無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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前回とうって変わりサブタイだけでは分からない。

今回もお楽しみ下さい!


助っ人参戦!

一夏side

 

 

ディミオスのお墓参りをし、新生煉獄騎士団を結束させた翌日。

俺は今日から学園に復帰する。

そして、今日は朝のSHR後直ぐに緊急全校集会があるので、俺も体育館にいた。

 

 

昨日は帰って来てから、クラリッサとチェルシーに連絡を入れた。

2人からは心配を掛けさせたことでお叱りを受けたが、2人ともその場で許してくれて良かった。

それにしても、何か2人がバタバタしてたみたいだけど何かあったのかな?

聞ける雰囲気じゃなかったから聞いてないけど、後で聞いてみようかな。

 

 

そして、今日の朝のSHR前。

教室に入った瞬間に教室の中にいた人たちから一気に心配される声を掛けられた。

学園祭で吐血して気絶した後、千冬姉達1部の人としか会ってなかったからかなり心配を掛けてしまったようだ。

実際に教室にはクラスメイト以外にもマドカや鈴や簪、楯無さんやサラ先輩、フォルテ姉とダリル姉といった他クラス他学年の専用機持ち達も集まっていた。

特にマドカとシャルはかなり焦ってた。

本当に心配を掛けて申し訳ない。

 

 

そして、会社...というか仕事に関してだが、今でも書類仕事はさせてもらえない。

再開できるとしたら10月以降らしい。

こればっかりは社長が決める事なので仕方が無い。

というか、俺の健康を気遣って下さった結果なので今回は甘えさせてもらおう。

まぁ、書類仕事じゃない仕事...俺がずっと希望していた事が如何やら可能になったらしいので、そっちはさせてもらうけど。

 

 

『それでは、これより全校集会を始めます』

 

 

俺がそんな事を考えていると、司会進行役の山田先生がそうマイクを使って呼びかける。

さて、集中して話を聞かないと。

 

 

『先ず初めに、学園長、お願いします』

 

 

「はい」

 

 

山田先生の司会に従い、学園長がステージ上に上がる。

そして、教壇前に立った学園長は頭を下げる。

それに合わせて俺達生徒も一斉に頭を下げる。

頭を上げ、学園長に再び視線を向ける。

生徒達の視線が集まった事を確認したであろう学園長はマイクを使って話し始める。

 

 

『みなさん、今日は集まってくれてありがとうございます。それで早速なのですが、今日緊急で全校集会を開いた理由を話したいと思います』

 

 

早速だな。

こんな直ぐに言うって事は、余程大事な事のようだ。

 

 

『我がIS学園は4月末のクラス対抗戦での襲撃に加え、学園祭でも襲撃をされてしまいました』

 

 

学園長は物凄い真面目な表情でそう言う。

その瞬間に、体育館内の空気が少し重いものになったのを感じる。

襲撃事件の原因はどっちも俺だから、物凄く申し訳ない。

 

 

『その為、我がIS学園は警備を強化する事にしました。今後、校舎内にも警備員が入る事があると思いますが、生徒のみなさんは気にしないで大丈夫です』

 

 

なるほど。

つまりオータムさんに会う可能性もチョッと高くなるという事か。

 

 

『それだけではありません。襲撃者は今後もISを使用してくる可能性が高いでしょう』

 

 

まぁ、それはそうだろう。

どっちの襲撃事件もISが使用されていた。

いや、クラス対抗戦の時の襲撃者はギアゴッドver.Ø88のパーツを使用していたから半分モンスターなのかもしれない。

 

 

『その為、今日から学園に警備のための助っ人として、専用機を持っているIS操縦者の方がお2人やってきてくれました』

 

 

おお、よくそんな事出来たな。

外部からそんな簡単にIS操縦者を、しかも2人も手配出来るだなんて。

何時もの仕事でIS操縦者派遣の依頼の難しさを感じている俺としては、学園長の苦労がにじみ出て感じる。

 

 

『お2人はみなさんとも今後関わっていくと思いますので、この場で簡単に挨拶をして頂きます。それでは、お願いします』

 

 

「「はい」」

 

 

学園長の指示に従って、2人の人物がステージ上に上がっていく。

 

 

「えっ...?」

 

 

その2人を見た時、自然とそんな声が漏れていた。

だって、その2人は黒い軍服を着用して眼帯をした女性と、メイド服を着用した女性だったのだから。

周りの生徒達は、その2人の特殊な服装を見て少しざわつく。

 

 

『今日から警備の為に学園で過ごさせていただく、ドイツ軍IS部隊シュヴァルツェ・ハーゼ副隊長、クラリッサ・ハルフォーフだ。よろしく頼む』

 

 

『同じく、学園で過ごさせていただくチェルシー・ブランケットと申します。セシリア・オルコットお嬢様の屋敷でメイドとして働いております。みなさん、よろしくお願いいたします』

 

 

そうして、その2人の女性...クラリッサとチェルシーは、マイクで軽く自己紹介をした後、同時に頭を下げる。

な、何で2人が!?

