無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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誰の事だ?

今回もお楽しみください!


異常な身体能力

三人称side

 

 

一夏がIS学園に復帰した翌日。

1週間ぶりに教室に来た一夏はクラスメイト達から心配の声を掛けられた。

 

 

「一夏君、久しぶり!大丈夫なの!?」

 

 

「静寐、久しぶり。見ての通り元気だよ」

 

 

一夏は笑みを浮かべなんとなく力こぶを作りながらそう返事をする。

服の上からなので筋肉をしっかりと確認する事は出来ないが、それでもなお筋肉がある事自体は確認出来る。

その事に静寐は若干顔を赤くする。

そんな静寐の様子に一夏は首を傾げるも自分の机の上に鞄を置く。

 

 

「一夏君、本当に久しぶりだね」

 

 

「ああ、清香。久しぶり」

 

 

SHRが始まるまでの間、一夏は暫くぶりに会う友人達との会話を楽しんでいた。

そして大体10分後SHRの開始時刻になったのでチャイムが鳴る前にクラスメイト達は自分の席に戻っていく。

ここで、一夏は気が付いた。

 

 

(あれ、深夜は...なんだ、風邪か?)

 

 

深夜がまだ来ていない事に。

一夏はまだ襲撃事件があった事を知らない。

その為、深夜が行方不明な事も知らないのだ。

そんなこんなでチャイムが鳴り、教室に千冬と真耶が教室に入って来た。

 

 

「全員席に付いているな、これよりSHRを開始する!」

 

 

千冬が教壇に立ち、そう声を発する。

その瞬間に全員の視線が千冬に集中する。

 

 

「さて...織斑は1週間ぶりだな」

 

 

「はい、お久しぶりです」

 

 

「織斑...2日前の出来事を聞いたか?」

 

 

「聞く...何をです?」

 

 

「聞いて無いのか...良し、それじゃあ説明する」

 

 

そこから、千冬は一夏に対して説明をした。

襲撃事件があり、第一、第二アリーナが半壊した事。

それによりクラリッサ、チェルシー、楯無以外の専用機が破壊された事。

そして、深夜が行方不明になった事を。

 

 

「なるほど...なんか、ごめんなさい。大事な時に居なくて」

 

 

「気にするな。体調不良なら仕方が無い」

 

 

「それと織斑先生...暮桜帰って来たんですか?」

 

 

「...何故分かる?」

 

 

「いやぁ、織斑先生以前はそんな腕輪していなかったですし...それに、心なしか千冬姉現役の時みたいな雰囲気あるからさ」

 

 

途中までは生徒として話していた一夏だったが、微笑を浮かべて弟として話す。

その事に千冬も微笑を浮かべ返すと

 

 

「ああ。私の専用機、暮桜・明星だ」

 

 

と返す。

一夏はなるほどと頷く。

それと同時に、机の下で拳を握りしめ、表情に出さないように奥歯を噛み締める。

 

 

(クソ...俺は...大変な状況で何も出来なかった......!!)

 

 

そして、心の中でそう悔しそうな声を発する。

そんな一夏の内心を察してか否か、千冬が一夏に声を掛ける。

 

 

「織斑。あの2人の紹介をしておけ」

 

 

「あ、はい。そうですね」

 

 

一夏はダークコアデッキケースから2枚のカードを取り出す。

 

 

「白式、白騎士、頼んだ」

 

 

一夏はそう言い千冬の隣に向かってカードを飛ばす。

カードは空中で光るとそのまま人間体の白式と白騎士になる。

 

 

『えっ!?』

 

 

初めて見るクラスメイト達はそう驚愕の声を発する。

 

 

《初めまして!新生煉獄騎士団 ホワイトタイプ・ドラゴンです!白式って呼んでください!》

 

 

《初めまして。新生煉獄騎士団 ホワイトナイト・ドラゴンです。白騎士と呼んでください》

 

 

白式と白騎士は各々自己紹介をすると、ぺこりと頭を下げる。

クラスメイト達は驚きの表情を浮かべたまま固まってしまっている。

そんな様子に一夏は苦笑いを浮かべながら言葉を発する。

 

