無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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サブタイそのまま。
なんかこれが定型文になってきた。

今回もお楽しみください!


煉獄騎士、アフリカに行く

一夏side

 

 

キャノンボール・ファストの週の月曜日。

俺は予定通りアフリカに来た。

約12時間に渡るフライトだったため、何もしてないのに疲れた。

背骨がガッチガチに固まってやがる...!

背伸びをすると、心配になるくらいバキバキと音が鳴った。

 

 

アフリカは南半球、つまり今は冬から春の間くらいなのだが、今回訪れた此処は赤道に近いので物凄く熱い。

それに紫外線なども強い。

だが、そんな暑さや紫外線もこの主任特製の作業服で全然平気だ。

この作業服は見た目は一般的な物と何も変わらないのだが、その生地が特別製なのだ。

主任特製のこの生地は外の温度に応じて冷たくなったり、逆に温かくなったりするのだ。

それだけでは無く湿気は外に排出されて蒸れる事は無く紫外線も完全にカットできる。

同じ生地を使用した帽子もかぶればもう完全体制である。

 

 

そして今現在、俺は『PurgatoryKnights』が用意した軽トラックの荷台に乗りながら目的地に向かっている。

今日は『PurgatoryKnights』のプライベートジェットで来たのだが、乗ったのは俺を含めて4人、残りは全て荷物だった。

そうしてアフリカに着いた俺達は元々現地にいた社員の方々と協力し、2トントラック2台に飲料水や食料等を乗せた。

その後、一先ずの目的地である『PurgatoryKnights』運営の難民キャンプに行こうとしたのだが、ここで1つ問題が。

2トントラック以外の車が軽トラックしかないのだ。

今日来た4人だけならそれでも普通に問題無いのだが、荷積みをして下さった社員の方々も向かうので足りないのだ。

その為、軽トラックの荷台に俺と、今日一緒に来た社員の佐藤涼子さんと共に乗っているのだ。

日本でやったらアウトだが、此処はアフリカ。

問題無い。

 

 

「後何時間だ?」

 

 

「後4時間です」

 

 

「長いな...まぁ、仕方が無いか」

 

 

今は業務時間なので、俺の方がため口だ。

なんか、姉や兎や恋人以外の年上の人にため口使うのは違和感が凄い。

それも逆に敬語を使われるのだから尚更だ。

まぁ、良いか。

 

 

そのまま、暫く荷台で風を受けながら進む。

軽トラックの後ろには、着いてくる2トントラック2台。

今の所は何も問題が起こっていない。

それに、このむあっとする熱気もこの作業着のお陰で全然気にならない。

流石は主任だ。

これでISというものを作って世界を混乱に陥れてなかったら尊敬できる研究者なんだがな...

 

 

「ふぁあああああ」

 

 

「...眠いか?」

 

 

「あ、すみません」

 

 

「全然気しなくていい。時差ボケは辛いだろ。実際に俺も眠い」

 

 

「でも一夏さんは全然眠そうでは無いですよね?」

 

 

「良く徹夜してたからな。これくらいなら耐えられる」

 

 

俺がそう言うと、涼子さんは苦笑いを浮かべた。

解せぬ。

仕事で徹夜くらい誰でもするだろ?

 

 

[マスター、それは異常です]

 

 

(そうなのか?)

 

 

[そうだよ。それに、マスターは高校生だよ?普通はアルバイトでもない仕事をしてるだけでも異常なんだから]

 

 

(そ、そうか...)

 

 

白騎士と白式に怒られてしまった。

クラリッサとチェルシーに心配かけないように、今後無茶は止めよう。

 

 

そんな事を考えながら移動する事約2時間。

現在時刻は11:20。

後2時間なので、到着予想時刻は13:20。

眠気のピークはとっくに過ぎ去ったのでもう全然問題無い。

そして、周りの景色も完全に郊外になって来た。

商店も家も無く、木もまばらになって来た。

たま~~に村が遠くの方に見えるが、それも2~30分に1回だ。

 

 

そうして、そこから更に2時間後。

飛行機での長い時間のフライトに加え4時間の車による移動、そしてトラックへの荷積みで疲れた。

だが、まだまだ...いや、寧ろこれからが仕事の本番なのだ。

 

 

「...さて、もうそろそろだな」

 

 

