無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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前回に引き続き、今回も戦闘シーンがあるんですが...


なんて幼稚な文なんだぁ。
戦闘シーンのコツを知りたい...


取り敢えず、今回もそんな内容ですが、
お楽しみください。


UAが3000を突破しました!
ありがとうございます!


プロローグ8 煉獄の『チカラ』VS贋作の『力』

クラリッサside

 

 

私は、夢でも見ているんだろうか。

だが、先程から身体は痛むし、周りの教官や隊員達も、信じられないモノを見ているようだ。

それも仕方ないと思う。

それくらい、目の前で起こったことは衝撃的だった。

 

 

隊長と一夏の勝負。

その途中で異変は起きた。

隊長が急にISを展開したと思うと、VTシステムによってその姿が暮桜になってしまった。

それでも衝撃的だが、私達が驚いてるのはまた別のことだ。

 

 

VTシステムが発動したのを確認した私は一夏を守るためISを展開し、偽暮桜と交戦、敗北した。

そんな私を守ろうと一夏が前に出た。

私や教官、隊員達は避難するよう呼び掛けた。

だが一夏は戦うと叫んだ。

そこからだった。

 

 

急に偽暮桜の動きが止まったかと思うと、何処からか声が聞こえた。

すると一夏のポケットから直方体の物体が光りながら飛び出すと、一夏はそれを左手で掴んだ。

そうすると、その直方体の物体がエネルギーのようになり、一夏の左腕を覆うと黒と金の鎧になった。

鎧が出来ると同時に一夏の髪が背を覆うくらいに伸びると、一夏の左手に黒と紅の大剣が現れた。

 

 

一夏はその剣を構え、

 

 

「俺のターンだ!ゴー・トゥー・ワーク!!」

 

 

と叫ぶと、偽暮桜と交戦し始めた。

 

 

一夏は人間とは思えない身体能力で偽暮桜と交戦している。

私達全員が呆気に取られていると、教官が急に思い出したかのように私のもとに駆けてくる。

 

 

「クラリッサ!大丈夫か!?」

 

 

「はい。身体は痛みますが、骨と内臓は無事です」

 

 

そう言うと教官は安心したような顔をした。

私は教官に一夏について尋ねることにした。

 

 

「教官、一夏のあの姿は.....?」

 

 

「正直な話、私にも分からない」

 

 

「分からない、ですか?」

 

 

「ああ。だが、鎧になったあの直方体の物体、あれは一夏が誘拐された後に入手したものだ」

 

 

「何故その様な事が分かるのですか?」

 

 

「あれは一夏が廃工場で倒れていた時に握りしめていた物だ。

 一夏はもともとあれを持っていなかった。

 つまり、誘拐後に入手したということだ。

 一夏にあれは何かと尋ねたとき、一夏は知らないといっていたが、やはり何か知っているようだ」

 

 

教官でも詳しくわからないのか...

私と教官がこのような会話をしていると、隊員の一人が

 

 

「危ない!!」

 

 

と叫んだ。

急いでそちらを見ると偽暮桜が一夏に偽雪片を振り下ろすところだった。

しかも一夏は剣を振りぬいた後なのか、今からでは剣で防ぐこともできない。

私は思わず目を瞑った。

だが、

 

 

「キャスト!ドラゴンシールド 黒竜の盾!」

 

 

その一夏の言葉で目を開けると、一夏が正面に半分が腐敗したようなドラゴンの装飾が付いた盾で偽雪片を防いでいた。

その盾は偽雪片を弾くと、闇の粒子になって消えていった。

 

 

私は目を見開いた。

VTシステムということは、現役のときの教官ということだ。

コピーなので本物より劣るとはいえ、その攻撃を盾一つで防ぐなんて...

 

 

と、急に私はここでさっきの一夏の言葉を思い出した。

一夏はさっき私のことを「大切な人」と言ったか...?

私はそのことを認識すると、顔が急速に赤くなった。

そういう状況じゃないのに.....

 

 

「クラリッサ?どうした?」

 

 

教官が顔を赤くした私を不振に思ったようだ。

 

 

「あ、いえ、大丈夫です」

 

 

そういうと教官は納得してくれたようだ。

取り敢えず、発言の真意は後で聞くとしよう。

分からないことだらけだったが、これだけは言える。

 

 

「一夏...頑張れ」

 

 

 

--------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

一夏side

 

 

危なかった.....