 

「この2人は俺のサポートロボだ。なんかうちの開発主任が気分でこうしたらしい」

 

 

一夏の説明を受けて、全員は一応納得した。

一夏が戻っていいと2人に伝えると、2人はカードに戻り一夏の手元に戻る。

そしてダークコアデッキケースに仕舞うと視線を千冬に戻す。

 

 

「さて、3時限目の実技授業だが専用機持ちと一般生徒で内容が異なる!一般生徒はグラウンドに、専用機持ちは第四アリーナに向かえ!」

 

 

『はい』

 

 

千冬の指示を聞いた全員がそう一斉に返事をする。

その返事を聞いた千冬は頷く。

 

 

「それでは、以上でSHRを終了する!」

 

 

「1時限目は私の授業なので、しっかり準備をしておいてくださいね」

 

 

千冬と真耶はそう言うと、教室から出て行った。

 

 

「......」

 

 

その背中を見ながら、一夏は再び静かに拳を握りしめるのだった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

時間は流れ、現在3時限目が始まる前の休み時間。

朝の指示のように一般生徒はグラウンドに、専用機持ちは第四アリーナに集まっていた。

一夏は久しぶりに着用するジャージを懐かしく思いながらオルコスSDと共にアリーナに向かう。

 

 

「さっきチラッと第二アリーナ見て来たけど本当に半壊してたな」

 

 

《ああ。襲撃者の装備等は聞いていないが、恐らくまたアクワルタ・グワルナフのレプリカが使われたと考える方が良いだろう》

 

 

「そうなると、やっぱりアジ・ダハーカ様の細胞は培養されてると考えた方が良いな」

 

 

《そうだな》

 

 

一夏とオルコスはそう会話しながら歩く。

そうして、一夏はアリーナに入ると、その表情を驚きのものに変える。

それは何故か。

 

 

「お、一夏、遅かったな」

 

 

「まぁ、私達が早いだけっス」

 

 

「あれ、ダリル姉にフォルテ姉、なんでいるの?」

 

 

そう、アリーナにダリルとフォルテが居たからだ。

それにサラと楯無も少し離れたところにいるため、上級生の専用機持ちが勢ぞろいしている事になる。

 

 

「私達の専用機もボロボロになったのは知ってるか?」

 

 

「朝織斑先生から聞いたから知ってる」

 

 

「それで、今日の実技は全学年の専用機持ちが集まって、専用機を...というかISを使わない訓練をするみたいっスよ」

 

 

「なるほど......ん?IS使わないのにアリーナ?何するんだ?」

 

 

「さぁ?そこまでは聞いてない」

 

 

「まぁ良いか。説明はあるし」

 

 

一夏がダリルとフォルテと話している間に、マドカ達1年生専用機持ちが続々とやって来た。

 

 

「あ、お兄ちゃん!」

 

 

「ん?おう、マドカ。それにみんなも」

 

 

「なんか、一夏がしっかりと実技参加するのかなり久しぶりな気がするね」

 

 

「実際かなり久しぶりだからな」

 

 

「アンタ、単位大丈夫な訳?」

 

 

「一応は。てか、大丈夫じゃないと理不尽に感じる。だって過労→吐血→海外出張→発熱だぞ」

 

 

《海外出張は自分からだろ》

 

 

「まぁそうともいう」

 

 

一夏とオルコスの会話を聞きながらも、マドカ達は心配そうな表情を浮かべる。

その視線に気付いた一夏は苦笑いを浮かべると

 

 

「気にすんな。今は元気だし」

 

 

手をピラピラさせながらそうマドカ達に言う。

一夏本人が大丈夫だと言っている以上、マドカ達が特に何か言う事は無い。

正直まだ何か言いたそうだったが、この場は引き下がった。

 

 

「フム、全員揃っているな!整列!」

 

 

『はい!』

 

 

その瞬間に、アリーナにジャージ姿の千冬とISスーツ姿の真耶が現れ、千冬の指示を聞いた全員がしっかりと整列する。

 

 

