黄泉がえりの権利を掛けて、異世界の決闘者−終わった遊戯王GXへ 作:SOD
他作品の
幸運の女神に嫌われた と 駄菓子屋 とは異なり、こちらは大分主人公が人の道外れて行ってるので、疲れたときに書くと大体はっちゃけるんですよね。
うん。このクソ暑い日にクーラーもないのに残業させた会社が悪い。
オイラはぁ、悪くないよねぇ〜
校長室での話が終わり、一息つく間もなく歩き始めた翔護の後を付いてきたヒカリがたどり着いたのは、昨夜デュエルをした灯台。
翔護は着いて早々に懐の煙草に火を付け、深く息を吐いた。
翔護「………ふ〜〜〜〜っっ」
吐き出した白い煙から逃げるように風上に移動したヒカリは、物言いたげにしながら終わるのを待っている。
ヒカリ「…………。」
翔護「ぷはぁー……」
ヒカリ「…………。」
矢続きに吸っているとすぐに白い紙は灰となり、フィルターだけになる。
そこでようやく終わったかと思えば、トントンと箱のスミを叩いて2本目を取り出そうとしたので、我慢の限界を超えたヒカリが箱ごと引っ手繰った。
翔護「あにすんだよテメェ」
不機嫌そうな目付きでヒカリを睨む翔護。
これまでなら、ヒカリは萎縮してしまっていただろう眼光。だが、今は違う。
これまでなら、ヒカリはそもそも翔護から煙草を引っ手繰るような真似など出来るはずがないから。
ヒカリ「ようやく分かりました。
都合が悪いと言葉に詰まる人間性といい、悪ぶってる割によく分からない所で弱い精神性といい、実はあなた心弱い人ですよね。」
翔護「何だ急に?探偵ごっこでもしたくなったのか?」
ヒカリ「少し強く出られると身を躱すように話が逸れる。」
翔護「……………。」
ヒカリ「知ってますか?二重人格って、心が耐えきれないストレスを抱え続けた人がなりやすいそうですよ。」
翔護「ガキの頃の虐待とか、だろ。
んで、それをわざわざ俺に聞かせて何がしてぇ?釈迦に説法ってもんだろ。」
ヒカリ「あなたにヒカリが、デュエルの事を語ろうとすれば、そうでしょうね。
けど、今回に関しては素人のヒカリにも分かります。
帰る為の手がかりが、ひとつ無くなったからおちこんでる」
翔護「…………あくまで薄っぺらな可能性が一つ。探れなくなっただけだろ。」
ヒカリ「そう思ってないから、そんなに泣きそうな顔をしているんじゃないんですか?」
ヒカリにそう指摘された翔護が、親指で目尻を払うように触れてみる。
だが、涙どころか乾き切ったままだ。
翔護「…………閻魔といい。………お前といい。
…………よほど俺を、泣かせてやりたいと見える。」
ヒカリ「……………。」
言葉が詰まっているのか。心が蓋をしているからなのか。
気怠げに口元を歪ませ、笑っているのか泣いているのかも表現出来ない程に曖昧な、真顔に近い表情を浮かべると、翔護は腰を上げてヒカリに向き合う。
翔護「覚えておけ、彩華。不機嫌で弱ってそうな獣には、無闇に近づいちゃならねえ。
ーーゾクリ。
ヒカリの中の警鐘が鳴り響く。これ以上は危険だと。
ヒカリ「やっぱり傷付いてるんじゃないですか……ハハハッ」
それでも逃げない。冷や汗掻きながら目の前の危険な獣から逃げようとしない。
翔護「チッ……」
ドゴオオオオーーンッッ!!!!
