無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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大変お待たせしました。

今回、なんと古の蛇足設定が漸く活躍します!
最初で最後だと思われる輝き、とくとご覧ください!


一夏の為に動くとき

三人称side

 

 

京都での亡国企業襲撃作戦から約一週間後。

今日は待ちに待った修学旅行本番である。

朝の7:30という、何時もに比べたらかなり早めの時間帯なのにも関わらず、集まっている生徒達のテンションはとても高い。

 

 

そしてそれは、先週京都で壮絶な戦闘を繰り広げた専用機持ちも同じ事。

クラスでの整列が必要になるまで、専用機持ちで集まって雑談をしていた。

 

 

「こう、ついこの間いったばっかりなのに、なんかワクワクするわね」

 

 

「先週とは京都に行く目的も心構えも違いますから」

 

 

「そうそう、今回は何といっても修学旅行なんだから!楽しまないと!」

 

 

鈴、セシリア、シャルロットの順でそう発言する。

シャルロットの言葉に、他のメンバーも同意するように頷く。

 

 

「先週はやはりちゃんと観光出来る状況じゃ無かったからな。楽しみだ」

 

 

「うん…京都、日本人の心」

 

 

ラウラ、簪はワクワクが抑えられないようで、声が若干弾んでる。

だがそんな楽し気な雰囲気の中、何処かワクワクというより心配でソワソワしている人物が1人。

 

 

「…お兄ちゃん遅いなぁ……」

 

 

そう、マドカである。

マドカが呟いた通り、専用機持ちの中で唯一一夏だけがこの場に来ていなかったのである。

 

 

「そう言えば確かに…」

 

 

「一夏がこういう時に早めに集合していないのは珍しいな」

 

 

1学期の臨海学校や、それこそ先週など、全員で集まって行動する場合、一夏はかなり早めに集合場所にやって来る。

仮に少し遅くなったとしても、遅刻など考えられない。

マドカ達は一夏の姿を探す為あたりに視線を向ける。

周囲は生徒達が集まっているが、一夏は身長が高いし体格も良いのでIS学園の生徒の中にいても、結構目立つので発見しやすいのである。

しかし、その中にも一夏の姿は無かった。

 

 

「居ないわね…」

 

 

「うん、居ない…あ、そろそろクラスごとに並ばないと…」

 

 

簪の言葉で慌てて時刻を確認する。

確かにそろそろクラスごとに整列しなければならない時間になっていた。

周囲の生徒達はもう既に整列を開始していた。

専用機持ち達は急いでクラスごとに別れ、整列する。

 

 

そうして5分もしないうちに完璧に整列を終えた生徒達。

整列した事で、改めて一夏がこの場に居ない事を知る。

唯一の男子生徒という事で、否が応でもこういう場面では目立つ。

そんな状況下において一夏が居ないのだから、他の生徒達も一夏不在という状況に気が付いた。

ザワザワする中、1年生の教員達がやって来た。

 

 

「全員注目!!」

 

 

拡声器など使っていないのに、全員に聞こえる声でそう声を発した千冬に注目が集まる。

 

 

「これから出欠席を確認する!各クラスの担任、副担任は出欠席を確認後、私に伝えてくれ!」

 

 

千冬の指示に従い、教員達は自分のクラスの出欠席を確認する。

その報告を聞いた千冬は、数度頷く。

 

 

「良し、特に情報に差異は無いようだな」

 

 

一夏が居ないこの状況で、情報に差異が無いという事は、千冬は一夏不在の連絡を事前に受けていたという事。

そして、連絡を受けているのなら、不在の理由も聞いているだろう。

 

 

「あ、あの!織斑先生!!」

 

 

シャルロットが右手を精一杯伸ばし、千冬にアピールする。

当然と言えば当然だが、その瞬間にシャルロットにほぼ全員の視線が集中する。

その事に若干恥ずかしさを覚えながらも、千冬に質問する。

 

 

「一夏が居ないんですけど、織斑先生は何か知っているんですか!?」

 

 

「ああ、その事か」

 

 

その発言で、再び視線が千冬に集まる。

だが、先程までと違い何処か食いつくような視線に、流石の千冬でも少したじろぐ。

動揺を見せないために数度咳払いし、言葉を発する。

 