クラリッサならまだ分かるけど、チェルシーまで...

そうか!

2人がなんかバタバタしてたのはこの為か!

俺がそんな事を考えていると、2人と視線が合った。

すると、2人とも笑顔を俺に向けてくれた。

 

 

「...ああ」

 

 

そんなクラリッサとチェルシーに、俺も笑みを返した。

 

 

『お2人とも、ありがとうございました。お2人には後でそれぞれの教室でも簡単に挨拶をして頂く予定です。お2人とも、戻って頂いて大丈夫です』

 

 

学園長のその指示に従い、クラリッサとチェルシーがステージ上から降りる。

 

 

『それでは、私からは以上となります』

 

 

学園長もそこで話を終わらせると、頭を下げる。

それに合わせて、生徒である俺達も頭を下げる。

 

 

それからは、結構淡々と全校集会は進み、そのまま終わった。

そして、順番に教室に戻っていく。

クラリッサとチェルシーが学園に...

取り敢えず後で詳しい話は聞こう。

それでも、クラリッサとチェルシーが学園にいるんだったら、楽しくなりそうだな...

 

 

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三人称side

 

 

朝の全校集会から時刻は進み放課後。

食堂では、一夏と深夜を除く専用機持ちとクラリッサとチェルシーが一緒に夕食を食べていた。

その周りでは、他の生徒達が興味津々といった感じでクラリッサ達を見ていた。

 

 

あの後、クラリッサとチェルシーは十蔵の説明通り各学年の各教室に周って簡単に挨拶をしていた。

2人ともかなりの美人であるうえ、その頼りがいのある雰囲気から生徒達に好意的に受け入れられているようだ。

そんな2人の挨拶周りで1番時間が掛かったクラスは、当然ながら1年1組だ。

このクラスにはクラリッサの上司であるラウラ、チェルシーの主人であるセシリアがいるのだ。

少し話が長くなってしまうのは仕方が無い。

実際に、クラリッサとラウラが、チェルシーとセシリアがそれぞれ個別で少し話をしていた。

 

 

そして今、食堂で夕食を食べながら雑談をしている専用機持ち達とクラリッサとチェルシー。

 

 

「へぇ、クラリッサさんも漫画好きなんですね!」

 

 

「ああ。だけれども、最近はあまり読めていないんだがな」

 

 

クラリッサと簪は同じ漫画好きという事で会話が盛り上がっていた。

 

 

「私も18なので敬語はいりませんよ、ケイシー様」

 

 

「18!?同い年なのかよ...」

 

 

「そうとは見えない程、大人っぽいっス...」

 

 

ダリルとフォルテは、チェルシーの雰囲気が大人っぽい事に驚いていた。

そうして、暫くの間全員で談笑をして楽しむ。

大体30分が経った時、

 

 

「おお、まだいたまだいた」

 

 

という声が食堂の入り口の方から聞こえた。

全員が入り口に視線を向けると、そこには片手にブラックコーヒーの500㎖ペットボトルを手に持った一夏がいた。

 

 

「あ、お兄ちゃん!」

 

 

「おう、マドカ」

 

 

マドカが一夏に声を掛け、一夏がペットボトルを持っていない方の手を軽く上げてそれに応えると、そのまま一夏は専用機持ち達が集まっている席に近付く。

 

 

「クラリッサさん、チェルシーさん、お久しぶりです。学園祭以来ですね」

 

 

席に近付いた一夏はクラリッサとチェルシーにそう話し掛ける。

だが、人前という事で敬語である。

 

 

「ああ、久しぶりだ」

 

 

「一夏、大丈夫だったの?」

 

 

クラリッサとチェルシーはそう返答する。

一夏が敬語な事でその表情は若干悲しそうだったが、それでも一夏と対面で話せる事が嬉しそうだった。

そんな2人の事を見ながら、一夏は近くの空いていた椅子に座る。

 

 

「はい、取り敢えずは大丈夫です」

 

 

一夏は席に座ってから、クラリッサとチェルシーに返答する。

一夏の表情も、敬語を使っているからか若干不満そうではあった。

 

 

