そうしてこっちを更新するのは新年初。
今年もよろしくお願いします。
今回もお楽しみください!
2学期の始まり
一夏side
2学期始業式の日、時刻は5:30。
俺は何時ものように朝のトレーニングをしていた。
最近は仕事のせいでみんなとの訓練が出来てないから、こういうところでしっかりと訓練しておかないと。
《一夏。今日も確か更識楯無に呼ばれているんだったな》
「そう。始業式の会場設営の手伝いだってさ」
仕事が忙しいから勘弁してほしかったので断るメッセージを送ったのだが有無を言わせない感じで押しかけて来たので、渋々参加する事にした。
勘弁してほしい...
「ディミオス、準備出来たぞ」
《受け取れ、模造剣だ》
「ありがとう」
そう会話した後、俺はディミオスから模造剣を受け取る。
俺とディミオスが今からする事、それは斬り合いだ。
1学期にも体育の授業かなんかでやった事があるが、それだ。
《ルールは?》
「場外は無し。だけど節度をわきまえる事、そして怪我をしないようにする。これくらいでいいかな」
《了解した》
ここで俺とディミオスは会話を切り上げ、お互いに何歩か離れて模造剣を構える。
そうして暫くお互いが見合っていたが、風邪が吹き周りに生えていた木々が揺れて音が鳴る。
「ハァ!」
それと同時に俺は地面を思い切り蹴りディミオスに接近し模造剣を振るう。
《フッ!》
ディミオスは俺の攻撃をそのまま自身の模造剣で受ける。
ガキィ!
模造剣同士がぶつかったときの音があたりに鳴り響く。
《...パワーが上がったな!》
「そりゃどうも!」
俺はそう言うとディミオスの剣を力任せに弾き、ディミオスの事を蹴る。
だが、SDであるディミオスには簡単には当たらずそのまま避けられてしまう。
《ハァ!》
今度はディミオスが模造剣を俺に振るってくる。
「くっ!」
蹴りを放った体制だったが、俺は身体を捻り模造剣でガードする。
ガキィ!
再びあたりにその音が響く。
《フム、スピードも上がってるな!》
「ディミオスよりは遅いけどな!」
やっぱりSDでもモンスターだからパワーもスピードも俺よりかは全然上だな!
俺はそんな事を考えながらディミオスの剣を押し戻し、今度は自分から攻撃をする。
「ハァ!」
《甘い!》
そこから、俺とディミオスは攻撃、防御、反撃、防御を何度も繰り返す。
「はぁ、はぁ」
そこそこ息が上がって来た。
「ハァ!!」
俺がディミオスに攻撃をすると、
《もらった!!》
と、ディミオスが俺の足を払ってくる。
仕舞った!
俺はそのまま仰向けに倒れてしまう。
「ぐっ!?」
《決まりだな》
俺が受け身を取ると、俺の顔の前にディミオスの持つ模造剣が突き付けられる。
これは...負けだな。
「ディミオス、参った」
俺がそう言うと、ディミオスは
《ふぅ...かなり身体能力が上がったな》
と言いながら模造剣をどかす。
俺はそのまま上体を起こす。
「はぁ...ディミオスには勝てないか」
《さっきも言ったが、それでも身体能力は上がっている。これでは、何時かは負けるかもな》
「何時かは勝つさ」
そう俺とディミオスは会話をする。
仕事ばっかりで碌に訓練が出来てないけど、ディミオスが言うなら間違いないだろう。
これで身体能力が落ちてたら、俺は睡眠時間を削ってトレーニングし直すことになってた。
俺がそんな事を考えていると
「おう一夏。朝からよくやるな」
と背後から声を掛けられる。
俺がそっちの方に振り返ると、そこにいたのはオータムさんだった。
「オータムさん!なんか久しぶりですね」
「確かに久しぶりだな」
なんか物凄い久しぶりだ。
夏休みの間は会話してなかったからな。
「お前、最近仕事のし過ぎじゃないか?スコールから聞いたぞ」
ここで、オータムさんがそう言ってくれる。
俺は思わず苦笑いをしながら頭をかく。
「そうですかね?」
「話を聞くだけで、お前が働き過ぎなのが分かる」
うーん、仕事している姿を見せていないオータムさんにもこう言われてしまうのか。
《お前は働き過ぎだ》
[マスターは働き過ぎです]
[いつか倒れますよ]
おう、ディミオス達にも言われてしまった。
「改善した方が良いぞ?」
「そうしたいんですけど、日本政府と国際IS委員会と女性権利団体からの仕事が...」
俺がそう言うと、オータムさんは苦笑いを浮かべる。
本当に勘弁してくれ。
[マスター、そろそろ時間です]
(もうそんな時間か。ありがとう白騎士)
ここで、白騎士がもう時間であることを知らせてくれる。
「じゃあオータムさん。そろそろ時間なので」
「そうか。2学期も頑張れよ!」
「はい」
こうしてここでオータムさんとは別れ、俺は寮の自室に戻る。
シャワーで汗を流し、制服に着替える。
着替え終わったらPCを起動し仕事のチェックをしながら朝食に完全栄養食のパンを食べる。
完全栄養食。
それ1つで1日分の栄養を取れるという便利すぎるもの。
このパンの場合は1日6つ、つまり朝昼晩2つずつ食べればそれで栄養はOKだ。
「便利な世界になったものだな...」
[マスター、それは高校生が食べるものじゃないよ]
(ん?何だ白式。別にそんな事書いてないぞ)
[そう言う事では無くてですね。高校生ならもっとしっかりとした食事をとるものだという事です]
(仕方ないじゃないか。時間が無いんだ。それに週1くらいは自分で作ってるからいいだろ)
[そうですけど...]