黒竜の盾がなかったら、もう死んでいた。

 

 

鎧を纏ってから、身体能力が上昇したのが分かる。

それだけではなく、魔法――黒竜の盾もそうだ――の使い方も自然と理解してた。

だが、恐らく黒竜の盾以外の魔法は使えないだろう。

俺はまだ完全に覚醒しきれていないらしい。

 

 

しかし、さっきから偽暮桜の動きが鈍ったように感じる。

クラリッサさんと交戦してた時の方が動きにキレがあった。

ドイツはまだ第3世代兵器のAICだけでも試作品だ。

たぶんだが、VTシステムも開発中の試作品のようだ。

 

 

システムの完成度がもっと高かったら、此処まで戦えてない。

それでもギリギリなのだ。

俺が弱いのか、システムの元になった千冬姉が強いのか。

まぁ、たぶん両方だろう。

 

 

偽暮桜が偽雪片を振るってくる。

やはりさっきまでの方が、速く、鋭かった。

 

 

「フンッ!!」

 

 

俺は両手に持った大剣で偽雪片を弾く。

さっきまでだったら逆に弾き返せたであろう攻撃でも偽雪片を完全に弾き飛ばすことが出来た。

 

 

偽暮桜は偽雪片を弾き飛ばされた衝撃の余波で体を少しだが傾けた。

その隙を見逃せるはずも無く、俺は大剣で偽暮桜の胴体を切り付ける。

 

 

すると切り付けた亀裂からラウラ隊長が見えた。

俺は右手を伸ばし亀裂に強引に突っ込んだ。

そしてそのままラウラ隊長を引きずり出し、抱き留めながら偽暮桜を蹴り飛ばす。

ラウラ隊長がいなくなったことで機能を停止したのか、偽暮桜は黒くドロドロしたものになったかと思うと元のシュヴァルツェアに戻っていた。

 

 

俺はラウラ隊長をその場に寝かせる。

脈も呼吸もしっかりしているため、どうやら生きているようだ。

それを認識すると、急に意識がなくなってきた。

俺は傾く視界の中で駆け寄ってくるクラリッサさんを見ると、そのまま意識を失った。

 

 

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クラリッサside

 

 

あれから二日が経った。

私の身体は骨と内臓は無事だったため、もう完治したが隊長と一夏は目を覚まさない。

それも仕方がないだろう。

 

 

一夏が気を失った後、大剣は一瞬オレンジに光ったかと思うと、同じ色の無数の直方体として弾け飛び消滅した。

伸びていた一夏の髪も元の長さに戻り、鎧もエネルギー体になった後、元の直方体の物体に戻った。

あの物体は念入りに調べられたが何もわからず、今は教官が保管している。

 

 

隊長はただでさえ身体に負荷のかかるVTシステム、それも試作品に飲み込まれた反動で身体にダメージが残ってしまっている。

隊長のシュヴァルツェアにVTシステムを仕込んだ研究者はもうすでに捕まり、もうすぐ国際裁判にかけられるだろう。

因みに、隊長は被害者ということで特に処罰はされないようになった。

 

 

一夏もコピーとはいえ、暮桜と戦い、さらにあの鎧と大剣を使ったからか、まだ目を覚まさない。

 

 

そして今、私は一夏と隊長が眠っている医務室を訪れていた。

本来だったら男女別が良いんだろうが、あいにくシュヴァルツェ・ハーゼに男子は一夏しかいないため同室だ。

私は一夏のベットの隣の椅子に腰を掛けると、眠ったままの一夏の手を取った。

その手は大きく、温かかった。

 

 

本当だったらまず隊長なんだろうが、私は一夏のことを考えていた。

思えば、私は結構前から一夏のことを気にかけていた。

シュヴァルツェ・ハーゼの中でも最初に一夏と関わった。

休憩ではいつも一夏といたような気がする。

その時は心が安らいでいたし、気が付くとその時間を楽しみにしていた。

一夏のさりげない言葉や仕草でドキドキしたりもした。

あの時も一夏には逃げろと言ったが、心の何処かでは一夏が庇ってくれたことを嬉しく思った。

 

 

.....ああ、私は、

 

 

「一夏のことが、好きなんだな」

 

 

漸く自覚した。

だが、私はこんな事を思って良いんだろうか?