 

「先程連絡があったが、織斑兄は修学旅行欠席だ」

 

 

『…………』

 

 

千冬の言葉を聞いた生徒達は、少しの間衝撃を受けたような表情で固まった。

あまりの静止具合に教師達は心配になり、取り敢えず近くにいる生徒の誰かに声を掛けようと1歩踏み出た時、

 

 

『ええええええええええええええ!?!?』

 

 

生徒達が一斉に叫び声をあげた。

まさか修学旅行という、1年の中でも最大のイベントを欠席するとは思っていもいなかったからだ。

その声量に教員達は驚いたものの、気持ちは理解できるため、特に咎める事はしなかった。

 

 

「お姉ちゃ……じゃない、織斑先生!」

 

 

「どうした、織斑妹」

 

 

「お兄ちゃんの欠席の理由、聞いても良いですか!?」

 

 

「ああ、本人から説明の許可を貰ってる」

 

 

さっきの絶叫が嘘のように、千冬の言葉をしっかり聞くために一瞬にして黙る。

 

 

「今朝、本人から連絡があった。『39度2分の微熱があるので、大事を取って修学旅行は欠席させていただきます』とな」

 

 

「えーっと……39度2分は全然微熱じゃなくて高熱だと思うんですが……」

 

 

「ああ、私もそう思っている。だが、本人が『えっ、熱って40度超えてからじゃないんですか?』と真面目なトーンでふざけた事を言っていたから、本人からすると微熱なんだろう」

 

 

『えええぇぇ……』

 

 

熱を出した人なら全員分かるとは思うが、熱は38度を超えた時点で大分身体が言う事を聞かなくなる。

身体に力が入らなくなるし、咳は出るし、寒いし、だるい。

39度を超えると、それは更に酷くなる。

それなのにも関わらず39度2分を微熱だと真面目に言える一夏。

若干生徒達が引いてしまうのも無理はない。

 

 

「んんっ!それでは、これからモノレールで本土に行き、そこから京都に向かう!」

 

 

『はいっ!』

 

 

多少いざこざはあったものの、時間に余裕は無いのでせかせかと移動を開始する。

生徒の大半は、折角の修学旅行に一夏が参加出来ない事を残念だと思いつつも、ならばこそ精一杯楽しもうと気持ちを切り替えた。

だが、そんな中。

 

 

「お兄ちゃん……」

 

 

『……』

 

 

マドカを始めとした専用機持ちと、

 

 

(一夏…大丈夫だ、オルコスもいるし、最悪あの2人が看病してくれる……)

 

 

千冬だけは一夏への心配を切り替える事が出来なかった。

 

 


 

 

「あー、くっそ…最悪だ……」

 

 

同時刻。

教員寮、一夏の部屋。

 

 

頭に冷えピタを張り、ベッドに横になりながら天井を見上げている一夏はそう呟いた。

 

 

《マスター、お粥出来ました》

 

 

「ありがとう……」

 

 

《マスター!無理しちゃ駄目!》

 

 

《我らが身体を起こす。身体から力を抜け》

 

 

「あ、ああ…」

 

 

白式とオルコスが一夏の身体を起こす。

めまいがしているようで一夏は若干顔をしかめる。

 

 

《マスター!大丈夫!?》

 

 

「大丈夫大丈夫……」

 

 

白式が水が入ったコップを差し出し、一夏がそれを受け取る。

 

 

「んくっ、んくっ、んくっ……はぁ……」

 

 

《マスター、お粥食べられますか?》

 

 

「ああ、頂戴」

 

 

白騎士からお粥の入った茶碗とスプーンが乗ったお盆を受け取る。

 

 

《マスター、自分で食べられますか?》

 

 

「うん、大丈夫。悪いけど、水もう1杯お願いできる?」

 

 

《直ぐに持ってきますね》

 

 

空になったコップを白騎士が受け取り、水を注ぎにキッチンに行く。

それを見送りながら、一夏は両手を合わせる。

 

 

「いただきます…」

 

 

若干頭をふらつかせながらも、一夏はしっかりスプーンを握り、お粥を口に運ぶ。

 

 

「あ、美味しい……」

 

 

