無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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さぁ、サブタイから察する通りの人の活躍回です!
いい加減戦闘シーンを分かりやすく書きたいんだけどなぁ...

今回もお楽しみください!


世界最強の再誕

三人称side

 

 

ドガァァァァァアアアアアアン!!!!!!

 

 

IS学園、専用機タッグマッチが行われている最中。

試合が行われている第一アリーナと第二アリーナに同時にそのような爆発音が鳴り響いた。

それと同時にアリーナのシールドバリアーが突き破られ、何かがアリーナに落ちて来て土煙が発生する。

 

 

「くっ!?」

 

 

「試合中断!構えろ!」

 

 

それぞれのアリーナで戦っていたマドカ、シャルロット、鈴、簪の4人とラウラ、セシリア、ダリル、フォルテの4人はすぐさま試合を中断し、すぐさま各々の武装を土煙に向かって構える。

全員、表情を緊張のものにする。

やはり起こったトラブル。

しかも上方から何かが落ちて来るというのは、キャノンボールの時の襲撃と同様のものだ。

この時点で、また襲撃だと全員が察した。

 

 

~第二アリーナ~

 

 

試合をしていたラウラ達4人はジッと土煙の事を見つめていた。

 

ブン!!

 

急にそんな風を切るような音が響き、土煙が一瞬で霧散する。

するとそこには、キャノンボールの時の襲撃者と同じ改造品であろう黒いISを身に纏った4人組がいた。

 

 

「貴様ら!なにが目的だ!」

 

 

ラウラが襲撃者4人に向かってそう声を発する。

すると、襲撃者は視線を上空にいるラウラ達に向ける。

 

 

「織斑一夏の身柄を渡せ!」

 

 

「そんなんさせる訳無いっス!」

 

 

「ならば、お前たちを殺してから無理矢理奪う!」

 

 

襲撃者のリーダーであろう1人がそう言うと、襲撃者全員がアサルトライフルを展開し、ラウラ達に発砲する。

しかし、ラウラがAICで、フォルテが生成した氷で銃弾を全て止めると、セシリアがビットで射撃する。

 

 

「そんなもの効かない!」

 

 

「行くぞ!」

 

 

以前の襲撃者たちとは異なり、淡々と攻撃をしてくる襲撃者たち。

その態度の違い1つでかかるプレッシャーは桁違いになる。

 

 

バァン!バァン!バァン!バァン!

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

発砲音や金属同士がぶつかる音があたりに響く。

襲撃者たちのISはかなりのハイスペック。

第三世代型である専用機と同程度のスペックを誇っている。

 

 

「ぐぅ...!?」

 

 

「ダリル先輩!」

 

 

「クソ!」

 

 

「危ないっス!」

 

 

専用機にはそれぞれの専用武装が存在する。

その分機体だけを見れば一見ラウラ達が有利である。

しかし、ラウラ達は4対4の訓練をさほどしていない。

全員が代表候補生なので、現状でもしっかりと連携は取れている。

それでも各々の専用機の特徴を最大限生かせているかというと、否である。

 

それに比べ、襲撃者たちはISが共通。

つまりは全員が全員ポジションを入れ替えながら戦えるのである。

そしてわざわざ4人で襲撃してきたという事は、4人での戦闘訓練を積んでいるという事である。

先程までの試合でダリルとフォルテが有利だったように、戦場においては何よりも経験がものをいう。

それが例え少しの差だったとしても。

差がある時点で戦いに優劣が生まれるのである。

 

 

「ぐは!?」

 

 

「きゃあ!」

 

 

「ぐぅ...!?」

 

 

「うわぁ!?」

 

 

ラウラ達は追い込まれるようにアリーナの中央に固まる。

 

 

「ヤバいっスよ!?」

 

 

「緊急事態は連絡してあるが、間に合うか...」

 

 

「フン!これで終わりよ!」

 

 

「くらいなさい!!」

 

 

襲撃者はそう叫ぶと、ラウラ達を終わらせるために2人は射撃の、もう2人はブレードで突っ込む用意をする。

ラウラ達は撃退しようと武装を構える。

その瞬間

 

 

「お嬢様!!」

 

 

「隊長!!」

 

 

「ぐわっ!?」

 

 

「なんだ!?」

 

 