「お2人とも、学園に滞在するって事ですけど、何処で暮らすんですか?」

 

 

「ああ、私達は2人とも教員寮で過ごさせていただく事になっている」

 

 

「教員寮...確かに2部屋空いてましたね...」

 

 

一夏は4月の始めの方の記憶、教員寮に初めて行った時の記憶を思い出した。

そう、教員寮は一夏を含めても後2部屋余っていたのだ。

一夏はその部屋に入る事に納得し、同じ寮にクラリッサとチェルシーが来るという事に若干口元に笑みを浮かべた。

 

 

「一夏、アンタ今まで何してたのよ」

 

 

「ん?会社との連絡だよ」

 

 

鈴が一夏に質問をし、一夏はそう返答するとペットボトルの蓋を開け、中身のブラックコーヒーを一気に飲む。

その瞬間に、クラリッサとチェルシー以外のこの場にいる全員が若干表情を苦そうなものに変える。

 

 

「如何した?」

 

 

「一夏さん、よくそんな勢いでブラックコーヒーを飲めますわね...」

 

 

「セシリア、この世界で1番美味しい飲み物はブラックコーヒーだって言ってるだろ?」

 

 

一夏がそう言うと、全員が苦笑いを浮かべた。

 

 

「そう言えば、そろそろキャノンボール・ファストね!」

 

 

ここで、唐突に楯無がそんな事を言う。

キャノンボール・ファスト。

ISを使った戦闘では無く、レースを行う競技である。

IS特有のハイスピード、そしてライフルやグレネード等を使った妨害の派手さなどで人気の競技である。

そしてIS学園では、近々そのキャノンボール・ファストの大会を開催するのである。

 

 

「確かにそうですね」

 

 

「今年は、1年生の専用機持ちが多いから例年とは違った感じだけど、大盛り上がり間違いなしだわ!」

 

 

楯無は嬉しそうにそう言う。

それに従い、専用機持ち達や周りにいる生徒で出場する生徒も嬉しそうな笑みを浮かべている。

 

 

「まぁ、俺は出ませんけど」

 

 

ピシッ!

 

 

その一夏の言葉で、少し楽しげだったこの場の空気が一瞬で凍り付いた。

 

 

「え、一夏、出ないって...」

 

 

「ああ。俺はキャノンボール・ファストに出ない」

 

 

シャルロットが確認すると、一夏はそう頷く。

そのまま一夏はペットボトルを机の上に置き、両耳を塞ぐ。

 

 

『えええええええええええええええ!?!?』

 

 

その瞬間に、その場にいた一夏とクラリッサとチェルシー以外の全員が絶叫を上げる。

 

 

「え!?お兄ちゃん、何で出ないの!?」

 

 

「仕事」

 

 

マドカが一夏に出ない理由を尋ねると、一夏は間髪入れずにそう答える。

一夏の言葉を聞いた周りの人たちは驚いたような顔を浮かべる。

 

 

「し、仕事って...一夏、今書類仕事社長ストップかかってるじゃん!」

 

 

「書類仕事は、な」

 

 

一夏はブラックコーヒーの残りを飲みながらそう言う。

一夏のその言葉に、話を聞いていた人は全員首を傾げた。

 

 

「お兄ちゃん、如何いう事?」

 

 

「ああ。うちの会社が発展途上国支援プロジェクトをしてるのは知ってるだろ?」

 

 

「うん、そうだね」

 

 

「それの視察で、俺キャノンボール・ファストの週はアフリカに行くんだよ」

 

 

一夏はさも当然かのようにそう言う。

 

 

『あ、アフリカぁ!?』

 

 

だが、話を聞いていた人たちはそうもいかない。

今度はクラリッサとチェルシーを含めて、全員が絶叫を上げる。

 

 

「あ、アフリカって、あのアフリカ!?」

 

 

「ああ、南半球の大陸の、アフリカ。それも、まだ技術発展が進んでない所だな。だから、今週末には予防接種しないといけない」

 

 

鈴が確認するかのように一夏に尋ねて、一夏は何当たり前の事をと言わんばかりの表情でそう返す。

 

 

「な、何でわざわざ一夏が行くの?一夏じゃ無くても良いんじゃない?」

 

 

「確かに、視察だけだったら俺が行く必要は無い。でも、今回俺が行くのは、俺がずっと希望してた事のついでみたいなもんだ」

 

 

「その、希望していた事って?」

 

 

マドカがそう聞くと、一夏は

 

 

「な~に、現地で頑張ってる部下に、銀の翼を届けに行くのさ」

 

 

