黄泉がえりの権利を掛けて、異世界の決闘者−終わった遊戯王GXへ 作:SOD
退屈な夜を騙ろうか。
真摯な光を騙るなら。
生前、鳴海翔護はよく■■に例えられる人間だった。
彼は神に祈る純粋な少年だった。学校が終わるといつも教会へ赴き、手を合わせた。
生まれながらに片目が無く、周囲に拒絶される人生だった。
それでも彼は祈りを捧げた。神はこの世に在す。
だが、信仰は闇に葬られた。
神への信仰は失われ、彼は終には残っていた片目を切り裂き、抉り出した。
は失われ、代わりに彼は真理を得た。得てしまった。
本来ただの片目が無いだけで清らかな少年だっただけの存在が、新生し、審判を越えて一身と化した。
ゆえに、鳴海翔護は不安定な存在となった。
神のように不確かでありながら、決して消え去らない■■となった。
人のように穢れを引き寄せつつ、影で多くの人を救う■■となった。
ゆえに、鳴海翔護を理解出来るものは、近しく狂った命だけになった。
たった一人の、少女を除いては。
人は、終始孤独では有り続けられない。神は、始まりと終わりは唯一孤高だ。
ゆえにここは分岐点。鳴海翔護が、人か神かを決める分かれ道。アダムとイヴは、楽園を追放されて人の起源となり、子に囲まれた。
神は楽園に遺り、孤独と闇に囲われた。
お前はどちらの道に進むのか……?
閻魔「えーっとですね…翔護さん?」
翔護「あ?」
デュエルスペースから出たあと、鳴海翔護はラーイエローの寮のフリースペースで、自身のデュエルディスクを玩びながら寛いでいた。
その横でいつ爆発するかも分からないダイナマイトを扱うかのように恐る恐る話しかけるのは、自称美少女の閻魔こと、代紋閻魔だ。
閻魔「さっきのヒカリさんの件、本当に良かったんですかね……?」
翔護「なんだソレ。良かったってなんのことだ」
閻魔「いやーその…翔護さん、私にヒカリさんを自分に関わらないようにしておけーって、言ってたから。」
翔護「だから何だ」
閻魔「…………本当は、傷つけたくなかったんじゃないんですか?
だからワザワザ私にーー」
翔護「俺がそんなこと配慮すると思うのか?」
閻魔「その〜気にしていても、おかしくないんじゃないかと……」
翔護「……そうか。」
翔護の真意は分からない。それでも、閻魔は閻魔帳で鳴海翔護の人生を閲覧した閻魔には、そんな気がしてならない。
翔護「別に、俺はお前がこの世界に代紋閻魔として籍があるから、女子寮を調べる駒を新調する必要がなくなったと判断しただけだ。」
閻魔「で、でも…!!」
愉謁「うぃーっす。言われた通りイエローの一年全員下僕にしてきたぞー
閻魔が何かを言う前に、目元に涙の様なペイントをした男、享楽愉謁がのんきな雰囲気でやってきた。
閻魔「ちょっと愉謁さん!!仕事が早すぎますよ!?」
愉謁「ん?何かよくわかんねえけど、褒められてるんだよなコレ?」
翔護「ご苦労。仕事が早いんだから当然褒められてる。この程度でしくじりもクソもねえよな」
愉謁「もちろんねえよ。つってもアイツら、特にデュエルもしねーで降伏してきやがったから、すっげーつまんなかったぞ?
このままイエロー全学年〆て行けばいいのか?それとも一気にブルー行くか?
この程度なら学園全体仕切るのもすぐだぜ。」
フラストレーションを貯めつつ、余計なことをせず上に確認を取りに来る姿に好感を覚えつつ、翔護はそのどちらも否定した。
翔護「いや、もう手駒は要らない。と言うか、学園全体を仕切るなんて誰が言い出したんだ」
愉謁「おいおい、何言ってんだよ大将?入学初日からあんだけ大っぴらに手下作っておいて、この学園のアタマ狙ってないってのか!?」
翔護「無い。」
はっきり断言する。
愉謁「そ、そんな!?」
翔護「俺はただこの学園で探しものが有るだけだ。
【王の残滓】とか言う名前のデュエリスト知ってるか?」
愉謁「…………知らねえ。」
翔護「カカッ!分かりやすく拗ねんなよ。
俺はそいつを倒したら学園出てくからよ。後のことは好きにしろ。学園〆るでも、卒業後にチーム作るでもな」
愉謁「……………分かったよ。
んで、次の仕事はその【王の残滓】って言う奴を探すわけか?」
翔護「そうだな。主に教師や3年の奴らに聞いて回ることになるだろう。そんなことを
享楽、お前は3年のオベリスクブルーを当たれ。
教師とオシリスレッド、ラーイエローの3年に関しては、閻魔と愉快な下僕たちにやらせる。」
閻魔「それ愉謁さんの仕事量、多すぎませんか?」
翔護「テメーが言ったんだろ?オベリスクブルーは実力は奈落の落とし穴の下、プライドは摩天楼の屋上並で、格下とろくに会話しねえって。
だから力尽くで従わせる戦力探してたんだろうが。」
愉謁「………それって、信頼されてるってことか?」
唐突に、言葉の意図が分からない質問が投げかけられた。
翔護「信頼?何だそれ?
お前の実力なら問題無いって事実があるだけだ」
愉謁「そうか。信頼では無いのか。」
翔護「…………?信頼と言う言い方が良いなら、別にそれでも良いが?」
愉謁「ーー!」
翔護「どうせ結果は変わらん。とにかく頼んだぞ。享楽」
愉謁「ああ…分かった。任せてくれ。」
少しだけ満足そうに、胸を張って、享楽愉謁は次の仕事に向かっていった。
閻魔「…………翔護さん。」
閻魔が先程の話の続きをしようとしたのを遮り、鳴海翔護は口を開く。
翔護「いずれ去る世界だ。そして、いつか完全に途絶える関わりだ。
それが全てだろう。」
閻魔「………………そう、ですか。」
その言葉に、悲しそうな表情で頷くと、代紋閻魔は翔護の目元をすっと親指で撫でた。
翔護「何だ?」
閻魔「なんでもありません。ただ目元にゴミが付いてただけですよ。翔護さんは
翔護「…………そうか。」
閻魔「それじゃ、閻魔ちゃん大大大ちゅき隊、次の仕事に行ってきます!」
翔護「ああ。」
にっこり笑って元気な声で挨拶して、代紋閻魔も向かっていく。
閻魔(罪と神と真と心。それら全てを内に閉まって、これからも生きていくのなら、生きることは、何より罰でしかない。
なのにアナタは、黄泉がえりの道を選ぶんですね。
まるで……
重い
翔護「ふああ…」
眠そうに欠伸をする翔護を横目に、誰にも聞こえない言葉がポツリと溢れる。
閻魔「悲しい
翔護(…………閻魔ちゃん大大大ちゅき隊か……恥ずかしくないんだろうか?あいつ)
もっと見たいキャラはいますか?
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代紋閻魔
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彩華ヒカリ
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享楽愉謁