翔護は、苛ついた顔で灯台を殴りつける。コンクリートは砕けて、ボロボロと剥がれ落ちる。
爆発物のような鈍く長い爆音が響き渡る。
ヒカリ「!?」
人の領域を遥かに超えた拳の威力。単純な暴力。木を殴ってへし折った時よりも明らかに強い衝撃が生まれている。
もし、これが自分に向けられたら……?ヒカリがソレを想像しないはずがなく、膝が震え出す。
翔護「テメエも殴られてみるか?」
ヒカリ「……………っっ!!」
怖い。純粋な暴力が。ソレをなんの感情も無く振るえるかもしれない鳴海翔護の狂気が。
さあ逃げろ。今すぐ逃げろ。それで誰が自分を責めるものか。
お膳立てはされた。まだ間に合う。これはまだ警告だ。言うとおりにしておけばきっと助かる。
一体何に意地を張っているのか?命あっての人生だろう。
ヒカリの気持ちは、とっくに固まっていた。
ヒカリ「………や……」
翔護「……あ?」
ヒカリ「や、や……!ーーやってみろ弱虫ー!!!!」
大した声量もない、小さなカラダの絶叫と共に、ヒカリは手に持っていた煙草を海に投げ捨てたのだった。
翔護「……………。」
虚しくプカプカと浮かぶ煙草を、無感動に見つめる翔護。
ヒカリ「ハァ……ハァ……っっ!!」
翔護「…………。」
ヒカリ「ハァ……ハァ……はぁーっ。
さ、さぁ。な……殴ったらどうですかっ!!」
翔護「………………。」
ヒカリ「ど、どうせ、く…口だけなんでしょう!?」
涙目と震える声で翔護に叫ぶヒカリ。
もう一秒後に生きている保証すらない。
だから、もう何も怖くない。
翔護「ハァ………」
ため息をひとつついた翔護は、一足でヒカリの側に移動して。
そのまま海に投げ捨てた。
ヒカリ「キャーー!???」
ドップーン!!!!
翔護「やれやれ……海に物を捨てるなという。」
ヒカリ「あぷっ!?あぶっ!!」
バシャバシャと藻掻くヒカリ。その様子はとても泳げる者の姿では無い。しかも小さな身体に、アカデミアの制服着用の、海面という懇切丁寧なデバフ付きだ。
身長よりも高い位置にある地面も相まって、絶対にヒカリ一人で上がってくることは不可能だろう。
ヒカリ「あぶっ…!!ぶあっー!!」
翔護「………………。」
ヒカリ「ーーた、たすけーーぼぶぶぶっ…!!」
翔護「………………。」
翔護(……所詮、こんなものだ。)
空虚に、虚ろに、景色を映さないヒトミは、無感動にヒカリが溺れていく様を反射するだけ。
何も見ず、何も映さず。
このまま、見えない瞳で、溺れていく少女を眺め続ける。
閻魔「ーーなにやってるんですか翔護さん!!!!」
ドボン!
何かが翔護の横を通り過ぎ、水の中に落ちていった。
閻魔「大丈夫ですか!?ヒカリさん!!」
ヒカリ「がぼっ…!!え……閻魔…さん…っっ!」
閻魔「大丈夫ですよ!すぐに沖に上がりますから!!」
懸命な人命救助の光景だ。
ソレを翔護は、灯台の下で腰を落ち着けながら眺めていた。
閻魔「翔護さん!!何してるんですか、手伝って下さいよ!!」
翔護「……俺が投げ込んだソイツを、俺が救助しろと?
まるで助ける存在のいない、正義の味方みてえな行動だな。」
閻魔「バカなこと言ってないで、早く助けてください!!!!」
翔護「………ハァ。」
ため息一つ。重い腰を上げて、腰に巻き付けていたモノを引き抜くと、ソレをしならせて閻魔の元へ届けた。
えらく長いソレを、閻魔はロープかと一瞬誤認したが
閻魔「鞭じゃないですかコレ!?なんでこんなもの持ってるんですか!」
翔護「俺の近距離用の武器だが?」
閻魔「〜〜〜ああ、もう!!まずはヒカリさんを助け上げるのが先決です!!」
閻魔はヒカリをどうにか背負い、鞭を自分の胴体に巻き付け、引っ張り上げて貰ったのだった。
ヒカリ「ゲホッ!!ゲホッーー!!!!」
閻魔「落ち着いて、ゆっくりと息を吸ってください。
最初は難しいと思いますが、ゆっくり吸えるまで繰り返していけば、呼吸が落ち着きますよ。ヒカリさん」
ヒカリ「スゥー……ゲホッ!?ゲホッ!!」
閻魔「大丈夫です。急がなくても良いんですよ。ちゃんと私達、ここに居ますからね。」
ヒカリ「ゲホッ……スゥー……ガハッ!!ゴホッーー!!」
閻魔は優しくヒカリの背を擦りながらも、その目線だけは翔護の方に向いていた。
閻魔「………どういうつもりなんですか。翔護さん」
翔護「どうもこうもねえ。売り言葉に買い言葉だ。」
閻魔「やり過ぎだと思わないんですか?八つ当たりなら、いつものように私にしていれば良かったんじゃないんですか?」
翔護「売られた喧嘩は買う主義なもんでな。カカッ」
閻魔「それでそんな、被害者みたいな顔してて、なんの意味があるんですか……誰も幸せにならないじゃないですか。」
翔護「当たり前だろ。暴力だぜ?関わった人間は大方不幸になるのが定番だ。
誰も悦ばない、誰も笑わない。誰も幸せにしない。暴力なんざ、そんなもんだ。戦争で戦わされた兵士が、誰か一人でも幸せな気持ちになったと思うのかァ?」
閻魔「だったら…!だったらもっと、優しくしてあげたら良いじゃないですか!!
