今回もお楽しみください!
一夏side
警備強化の助っ人として俺の最愛の恋人2人がIS学園に来た翌日。
今日はこれからキャノンボール・ファストに向けた授業がある。
その為、俺は更衣室でジャージに着替え、アリーナに向かっていた。
そして、俺の隣ではオルコスがSDで浮遊している。
「オルコス、SDには慣れたか?」
《ああ。慣れてしまったら、この身体もなかなか良いものだ》
「人間はそういうの無いから、良く分からん」
その道中、俺はオルコスとそんな会話をする。
昨日初めてIS学園に来たというのに、もう随分と慣れている。
これも新生煉獄騎士団の団長か...
そんな事を考えていると、アリーナに着いた。
俺はキャノンボールに参加しないので、基本的にみんなのサポートをする事になる。
まぁ、仮に参加していたとしても、ただの鎧である煉獄騎士に準備とは?といった感じになってしまうのだが。
「う~~ん...なんか、社長ストップで仕事がなくなったから、次の仕事が無いのに時間に余裕があるとソワソワするな」
《それはかなり重症だぞ...今度精神科に行くんだな》
「そこまででは無いでしょ...」
俺がそんな事を考えていると、続々とみんなが集まって来た。
「あ、一夏。この授業参加するんだ」
「ああ、シャル。みんなのサポートだよ」
アリーナで待機をしていると、シャルが話し掛けて来たのでそう返す。
そうすると、シャルはなるほどと頷いた。
「それにしても一夏。昨日言ってた銀の翼って...」
「多分、シャルが思ってるものと同じものだよ」
「そっか...良く許可が出たね」
「結構時間が掛かったけどな。アレは、しっかりと届けた方が良いだろ」
「.....そうだね!」
俺が言った事に、シャルは笑顔で頷いた。
そうして暫くするとチャイムが鳴り
「全員整列!」
ジャージ姿の織斑先生がそう指示を出す。
それに従い俺を含めた全員がザッと整列する。
織斑先生の隣には、ISスーツ姿の山田先生とクラリッサ。
警備の助っ人としてIS学園にいるクラリッサとチェルシーだが、あくまでも助っ人で警備員として過ごしていく訳では無いので、警備ミーティング以外の時間はフリーなのである。
その為、クラリッサとチェルシーは普段は人手が必要な授業のサポートをする事になったのだ。
クラリッサもチェルシーも一般科目やIS座学では人に教えられるだろうし、ISを含めた実技科目のお手本としても活躍出来るだろうな。
「さて、今日からキャノンボール・ファストについての授業をしていく!ただし、参加しない織斑は全員のサポートをするように!」
『はい!』
織斑先生のその言葉に、俺を含めた全員がノータイムで返事をする。
その返事を聞いた織斑先生は満足そうに頷いた。
「それでは、これより専用機持ちと一般生徒で別行動を開始する!専用機持ちは山田先生に当日の会場のマップのデータの解説と注意事項を受け、各自でISの調整を行え!一般生徒は私が指導するのでグループに分かれろ!」
その織斑先生の指示に従い、俺以外の専用機持ちが山田先生と共に移動する。
そして、一般生徒達はグループを作っていく。
俺は指示が来るまで暇なのでオルコスと共にクラリッサの近くに移動する。
「クラリッサさ~ん」
「ああ、一夏」
俺がクラリッサに声を掛けると、クラリッサはこっちを向いてくれる。
...何だろう。
ISスーツ自体は今までの学園生活で見慣れてるのに、クラリッサのISスーツ姿には、なんかこう、感じる。
前にシュヴァルツェ・ハーゼの基地で生活させてもらってた時にもクラリッサのISスーツ姿は見てるのに、何かを感じる。
これが興奮か...
「そうだ、オルコス。初対面だろ?」
《ああ、そうだな》
ここで、俺はオルコスとクラリッサが初対面であった事を思い出した。
「クラリッサさん、紹介します。俺の新しいバディのオルコスです」
《一夏のバディ、煉獄騎士団の解放者 オルコスソード・ドラゴンだ》
「クラリッサ・ハルフォーフだ。よろしく」
俺の言葉に続いて、オルコスがクラリッサに挨拶をし、クラリッサがそれに返す。
《一夏から聞いている。一夏の恋人なのだろう?》
「...ふぇ!?」
オルコスの言った言葉に、クラリッサが驚いたような声を発する。
可愛い。
まぁ、急に恋人なのだろうとか言われたら驚くのは当然か。
「そ、そうだが...」
クラリッサはもじもじしながらそう言う。
可愛い。
《ならば、これから我と関わる事も多いだろう。よろしく頼む》
「...ああ、よろしく」
オルコスとクラリッサはそう言い合い、拳と拳を打ち付ける。
「織斑!クラリッサ!機材運ぶのを手伝え!」
「「はい!」」
織斑先生がそう指示を出してきたので、俺とクラリッサは織斑先生の方に歩いて行く。
さて、取り敢えず頑張りますか!