俺がそう呟くと、遠くの方に新しめな綺麗なテントが見えて来た。

あれが一先ずの目的地である、難民キャンプ。

近付いて行くにつれ、当然ながらどんな状況なのかハッキリと分かって来る。

先ず、何個かあるテントはかなり大事に使ってあるのかかなり綺麗だ。

まぁ、今年に設置されたものだからというのもあるかもしれないが、それでも綺麗だった。

 

 

「着きましたね」

 

 

「ああ、着いたな。荷物を下ろす準備だ。俺は挨拶をする」

 

 

「はい、分かりました」

 

 

取り敢えず着いたので、俺は涼子さんにそう指示をする。

視線をテントたちの方に向けると、テントの中から沢山の人達が出て来ていた。

全員が少し瘦せている印象を覚えたが、それでも全員が笑顔を浮かべていた。

俺は軽トラックの荷台から降り、軽く伸びをする。

 

 

「はぁ~~、疲れた」

 

 

バキバキと鳴る背中の音を聞きながら、そんな言葉を零す。

色んな道具が入った鞄を担ぎ、左手にロック付きアタッシュケースを手に持つ。

さて、荷下ろしは涼子さん達がしてくれるから俺がやる事は...

 

 

「一夏さん!」

 

 

そんな事を考えている俺に、そんな声を掛けらる。

俺はそっちの方向に振り返りながら、言葉を発する。

 

 

「ナターシャ、イーリス。久しぶりだな」

 

 

「はい、お久しぶりです」

 

 

そこにいたのは、支援プロジェクト開始当初からこっちで作業に当たっていたナターシャさんとイーリスさん。

以前に会ったときよりも確実に日焼けしているが、思っているよりもちょうどいいというか...綺麗な小麦色に焼けていた。

まぁ、2人にもこの作業着は配られてるからな...

 

 

「元気してたか?」

 

 

「はい、元気にしていました」

 

 

「私達では無くここで働いている人たちも、この難民キャンプで生活している人も、全員元気です」

 

 

「それは良かった」

 

 

やっぱり人間元気で、健康でいるのが1番だ。

 

 

[マスターがそれを言っちゃ駄目だよ。吐血して倒れたんだから]

 

 

[そうです。それに、以前から徹夜をしていたり無茶をしていたんですから]

 

 

(...それを言われると何も返せねぇ)

 

 

全部事実なんだし。

今後の生活を見直さないと...

って、今はそれは関係ないんだよ。

 

 

「イーリス、暮らしている人の中の長的立ち位置の人っているか?挨拶をしておかないと...」

 

 

「あ、それなら...」

 

 

俺の言葉に、イーリスさんが反応しようとしたその時だった。

 

 

「おお...あなたが、織斑一夏さんですか?」

 

 

と、声を掛けられる。

俺とナターシャさんとイーリスさんがそっちの方向に振り向くと、そこには何人かの大人に連れられたご老人の男性がいた。

 

 

「初めまして、あなた方に保護して頂いた村の村長を務めていました、アルゼと申します」

 

 

その男性...アルゼさんは、杖を突きながら俺に近付き挨拶をしてくれる。

 

 

「初めまして、『PurgatoryKnights』所属IS操縦者纏め役、織斑一夏です」

 

 

俺は笑顔でそう挨拶を返し、アルゼさんと握手をする。

 

 

「日本語お上手ですね。勉強されたのですか?」

 

 

「はい、私達を助けて頂いて、お礼の言葉は是非その方の母国の言葉で伝えたかったのです」

 

 

何て良い人なんだぁ!

こんな人だからこそ、村長が成り立つのか。

 

 

「この度は、私達を保護してくださり本当にありがとうございました」

 

 

『ありがとうございました』

 

 

アルゼさんの言葉に続いて、アゼルさんの後ろにいた人たちがそう言い頭を下げる。

 

 

「いやいや、気にしないで下さい。これは、私達がしたかった事ですので」

 

 

「...それでもです。見てください、あんなに楽しそうな子供たちを」

 

 

アゼルさんはそう言いながら視線をトラックの方に向ける。

俺もそっちの方に視線を向けると、そこでは涼子さん達が荷下ろししている荷物をキラッキラした目で見ている子供たちの姿があった。

 

 

「以前までは食事は1日1回で量も少なく、水も濁った泥水や雨水を飲んでいましたから、あの子たちもあんなに元気に生活出来ていなかったんです」

 

 