やりたくてやってるわけでもない、やられた方もやられたくてやられたわけじゃない。こんなのバカみたいじゃないですか!」
翔護「……………。」
ヒカリ「げほっ……はぁっ…はぁっ……」
閻魔「大丈夫ですか?ヒカリさん」
ヒカリ「はぁ……はぁ……ふぅ…………はい。だいぶ、落ち着いてきました。」
閻魔「よかったぁ……とりあえず、医務室へ行っておきましょう。
4月の海なんてまだまだ全然冷たいですから。診てもらいましょうね」
ヒカリ「はい………。」
閻魔「さぁ、翔護さん。ヒカリさんを運んであげてくださーー…あれ?」
未だ怒り収まらずの閻魔が、翔護に話しかけると、すでにそこに翔護はいなかった。
ヒカリ「………マスター……?」
場面は変わり、ラーイエロー1年生の談話室。
学年毎に集まり、会話や勉強などが行われる部屋だ。
その場にのほぼ全員が、床に正座させられており、ただ一人椅子に腰掛ける者に視線を向けている。
ラーイエロー1年、享楽愉謁を前にして。
愉謁「いいか、お前ら。ここにいる全員は、オレに負けてオレの下に付いたやつらだ。ここには、ラーイエロー1年生のほぼ全員が集まっている!つまり、ラーイエロー1年のほぼ全員は、オレの手下だ。
だが、このオレもまた、ある人に負け、その人のみこしを担いでいる。
その人からの指令は、お前ら雑魚をある程度のデュエリストに仕上げておけとなっている。よって、お前ら全員を今からオレが徹底的に鍛えてーー」
ガラッ……
愉謁が演説をしている途中、無遠慮に開け放たれたドアの音がなる。
愉謁「誰だァ!遅刻して来やがった奴は!!」
翔護「あ?」
入室して来たのは、先程まで灯台に居た、鳴海翔護だ。
愉謁「ゲッ……大将……………」
翔護「随分と、景気が良さそうだな。愉謁。」
愉謁「も、もうしわけねぇ……まさか大将が教育に来るとは予想外で……」
翔護「ふん…ご機嫌な演説に免じて許してやらぁ」
愉謁「お、おぉ……助かったぁ……」
翔護が愉悦と話をしている間、集められた生徒たちは、小声で話を始めた
“誰だ…?あいつ“
“オレ知ってる……入学試験の時に、試験官ワンキルしたやつだ…“
“ああ。しかも、あの伝説のOB 遊城十代 と同じE・HERO使いで、ネオスまで持ってるらしいぞ…“
“マジかよ……凄えカード持ってるじゃん…“
“ここにいる何人かは、既にフェリーの中で直接デュエルして、負けてるらしい“
“へぇ……なんにしても、あの享楽愉謁が完全に下手に出てるってことは、やっぱ強えんだろうな“
“………チッ…気に入らねえぜ……“
愉謁「………ア?何だぁ今の舌打ちは?」
翔護「?舌打ち?聞こえたか?」
愉謁「オレは耳は犬並みなんだ。信用してくれて構わねえぜ大将。
なぁに任せてくれ。反乱分子はすぐに見つけ出して処刑……」
翔護「いらねえよ。んなの。」
愉謁「い、良いのかよ?そんな甘い顔してたら、手下に舐められて……」
翔護「どのみち、苛ついたことがあったから、こいつら全員を使って八つ当たりするつもりだった。同じことだ。」
ザワザワ……!!!!
