無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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更に間が空きました。
すみません。
なんかもう間が空き過ぎて若干書き方忘れてる感が否めません。
ご了承ください。


対峙する騎士と兵器

三人称side

 

 

「お、お前らいっ「ふっ!」ぐふぅ!?」

 

 

《ハァ!》

 

 

「あぎゃあ!?」

 

 

ラウラ達がIS集団と戦闘をしているのと同時刻。

Aチームは道中亡国企業の構成員の事を気絶させながら地下室へと向かっている。

ただ、Aチームとは言っても戦闘しているのは全員ではない。

 

 

「ハァ!」

 

 

一夏と

 

 

《ハァア!》

 

 

オルコスSDと

 

 

《おりゃあ!》

 

 

《せいっ!》

 

 

白式と白騎士の煉獄騎士団だけが交戦をしており、クラリッサ、チェルシー、楯無の3人はただ付いて行っているだけだった。

煉獄騎士団だけが交戦しているのにも勿論理由がある。

今いる通路が狭く、ISを展開するとほぼほぼ動けなくなってしまうので基本生身で交戦するしかない。

その為モンスターであり人間よりも高い身体能力を持ちオルコス達と、4人の人間の中で1番身体能力が高い一夏が交戦しているのだ。

 

 

全員が交戦すると疲労をしていない戦力が無くなるし、何よりスペースの問題で上手く交戦出来ない。

だからこそ、今のこの態勢はベストなのだ。

 

 

「「「……」」」

 

 

だからといって、交戦していない3人に思うところが無いわけでは無い。

特にクラリッサとチェルシーは、一夏にまかせっきりなこの状況はとても悔しい。

一夏の事を支えようと思っているのに、結局最後は一夏か千冬が対処しないといけなくなる。

一夏の負担が無くならない。

それが悔しくない訳が無い。

 

 

だからといって2人はこの大事な作戦中に私情を持ち込まない。

一夏達が先頭で進んで交戦するのを、後ろで付いて行きながらしっかりと見る。

 

 

そうしてそこそこな人数を気絶させながら地下へ地下へと進んで行く事数分。

1つの部屋の前についた。

部屋の扉は当然と言わんばかりに電子ロックが掛かっており、ロックを解除したら自動で両側にスライドして開くタイプだ。

 

 

「此処か…」

 

 

《ロックがかかっているな》

 

 

一夏とオルコスが扉を見ながらそう呟く。

 

 

「どうする?ISを使ってクラッキングする?」

 

 

「それが1番確かな方法ですね」

 

 

ロックを解除する方法の案を楯無が呟き、チェルシーがそれに賛同する。

だが、扉を触り思考を巡らせていた一夏が否定の声を発する。

 

 

「いや、それだと時間がかかり過ぎます。今は多少強引でも速い方が良いでしょう」

 

 

「だが一夏、これ以外にどうするというんだ?」

 

 

「まぁ見てな。オルコス」

 

 

《任せろ》

 

 

疑問の声を発したクラリッサ。

一夏はクラリッサに微笑みを向けた後オルコスと共に扉の中央に手を掛ける。

 

 

「「「へっ?」」」

 

 

「《オラァ!!》」

 

 

その行動に3人が同時に声を発した直後、一夏が右側に、オルコスが左側に思いっきり扉を引っ張る。

そう、一夏が思い付いた判断はとてもシンプル。

力で無理矢理こじ開けるだけである。

何時もは冷静に物事を判断し行動する一夏のまさかの脳筋行動に驚きの表情を浮かべる3人。

 

 

ガガガガガ!!

 

 

そうして20秒も経たないうちに扉を開けた一夏とオルコス。

 

 

「行くぞ。白式、白騎士、入り口から監視を頼む」

 

 

《任せてください》

 

 

白式と白騎士に外を含めた入り口付近の監視を任せ一夏とオルコスは部屋の中に存在するPCへと向かって行く。

 

 

《あれ、入らないんですか?》

 

 

「え、ええ!入るわよ」

 

 

暫くの間呆然としていた3人は白式に言われ部屋の中に入っていく。

部屋の中ではもう既にコンピューターに渡されたメモリを接続してデータの移行を開始していた。

 

 

「これ作ったの絶対束さんだな。コンピューター起動してメモリ挿すだけって」

 

 

《逆に他の者が作れるとは思わないがな》

 

 

「まぁ、そうだな」

 

 

オルコスと会話する一夏を見て、3人は

 

 

(((あれ、私達いらなくない?)))