《一夏、さっさと食え。もう直ぐ時間だ》
「OK!」
白式と白騎士はまだ納得してなさそうだが、取り敢えず時間の為俺はそのままパンを2個直ぐに食べ、PCをスリープにしてから鞄に入れ、それをもって寮の外に出る。
2学期が始まるから、仕事の量は夏休みよりはマシだろう。
そして、2学期には学園の行事が目白押しだ。
少しは青春ってものを感じれるといいな...
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時刻は進み、始業式後の2学期最初のLHR前。
俺は自席で時間ギリギリまで仕事をしている。
あの後楯無さんや虚さんやのほほんさん、そして教員のみなさんと共に準備を終わらせ、そのまま教室に戻った。
俺が教室に来たのは最後だったのだが結構みんな日焼けしていた。
特に清香を始めとしたスポーツ関係の部活に所属しているみんなはこんがりとしていた。
俺も結構営業とか挨拶回りとかで外を出歩いていたからそこそこ日焼けしてたけど、流石にスポーツしてたり海に行った人と比べると焼けてない。
まぁ別に焼きたいわけでも無かったしどうでもいいけど。
そして忘れてはいけないのが、2学期から深夜が謹慎が明け、復帰する事だ。
だが、まぁ、周りと馴染めていなかった。
正直4月とかの方が周りに馴染んでいた気がする。
そんな事を考えながら始業式に参加して、学園長などの話を聞いた。
まぁ、特にそれ以外に何かあった訳でも無く、他の先生からも話が何個かあり始業式は終了。
そして今という訳だ。
俺がPCとにらめっこしながら仕事をしていると
「一夏さん、所属IS操縦者用の書類終わりました」
と言いながらシャルが書類を持って来てくれた。
俺は顔をそっちの方に向けてからその書類を受け取る。
「確かに受け取った。ありがとうな、シャル」
どれどれ...
うん、しっかりできてるな。
流石はシャル。
誤字もないし大丈夫だ。
...なんだ?
視線を感じるぞ?
「...何でそんなに見て来るんだ?」
俺は視線をみんなの方に向けながらそう言う。
そう、何故かシャルが俺の所に来て会話してからみんなの視線が集まっていたのだ。
俺がそう質問すると、
「いや、その...シャルロットが一夏に敬語を使うのに違和感があったからな...」
ラウラがそう答える。
「確かに、学園で俺に対して敬語使うのははこれが初めてか?」
「そうだね」
敬語からため口切り替わったシャルが俺の質問にそう答える。
まぁ、仕事の時しかこうはならないからな。
「仕事の時くらいは上司に敬語を使うよ」
「寧ろ仕事以外の時に敬語で呼ぶな。同級生で友人だから違和感あるし、仕事が来たと思ってテンション下がる」
「...それもそうだね」
すると、シャルは若干心配そうな表情になって自分の席に戻っていった。
若干だが、俺を見ているみんなの視線も心配そうなものに変わっている。
俺、そんなに働いてるか?
...働いてるか。
自分で言ってて悲しくなってきたぜ。
そんな事を考えながら仕事を進めていくと
キーンコーンカーンコーン
とチャイムが鳴る。
それと同時に俺は直ぐにPCをスリープにしてしまう。
俺が丁度しまったタイミングで教室の扉が開き、織斑先生と山田先生が入って来た。
「さて諸君、おはよう。今日から2学期だ。先程学園長が仰っていたが、2学期には様々なイベントが存在する。だからといって気を抜かず、しっかりと生活するように!」
『はい!』
織斑先生の言葉にみんなで一斉に頷く。
全く、これがあの生徒達の前で酒だらけの冷蔵庫を見られた俺の姉と同一人物かよ。
私生活でもしっかりしてくれ。
「織斑、今何を考えている?」
「え?私生活ではだらし姉なのを直してくれって考えてました」
「それを言うな!!」
「ここでその反応は肯定ですよ?そもそも織斑先生だって言って無いのに」
「...しまった」
なんかこのやり取り久しぶりな気がする。
「まぁ、夏休み明けの姉弟漫才もこのくらいにしておいてですね」
「そ、そうだ。今の内容は全て冗談だからな?」
織斑先生がそう言うと、クラスのみんなは頷く。
だが、セシリアとラウラとシャルは苦笑いを浮かべていた。
夏休みに真実の姿を見たため、鵜吞みに出来ないのであろう。
まぁ、今までの漫才と言ってきたことも真実だし。
「それでは、提出物を回収します。みなさん、机の上に準備してください」
ここで、山田先生がそう指示を出す。
その指示に従い、クラスの全員が提出物を準備する。
謹慎だった深夜も課題は受け取っていたらしい。
「はい、では出席番号順に持って来てください。1番最初に成績表を回収します」
山田先生の指示に従い出席番号順に成績表を持っていく。
俺の成績表って千冬姉しか俺以外には見ないからわざわざ配布された意味を感じないが、仕方が無い。
そうして、各教科からの課題も提出した。
俺は夏休み入る前に全部終わらせてそのままずっと仕舞ってたからみんなよりも折り目がはっきりしてたけど、まぁ気にしない。
そんなこんなで提出物は全て提出し終えた。
「フム、少し時間が余ったな」
織斑先生は時計を見ながらそう言う。
確かに、少しどころか15分近く時間が余ってる。
「そうだな...順番に夏休みの思い出でも喋ってくれ」
小学生か。
何でこの年齢でみんなの前で夏休みの思い出をスピーチしないといけないんだ。
「先ずは相川」
「はい!」
そして何で清香はそんなにノリノリなんだ?