愉謁「…………あ、ハイ。」
愉謁(甘かったのはオレの方かぁ……考え方が。)
翔護「今この場で、俺と希望者全員でデュエルをしよう。
デュエルしない者は俺の背後に付いてブリッジでもしてろ。」
愉謁(……なぜブリッジ?)
愉謁が心中でツッコミを入れた瞬間、一年生の集団の中から何人かが飛び出して来て、我先にとブリッジを始め出した。
翔護「おいおい何だよ……マジでそんなことする奴が出るのかよ?
お前ら、プライド0か?」
「閻魔ちゃん様より、翔護様からの命令は反することの無いようにと申し付けられて御座います!ブヒー!!」
「命とご褒美が惜しかったら、間違っても逆らってはいけないと調教されております!ブヒー!!」
「「「「我ら、『閻魔ちゃん大大大ちゅき隊』!!!!閻魔ちゃん様のご命令により、鳴海翔護様に仕える物であります!ブヒーーー!!!!」」」」
翔護(こいつら……前に閻魔が言ってた萌え豚集団かー!?)
※題名 ■■より。
翔護「プライドなんてあるわけなかった……。もういい。大人しくしてろ。」
閻魔ちゃん大大大ちゅき隊「「「「「ブヒッ!!」」」」」
無駄に洗練された敬礼を、完璧なシンクロで行い、翔護の言葉通り、背後でブリッジを始めた。
翔護(…………ブリッジとか言わんきゃ良かった。地味に気になる)
翔護「さーて、他にはいるか?あとは全員俺とヤるんだな?」
翔護が翡翠のジュエルディスクを構えると、中で一人。恐る恐ると言う感じで手を挙げる者がいた。
明らかに気が弱そうな、ひ弱な少年だ。
「あ、あの〜質問良いです、か?」
翔護「はーい質問は受け付けまーす。どうぞー」
「はいっ!えっと…もし、デュエルに負けたらどうなるんでしょうか…?」
翔護「別にどうもしねーよ?つーか、お前ら既に俺の奴隷で、生きるも死ぬも俺次第だ。失うものとか持っているつもりなら、今の内に諦めとけ。
あと、お前らが俺に勝つとか負けるとか、そういう次元で考えてないから。これただの八つ当たりだからね?」
「あ……そうですか〜…」
翔護「ん〜でもそうだなぁ……仕事って普通報酬ありきだよな。
もし、お前らが俺に勝てたら……ネオスのカードをくれてやるよ。」
愉謁「ーー!???」
翔護の言葉に、愉悦は度肝を抜かれ、それまで正座をしていた連中も、目の色を変えた。
変えてないのは閻魔ちゃん大大大ちゅき隊のブリッジ連中だけである。
翔護「挑む者は全員。纏めて掛かってこい。
お前らの持つ全ての手札、全ての盤面、全ての墓地と除外。
それらをひとつの敵とする。」
“な、なんだそれ?どういうことだ?“
“つまり、ここにいる全員対あいつ一人…??“
“嘘だろ?全部で30人はいるんだぞ?“
“つまり…勝てるんじゃね?これ“
その場で向き合っていたほぼ全員が、翔護に挑もうという空気になる。負けても失うものはない。勝てば伝説のカードネオスが手に入る。
やらない理由が無かった。
ただ一人を除いて。
「ぼ…僕は、遠慮します……すみません、ブリッジが出来ないので……よつん這いでも良いですか…?」
翔護「何だ…ここまで言ってやらねえのかよ。
よつん這いでも正座でも好きにしてろ。」
「あ、はい。失礼いたしまーす……」
そんな中、闘志に火が付いた連中の中で、一人威勢の良い者が声を上げた。
「ビビるこたぁねえぜ!!アイツがどんだけ強かろうが、こいつはデュエルだ!!手札とデッキとフィールドと人数!!こいつはそのまま戦力差になる!
1対30のデュエルで負けることなんざありえねえんだ!!
偉そうに勘違いした奴の鼻を明かしてやろうぜ!!」
翔護(……アイツ、フェリーにいた突っかかって来たやつだな。
あんだけ脅されてまだ喧嘩ふっかける度胸があんのか。)
“よっしゃ!!やってやろうぜ!!“
“どのみちこのままやらなくても負け犬のままだ!!“
“ぶっ倒してネオスを頂いてやろうぜ!!“
“よっしゃー!みんな行くぞー!!“
翔護「サンドバックの数は……30丁度か。思ったより減ったな」
愉謁「コイツら……あんだけボロ負けしといて、まだこんだけ歯向かって来るのか」
翔護「元気が会っていいじゃねえか。
圧し折りがいが有るだろ?」
愉謁「あー……はぁ…」
愉謁(しっかし大将どういうつもりだ?