「それでは、これより実技授業を開始する!さて、お前たちの専用機はこの間破壊されてしまった。その為、本日は国連から送られてきたパワードスーツを使用した訓練をしてもらう」

 

 

「国連からのパワードスーツ...ですか?」

 

 

「ああ。山田先生、お願いします」

 

 

「はい!ではみなさん、注目してくださ~い!!」

 

 

真耶の言葉に、全員の視線が真耶に集まる。

アリーナの端に置いてあったコンテナ近くに移動した真耶は

 

 

「オープンセサミ!」

 

 

と言いながらコンテナを開ける。

 

 

「お兄ちゃん、オープンセサミってなに?」

 

 

「知らん。無駄話はするな」

 

 

「いや、でも確かに分からないね」

 

 

「シャルまで...織斑先生がキレるから後でな」

 

 

『PurgatoryKnights』の3人が小声でそう会話してるのを聞いた真耶は若干涙目になる。

そんな何とも締まらない空気の中、コンテナが開き中に入っていたものを視認出来るようになる。

 

 

「...なに、あれ?」

 

 

「さぁ...?」

 

 

鈴と簪が疑問の表情を浮かべながらそう言葉を零す。

2人以外もこの場にいる殆どの人が同じような表情を浮かべていた。

あの楯無でさえも同じ様な表情を浮かべている中、他の人とは違う反応をしている人が2人。

 

 

「「あれは......」」

 

 

「ほう?ボーデヴィッヒは知っているとは思っていたが...織斑兄、お前もか」

 

 

一夏とラウラである。

千冬が意外そうな声を発したので全員の視線が2人に集まる。

 

 

「私は夏休みに基地で見たのだが...一夏、お前は何処で?」

 

 

「何時ぞやの福音と一緒。アレのパーツの7割は『PurgatoryKnights』製だ。仕様書で確認してる。取締役の2人はお披露目会にも呼ばれたらしい」

 

 

「なるほどな...」

 

 

「お前の所はなんでもしてるな?」

 

 

「何でもではない」

 

 

一夏、ラウラ、千冬の3人がそう会話をし、それ以外がポカンとした表情で3人の事を見ている。

その視線に気が付いた千冬が咳ばらいをしてから言葉を発する。

 

 

「んん!これが、今日お前たちに使用してもらうパワードスーツ『EOS』だ」

 

 

「EOS......?」

 

 

「エクステンデッド・オペレーション・シーカーが正式名称だ。それぞれの頭文字をとってEOSって呼ばれている」

 

 

千冬の言葉にセシリアが首を傾げながらそう呟いたので、一夏が補足をする。

 

 

「それでは、これからこのEOSを身に纏い簡単に動作の確認をしてもらう」

 

 

「みなさん、順番にこっちに来てそれぞれ乗り込んでくださ~い!」

 

 

真耶の指示に従い、1年生から順番にEOSに乗り込む。

動きを確認するために簡単に動こうとするのだが

 

 

「う、この...!!」

 

 

「お、重い...!!」

 

 

「思う通りに動きませんわ...!!」

 

 

「ヤバ...!!」

 

 

ほぼ全員が表情を歪めながらなんとか動かそうとするも、中々動かない。

そう、このEOSは欠陥だらけのパワードスーツなのだ。

エネルギー節約の為デフォルトがオフのあって無いようなパワーアシスト。

30キロのバッテリーを背負い、尚且つそれが無くても重すぎる本体。

シールドバリアーが無いのに生身が露出。

そして精々十数分の活動時間。

ISと比べるのがおこがましいくらいの低スペック品なのである。

救助活動等での使用を想定しているのだが、生身の方が身軽なので正直使わない方が効率は良いと現場は思っている。

 

そして、ほぼほぼ全員がなんとかといった感じで動いている中、周りとは違う反応をしているの3人。

 

 

「なるほどね...確かに動きにくいけど、おねーさんに問題は無い...はず...」

 

 

周りよりかは余裕そうな楯無と

 

 

「久しぶりだな...良し...」

 

 

感触を確かめるようにそう呟くラウラと

 

 

「.......」

 

 

(なるほど...これくらいなら、余裕だな)

 

 