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三人称side
時刻は進み昼休み。
当然ながら昼食を食べる時間。
「う~~ん...なんか、久しぶりに屋上に来たなぁ~~」
そして、IS学園の屋上には一夏がいた。
一夏は屋上に来た途端身体を伸ばしてそんな言葉を発する。
「いい景色だ」
「まだ気温は高いけど、涼しい風が吹いてるわ」
屋上には、一夏の他にクラリッサとチェルシーだけ。
とても平和な時間である。
「じゃあ、お昼ご飯食べようか」
一夏は昼食であるお弁当が入っている包みを掲げながらそう言う。
「そうね、早速食べましょう」
チェルシーがそれに頷く。
そして、3人は屋上備え付けのベンチに座る。
この時、クラリッサとチェルシーの間に挟まるように一夏が座り、肩と肩が触れ合うくらいには近くに座っていた。
「はい、お弁当」
「「ありがとう、一夏」」
一夏は取り出したお弁当箱3つの内2つをそれぞれクラリッサとチェルシーに手渡す。
そう、今日の3人のお昼は一夏特性のお弁当なのだ。
一夏は本来ならばお弁当を3人分も作っている余裕などないのだが、仕事をスコールによってストップさせられた事で時間が出来た一夏はお弁当を作ったのだ。
一夏は普段完全栄養食のパンしか食べてなかったので、しっかりとしたお弁当を食べるのは久しぶりだ。
「おお...これは、中々美味しそうだ」
「流石一夏ね」
「その先の感想は食べてから受け取ろうかな?」
一夏がそう言うと、3人とも同時に微笑んだ。
「「「いただきます」」」
そうして、3人は手を合わせて同時にそう声を発する。
「ん!これは...美味しいな」
「本当に美味しい...負けた気がするわ」
「いや、勝ち負けとかないだろ」
「一夏、乙女心が分かっていないな。女は、恋人に手料理を食べて喜んでもらいたいものなんだ」
「だけど一夏がここまで美味しい料理を作れるとなると、そうも出来そうにないわ...」
クラリッサとチェルシーは、若干悔しそうな表情でそう呟く。
そんな2人を見て、一夏は少し呆けたような表情を浮かべた後、フッと笑顔になった。
「そんな事無いよ。クラリッサもチェルシーも料理できるのは知ってる。それに...」
「「それに?」」
「...俺は小さい頃から、ずっと自分で料理してきたから、人の作った料理を食べたことが無いんだ。そりゃあ、外食とかしたことはあるけど、そうじゃなくて、何と言うか......
一夏は、顔を赤くして視線を逸らしながらそう言う。
その言葉を聞いたクラリッサとチェルシーが今度は呆けた表情を浮かべていたが、
「フフフ、そう言ってもらえたら私達も嬉しいわ♪」
「だったら、明日の弁当は私達が作ってあげよう♪」
と言い、少し顔を赤くしながら一夏に抱き着いた。
抱き着かれた一夏は一瞬驚いた表情を浮かべたが、
「...ああ、よろしく!」
と笑顔で返した。
そこから暫くの間、談笑をしながらお弁当を食べ進めた。
「「「ご馳走様でした」」」
そうして、3人がお弁当を食べ終わった。
一夏がお弁当箱を回収し、そのまま持ってきたときと同じように仕舞う。
「ああ...平和だなぁ」
一夏は空を見上げてそう言葉を零す。
ついこの間、襲撃を受け戦闘があったとは思えない程、IS学園は平和だった。
「そうだな」
「こんな平和が、何時までも続くと良いのだけれども...」
クラリッサとチェルシーも、一夏に同調する様に言葉を発する。
そうして、クラリッサとチェルシーは一夏の手を握る。
その握り方は、当然のように恋人繋ぎで。
急に握られた一夏だけれども、しっかりと指に力を籠めてクラリッサとチェルシーの手を握り返す。
そこから暫く、また3人で談笑をする。
「ふぁぁぁぁ...」
「如何したチェルシー、眠いか?」
「う、うん...少し、眠気が...」
チェルシーがあくびをしたので一夏が眠いのか尋ねると、チェルシーは眠そうに頷いた。
「なら、少し寝る?」
一夏はチェルシーの手を握っていた左手を離し、自分の膝を叩きながらそう言う。
「え、良いの...?」
「勿論」
「...なら、少し寝させてもらうわ」
チェルシーはそう言うと、一夏の膝に自身の頭を乗せた。
所謂膝枕である。
横になったチェルシーは目を閉じると、そのまますうすうと寝息を立て始めた。
「...可愛い」
一夏はチェルシーの寝顔を見て思わずそう言うと、チェルシーの頭を空いている左手で撫でる。
撫でられたチェルシーは
「う、うぅん...」
と声を漏らし、可愛らしい寝顔を浮かべた。
そんなチェルシーを見て、一夏は思わず笑みを浮かべる。
暫く一夏がチェルシーの頭を撫でていると、
ぽす
と、一夏の右肩に少しの衝撃が来ると、肩に重みを感じた。
一夏が右側に視線を向けると
「すう、すう......」
可愛らしい寝息を立てるクラリッサの顔があった。
「え...!?」
一夏は思わず驚いた声を発するが、その一瞬後、状況を理解した。
クラリッサが、一夏の肩に頭を乗せ、一夏とは手を繋いだまま寝始めたのだ。
「...何だ、可愛いじゃないか」
一夏はそんなクラリッサを見て、そんな感想を漏らしていた。
膝の上にはチェルシー、右肩にはクラリッサ。
一夏にとってこれ以上ないほど大切な恋人が可愛い寝顔をさらしながら寝ている事に、思わず一夏はにやけてしまう。
「ふ、ふぁぁあああ...俺も、眠くなってきた...」
一夏はあくびをしてからそう呟くと、肩に乗っているクラリッサの頭を上に自身の頭を乗せた。
「俺も、暫く寝るか...」
一夏は目を閉じながらそう呟くと、そのまま眠りに付いた。
屋上で3人だけの状況で。
恋人と寄り添って昼寝をする3人は、とても幸せそうな表情を浮かべていた。
[あ、甘い...!!]