2つの新しい声がアリーナに響くと同時に、突っ込もうとしていた2人にラウラ達とは別方向から攻撃が行われる。

その瞬間に、全員の視線が攻撃が行われた方向に向けられる。

 

 

「チェルシー!」

 

 

「クラリッサ!」

 

 

「お嬢様、ご無事ですか!?」

 

 

「隊長、現状は?」

 

 

攻撃を行った者...クラリッサとチェルシーはそれぞれの上司にそう声を掛けながらも襲撃者に対しての攻撃を続ける。

先程の奇襲で少し反応が遅れている襲撃者には、ダリルとフォルテも遠距離からの攻撃をする。

 

 

「取り敢えず第二アリーナへの襲撃者はあの4人だけだ!」

 

 

「拘束しますわよ!」

 

 

「「了解!」しました!」

 

 

ラウラ達はそう会話をすると、そのまま襲撃者たちへの攻撃を再開する。

先程は少し不利だったラウラ達だが、戦力が2人も増えた事で戦況は逆転した。

 

 

「これで終わりっス!」

 

 

「寝てろ!!」

 

 

「沈め!」

 

 

「ぐはっ!?」

 

 

「ぐぅ!?」

 

 

先程射撃をしようとしていた2人に向かって、フォルテ、ラウラ、クラリッサがそう声を発しながら攻撃をし、その2人は地面へと落ち機体が強制解除される。

 

 

「ちっ!落ちたか!」

 

 

「アレ、使うわよ!」

 

 

「仕方が無いか...」

 

 

「何もさせませんわ!」

 

 

「てめぇらも落ちやがれ!」

 

 

残った襲撃者2人に対して、セシリアが全ビットでの一斉射撃を、ダリルが炎を飛ばして攻撃する。

しかし、その攻撃が着弾する一瞬前。

襲撃者2人の手元にそれぞれ1本の機械仕掛けの剣が出現する。

 

 

「「「「それはっ...!!」」」」

 

 

その剣に見覚えがあるクラリッサ、ラウラ、チェルシー、セシリアの4人が同時にそう声を発する。

 

 

「はぁ!」

 

 

「フン!」

 

 

襲撃者2人はそう声を発しながらその剣を振るう。

その瞬間に

 

ブン!!

 

空気を切り裂く音を発しながら黒い斬撃が発生し、射撃のレーザーと炎をかき消しそのままフォルテとセシリアに迫る。

 

 

「ヤバいっス!?」

 

 

「く...きゃあ!!」

 

 

反応が遅れたフォルテとセシリアは氷を作る事も避ける事もかなわずそのまま攻撃を受けてしまい地面に落下する。

 

 

「お嬢様ぁあああ!!」

 

 

「フォルテ!!」

 

 

「よそ見なんてしてる暇はないわよ!」

 

 

「あなた達も落ちなさい!」

 

 

チェルシーとダリルが悲鳴のような声を発する。

しかし、そんな2人に対して襲撃者たちは手に持つ剣...アクワルタ・グワルナフ・レプリカを振るう。

 

 

「危ない!」

 

 

「避けろ!」

 

 

ラウラがダリルにワイヤーブレードを絡ませ、クラリッサがツヴァイクでチェルシーの事を押し無理矢理斬撃から避けさせる。

 

 

「助かった...」

 

 

「ぼさっとするな!来るぞ!」

 

 

ラウラのその声と同時に、襲撃者2人がレプリカを振るう。

 

ズガァアアン!!

 

ドガァァアアアン!!

 

襲撃者がレプリカを振るう度、アリーナの壁が崩れ落ち、地面が抉れる。

 

 

「一夏以外だと、誰もあの剣に対応できない!」

 

 

「クソ!どうす...ぐぁああ!?」

 

 

「隊長ぉおおお!!」

 

 

「く、うわぁああああ!?」

 

 

「っ!ケイシー様!」

 

 

遂にはラウラとダリルも地面に落ちて行ってしまう。

 

 

「フン...!!」

 

 

「「「「うわぁああああ!!」」」」

 

 

襲撃者の1人が地面に向かって斬撃を飛ばす。

地面に落ち復帰出来てなかったセシリア、ラウラ、フォルテ、ダリルの4人は斬撃に巻き込まる。

機体はかなりボロボロになっており、見るだけでダメージレベルがCを超えているのは察せられる。

 