と笑顔で言った。

急な一夏の笑みを見たクラリッサとチェルシーは、周りの人達にバレないように若干にやけていた。

 

 

「一夏、スケジュールはどんな感じなのよ」

 

 

「スケジュールか?その週の月曜の昼から現地に向かって、えっと...キャノンボールの前日、26にはこっちにこっちに戻って来る」

 

 

「なら、キャノンボールの当日...27はこっちにいるのね?」

 

 

「そうだけど...時差ボケとか疲労があるから出場はしないぞ」

 

 

鈴が一夏のスケジュールを尋ね、一夏はそう返答する。

 

 

「別にキャノンボールの事を言ってんじゃないわよ。その日は、もう1個大事なイベントがあるじゃない!」

 

 

「.....なんかあったか?」

 

 

鈴の言葉を聞いて、一夏は暫く考え込むようにしていたが、全く分からないようで鈴にそう聞き返した。

鈴は苦笑をしながら、口を開いた。

 

 

「なぁに言ってんの!その日は一夏の誕生日じゃない!」

 

 

「誕生日.............ああ!誕生日!」

 

 

その言葉の意味を理解した一夏は、思わず椅子から立ち上がってそう大声を発した。

 

 

「そうじゃん!俺今月の27日誕生日だった!」

 

 

『な、なに~~!?』

 

 

一夏の言葉に続くように、鈴以外が一斉に驚きの声を発する。

そう、キャノンボール・ファスト当日の9月27日。

その日は一夏の誕生日でもあるのだ。

一夏は試験管ベイビー故その生まれは特殊ではあるが、9月27日が誕生日で間違いないのである。

 

 

「完璧に忘れてた」

 

 

「自分の誕生日を忘れる?」

 

 

「男の自分の誕生日に対する価値観ってこんなもんだよ。しっかし鈴、よく覚えてたな」

 

 

「...ま、まぁね」

 

 

「ん?如何かしたか?」

 

 

「いや、何でもないわよ」

 

 

一夏と鈴がそう会話している中、周りはざわざわと会話する。

 

 

「お兄ちゃんの誕生日!」

 

 

「なら盛大にパーティーしないと!」

 

 

「サプライズは絶対に無理だけど、一夏の事を祝おう!」

 

 

「いや、別にしなくていいけど...」

 

 

『いや、やる!』

 

 

「さいですか」

 

 

一夏はそこまで自分の誕生日に興味がある訳では無かったので断ろうとしたが、周りの圧を感じて頷いた。

そうして、暫くの間久しぶりに一夏を含めて会話をしていたが、時間も時間なので解散するのだった...

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

「「一夏ぁ!!」」

 

 

「クラリッサ!チェルシー!」

 

 

教員寮、一夏の部屋。

クラリッサとチェルシーが一夏に抱き着き、一夏も2人の事を抱きしめ返していた。

暫くの間、お互いに幸せそうな表情を浮かべながら抱きしめ合っていたが、ずっとそうしている訳にもいかないので名残惜しそうに離れた。

 

 

「えっと...何で、2人が専用機を持ってるんだ?」

 

 

そうして、一夏は1番気になって来た事をクラリッサとチェルシーに質問した。

クラリッサもチェルシーも、少なくとも夏休みまでは専用機を持っていなかった。

それなのに、今日急に専用機を所有してIS学園に来たら驚くに決まっている。

 

 

「私は、一夏も知っているとは思うが元々専用機が作られる予定だったんだ。それが完成したんだ」

 

 

「それは何となく分かってたけど...」

 

 

一夏はそう言うと、チェルシーに視線を向ける。

チェルシーはフフッと微笑んでから、言葉を発する。

 

 

「イギリスが開発した新しいIS、BT3号機のダイヴ・トゥ・ブルーのテストパイロットになったの」

 

 

「BT3号機!?夏休みに2号機のサイレント・ゼフィルスをサラ先輩が受け取ったばっかりなのに、イギリスは凄いな...」

 

 

「フフ、私やお嬢様の祖国ですから」

 

 

一夏がそう言うと、チェルシーは笑みを浮かべながらそう返した。

そこでいったん会話は途切れる。

クラリッサとチェルシーは視線を合わせて、頷き合う。

 

 

「2人とも、如何し...!?」

 

 

一夏はそんな2人に声を掛けようとし、途中で言葉を詰まらせた。

何故なら、クラリッサとチェルシーが同時に胸に顔を埋めて来たからだ。

 

 

「...ねぇ、一夏」

 

 

「チェルシー、如何かしたか?」

 

 

「お願いだから、もう無茶はしないで...!!」

 

 

「...っ!?」

 

 