その言葉を聞いて、俺は奥歯を噛み締める。

あの子達と俺、どっちの過去の方が辛いだろうか。

考えるまでもない、あの子達だ。

俺は幼少期、確かに周りからいろいろ面倒な事をされていたが、飯は食べれていたし水も飲めていた。

この子達と比べたら、どんなにマシだったのかと思う。

 

 

[マスター、それは比べるものじゃないよ]

 

 

[確かにマスターは普通にご飯を食べれていましたが、あの子達とは違い暴力を受けていたでは無いですか。ですから、どっちもどっちです。どちらもつらい過去を送っています]

 

 

(...そうなのかもな)

 

 

心の中で白式と白騎士にそう返答する

 

 

「ですが、今はああやって笑顔を浮かべています。これも、あなた方に保護して頂いたお陰です」

 

 

「......子供たちの未来は、我々が守っていくべき大切な宝物です。それを守ることが出来て会社としても、私個人としても非常に嬉しいです」

 

 

「はっはっは、あなたもまだまだ子供では無いですか」

 

 

「フフフ、そうですね」

 

 

俺とアルゼさんはそう笑い合う。

その瞬間だった。

 

 

「ゴホッ!ゴホッ!」

 

 

「っ!だ、大丈夫ですか!?」

 

 

アルゼさんが急に咳き込んだ。

直ぐに駆け寄り声を掛ける。

 

 

「だ、大丈夫です...少し持病が...」

 

 

「全然大丈夫じゃ無いじゃないですか!すみません、神田さん!」

 

 

慌てて此処で共に活動してくださっている医師、神田孝太さんを呼ぶ。

俺の慌てた声で状況を察したのだろう。

白衣を纏った神田さんが走ってやって来た。

 

 

「アルゼさん、無茶をしてはいけません。直ぐにお身体を見ますのでテントに入りましょう」

 

 

「あ、ありがとうございます...」

 

 

「神田さん、少しですがお手伝いします」

 

 

「一夏君ありがとう。アルゼさんの身体を一緒に支えてテントに入れてください!」

 

 

「分かりました!」

 

 

そうして、神田さんと共にアルゼさんを近くのテントに運び込む。

良し、これで後は神田さんが何とかしてくれる。

神田さんは世界一とも言われている医療学校を首席で入学し、首席で卒業。

内科、外科、耳鼻科等々いろいろ担当できるが、中でも外科手術の腕は世界一と言われている。

だったら此処じゃなくて病院で手術してとも思ったが、神田さん本人が

 

 

「手術は僕じゃなくても出来る。そして、こうやって発展途上国で医療をする医師は少ない。だから僕はプロジェクトに参加したんだ、医療が届かなくて助けられない命はあってはならないからね」

 

 

と仰っていて感動した。

これが真に患者と向き合う医師か...

 

 

そんな事を考えながらテントを出ると、さっきまでアルゼさんの近くにいた、多分アルゼさんの村の村民である方々が集まっていた。

 

 

「そ、村長は大丈夫ですか!?」

 

 

「はい、神田さんならしっかりと見てくださいます」

 

 

そう伝えると、みなさんホッとしたように息を吐いた。

自分たちの村長が咳き込んだのなら心配もするだろう。

それに、アルゼさんはご老体だ。

何時身体を壊してしまっても不思議ではない。

 

 

[そして、マスターも何時身体を壊しても不思議ではないね]

 

 

(白式...そう何回も言わなくても...)

 

 

[言わないとマスターは無茶するじゃないですか!]

 

 

(しないよ。クラリッサとチェルシー、それにみんなに心配かけさせて、かなり悪い思いさせちゃったから)

 

 

[...そこで、もう身体を壊したくないよって言わないのがマスターらしいね]

 

 

(あ、あはは...)

 

 

白式に呆れられてしまった。

まぁ、それはそうと。

俺にはもうちょっとやらないといけない事がある。

肩に担いでいる鞄からメモ用紙とペンを取り出しアタッシュケースを板代わりにする。

 

 

「すみません、みなさんにお聞きしたいのですが、何か『PurgatoryKnights』にして欲しい事や欲しい施設などはありますか?」

 

 

俺がやらないといけない事。

それは生活している人の声を本社に持ち帰る事。

可能な範囲で実現させてもらうのだが、取り敢えず聞き取りしない事には何をしたらいいのか分からないのでこうやって聞き取る訳だ。

 

 

「そうですね...子供たちの学ぶ場である、学校が欲しいですね」

 

 

「あなた達が送ってくれた教材などで勉強は出来ていますが、やはり学校は...」

 