眼を閉じ、身体に掛かる負荷を感じている一夏である。

 

 

「それでは、これよりEOSを用いたバトルロワイヤルをしてもらう!既にそれぞれにペイント銃とペイントブレードが装備されている!各々攻撃し合い、インクが付いたら脱落だ!ただし、銃は10発ごとにリロードが必要で、ブレードも定期的に納刀しないとインクが無くなるから注意しろ!」

 

 

『はい!』

 

 

「私達はこれから管制室に移動する。そこで開始の合図を出すのでアリーナの壁際に等間隔で並んで待機しろ」

 

 

『はい!』

 

 

そうして、千冬と真耶は管制室に移動していった。

一夏達も千冬の指示通りそれぞれ等間隔で向かい合うようにアリーナの壁際に移動し、オルコスは開いていたピットに入り観戦する。

 

 

『良し、それでは全員構えろ!試合......開始!』

 

 

千冬のその声で、全員が武装を構える。

しかし、ただ1人。

周りと違う行動をとった者がいた。

 

 

「そこを動くな!」

 

 

「うぇ!?一夏君!?」

 

 

そう、一夏である。

動きずらいEOSを身に纏ったので、他の人達が全員銃撃戦の準備をする中、一夏は1人だけ隣にいた楯無に向かって接近する。

しかも、その動きは何時も通りかなり身軽なものである。

楯無は慌てて一夏に向けて銃口を向けるも

 

 

「無駄だっ!!」

 

 

一夏は発砲される前に接近しきるとブレードを素早く抜刀し楯無の事を切り捨てる。

 

 

「ウソォ!まだ何もしてないのにぃ~!!生徒会長の威厳がぁ~~!!」

 

 

楯無が何か言っている事を聞かずに一夏は視線を他に向ける。

一瞬にして楯無という実力者を切り捨てた一夏に対し、全員が冷や汗を流しながら視線を向ける。

そして、同時にある事を思う。

 

 

(一夏をやらないとマズイ!)

 

 

と。

しかし、一夏はそう考えている隙に既に行動に移している。

マドカとセシリア...普段から遠距離射撃をしている2人に向かって接近していく。

 

 

「ただでは終わらないよ、お兄ちゃん!」

 

 

「く、一夏さん、覚悟!」

 

 

2人は一夏に対して銃口を向けて発砲する。

しかし、

 

 

「そんな攻撃など」

 

 

一夏には簡単に避けられてしまう。

ペイント弾の為、弾丸が確認しやすく速度も少し遅い事。

そして反動が強すぎるせいでブレてしまうためなかなかヒットさせるのは難しい。

 

 

「反動強すぎ!」

 

 

「く、これでは...!!」

 

 

「10万年早いぜ!」

 

 

そうこうしてる間に一夏が接近し、そのまま2人の事を同時に切り捨てる。

 

 

「一夏、覚悟!」

 

 

「アンタやばすぎんのよ!!」

 

 

そんな一夏の背後から、一夏と同じくブレードを構えたシャルロットと鈴がやって来る。

2人の様子を見て、一夏に射撃を当てるのは不可能だと判断したんだろう。

しかし一夏はそれすら嘲笑うかのように

 

 

「効かぬわぁッ!!」

 

 

2人の攻撃をブレードで受け止め、そのまま力をそらし体勢を崩させる。

 

 

「わわわっ!?」

 

 

「ヤバッ!?」

 

 

「ツメが甘いな」

 

 

一夏は素早く納刀してから抜刀し2人の事を切り捨てる。

僅か3分で楯無、マドカ、セシリア、鈴、シャルロットの5人を脱落させた一夏。

そんな一夏に、残っているラウラ、簪、ダリル、フォルテ、サラは緊張した面持ちで視線を向ける。

一夏1人で5人もこんなに素早く脱落させるだなんて思って無かったのだろう。

だが、一夏は笑みを浮かべると千冬や真耶を含めた全員が恐怖する言葉を口にする。

 

 

「そろそろ本気を出すぜ!」

 

 

まさか、今まではウォーニングアップだというのか。

脱落したマドカ達を含め全員の背中に冷や汗が流れる。

 

