接触するのはもちろんあのドラゴンですよ!
先に言っておきますと、煉獄騎士団の話にはオリ設定が含まれてます。
ご了承ください。
というわけで、完成度はいつも通りですがお楽しみください!
一夏side
黒。見渡す限りの、黒。
俺の視界にはそれしかなかった。
どうして、俺はこんなところにいる...?
俺は確か、ラウラ隊長を偽暮桜から引きずり出して、そのまま寝かせて.....
駄目だ。ここからの記憶がない。
取り敢えずここがどこか確認しなければ。
そう思い何か黒以外のものを見つけようと歩き出す。
直前に、後方から声が聞こえてきた。
《漸く接触出来たな》
俺はビクッとして振り返る。
するとそこに居たのは.....
「ド、ドラゴン!?」
そう、ドラゴンだった。
黒と金で作られた鎧の様なものを身に着けており、背中にはまるで血の様な色の紅いマントをしていた。
頭からは一本の剣の様なものが出ており、二本足で立っていた。
そして右手には、俺が誘拐犯達を切ったときとサイズは違うが、同じ大剣を握っていた。
《そう身構えるな、とは言わない。驚いて当然だからな。
我は煉獄騎士団団長 ディミオスソード・ドラゴン》
「れ、煉獄...ってことは!?」
《そう。お前にダークコアデッキケースを...煉獄騎士としてのチカラを与えたのは我々だ》
俺は人生で1、2位を争うほど驚いた。
今目の前に俺にチカラを与えてくれた存在が居るのもそうだが、それがドラゴンだったとは.....
にわかには信じられない事だったが、ダークコアデッキケース等のチカラを実際に使った身としては、信じれた。
だが、それと同時に疑問が出てくる。
何故、目の前のドラゴン...ディミオスソードは俺にチカラを与えたのか。
我々、つまりは煉獄騎士団。その目的は何なのか。
考えても答えが出る筈がないため、俺はディミオスソードに質問をすることにした。
「なぁ、ディミオスソード。幾つか質問があるんだが...」
《だろうな。だが、質問の前に我らの過去を聞いてもらう必要がある》
「過去を.....?」
《そうだ。お前に聞く覚悟...知る覚悟はあるか?》
俺は一瞬迷った。
わざわざ警告してくることだ。
相当な内容なんだろう。
.....でも、聞かないといけない。
聞かないと、知らないとここから先には進めない。
「ああ、覚悟はできた。話してくれ」
《よかろう》
そこから俺はディミオスソードの話を...煉獄騎士団の過去を聞いた。
まず、ディミオスソードは「バディワールド」の一つ、ダークネスドラゴンワールドのドラゴンだということ。
バディワールドとは、此処とは異なる人間の世界と「バディファイト」で繋がる異世界な事だということ。
バディファイトとは、相棒となるバディモンスターを決め、バディと共に戦うカードゲームで、未来と無限の可能性があるとのこと。
ディミオスソード達煉獄騎士団は最初、ダークネスドラゴンWで革命への覚悟と執念で活動をしていたこと。
でも、そこから段々邪悪への道を進んでしまったこと。
そんな中で同じく世界への革命を目指していた少年、龍炎寺タスクとバディを組み、共に戦ったこと。
しかしタスクもディミオス達も臥炎キョウヤという人物に騙されていたこと。
その後、タスクとのバディを解消し、タスクは罪を自覚したものの、煉獄騎士団は自覚できず、荒れたこと。
しかし、最近になって哀悼というものを理解し贖罪への道を歩き出したこと。
その最中で偶々別の人間の世界...俺の世界を見つけ、俺が殺されそうなところを見たこと。
だが何も知らない俺に簡単にチカラを与えられないから、不気味な声で俺に覚悟を尋ねたこと。
俺が答えたため、煉獄のチカラを半強制起動状態で俺にチカラを与えたことを........................
「この『チカラ』には物理的な『力』以外の何かがあるのは感じていた。
それは.....」
《我らの罪だ》
俺はその話を聞いて絶句した。
こことは違う人間の世界だの、其処とカードゲームで繋がる異世界だのの話にも驚いた。
でも、煉獄騎士団の過去の話を聞くと、その驚愕は何処かに行ってしまった。
その過去はとても壮絶で悲しいものだった。
俺が何も言えないでいると、ディミオスソードが口を開いた。
《どうした?自分が振るったチカラが罪に塗れたものだと知って気分が悪くなったか?》
「いいや、違う」
そうだ、違う。
確かに驚きはした。
だが、違う。
「確かに驚きはしたさ。でも、だから何?
お前達は自分の間違いに気付けたんだろう?
なら、このチカラには、罪とは別に、希望が宿ってる」
《希望...か。そんな安直な...》
「安直でもなんでも、俺はそうだと思うぜ。
だって.....このチカラがあったから俺は今生きてるんじゃないか」
俺がそう言うと、ディミオスソードは驚いた様に目を見開く。
《なるほど...そう来るか...》
「あぁ、そう行く。
それでも、お前達が罪を感じるというなら、俺も煉獄騎士としてともに償おう。
だから、煉獄騎士団団長 ディミオスソード・ドラゴン」
俺はいったんそこで言葉を区切り、ディミオスソードの目を見ながら続きの言葉を紡ぐ。
「俺とバディを組んでくれ」
俺がそう言い切ると、ディミオスソードは更に驚いた顔をした。
しかし、フッと目を伏せ言葉を紡ぐ。
《フフ、まさかこの短時間でここまで決心するとは思わなかった。此方からも言わせてもらおう。
織斑一夏、是非我とバディを組んでくれ》
そして俺とディミオスソードは拳を突き合わせた。
しかしいちいちソードまで呼んでると長いな...