 

「後はあの2人だけ!」

 

 

「もう1つのアリーナの方でももう直ぐ終わる!貴様らを潰して織斑一夏を回収する!」

 

 

「回収...だと...?ふざけるな!一夏は物じゃ無いんだぞ!」

 

 

「あなた達なんかに、一夏は渡さない!」

 

 

襲撃者の言い分に、クラリッサとチェルシーは激昂したような表情を浮かべそう叫ぶ。

自身の上司を傷つけただけでなく、大切な恋人に対する今の言い分。

激昂しないわけが無い。

今はIS学園に一夏はいないのだが、此処を突破されるとIS学園に甚大な被害が出るだけでなく、もしかしたら他の場所も襲撃されるかもしれない。

その為、絶対に突破される訳には行かないのだ。

しかし、一夏のいない今現状ではクラリッサとチェルシーだけでは、レプリカを持つ2人の撃破は非常に難しい。

 

 

「フン!そんなの関係ない!」

 

 

「これで終わりよ!」

 

 

そんな2人を嘲笑うかのように襲撃者2人はクラリッサとチェルシーに向かって斬撃を飛ばそうと構える。

結局一夏に頼らないと何も出来ない自分たちに、クラリッサとチェルシーは唇を噛み締める。

そうして、襲撃者が斬撃を飛ばす......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一瞬前。

 

 

「よく時間を稼いでくれた!!」

 

 

そんな声が聞こえたかと思うと、襲撃者2人は地面に落ちた。

 

 

~第一アリーナ~

 

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

時刻は少し戻り、第二アリーナにクラリッサとチェルシーが駆け付ける少し前。

第一アリーナでも襲撃者との戦闘が行われていた。

こっちには既に楯無とサラが到着しており、戦闘に加わっていた。

しかし、こちらの状況もあまり良くなかった。

それは何故か。

 

 

「く、くぅ!?」

 

 

「うわぁ!?」

 

 

こっちの襲撃者もレプリカを所有しているからだ。

とっくのとうにアリーナは悲惨な状況になっている。

 

 

「フン!くらいなさい!!」

 

 

「く、きゃあああああ!?」

 

 

「サラ先輩!!」

 

 

襲撃者の1人が放った斬撃にサラが当たってしまい、サラは地面へと落ちていく。

もう既に簪と鈴は落ちてしまっているので、後戦えるのはマドカとシャルロットと楯無の3人である。

そして、襲撃者も1人落としているので3対3。

しかし、襲撃者の1人はレプリカを使用しているため、状況は明らかにマドカ達が不利だった。

それに加え更にマドカ達が戦いにくい理由があった。

それは...

 

 

「く、篠ノ之さん!なんでこんな事するの!?」

 

 

「うるさい!さっさと一夏を差し出せ!」

 

 

そう、襲撃者の中の1人に箒が存在してるからである。

一応顔見知りなのが、やり辛いのである。

 

 

「くっ......クリア・パッション!」

 

 

「ちっ...そんなの効かない!」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

「シャルさん!!このぉ!!」

 

 

「がぁ!?」

 

 

バキュン!バキュン!バキュン!

 

ガキィン!ガキィン!ガキィン!

 

ドガァン!ドガァン!ドガァン!

 

 

発砲音が、金属がぶつかり合う音が、アリーナが破壊される音があたりに響く。

 

 

「ぐ、きゃあああああ!!」

 

 

「う、わぁああああ!!」

 

 

「シャルロットちゃん!マドカちゃん!」

 

 

遂にはマドカとシャルロットまで落ちてしまい、残すは楯無1人。

それに対しては、多少のダメージを受けているものの3人。

しかも1人は、レプリカを持っている。

状況は絶望的だった。

 

 

「一夏を差し出せ!」

 

 

「...絶対にさせない!」

 

 

箒の言葉に、楯無はそう返答する。

 

 

「フン!1人で何が出来る!」

 

 

「さっさと落ちろ!」

 

 

残り2人の襲撃者がそう言うと、1人が持っているレプリカを構える。

楯無はなんとか反撃をしようと構える。

その瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく耐えた!あとは任せろ!」

 

 

そんな声が、第一アリーナに響いた。

全員がその声が聞こえて来た方向を向く。

その僅かな時間で

 

 

バシュ!