 

 

と同時に思う。

 

 

「クラリッサ、チェルシー、楯無さん、もしかして『自分達いらなくない?』とか考えてるか?」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

まさか今思っている事を指摘されるとは。

3人はそういった驚きの表情を浮かべる。

 

 

「図星か」

 

 

振り返り3人の反応を見て当たった事を察した一夏はそう呟いた。

気まずそうに視線を逸らす3人に、一夏はため息をついてから微笑みを浮かべる。

 

 

「この作戦が仮に俺達だけだったらここまでスムーズに来れてない。俺達が戦闘に集中できたのは、3人が控えにまわっていてくれたからだ。緊急時の本部への対応等を完全に任せられていたから、俺達は全力で戦えた」

 

 

「「一夏…」」

 

 

「安っぽく聞こえるかもしれないが、自信を持ってくれ。この作戦、俺達にはみんなが必要だ」

 

 

その言葉を聞いた3人は少し感動したような表情を浮かべる。

 

 

「特にクラリッサとチェルシーはもう作戦とか関係なしで俺にとって1番大事だ。いなくなったら全てを投げ出す自信がある」

 

 

「「っ!?///」」

 

 

急な一夏の言葉に、クラリッサとチェルシーは顔を真っ赤にする。

そんな2人の反応を見て笑みを浮かべた一夏も直ぐに真面目な表情に戻り、コンピューターに視線を戻す。

 

 

「…あれ、折角感動したのに……」

 

 

楯無の呆然とした呟きは空気に溶けた。

 

 

「良し、終わった」

 

 

《次に急ぐぞ》

 

 

「分かってる」

 

 

データの入手が完了したのでメモリーを抜く。

全員は再び煉獄騎士団が前に出て廊下を移動する。

その道中再び構成員を気絶させているのだが、その数は明らかに先程よりも少なかったし、非常に慌てている様子だった。

 

 

「《ハァ!》」

 

 

一夏とオルコスが次の扉をこじ開ける。

一夏達は部屋の中に入っていき、白式と白騎士は入り口から外の監視を行う。

 

 

「俺の分は多分さっきでいっぱいになったから誰か頼む」

 

 

「じゃあ私が」

 

 

コンピューターを起動しながら言った一夏の言葉にクラリッサがそう反応する。

自分が受け取ったメモリーを一夏に手渡し、一夏はそのままコンピュータに挿しこむ。

 

 

「さっき交戦した構成員の人数が明らかに減っていた。隊長達がISで交戦しているお陰だな」

 

 

「そうね。もしお嬢様方が大々的に交戦していなかったら、構成員も慌てていなかったでしょうし、武装している人もいたかもしれないわね」

 

 

クラリッサとチェルシーがそう会話する。

そう、この2人の言葉の通り一夏達がここまでスムーズにデータ収集を行えているのはラウラ達が大々的に戦闘を行っているという一面が大きい。

 

 

例えテロリストであったとしても、急に攻撃をされたら動揺するに決まっている。

特に現場で実際に対応に当たる構成員は上から指示を出す者に比べて年も若く経験も積んでいないので動揺は大きくなる。

 

 

それに加えラウラ達側はIS、しかも専用機が6機という破格の戦力だ。

そこに全戦力が集まっていると咄嗟に思い込んでしまい、別ルートからの侵入者がいる可能性を排除してしまっても仕方が無い。

結果、一夏達の方にまわってくる武装構成員がいないのだ。

無論道中で出くわすことはあったのだが完全に態勢が整ってないない状態で、煉獄騎士団とまともに戦えるわけが無い。

 

 

そんな様々な要素が重なり合った結果、一夏達は想定よりもスムーズにデータを集められているのだ。

 

 

メモリーにデータが移りきるのを待つ間も一夏達は気を抜かず何時でも戦闘が出来るように構える。

そんな中、オルコスがすっと一夏の側に近寄ると小声で声を掛ける。

 

 

《一夏、身体は大丈夫か?》

 

 

オルコスの言葉を聞いた一夏はふと自分の身体を見下ろし、少し悲しそうな表情を浮かべながら右出て左胸を…心臓を押さえる。

 

 

「今は一応。でも、どうして急に聞いてきたんだ?」

 

 

《一夏、昨日寝れてないだろ》

 

 