そう言うチェルシーの声は、涙ぐんでいた。

その声を聞いた一夏は、思わず表情を固いものにする。

 

 

「一夏が目の前で血を吐いて、倒れて...凄い心配だった!一夏がこのまま死んじゃうんじゃないかって、凄い怖かった!」

 

 

「チェルシー...」

 

 

泣きながらそう言うチェルシーに、一夏はそう返すしか出来なかった。

一夏の胸元は、その涙で濡れていく。

 

 

「...一夏」

 

 

「.....クラリッサ」

 

 

今度はクラリッサが一夏に声を掛ける。

 

 

「私は、一夏に言ったはずだ...頼むから、無茶だけはしないでくれって!なのに、一夏は血を吐いて、その上で病室から抜け出して...!!」

 

 

「.....」

 

 

クラリッサのその声も、涙ぐんでいるものだった。

恋人2人が自分の事で泣いているという事実に、一夏は唇を噛み締める。

 

 

「クラリッサ、チェルシー...」

 

 

一夏は、2人の名前を呼びながら、胸元にいる2人の事を抱きしめる。

 

 

「ごめん、心配、掛けさせちゃって。恋人を悲しませるだなんて、彼氏失格かもしれない。だから...」

 

 

一夏はそう言うと、抱きしめていた手を離し、クラリッサとチェルシーの頬に手を置く。

その瞬間に、クラリッサとチェルシーは一夏の胸に埋めていた顔を上げ、一夏の顔を見上げる。

 

 

「ここで約束するよ。もうこれ以上、無茶はしないって」

 

 

一夏はそう言うと、クラリッサにキスをする。

 

 

「っ!...ん、んぅ///」

 

 

急な事で驚いたクラリッサだったが、顔を真っ赤にしながら一夏の背中に手をまわし、暫くの間キスをし続ける。

舌を絡ませ合いながら、お互いを感じるようにキスをしていた2人だが、やがて唇を離す。

離した時に、唾液の糸がお互いを繋ぎ、途切れる。

一夏は顔を真っ赤にしたままのクラリッサに向かって笑みを向けた後、チェルシーに視線を向け、

 

 

「///ん、あ、んん...///」

 

 

チェルシーにもキスをする。

チェルシーも顔を真っ赤にしながら、一夏と舌を絡ませ合う。

くちゅ、くちゃと、唾液どうしが絡み合う音を響かせながら、キスをし続ける。

そうして唇を離すと、唾液と唾液でお互いの口が繋がれ、切れる。

唇を離しても顔を真っ赤にしているチェルシーに、一夏は笑みを浮かべる。

 

 

「もう、これ以上心配は掛けさせないから」

 

 

そうして、一夏はクラリッサとチェルシーに向かってそう言う。

それを聞いた2人は笑みを浮かべて

 

 

「今の言葉、しっかり聞いたからな」

 

 

「破ったらお仕置きね」

 

 

と一夏に返す。

 

 

「まぁ、一先ずこれからは学園で一緒に過ごせるな」

 

 

「ああ、そうだな。それで、隊長や教官たちには何時私達が付き合っている事を伝えるんだ?」

 

 

「ん~~、まぁ、タイミングを見てかな」

 

 

「それでいいの?」

 

 

「良いだろ。プライベートなんだし」

 

 

そうして、3人は暫くそのまま会話をする。

その表情は、とても幸せそうなものだった。

 

 

「じゃあ、そろそろ自分の部屋に戻るわね」

 

 

「ああ、そうだな」

 

 

チェルシーが時計を見ながらそう言い、一夏がそう返す。

 

 

「クラリッサ、チェルシー。一緒に暮らすことが出来るようになって、何て言うかこう...凄い幸せだ!これから、よろしくな!」

 

 

「一夏!私も、こうしてここで過ごせることになって幸せだ!」

 

 

「私もよ!これから、お互いに支え合っていきましょう!」

 

 

そう最後に言い合い、クラリッサとチェルシーは自分の部屋に入っていった。

残った一夏は幸せそうな笑みを浮かべ、鼻歌を歌いながらシャワーを浴びる準備をし始めた。

 

 

そして、この会話を最初っから最後まで聞いていたオルコスは

 

 

《こ、これが噂に聞くイチャイチャカップルの会話...!ディミオス様、これに耐えていたのですね...》

 

 

と考えるのだった...

 

 

 

 




漸く、漸く一夏にクラリッサとチェルシーが合流!
ここで合流しないと一生出来なさそうだった。

次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしていて下さい!

評価や感想、誤字報告いつもありがとうございます!
今回もよろしくお願いします!
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