「なぁ、ディミオスソードって長いから、ディミオスだけでいいか?」
《好きにしろ》
許可ももらったからそう呼ばせてもらおう。
しかし、今更だが、此処何処だ...?
「なぁ、ディミオス。此処何処だ?」
《なぜ今になってからなんだ...》
ディミオスもちょっと呆れているようだ。
「仕方ないだろ。ドラゴンのインパクトが強すぎたんだ」
《まぁ、いい。此処はお前の精神世界だ。
我の肉体はまだダークネスドラゴンWにあるから、精神だけでの会話だ」
「そうだったのか...」
《あぁ、それはそうと一夏》
「ん、なんだ?」
《さっきも言ったが我の肉体はダークネスドラゴンWにある。すぐそちらの世界に行くことはできない」
「そんな事か。それなら仕方ないな」
《そしてもう一つ》
そこまで言うと、ディミオスは言葉を切る。
まるで言葉に詰まっているように...
「どうしたんだ、ディミオス?」
《一夏お前は..............................ISが使える》
はぁ。
ハァッ!?
「ハァッ!!?」
俺はディミオスとの初対面の時と同じくらい動揺した。
「どどどど、どういうことだ!?」
《そのままの意味だ。本来女しか起動できないISを起動できる》
「な、何でそんな事知ってるんだよ!?」
《お前に煉獄騎士としてのチカラを与えたとき、お前の肉体情報が分かるようになった。
そこにIS適正有とあったんだ》
なんてこったい.....
今の社会は女尊男卑だ。
それは最強の兵器である、ISが女性にしか起動できないことを根本としている。
そんな社会に、俺がIS適正があるという情報が出回ったら...
確実に、社会は混乱に陥る。
そして俺は、女尊男卑主義者からイレギュラーとして消されるか、モルモットにされる。
「そんな情報流せねぇ...!」
《取り敢えず、信頼できる者の前だけで一度起動してみろ。誤情報かもしれん》
「本当だったらどうすんだよ.....」
《だから、信頼できる者の前だけでだ》
「はぁ。解ったよ」
面倒なことになった。
どうして俺はいろいろなものに巻き込まれるんだ。
《一夏。お前はもう起きろ。お前の目覚めを待っている奴も居るようだ》
「そうだな。そろそろ起きないといけないようだな」
そう思い、俺は後ろを向く。
黒い空間にヒビが入っている。
そこの向こうが現実世界の様だ。
「じゃあディミオス。またな」
《あぁ。時間はかかるがな》
俺はディミオスの返事を聞くと、ヒビの中に入っていった。
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目を開くと視界に入ってきたのは真っ白な天井だった。
どうやら医務室の様だ。
身体を起こしてみると、頭痛がした。
さっきまで精神世界でディミオスと話してたからだろうか。
「う、あ.....」
頭を押さえながら声を出した。
すると、
「一夏!目が覚めたか!」
そのような声が聞こえた。
そっちの方を見ると、クラリッサさんと千冬姉、それに隊長がいた。
隊長のベッドの隣にクラリッサさんと千冬姉がいるから、隊長も医務室の世話になっているようだ。
「ああ、はい。今目が覚めました」
俺がそう言うとクラリッサさんはホッと息をつき、教官も安堵の表情を浮かべた。
心配かけちゃったな...と思っていると隊長が声を掛けてくる。
「織斑一夏」
「はい、何でしょう?」
「その、すまなかった」
おっと、俺がディミオスと話している間に隊長にも何かあったようだ。
この間までの棘がない。
「急にどうされました?」
「私は気付けたんだよ。今までの私が間違っていたことに.....
謝って済むかどうか分からんが、謝らせてくれ。
本当にすまん.....」
「顔を上げてください、隊長」
俺がそう言うと、隊長は驚いた様に顔を上げた。
「生きているもの全てに間違いはある。
大事なのは、それに気づけるかどうかです。
だからあなたはもう大丈夫ですよ、隊長」
俺がそう言うと、隊長は少し顔を赤くしながらこう言ってきた。
「ありがとう。
そして、その、何だ。
私に敬語を使わずラウラと呼び捨てでいいから、私も一夏と、呼び捨てでいいか...?」
「あぁ、大丈夫だよ。これからよろしくね、ラウラ」
俺が笑顔になりながらそう言うと、ラウラは顔を真っ赤にしてしまった。
そしてクラリッサさんが何処となく不機嫌そうな雰囲気を出す。
一体全体なんなんだ.....?
俺がそんなことを考えていると、千冬姉が咳払いして注意を引く。
「一夏。質問したいことがある。いいか?」
「ああ、大丈夫だよ。千冬姉」
言った後で教官と呼んでいないことに気が付くが、特に気にしている様子はなかった。
千冬姉...教官は俺の目を真っ直ぐ見ながら俺に質問を投げかける。
「単刀直入に聞く。あれはいったい何なんだ?」
と..........
というわけで、一夏は無事ディミオスとバディを組めました!
いやぁ、よかったよかった。
前書きでも言いましたが、煉獄騎士団のストーリーはオリ設定です。
本来の設定と差異がありますがご了承ください。
てか、オルコスどうしよう.....
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
評価や感想、誤字報告もよろしくお願いします!