オルコスはSDでもそうじゃなくても、体系的にこの部屋での料理は出来ない。

その為必然的に、これを作ったのは白騎士か白式という事になる。

2人が実体化出来るようになってから半年も経っていないし、その間も一夏は料理している場面を見た事は無い。

 

 

それなのに、ここまでの品が出て来たのだ。

多少驚くのも無理はない。

 

 

《フフン!練習したんです!》

 

 

《はい、マスターが何時動けなくなっても良いように、陰ながら。あ、お水です》

 

 

「2人とも…ありがとう、助かったよ」

 

 

一夏は弱々しい笑顔を浮かべ、白騎士と白式にお礼を言う。

白騎士から水を受け取り、そのまま一口飲む。

 

 

「ふぅ…にしても、最悪だな。まさか、こんな日に、熱出すなんて……」

 

 

一夏は頭を若干ふらつかせながらそう呟く。

 

 

《仕方が無いだろう。一夏、お前の身体は……》

 

 

「それもそうなんだけど…多分、これ、普通に、風邪ひいた…ゴホッ!ゲホッ!はぁ、はぁ、はぁ……」

 

 

《マスター!》

 

 

「だいじょ…ゲホッ!」

 

 

《マスター、薬を飲む前には胃に食べ物をしっかり入れておいた方が良いです。無理しない範囲でお粥を食べてください》

 

 

「ああ、折角作ってくれたんだ。出来るだけ食べ…ゴホッ!ゲホッ!」

 

 

咳き込みながらも、お粥を食べ進める一夏。

風邪薬を飲むためというのもあるが、折角の手料理を残すのは一夏のプライドが許さない。

 

 

《して一夏。普通に風邪ひいたとは?》

 

 

「ああ…前に、47度出した時は、アレだったけど、今回は、普通に、寝冷えかなんかした…」

 

 

《一夏、自分の身体をもっと大事にしろ》

 

 

「分かってるさ…ゲホッ!」

 

 

そのまま何度も咳をしながらも、お粥を完食した一夏。

 

 

「ご馳走、様でした」

 

 

《お粗末様でした!》

 

 

《マスター、風邪薬です。飲んでください》

 

 

「ああ、ありがとう…」

 

 

白騎士から市販されている風邪薬を受け取り、そのまま服用する。

 

 

「ふぅ…」

 

 

《一夏、寝ろ。普通の風邪なら寝るのが1番だ》

 

 

「それは、そう、なんだけどさ……最近、無駄にあ、る体力のせい、で寝れるか如何か…ゲホッ!ゴホッ!」

 

 

《心配ないよマスター、この風邪薬、眠くなる成分が入ってるから》

 

 

「それなら安心か…取り敢えず横になる…」

 

 

《はい、寝れなくても横になっているだけで身体は休まりますから。おやすみなさい》

 

 

一夏は再び横になり、布団をしっかりと被る。

一夏が横になったのを確認したオルコス達は、食器の後片付け等の家事を行う。

とはいっても、昨日まで一夏は元気だったので部屋は綺麗だし、特にこれといってしてあげられる事は無い。

 

 

1時間も掛からずに出来る家事という家事を全て終わらせてしまった3人。

 

 

《マスター、寝ましたね》

 

 

《ああ、20分ほど前からな》

 

 

《何だかんだ言って、やっぱり疲労が溜まってたんだね》

 

 

3人で一夏の寝顔を見下ろす。

さっきまで咳き込んで苦しそうな表情を浮かべていたが、今は穏やかな表情でスヤスヤと眠っている。

白騎士は一夏の額に手を当てる。

 

 

《熱い…もしかしたら、朝より体温上がってるかもしれませんね…》

 

 

《そんなにか?》

 

 

《ほんとだ!熱い!》

 

 

寝ている一夏の体温がさっきまでより上がっていると感じた3人。

 

 

《熱測りますか?》

 

 

《いや、この部屋にある体温計は脇に挟むタイプしかない。寝ている一夏を無理に動かすのは憚られる》

 

 

《確かに。じゃあこのままマスターを見守るしかないね》

 

 

白式がそう言い終わったとき、唐突にバディワールドへのゲートが開いた。

3人が同時にゲートに視線を向けると、ゲートの向こうから声が聞こえてくる。

 

 