「っ……」

 

 

オルコスの指摘を聞き、一夏は思わず息を詰まらせる。

 

 

一夏が先程新幹線でエナジードリンクを購入した理由。

それは常飲しているが故の無意識という訳ではない。

万が一の為に一応カフェインを摂取しておきたかったからだ。

 

 

そう、一夏は昨日から今日に掛けて一睡も出来てない。

寝る前に吐血や過呼吸、身体の痺れなどの症状が出てしまい睡眠を阻害されたのだ。

作戦に支障が無いように必死に魔法を何重にも使用し、今戦場に立っているのだ。

 

 

症状が治まったが、睡眠不足なのだ。

エナジードリンクには医薬品程の眠気覚まし効果は無いがカフェインが含まれているのは事実だし、多少のプラシーボ効果も期待して購入したのだ。

まぁ、結局マドカ達に止められたので飲んではいないのだが。

 

 

「やっぱ、バレてたか」

 

 

《当然だ。勿論我だけではない。白式や白騎士も気が付いている》

 

 

オルコスの言葉を聞き、一夏はチラリと白式と白騎士に視線を向ける。

指示通りに入り口付近から外の監視をしている2人。

だが、ちょくちょく自分の事を見ているので心配を掛けていた事に気が付いた。

一夏ははぁ、と息を吐きオルコスに視線を向ける。

 

 

「オルコス、俺は大丈夫だ。俺は戦える。だから……」

 

 

《…ああ。白式と白騎士には大丈夫だと伝えておこう。そして、お前の恋人や仲間には黙っておこう》

 

 

「悪いな。俺の我儘に付き合わせて」

 

 

《気にするな。我らはバディだろう?》

 

 

「……そっか。ありがとな」

 

 

一夏とオルコスの会話が終わったその瞬間に、メモリーへのデータ移行が完了した。

コンピューターからメモリーを引き抜き、クラリッサに手渡す。

 

 

「よし、じゃあもっと奥に…」

 

 

次の行動についてのその言葉は、途中で途切れた。

途切れざるを得なかった。

 

 

ドガガガガガガァアアン!!!!

 

 

「「「「《 《 《っ!?》 》 》」」」」

 

 

今まで全く聞こえてこなかった戦闘音…というより爆撃音が聞こえて来たからだ。

当然、ラウラ達が戦闘を行っている事は理解しているし、それに伴って戦闘音が聞こえてくる事もきっとあるという事も理解している。

その上で全員が驚いたのには理由がある。

普通に戦闘していたのなら、ここまでの爆撃音になる筈が無いのだ。

 

 

『クラ、リッサ!聞こえ、るか!?』

 

 

「っ!?隊長!?」

 

 

ここで急にクラリッサにラウラからの通信が入って来た。

一夏達がクラリッサに視線を向けるなか、ラウラとの通信を続ける。

 

 

「隊長、どうされましたか!?」

 

 

『緊急、じた…!す、ぐ……おうえ…!うわぁあああああああ!?』

 

 

「隊長!?隊長!応答してください!隊長!」

 

 

クラリッサの様子から、ラウラに何かあったと察した一夏達。

ダークコアデッキケースを握りしめ、一夏はマドカに通信を行う。

 

 

「マドカ!大丈夫か!?応答しろ!!」

 

 

『お、おにいちゃ…!』

 

 

「っ!駄目か…!!」

 

 

一夏と同タイミングでチェルシーもセシリアに通信を入れ、楯無は本部に緊急事態の連絡をする。

 

 

「お嬢様!」

 

 

『ぐ、チェルシー!今、ピンチで…!!』

 

 

「お嬢様!?」

 

 

「簪ちゃん、織斑先生、こちら楯無、緊急事態です!現在、急な爆撃音の後ラウラちゃんからの通信が入りました!詳しい状況は分かりませんが、どうやらまともに話せないようです!」

 

 

『『『なっ!?』』』

 

 

通信の向こうで千冬達が驚きの声を発する。

楯無が本部と通信している事を察した一夏達は各々の通信を終わらせそっちの通信に参加する。

 

 

『お前たちがどういう状況なのかは大体察した。データ収集はいったん中止だ!至急Bチームの所へ向かってくれ!私と更識も至急出撃する!』

 

 

「「「「了解!」」」」

 

 

千冬からの指示に返事をして、通信を終了させる。

 

 

「じゃあ、今すぐ地上に戻ってBチームが入った方から私達も…」

 

 

楯無が次の行動を提案しようとした時、

 

 

ドガァアン!ドガァアン!ドガガァアアン!!