 

そう言われて、俺はメモをする。

 

 

「学校...学校かぁ...」

 

 

正直に言おう、かなり難しい。

いや、学校を建てるだけなら簡単なのだ。

建てるだけなら。

教員は何処から派遣するか、教育委員会への登録等々やらないといけない事が山のようにある。

そして、最大の問題が何処まで生徒を()()()()()()だ。

ここら辺には、学校が1つもない。

そして、今難民キャンプにいる人達以外にも村はあり、その村の子供たちも学校に行きたいだろう。

そうなると、此処で急に学校を建たら、その子供たちを如何するか問題が出て来てしまうのだ。

仮に受け入れた場合でも、登校に片道歩き4時間の距離から通う子も現れそうだ。

そうなって来ると、その子にかなりの負担がかかってしまう。

だからといって何個も学校を建てると今度は確実に人材が不足する。

 

 

「資金に余裕はタップリあるんだがな...」

 

 

資金が無くて悩むんじゃなくて、資金以外で悩むことになるとは...

まぁ、今はいいや。

後で会議しよう。

 

 

「他には何かあるでしょうか?」

 

 

取り敢えず切り替えて、他にいろいろ意見を聞く。

こういう時ほどアナログでの作業が早くて良かったと思う。

此処ではデジタル機器でのトラブルがあったら解決が出来ないので原則やり取りはアナログなのだ。

その為、こうやってメモをするのもアナログだ。

 

 

「フム...では、本社に持ち帰って会議させてもらいます。実現まで時間が掛かってしまうものはあるとは思いますが、可能な範囲で実現させて頂きます」

 

 

「よろしくお願いします」

 

 

そんな言葉を聞きながらメモ用紙を鞄に仕舞う。

さて、次に()()を渡さないと...

俺がアタッシュケースを見ながらそんな事を考えている時だった。

 

 

クイクイ

 

 

「ん?」

 

 

着ている作業服がなんか後ろに引っ張られた。

しかも、この感覚的に低い位置から引っ張られてる気がする。

振り返って下の方を向くと、そこには何人かの5歳くらいだと思う子供たちがいた。

 

 

「あ~~、What's wrong?(どうしたの?)」

 

 

大人の方たちは日本語を喋れているが、子供たちは喋れるかどうか分からないので取り敢えず英語で話しかける。

すると、俺の作業服を引っ張ったであろう子が

 

 

「ア、アソボ?」

 

 

と片言の日本語で話してくれた。

 

 

「He's working now, so play later(一夏さんは今働いてるんですから、遊ぶのは後にしなさい)」

 

 

「気にしなくていいですよ」

 

 

注意するようなその声に、そう反応する。

いったんアタッシュケースを地面に置くと、ポケットからダークコアデッキケースを取り出し、その中に入っているオルコスのカードを出す。

 

 

「オルコス、荷物頼んでも良いか?」

 

 

《頼まれた》

 

 

オルコスはSDで出て来てそう言う。

オルコスを見た人たちは全員驚いた表情を浮かべている。

 

 

「Wow!What is this?(わあ!これ、何?)」

 

 

子供たちがキラッキラした目でオルコスを見ながらそう質問をしてくる。

 

 

「It's called my buddy Orkos. It's a robot(俺のバディのオルコスって言うんだ。ロボットだよ)」

 

 

「あ、あなた方の技術は凄いですね...」

 

 

「ISというものが存在しますから。これくらいは出来ますよ」

 

 

俺の言葉に、大人の方々は納得したように頷いた。

ナターシャさんやイーリスさんからISとは如何いうものかを聞いているのだろう。

そんな事を考えながら鞄とアタッシュケースをオルコスに手渡す。

鞄には会社関係の重要なものが、そしてアタッシュケースには俺が今日来た最大の目的の物が入ってるので、これで安心だ。

 

 

「Let's play!(さぁ、遊ぼう!)」

 

 

「ヤッタァ!」

 

 

俺が笑顔で、片言の日本語で返してくれる子供たち。

そうして、他の子供たちが集まっている場所に向かって、一緒に走っていくのであった。

 

 

 




心の中では敬語だけど口に出すとため口の一夏。
普通逆では?

そして神田さんがめっちゃ良い人。
こう言うお医者さんキャラってメッチャクチャ好き。

次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしていてください!

評価や感想、誤字報告何時もありがとうございます!
今回も是非よろしくお願いします!
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