 

「全員で協力して一夏をやるぞ!」

 

 

「うん!」

 

 

「おう!」

 

 

「分かったっス!」

 

 

「ええ!!」

 

 

そんな会話を聞きながら、一夏はダリルとフォルテに向かって行く。

ラウラ達は一斉に一夏に向かって発砲をする。

それを見た一夏は足に力を籠めると一気に弾丸を避けるために跳躍する。

 

 

「なに!?」

 

 

「なんでこれ纏ってあんな飛べるんだよ!?」

 

 

そんな一夏の行動に驚き全員が思わず射撃を止めてしまう。

 

 

「弾幕展開!」

 

 

一夏は空中で左腕だけで銃を構えると、まるで反動が無いかのようにダリルとフォルテに向かって発砲する。

 

 

「くそぉ!」

 

 

「負けたっス...」

 

 

着地した一夏は残った3人に視線を向ける。

そして右腕を前に出し指をピラピラさせながら

 

 

「本気で来いよ!」

 

 

と笑みを浮かべながらそういう。

 

 

「もう本気だ!」

 

 

「一夏が凄すぎるの!」

 

 

「こんなの、どうすればいいの!?」

 

 

3人がそう声を発すると同時に、一夏は納刀したままのブレードを構えながらサラに接近する。

そんな一夏に対して簪が発砲しようと銃口を向けるが

 

 

「やらせるかよ!」

 

 

それよりも早く一夏が簪に向かって片腕だけで発砲する。

 

 

「きゃあ!?」

 

 

簪を脱落させた一夏は視線をサラに戻すと銃を戻し居合切りの要領で抜刀しサラを切り捨てる。

 

 

「くぅ...!!」

 

 

こうして、残ったのは一夏とラウラのみ。

 

 

「......一夏、行くぞ!」

 

 

ラウラはブレードを抜刀し一夏に向かって行く。

ラウラは一夏に向かってブレードを振るう。

しかし

 

 

「お前の技は見切った!」

 

 

一夏は身体を反らしその斬撃を避ける。

ラウラは反撃をされる前に後ろに退避する。

しかし、一夏とは異なり跳躍する事が出来ないのでそこまで距離は開いていない。

一夏は抜刀の準備をしながらラウラに向かって行く。

 

 

「貰った!!」

 

 

そのタイミングでラウラは一夏に向かって発砲する。

今からでは避けるのは難しいし、避けたとしてら今度はラウラからブレードで攻撃できる。

そんなタイミングで発砲した。

弾丸は一夏に迫っていき、遂に一夏に攻撃が当たる……

 

 

「……という夢を見たのさ」

 

 

一夏は銃を弾丸に向かって投げつける。

 

 

「なっ!?」

 

 

銃は弾丸にジャストヒットし、そのまま銃にインクが付着する。

だが、銃の勢いは止まらずラウラに向かって行く。

 

 

「くっ...!?」

 

 

ラウラは身体を反らしその銃を避ける。

そして視線を元に戻すと、そこにはブレードを構える一夏がいた。

 

 

「これにて仕舞いにございやす。死ヶ峰無限剣(インフィニティ・デスクレスト)!」

 

 

「ぐぁあ!?」

 

 

『そこまで!勝者、織斑一夏!』

 

 

そうして、一夏の斬撃はラウラに当たり、千冬が終了の合図を出す。

 

 

「影に紛れて悪を斬る…アッシら正義の世捨て人!」

 

 

その場の雰囲気で一夏は骸のルミナイズ口上を言う。

一夏がブレードを納刀し、先程投げたインクまみれの銃を回収すると、慌てた様子の千冬と真耶がアリーナにやって来た。

 

 

「はぁ、はぁ...い、一夏!」

 

 

「織斑先生、どうしました?」

 

 

千冬が一夏に声を掛けると、一夏は特に変わった様子もなくそう返答する。

 

 

「どうしたもこうしたもない!なんだ、あの動きは!?」

 

 

千冬のその言葉に、真耶やマドカ達も頷く。

 

 

「あの動きと言われても...普通に戦っただけですが?」

 

 