 

 

再び爆撃音が響いてくる。

一夏がバッと廊下から顔を出す。

 

 

「…どうやら、爆撃音の発生源は向こうの方…奥の方だな」

 

 

「奥の方?」

 

 

「ああ、確実に俺達が進もうとしていた方向から聞こえてきた。入り口が何個かあっても同じ施設なんだから中で繋がっていても不思議では無い」

 

 

「確かにそうね。なら、どうするの?」

 

 

「決まってるだろ?」

 

 

そう言った一夏はその身に煉獄騎士の鎧を纏う。

 

 

「このまま行く!」

 

 

「え、で、でも、此処だと私達IS展開できない…」

 

 

「オルコス、白式、白騎士、頼んだ」

 

 

《了解した》

 

 

《はーい!》

 

 

《分かりました》

 

 

一夏の指示を受け、オルコスは楯無に、白式はチェルシーに、白騎士はクラリッサに近寄る。

そして、

 

 

《ほい》

 

 

「わひゃあ!?」

 

 

オルコスがSDのまま楯無の事を掴み空中に浮遊させる。

オルコスはモンスターが故、SDのままでも相当な腕力と握力がある。

だから楯無の事を掴んで浮遊することくらい造作もないのだ。

…まぁ、掴まれている楯無は凄いヒヤヒヤしているのだが。

 

 

《失礼します》

 

 

《しっかり掴まっててください》

 

 

「あ、ああ」

 

 

「え、ええ」

 

 

白式と白騎士はチェルシーとクラリッサの事をしっかりと抱える。

オルコスと同じくモンスターである2人は、その外見からは想像できない程力がある。

その為安定してチェルシーとクラリッサの事を抱えられているのだ。

2人は心の何処かで一夏に抱えられたかったと思っているとかいないとか。

 

 

「バディスキル、インフェルノサークル」

 

 

廊下に出た一夏は仮面の下で進行方向を見つめる。

 

 

「行くぞ!」

 

 

《ああ!》

 

 

《はい!》

 

 

《行きます!》

 

 

一夏は号令と同時に地面を蹴り猛スピードでの飛行を開始する。

それに合わせる形でオルコス、白式、白騎士の順での飛行を開始する。

 

 

「は、速い!」

 

 

「あ、ISじゃない飛行はこんな感じなのか…」

 

 

「新鮮過ぎる…」

 

 

楯無達は今まで感じた事のない飛行の感覚に驚きの声を発する。

だが、何時までも驚いているほど3人は子供ではない。

直ぐに真面目な表情になると進行方向を見つめる。

一夏も仮面の下で同じような表情を浮かべている。

 

 

あのラウラ達がまともに応対出来ない程追い詰められているのだ。

心の中で焦りを覚えていない訳が無い。

 

 

そうして飛び続ける事約2分。

開けた場所へとやって来た。

 

 

「IS展開!」

 

 

一夏の指示を聞いたオルコス達は楯無達の事を空中に放る。

一瞬驚きの表情を浮かべるも3人は直ぐにISを展開、飛行を開始する。

白式と白騎士は一夏が伸ばした左腕の紫の瞳に吸収される。

 

 

そうして広い空間を飛行していく。

周囲には壊れ弾け飛んだ手術台の残骸であろうものやメスや注射器などの器具、薬品であろう液体が散乱しており、何かが暴れた後のような雰囲気を醸し出していた。

そんな空間の最奥には、目測6m程の巨大な扉があった。

 

 

「ゲージ1とライフ1を払い、装備!新生煉獄騎士団の剣 エクスピアソード!」

 

 

一夏

ライフ10→9

ゲージ3→2

手札7→6→7(贖罪の煉獄騎士団団長 オルコスソード・ドラゴンをサーチ)

 

 

その手にエクスピアソードを装備した一夏は加速しながら扉に接近する。

 

 

「ハァア!」

 

 

ガキィン!!

 

 

勢いを利用し扉を切り裂く。

すると扉には大きな切り傷が刻まれるが、まだ破壊はされていない。

 

 

「クラリッサ!チェルシー!」

 

 

「任せろ!」

 

 

「OK!」

 

 

一夏は壁を蹴り急下降をする。

その瞬間に、一夏が作った傷にクラリッサとチェルシーが全力で射撃を行う。

 

 

ドカァアアン!!

