる。

お腹に…弾が入ってくる。

痛みがないのがなおさら怖い。画面に赤文字で浮かび上がってくる。

<機体異常 システム異常>と。

このままだと殺される……

 

「そのまま壊れちゃえよ!!」

 

僕は多分目を見開いて恐怖のあまり笑っていたのかもしれない。

でも、そんな地獄は終わった。

 

「壊れるのはお前だよ?」

 

相手は倒れた……ユウの攻撃、腕の中にある機関銃で。

 

「ごめん、巻き込んじゃって」

「ユ……ウ…………っ!!」

 

でも足が動かない。あの攻撃でやられてるから…

するとユウは僕を抱き抱えた。

 

「もう大丈夫だよ…」

 

僕は強くユウを抱き締め返した。

怖かった…辛かった……そのその気持ちで思わず強くなった。

 

と、あの相手に撃たれた人が「ううっ…」と呟きながら動く。すかさずユウは僕を背中に背負い武装の格納ドア?を解放して落ちないようにしてくれた。そして相手に近づき応急処置を施す。

 

「…ユウ、と言ったか…………?」

 

しっかりとした声だった。でもユウは言った。

 

「喋らないで。傷を塞がないと血が出ます」

 

相手は頷き落ち着いて処置を受けていた。

 

「…これで暫くは大丈夫です。でも弾を摘出しなければなりません………同行してくれますか?」

 

相手は答えた。

 

「…ああ。部下が暴走したのも俺の責任だ、罰は受ける」

「まず治療受けてくださいね……」

 

と言っていると僕を撃った人が起き上がろうとしていた。すぐさまユウが撃つ……前に処置を受けた人が目にも止まらない速さで相手の腕を撃った。

 

「貴様…自分の欲に負けたか」

「お前には分からねーよ!!ってかもう手遅れだしなぁ!」

「何…?」

 

狂ってる奴は言った。

 

「お前の夢は俺が果たしたんだよ!!俺がてめぇらを撃ったことをアンドロイドがしたことにしてなぁ!!」

「貴様!!」

 

もう1発撃つ。

 

「俺の願いは違う……あくまでも正しい情報で失脚させること、それが願いだ!だが貴様は違う!それはただ民衆を操る事に他ならない!」

「お前も同じだってーの!」

 

狂った奴はまだ撃とうとする。その時、ユウは相手のお腹に機関銃を連射した。僕のされたことを……そのまま返した。

 

「ぐうぅ…!?」

 

ユウは言った。

 

「確かにどっちとも民衆を操ることには変わりない……」

 

処置を受けた人は驚きユウを見る。ユウはその人を見て、

 

「あなたはある意味では正しいのかも知れません…人間の脳を使うなんて非人道的、そんな事私が1番感じてますよ。でも……その為に私たちは撃たれた。狂った思想に置き換えられて」

 

そう言われうつむく。しかしユウは強い声で狂った奴を見て言った。

 

「だけど1番狂ってるのは貴方です!!」

「狂ってなぜ悪い!!?」

 

ユウが頭を撃とうとする。その時、外から何かが投げ込まれた。

あれは…石?

外から怒声が聞こえる。

 

「機械が人に逆らうな!!」

「人殺しの機械が!!」

「お前らはただの兵器だろうが!自分の意思を持つな!!」

 

「っ…!!」

 

ユウは苦虫を噛み潰したような顔をした。

そして、ある一言を言われたことで状況は変わることになった。変えてしまった。

 

「お前らなんて死んで当然だ!てめぇらに兄弟がいたら悲しむだろうなぁ!!」

 

僕の頭で何かが弾けた音がした。僕は……飛んだ。後になってそれがホバー走行というものであった事を知った。

使い方を知らなかったけど……この時、無意識に使った。

両腕に内蔵されていた機関銃が、封印を解かれた。

 

「アリスっ!?」

 

ユウが驚き止めようとする。でも僕は止まらない。ついに外に集まっていた人達の前に出る。

石が投げられる、物が投げられる。

でも僕はその時は頭にきていて何も感じなかった。

人達に銃口を向ける。

ユウが止めようとする。

 

ダダダダダダッ。

18発、一瞬の間に撃った。

それ以上はユウの制止で撃てなかった。

その18発は、的確に相手へ撃たれた。

 

 

 

死亡者14名、重傷者3名、軽傷者18名。

僕が撃った弾は…無意識に出力を落とした<模擬弾>モードになっていたから相手は軽傷、軽いやけど程度で済んだ。

逮捕者38名。

その中にはあの治療をして生きのびた人もいる。

 

でもこれで僕は気づいた。

僕を受け入れてくれる人は、限りなく少ない事に……




アリスが黒くなっていってる気がするのは私だけだろうか?
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