なんでも無いような様子でそういう一夏に、真耶達は若干の恐怖を覚える。

 

 

「こんなに重たいEOSであんな俊敏に動くのも?」

 

 

「あそこまで跳躍するのも?」

 

 

「こんなに反動が強い銃を片腕で撃つのも?」

 

 

「「「「「「「全部普通だと?」」」」」」」

 

 

「そう」

 

 

《因みに言っておくが我らは何もしていない。純粋な一夏の身体能力だけだ》

 

 

観戦していたオルコスが戻って来ていった一言。

純粋な身体能力だけ。

改めてそれを聞くと、一夏がどれだけ凄いか改めて感じる。

 

 

「お兄ちゃん...どうやって、それだけの身体能力を...?」

 

 

「...みんなを、守りたいからかな」

 

 

マドカの疑問に、一夏は右腕で左胸を押さえながらそう言葉を発する。

そんな一夏の様子に一瞬呆気に取られていたが、

 

 

「それでは、これで実時授業を終了する!EOSは私が戻しておくので、各々その場に置いて戻って結構だ!」

 

 

『はい』

 

 

千冬の指示に従い、全員がその場にEOSを残して更衣室に向かう。

こうして、この時間は終了するのだった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

ガザッ!ガザザザッ!ザザッ!!

 

 

「あ、ぐぅ...がぁ!?」

 

 

《一夏!大丈夫か!?》

 

 

《マスター!しっかりしてください!》

 

 

《マスター!》

 

 

男子更衣室。

此処に来た途端に一夏の視界にノイズが奔り、辺りが赤黒く染まる。

一夏は思わず頭を押さえながら蹲り、その拍子にポケットから落ちたダークコアデッキケースから白式と白騎士が出て来て一夏の側に駆け寄る。

 

 

「はぁ、はぁ、あ、がぁっ!?うぐぅ!!はぁ、はぁ、はぁ......」

 

 

急に大量の汗が出て来た一夏は床に座り込み、背中をロッカーに預ける。

左腕で頭を押さえ、右腕は左胸を...いや、心臓を押さえている。

 

 

《マスター、今日の身体能力、明らかに異常でしたよ!?》

 

 

「ああ...少なくとも、アフリカにいた時の俺には、EOSを纏って跳躍するだけの身体能力は、無かった...」

 

 

《つまり、ここ最近で身体能力が異常なまでに上昇していると?》

 

 

「そういう事に、なる...」

 

 

一夏の言葉を聞いたオルコス達は一斉に表情を難しいものに変える。

 

 

《マスター。もういっそのこと一気に進めちゃえば...》

 

 

「駄目、だ...俺はまだ、俺を捨てれない...!!」

 

 

白式の言葉に、一夏はそう返答する。

 

 

《...あの2人の為、か?》

 

 

「いや、俺の自己満足さ...」

 

 

《ふっ...それでもいい。俺らは一夏の事を支えるさ》

 

 

《そうです!マスターがそうしたいなら、マスターの意思を尊重します!》

 

 

《とにかく、今日は早退しますか?》

 

 

「い、や...暫くすれば、大丈夫...ゴホッ!ゲホッ!」

 

 

急に咳が出て来た。

一夏は右腕で口元を押さえる。

 

 

《マスター!》

 

 

《お水取ってきます!》

 

 

《タオルをもってこよう》

 

 

白式が一夏に駆け寄り、白騎士とオルコスはそれぞれ水とタオルを持ってくるため更衣室から出て行く。

だが、今の一夏にはその事を気にしてる余裕は無かった。

 

 

「やば、い...これ、もう、1年じゃなくて、半年、持つかどうか...」

 

 

そう呟く一夏の瞳は、自分で変えていないのに、黄金に輝いていた...

 

 

 

 




戦闘開始してから終了までの一夏のセリフは全てヒーローW魔法のカード名です。(死ヶ峰無限剣だけ必殺技で、これにて仕舞いにございやすはフレーバーテキストです)
こういうユニークな名前が好き。

それにしても、一夏ダークヒーローも似合うな...
この小説終わったらそっちも書こうかな。

次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしていてください!

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