一夏には隊長がアドヴァンスドだと説明した。

だけど.....私もそうなのだ。

造られた時期が違うから外見に似ているところはないが、私もアドヴァンスドなのだ。

そんな私が一夏に恋をしていいのか。

 

 

そんなことをグルグル考えていると、教官が入ってきた。

 

 

「ん、クラリッサもいたか」

 

 

「はい。ですが一夏も隊長もまだ目覚めてません」

 

 

「そうか...聞きたい事もあるんだがな...」

 

 

「そうですね...」

 

 

教官と会話していると隊長が

 

 

「んんぅ.....」

 

 

と声を出し、ゆっくりと目を開けた。

 

 

「ラウラ!」「隊長!」

 

 

「教官...クラリッサ...此処は...?」

 

 

取り敢えず会話はできそうだ。

私がそう安堵していると、教官が隊長の疑問に答える。

 

 

「此処は医務室だ」

 

 

「医務室...なぜ私はここに?織斑一夏との勝負の途中から記憶がないのですが...」

 

 

「本来なら機密なのだが、本人には知る権利がある、か。

 ...ラウラ、VTシステムは分かるな?」

 

 

「はい、それは...まさか!?」

 

 

「ああ、お前が使用していたシュヴァルツェアにそれが仕込まれていた。

 一夏との勝負中にそれが発動し、お前は飲み込まれた」

 

 

此処まで聞いて隊長は目を見開いた。

やはり覚えていなかったようだ。

 

 

「そう、ですか。私はいったい、どうなるのですか?」

 

 

「お前も今回の事件の被害者だ。お前に処罰はない」

 

 

隊長はホッと胸をなで下ろした。

まぁ、誰しも自分の処罰は気になる。

 

 

「それはそうと、飲み込まれたならいったい誰が私を助けたんですか?教官ですか?」

 

 

「いや、お前を助けたのは、一夏だ」

 

 

そういわれると、隊長は先程よりも驚いた表情をした。

 

 

「いったい、何故...?私は織斑一夏に強く当たっていたはず。それなのに...」

 

 

「詳しいことは本人しかわからないが、昔からコイツはそういう奴だ。

 こいつも昔、出来損ないと言われ、いじめられていた。

 でも私にそれを言うことはなかった。

 私に心配を掛けさせたくなかったからだそうだ」

 

 

そこでいったん教官は言葉を区切った。

これには隊長も、私も驚いていた。

まさか一夏にそんな過去があったなんて...

 

 

「一夏は、自分よりも他人に気を遣うことが多い。

 そんな一夏だから、自分と過去が似たお前を助けたんだろう」

 

 

隊長はかなりのショックを受けているようだった。

 

 

「じゃあ、それなら、私は.....」

 

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ」

 

 

「は、はい」

 

 

「お前はいったい何者だ?」

 

 

「え、あ.....」

 

 

隊長は教官の問いに答えることができない。

 

 

「何者でもないなら、お前は今からラウラ・ボーデヴィッヒになればいい。

 お前は決して他人になることなど出来ない。

 お前はお前だ。

 そして、力だけじゃ駄目だ。

 色々な事があってこその強さなんだからな」

 

 

「.....はい」

 

 

隊長は泣きながら答えた。

 

 

「隊長。一夏ともちゃんと話さないといけませんね」

 

 

「ああ、そうだな。クラリッサ」

 

 

私と隊長と教官が話していると後方から声が聞こえてくる。

 

 

「う、あ.....」

 

 

振り返ると一夏が頭を押さえながら体を起こしていた。

 

 

 

 




今回、クラリッサがついに自分の一夏への好意に気づきました。
でも何か悩んでいる様子.....
クラリッサは自分の思いを一夏に伝えれるのか!?


フライングで登場したVTシステムですが
まだプロローグで本編前なので試作品ということにしました。
だから結構あっさり倒せました。


次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!


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