 

 

そんな音が響くと同時に

 

 

「あ、あああ...」

 

 

ドシャア!!

 

 

襲撃者の1人がそう地面に落ちて行った。

 

 

「「なっ...!?」」

 

 

箒とレプリカを持っている襲撃者がそう驚きの声を発する。

そして、このアリーナの中には先程までいなかった1機のISが存在していた。

スラスターや腕などに桜の花びらが描かれているのが特徴的なIS。

無駄な飾りなどは一切合切ない洗練されたデザイン。

その手に握るのは白い1本の接近ブレード。

今まで見たことが無いISだった。

だが、全員の視線を集めているのはその搭乗者の顔だった。

黒髪を後ろで縛っているその人物の顔は、整っていて、それでいて一夏に似ていた。

 

 

「織斑、千冬...!!」

 

 

「織斑先生!」

 

 

レプリカを持った襲撃者が表情を歪めながらそう言い、楯無は笑顔を浮かべてその名前を呼ぶ。

そう、そのISを身に纏っているのは、千冬だった。

 

 

「更識...後は任せろ。休んでおけ」

 

 

「え、でも...」

 

 

「私を誰だと思っている?問題ない」

 

 

「...分かりました。お気をつけて」

 

 

楯無は最後にその言葉を残すと、アリーナから退避していった。

しかし、箒と襲撃者は楯無を追う事は出来なかった。

千冬から放たれるプレッシャーが、動く事を許さなかった。

 

 

「千冬さん!邪魔をしないで下さい!私は一夏を取り戻したいだけなんです!!」

 

 

「...箒......お前を拘束する」

 

 

箒のその声掛けを無視し、千冬は冷徹な眼で箒と襲撃者の事を見る。

そうして2人に向け接近ブレードを構える。

 

 

「...織斑千冬。専用機、暮桜・明星。武装は雪片弐型。貴様らを拘束する」

 

 

千冬はそう言うと、一気にレプリカを持つ襲撃者に肉薄した。

 

 

「なっ!?」

 

 

「はぁ!!」

 

 

ガキィン!

 

 

千冬の斬撃は、襲撃者の持つレプリカを正確に捉えた。

金属がぶつかり合う音がアリーナに響き渡る。

 

 

「ぐ、ぅううう!?」

 

 

「フン!!」

 

 

バキィン!!

 

 

千冬が腕に力を籠めると、レプリカは折れた。

 

 

「なぁ!?」

 

 

「これで終わりだ!」

 

 

千冬はそう声を発すると雪片弐型を頭上に掲げる。

すると、雪片弐型がスライド展開しエネルギーの刃が出現する。

零落白夜。

言わずと知れた千冬の代名詞。

自身のSEを犠牲に相手のエネルギーを無視して攻撃が出来る諸刃の剣であり、一撃必殺。

 

 

「はぁぁあ!!」

 

 

「ぐぅ、がぁあああああ!!」

 

 

レプリカが折れた事で動揺した襲撃者にその攻撃を避ける事は出来ず、切り裂かれる。

そうして地面に落ちていく。

だが、千冬は襲撃者の事を見ることも無く視線を箒のいた方向に向ける。

しかし、もう既に箒はもう既にアリーナから出て行っていた。

そこそこ遠くの方にまで行っているのを確認した千冬は追うかどうかを一瞬考えたが、追うのを止めた。

アリーナの地面にまで降りてから暮桜・明星を解除しマドカ達に駆け寄る。

 

 

「全員無事か!?怪我は!?」

 

 

「う、くぅ...お、お姉ちゃん...」

 

 

「マドカ!大丈夫か!?」

 

 

「う、うん...身体は痛むし銃騎士もボロボロだけど、骨も内臓も無事」

 

 

「そうか...」

 

 

マドカの返答を聞いた千冬は取り敢えず安心したように息を吐いた。

そうして千冬は他に落ちてしまっていたシャルロット、鈴、簪、サラに声を掛けていく。

全員ISはボロボロになってしまっていたが、骨折などの怪我も無く無事だった。

 

 

「お姉ちゃん、追わなくて良かったの...?」

 

 