《団長、少々宜しいですか?》

 

 

《今は大丈夫だ。どうした、シルバースタッフ》

 

 

声の主、シルバースタッフの言葉にオルコスがそう返す。

オルコスの返答を聞いたシルバースタッフは話始める。

 

 

《ヒーローWより、メンジョ―はかせとJ・ジェネシスより連絡がありました。『白騎士と白式の強化パーツを造った。テストがしたいからオルコスも一緒にこっちに来て欲しい』以上です》

 

 

白騎士と白式の強化。

それ自体はとても嬉しいしありがたい。

2人も、一夏の役に立てるなら喜んでヒーローWに行くだろう。

だが、あまりにもタイミングが悪すぎる。

 

 

一夏が風邪をひき、熱を出して寝込んでいるこの状況。

流石に一夏の元を離れることは出来ない。

 

 

《今、一夏が発熱をして寝込んでいる。とてもヒーローWに行く余裕はない》

 

 

《一夏が熱!?大丈夫なのですか?》

 

 

《容態は一応安定しているが、悪化する可能性がある。一夏のそばから誰もいなくなるのは危険だ》

 

 

《ならば仕方無いですね。私から連絡を…》

 

 

ピーンポーン

 

 

シルバースタッフの言葉を遮るように、部屋のチャイムが鳴った。

オルコスが取り込み中なので、白騎士が玄関に向かって行く。

 

 

《待て。丁度今、来たかもしれない》

 

 

《何がですか?》

 

 

《我が相棒の恋人が》

 

 

玄関に着いた白騎士はそのまま玄関の扉を開ける。

そこにいたのは、オルコスの予想通りの人物だった。

 

 

《ようこそ、クラリッサ様、チェルシー様。理由は察しています。どうぞ》

 

 

「ああ、失礼する」

 

 

「わざわざありがとう」

 

 

白騎士に連れられ、とてもソワソワしていて、その手にいろいろな看病の為の用具が入ってビニール袋を持ったクラリッサとチェルシーが部屋に入って来る。

2人がソワソワしているのも仕方が無いだろう。

大切な恋人が、発熱して倒れたのだ。

心配しない訳が無い。

しかも、先週には頭から思いっ切り地面に落下したり、その前にもいろいろ体調崩すどころか体調ぶっ壊していたのだ。

余計に心配は加速する。

 

 

「「一夏っ!」」

 

 

ベッドに横になって寝ている一夏を見るた瞬間、起こしてはいけないと分かっていても、思わずそう声を発してしまった。

慌てて口元を塞ぎ、一夏の反応を伺う。

 

 

「んぅ、うぅぅ…」

 

 

穏やかな表情を浮かべながら寝返りを打つ一夏を見て、2人は取り敢えず安心したような表情を浮かべる。

 

 

《来たか、2人とも》

 

 

「ああ。オルコスソード、一夏の容態は?」

 

 

《さっきの体温が39度2分だった。今はお粥を食べ、風邪薬を飲んで寝ている状態だ》

 

 

「と、言う事は、まだ大事に至っている訳では無いと」

 

 

《ああ》

 

 

オルコスの返答を聞いた2人は、安心したような息を吐いた。

 

 

《だが、コイツは39度2分を微熱だと本気で思ってる》

 

 

「「えっ…?」」

 

 

オルコスの言葉に、2人は思わず固まった。

39度2分は微熱ではないのでそんな反応になるのも仕方が無い。

だが、オルコスの至って真面目な表情で、それが本当だという事を察した。

 

 

「流石一夏というかなんというか…」

 

 

「何時もはしっかりしてるのに、こういうところは偶に抜けてるのよね…」

 

 

「まぁ」

 

 

「「そういうところも好き」」

 

 

《…そうか》

 

 

急に真顔で言い出した2人を見て、オルコスが半眼でそんな反応をする。

本人達が幸せなら自分から特に言わない。

相棒の幸せを側で見守るのも、自分の役目である。

 

 

《ところで、だ》

 

 

オルコスはそう切り出し、自分達がヒーローWに呼ばれている事を説明した。

 

 

《だから、すまないが我々は抜ける。あとは任せて良いか?》

 

 

「任せて。恋人の看病も出来なかったら、メイドとして失格ですので」

 