[マスターと恋人さんのイチャイチャ度、前より上がってる...!]
一夏のポケットに入っているダークコアデッキケース内の白式と白騎士は、そんな感想を漏らすのだった...
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時刻は再び進み、夜の11時50分。
教員寮のチェルシーの部屋で、一夏とチェルシーが寝間着姿で軽くお茶を飲んでいた。
一夏とクラリッサとチェルシーは、結局昼休みギリギリまで寝ていたが、しっかりと授業に遅れる事は無かった。
そして、放課後には一夏が何時振りか分からない程ゆっくりと過ごしていた。
マドカやシャルたちと軽く雑談をして、そのまま食堂でバディファイトをして...
所謂、普通の高校生の放課後を過ごした。
そうして、これまた久しぶりに食堂で夕食を食べ、そのまま夕食後は深夜を除く1年生専用機持ちで暫く談笑した。
一夏が話の途中で参加したり、逆に離脱することなく最初から最後までいたのは何時振りなのだろうか。
パッと出てこない程、一夏は仕事をしていたという事である。
その後、解散した一夏はチェルシーの部屋を訪ねた。
理由は単純明快、チェルシーから部屋に来てとメッセージを受け取ったからだ。
チェルシーの部屋を訪ねた一夏は、呼ばれた理由を尋ねた。
すると、チェルシーはクラリッサと話し合って、順番で一夏と一緒に寝る事にしたとの事だ。
そしてジャンケンをした結果、チェルシーが先に寝る事になったので、最後に一夏の許可を貰うために来てもらったとの事だったのだ。
その説明を聞いた一夏は、1秒も間を開けずに承諾した。
今まで長い間恋人と共に居れなかった一夏にとっても、その提案は魅力的だった。
まぁ、やる事やってはいるのだが、それでもやはり一緒にいられる時間は長い方が良いだろう。
「チェルシー、そろそろ寝るか?」
「一夏...そうね、そろそろ寝ましょう」
一夏が部屋にある時計を見ながらそう言い、チェルシーがそう頷く。
チェルシーの部屋は、昨日来たとは思えない程綺麗に纏まっていた。
チェルシーがあまり物を持ってこなかったというのもあるが、それでも綺麗だった。
部屋にも、几帳面さが出ているという事だろう。
一夏はさっきまでお茶が入っていたコップをチェルシーの分も含めて洗う。
そして、歯磨きをするとチェルシーと共にベッドに入る。
因みに、オルコスと白式と白騎士は一夏の部屋にお留守番である。
昼休みのイチャイチャでやられたようである。
「一夏、アフリカに行くんでしょ?」
「ああ、行くよ」
一夏がチェルシーの質問にそう答えると、チェルシーは一夏に抱き着いた。
「一夏、お願いだから無理だけはしないで」
「...うん、分かってる」
チェルシーのその言葉に、一夏は頷くとそのままチェルシーの事を抱きしめ返す。
お互いの温もりを暫く感じ合っていると、2人が眠気を感じ始めた。
「こうして、恋人同士常に一緒に居れるっていうのは、幸せだなぁ...」
「そうね...私達の立場もあったけど、一夏が忙しかったから...」
「まぁ、仕事が再開したらまた忙しくはなりそうだけど...」
一夏がそう言った瞬間、チェルシーの腕に力が籠められた。
そんなチェルシーに一夏は笑みを浮かべると、チェルシーの背中に回していた右手を離し、チェルシーの頬に置く。
「大丈夫、もう無茶はしないから」
そして、優しそうな声色でチェルシーにそう声を掛ける。
その言葉を聞いたチェルシーは、穏やかな笑みを浮かべると
「一夏...」
一夏の名前を呼びながら目を閉じる。
「チェルシー...」
そんなチェルシーを見て、一夏もチェルシーの名前を呼ぶと、そのままチェルシーとキスをする。
「ん、んん、んぅ...」
「んぁ、んん...」
そうして、大体1分後。
一夏とチェルシーは唇を離す。
「おやすみ、一夏」
「ああ、おやすみ、チェルシー」
そうして、一夏とチェルシーは眠りに落ちるのだった...
いやぁ、一夏が幸せそうで何より。
次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
評価や感想、何時も何時もありがとうございます!
今回もよろしくお願いします。