こんな数が一斉に相手なんて、伝説のデュエリストやデュエルキングだって勝てやしないぞ。
最初からネオス配るつもり…?それが一番可能性高いか。)
翔護「そんじゃーいくぜー」
翔護・30人「「「「「ーー
その時、翔護から人の心を感じさせない冷たい殺気が放たれたのを感じ取ったのは、感覚が鋭敏な愉謁だけだった………。
それから更に30分後には、保健室で診察を受けて、取り敢えず熱もなく、体調が悪くなったらまた来てねと定型文で終わった閻魔とヒカリがお互いに風邪引かないで良かったなど、談笑しながらも、翔護を探していた。
閻魔「今回ばっかりは、しっかりと翔護さんにも反省して貰いませんと!」
ヒカリ「ヒカリが挑発したのも悪かったんです。落ち込んでるところが、あまりにも似合わなさすぎて、つい『こんな翔護さん見たくない』って、気持ちばっかりはやっちゃって。
翔護さんの気持ちを、考えずに……ヒカリ、謝らないと。」
両者の意見は正反対だが、お互いに自分は自分。相手は相手。という感じで、特に衝突もなく、仲よさげにしている。
そんな美少女二人の談笑に入る男が一人。
クロノス「シニョーラ閻魔に、シニョール……シニョーラヒカリ。
先程はお疲れ様でしたノーネ。」
閻魔「あら、クロノス先生。お疲れ様です。」
ヒカリ「おつかれさまです。クロノス教諭。」
クロノス「ところーで、シニョール翔護は、きちんと大人しくしてくれていますノーネ?」
ヒカリ「それが……故郷似帰る手がかりを無くして、少し落ち込んでしまって……」
クロノス「……そうですーカ……いえ、当然。ですノーネ。
ワタクシ達ーも、異世界に迷い込んだ時には、誰もが帰りたいと願っていましたカーラ。
そんな思いを、二度と生徒たちに味合わせることの無いように……と思っていましたーガ……鳴海翔護も、今となっては我が校の生徒。
何より、まだ子どもですノーネ。少し……きつく言い過ぎてしまったかもしれませんーノ。」
閻魔「…………元はと言えば、私のせいです。クロノス先生が気に病む必要ハありませんよ。
それに、あの人だって、色んな危機や事件を乗り越えた、凄腕のデュエリストです。強いデュエリストは、自分のメンタルをきちんと管理出来ます。だから、きっとちゃんと乗り越えーー」
ドゴオオオオオオオオンンン…………!!!!
閻魔の言葉を遮るように、突如大爆発音がアカデミアの校舎全体を揺らし、地鳴りを起こした。
クロノス「んな、なんでスーノ!??今の爆音は!?」
ヒカリ「デュエル場の方じゃないですか!?」
閻魔「こんな爆発音、普通のソリッドビジョンで出るはずがない……まさか!?」
3人はデュエル場へ走った。
音が届くだけあって、位置は目と鼻の先。
そこで見た光景とは……
「あ………あぁ…………アアアアアアアアアア!????!!」
E・HERO グランドマン ATK0
翔護「分かるか?現状、
「ギャアアアアアアーーーー!!!!????」
30人のデュエリスト LP−25900
攻撃力0のHEROが、三十人のラーイエロー生徒達のライフを刈り取る姿だった。
図らずも、その死屍累々の光景は、クロノスに入学試験の日の倒れ伏す生徒達を、夢想させた。
クロノス「……………鳴海…翔護。
シニョール十代とも、シニョールエドとも、異なる3人目のHERO使い……だと言うのに、貴方の『正義』はいったい何処にあると言うノーネ…?」
翔護「フフフフッ……フハハハハ………あぁ……つまんねえなぁ…………」
ちょっと目離した隙に何してんだこの主人公……もうただの魔王やん。
こいつが最終的に何するのか気になった人は感想ください。あと高評価と……ついでに会社の休みも下さい。