 

 

爆音と共に黒煙が発生する。

黒煙が晴れたその先には、無事に破壊された扉が存在した。

 

 

「このまま行くぞ!」

 

 

「「「おお!」」」

 

 

一夏を先頭としてそのまま部屋の中へと入っていく。

その部屋の中には様々なコンピューターが置いてあり、試験管やビーカーが散乱している。

だがその器具全てが破壊されており、戦闘後である事は容易に想像できた。

そんな室内で一夏達の視線を引き付けているのは部屋の物ではない。

 

 

装甲がボロボロになっているISを身に纏っているマドカ達だった。

 

 

「マドカ!シャル!」

 

 

「隊長!」

 

 

「お嬢様!」

 

 

「鈴ちゃん!」

 

 

一夏はマドカとシャルロットに、クラリッサはラウラに、チェルシーはセシリアに、楯無は鈴にそれぞれ近寄る。

 

 

「大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

 

「お、お兄ちゃん…に、逃げ……」

 

 

「マドカ!?マドカ!?」

 

 

「い、一夏…あ、あそこ……」

 

 

シャルロットがフラフラと指をある方向に向ける。

一夏達が一斉にその方向に視線を向けると、同時にその表情を怪訝そうなものに変える。

 

 

視線の先には、ダイバースーツのような服を着用し背中に機械を背負い一夏達に背を向け蹲っている1人の人物。

背中の機械からは1本のチューブが口元へと伸びており、異様な雰囲気を醸し出している。

 

 

ピクッ!

 

 

一夏達の視線を受けてか、その人物は身体を震わせると立ち上がり一夏達の方向に身体の向きを変える。

一夏と大体同じくらいの年齢の少年。

その顔に生気は無く、骨格が浮かび上がるくらいに痩せていた。

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

《馬鹿な、アイツは…!》

 

 

一夏達はその人物の顔を見た途端に驚きの声を発する。

何故なら、その人物は…

 

 

「し、深夜……?」

 

 

現在行方不明のはずの、橘深夜その人だったのだから。

驚きの声を発する一夏を無視して深夜は大きく息を吸う。

 

 

「がぁああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

咆哮と同時に深夜の身体を光が包み込む。

その光が晴れた時、その場所には異様な姿の兵器が存在していた。

 

 

元々のベースは以前まで深夜が使用していた専用機、マスター・コントローラーだと思われるIS。

だが、その全身には滅茶苦茶に銃火器が搭載されており、もはや通常の装甲が見えなくなっている。

銃火器に覆われたそのシルエットは、まるで竜のようであり、禍々しさを醸し出していた。

そして何より目を引くのは、頭部。

3本の機械の竜の頭部が、一夏達に視線を向けていた。

深夜の身体は竜の胸部から頭と肩だけが露出しており、もうもはや操縦者(深夜)がISを操縦しているのではなく、ISが動くために操縦者(深夜)を取り込んでいるかのようである。

 

 

「がぁあああああああ!!!!!!」

 

 

深夜の咆哮と共に竜の口にエネルギーがチャージされていく。

 

 

「っ!全員構えろ!戦闘開始!」

 

 

なんで此処に深夜がいるのか。

その兵器はなんだ。

何故自分達を攻撃しようとするのか。

マドカ達に攻撃したのはお前なのか。

聞きたい事は山のようにあるし、まだ混乱している。

だが、そんな思考を巡らせている時間は無い。

 

 

一夏はエクスピアソードを構え、そう叫ぶ。

クラリッサ、チェルシー、楯無も同じく武装を構える。

 

 

「今一度集え!解き放たれし、煉獄の騎士達!ダークルミナイズ、新生煉獄騎士団!」

 

 

「がぁああああああああああああああああ!!」

 

 

一夏と深夜が同時に声を発する。

そうして、亡国企業の基地にて。

世界で2人しかいない男性IS操縦者同士の戦闘が、開始された…

 

 

 




本編のキリは悪いですが実はしれっと1周年です。
このグダグダ小説をここまで読んでくださってありがとうございます!
投稿を始めた当初はまさか1年続くなんて思っていもいませんでした。
まぁまだまだ下手くそですが、下手くそなりにこれからも自分のペースで頑張って行こうと思いますので、これからもよろしくお願いします!
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