「......正直に言うと、追った方が良かったのかもしれない。しかし、篠ノ之はかなり離れていたし、他の人間と合流している可能性もある。なら、私は残らなくてはならない。私は教師だ。生徒であるお前たちを守らないといけないからな」

 

 

「織斑先生...」

 

 

千冬のその言葉に、シャルロットがそう呟く。

今の千冬からは、現役時代と同じような威厳が...世界最強の威厳がありありと感じられた。

 

 

「さて...取り敢えず全員医務室に行くぞ。骨や内臓が大丈夫とは言え、検査をしないといけないからな。救護班を呼ぶから少し待っていろ」

 

 

「だ、第二アリーナはどうなったんですか?」

 

 

「...クラリッサとブランケット以外はお前たちと同じような状態だ。あっちは既に2人が救護班を手配しているからもう既に搬送されているだろう。それと、これは全員に言える事だが明日には事情聴取と事後会議がある。それを覚えておけ」

 

 

『分かりました』

 

 

千冬の言葉に全員がそう返事をする。

そうして暫くしたら担架を5個持って救護班と拘束班がやって来た。

マドカ達が担架によって運ばれ、襲撃者たちが拘束されながら運ばれるのを見届け、半壊したアリーナには千冬1人が残った。

 

 

「...久しぶりに、戦ったな」

 

 

千冬はそう呟くと空を見上げる。

 

 

「まぁ、私にも事情聴取はあるだろう。念の為に束には連絡を入れておくか」

 

 

そのまま暫く空を見上げていた千冬だが、そのままIS学園の校舎に戻っていく。

 

 

「多少の被害はやはり出てしまったな...私も、まだまだだな...それでも、一夏。お前がいなくても、なんとか学園は守れたぞ」

 

 

そういう千冬の表情は、何処か悔しそうなものだった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「なっ、えっ?」

 

 

時刻は少し遡り、千冬が第一アリーナで交戦し始めたころ。

IS学園の屋上にいた深夜は呆然とそう呟いていた。

急にアリーナからの戦闘音が変わったし、少し前には爆発音も聞こえている。

何か起こった事は明白だった。

 

 

「い、行くか?」

 

 

深夜は出撃するかどうか悩んでいた。

そもそも出撃命令は出ていないので出撃したらアウトなのだが、深夜が出撃しないのには別の理由があった。

それは、恐怖。

それも戦闘をする事への恐怖じゃない。

戦闘をしても、また活躍が出来ない事への恐怖だった。

なんだかんだいっても、今までの事件で自分が何も出来ていない事は深夜も理解している。

ここで出撃してもまた活躍出来なかったら、今度は如何なってしまうのか分からない。

その事実が、深夜をこの場に留まらせていた。

 

 

「俺に力が、力があれば...もっと、もっと...力があれば...」

 

 

深夜は力を望む。

力があれば、この場で思いとどまる事は無い。

それに、以前の事件でも活躍出来ているだろう。

それは確かにそうかもしれない。

だが、それは危険な思想だ。

力というのは、使う者によってどんなものになるかが変わるというのは、力を得るにはそれ相応の覚悟と責任が必要なのは、もう常識だろう。

力を望むだけでは自分の身を滅ぼす。

それを、深夜は理解していない。

深夜は呆然とした表情でアリーナの事を見つめている。

ここで、1機のISがアリーナから逃げていくのを確認した。

 

 

「あれは...箒!?」

 

 

そのISを身に纏っている箒の顔を見た深夜は驚愕の表情を浮かべながらそういう。

視線の先では、箒が別方向からやって来たIS達と合流して逃げていった。

それを見た深夜は、表情を変える。

それはまるで、迷っている時に看板を見つけた人のようで、水を分け与えられた難民のようだった。

 

 

「箒が襲撃してくるくらいに強くなったのなら...」

 

 

深夜はそう呟きながらフラフラと屋上を歩き、屋上の端にまで来る。

 

 

「俺も、強くなれる.........!!」

 

 

深夜はその呟きを最後に、屋上から姿を消したのだった...

 

 

 

 




雪片弐型...おめぇ、出番あったのか...
因みに暮桜・明星の機能はこれで全部ではありません。
まだ隠れた(使う必要が無かった)機能があります。
そっちが出てから設定集を更新します。

次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしていてください!

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