俺がそんな事を考えている間に清香はすらすらと夏休みの思い出を喋っていく。
.....青春してるじゃん。
[マスターがして無さすぎるんです]
(それは...そうだな)
白騎士に言われたことに俺は頷く。
仕事がなぁ...
「じゃあ次は織斑兄」
「はい」
さて、そんな事を考えている間に俺の番になった。
俺は席から立ち上がりみんなの方に振り返る。
さて、俺の夏休みの思い出は...
「.....ドイツ行ってイギリス行って中学時代の友人と会って、それ以外全部仕事」
これだけだな。
うん。
「...織斑兄、もう少し詳しく.....」
織斑先生がそう言ってくるので、俺はもう1度考える。
そうだな...
無許可でクラリッサとチェルシーの事は言えないから...
「と言っても、ドイツにもイギリスにも昔にあった人に会いに行った感じですし、中学時代の友人とは本当に友人ノリで半日過ごしただけですし...」
俺がそう言うと、山田先生や織斑先生を含め、俺の話を聞いていたみんなが悲しそうな表情をする。
おいおい、そんな表情になるな。
話をした俺まで悲しくなってくるではないか。
でも、俺の夏休みの思い出が仕事とクラリッサとチェルシーが殆どだ。
「以上ですね」
「そ、そうか...では、次頼む」
そう言われて俺は席に座る。
なんか、微妙な空気で話をパスしてすまん。
入学式の日の自己紹介でも同じ事を考えたような気がする。
そんなこんなでみんなの夏休みの思い出の話も終了した。
そうして丁度いいタイミングでチャイムが鳴り
「では、これでLHRを終了する、この後は授業があるから各自準備しておけ」
と指示を残し織斑先生と山田先生は職員室に戻っていった。
さて、授業も頑張りますか!
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時刻は進み、現在20:20。
俺は部屋で朝食や昼食と同じ完全栄養食のパンを食べながら仕事をしていた。
あのLHR後の授業は、2学期初日という事でいつもよりはスローペースだった。
そのおかげで大変リラックスしながら学業に取り組むことが出来た。
普通は可笑しいのかもしれないが、俺からすると仕事が忙しいので授業はリラックスタイムだ。
しっかりと授業は聞いてるしテストの点数も良いんだからこれくらいは許してくれ。
俺がそんな事を考えていると
♪~~~♪~~~
とスマホが着信の音を鳴らす。
誰だ?
こっちは今忙しい...
クラリッサだぁ!
「もしもしクラリッサ?一夏だけど、どうかしたか?」
『あ、一夏!その、偶々電話出来る状況の休憩時間になったから、一夏の声が聞きたくて...』
何て可愛いんだ!
電話越しでも分かるくらいには、クラリッサの声も嬉しそうだ。
「そっか。今は普通に昼ご飯を食べた後か?」
『そうだよ。一夏は今何をしていたんだ?』
「完全栄養食のパンを夕食として食べながら仕事してた」
クラリッサの質問に俺がそう返すと
『一夏...身体は大丈夫か?』
と物凄く心配そうな声でクラリッサが言ってくれる。
「ああ、大丈夫だよ」
『それならいいんだが...一夏、無理も無茶もしないでくれ。一夏に何かあったら、私は...』
「大丈夫だ、心配かけさせるようなことはしないって」
『その言葉、忘れないでくれ』
「勿論」
俺がそう言うと、クラリッサはほっと息を吐く。
こんなに心配してくれる恋人がいるなんて...俺は幸せだな。
『じゃあ一夏。こっちから電話しておいて悪いがもう時間だから...』
「うん。クラリッサ、頑張ってね!」
『一夏も、身体を壊さないように頑張ってくれ』
「ああ!」
ここで通話は終了した。
「さて!クラリッサと話せたから元気出た!頑張るぞ!!」
そうして、俺はそのままパンを食べ終わると、PCでの仕事を再開した。
....女性権利団体!
いい加減に同じ内容の書類を何百枚と送って来るのを、やめろぉ!!
一夏の悲痛な叫びが...
私にも届いた...
一夏、頑張って!
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
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