 

「ああ、私もシュヴァルツェ・ハーゼの副隊長だ。看病は出来る」

 

 

《そうか。なら安心だな》

 

 

《では団長、そういう事で良いですか?》

 

 

《ああ。すまないが、そう伝えておいてくれ》

 

 

《御意》

 

 

シルバースタッフはメンジョ―はかせ達にその旨を伝える為にゲートを閉じる。

そのやり取りを見て、クラリッサとチェルシーは初めてゲートが開いていた事に気が付いた。

スッと視線を逸らす。

そんな反応をした2人にオルコスが半眼を向けるも、特に意味の無い行為だと判断しすぐにやめた。

 

 

《では、こんな時にすまないが、後は任せた》

 

 

《マスターの事、どうかよろしくお願いします》

 

 

《家事とかは全部終わらせてるので、心配ないです!》

 

 

オルコス、白騎士、白式の順でそういい、オルコスがゲートを開く。

 

 

「後は任せてください」

 

 

「ああ、しっかりと看病をする」

 

 

チェルシーとクラリッサの返答を聞き、3人は微笑を浮かべるとゲートを潜り、バディワールドへと向かった。

そうして一夏の部屋に残った2人。

白式の言う通り家事はほぼ終わってしまっているので、2人は今特にする事は無い。

その為、ベッドの側に行き一夏の寝顔を眺める事にした。

 

 

「ん、んんぅ…」

 

 

寝言なのか何なのか良く分からない事を言いながら、穏やかな表情で寝返りを打つ一夏。

最近は諸々の事情で一緒に寝れず、寝れたとしても一夏は自分達より早く起きる為あまり見る事が無い一夏の寝顔。

 

 

「「かわいい……」」

 

 

2人はニヤニヤしながら一夏の事をジッと見る。

暫くの間そうしていたが、ふと時計を見たクラリッサが声を発する。

 

 

「もうこんな時間か。そろそろお昼だな」

 

 

その言葉を聞き、チェルシーも時計を確認する。

11:50。

確かにもうお昼の時間だった。

 

 

「今の一夏、何が食べられるかしら?」

 

 

「朝はお粥という話だったが…分からないな。起きるのを待った方が良いかもしれないな」

 

 

「そうかもね。じゃあ、取り敢えず私達は持ってきたパンでも……」

 

 

チェルシーがそう言いながら、持ってきたビニール袋から自分達の昼食用のパンを取り出す。

クラリッサの分を手渡し、同時に袋を開ける。

 

 

「「いただきます」」

 

 

そうして口を開けた、その瞬間。

 

 

「ん、んんぅ…あ、あああ……?」

 

 

眠そうに目を擦りながら、一夏がむくりと上体を起こした。

 

 

「一夏、起きたか」

 

 

「んぁ…あれ、クラリッサ?チェルシー?何で此処に……?オルコス達は……?」

 

 

寝起き一番で、一夏が発したのは疑問の言葉だった。

寝るときは居なかった筈の人物が起きたら目の前に居たら、誰だってそんな反応になるだろう。

 

 

「一夏のお見舞いに決まってるでしょ?恋人が熱出してるのに、看病に来ない訳が無いわ」

 

 

「オルコスソード達は向こうの世界だ。如何やら呼ばれたらしい」

 

 

「そっか。ありが…ゲホッ!ゴホッ!」

 

 

「一夏!無理はするな!」

 

 

「大丈夫…ちょっと、咳き込んだだけだから…ゴホッ!」

 

 

口元を押さえながら席をする一夏に、チェルシーが体温計とタオルを差し出す。

 

 

「一夏、取り敢えず汗を拭いて熱測って」

 

 

「うん、分かった…」

 

 

大人しくタオルと体温計を受け取った一夏。

そのまま寝汗でびっちょびちょな服を脱ぐ。

熱が出ている為火照ったような表情と、汗に濡れた一夏の身体。

それを見た2人は、思わず赤面し顔を逸らしてしまう。

 

 

何時もだったらそんな反応を可愛がるところだが、生憎今の一夏にそんな余裕はない。

体温計を枕元に置き、若干手を震えさせながら身体を拭いていく。

そんな様子を見て、慌てて2人が身体を拭くのを変わろうと言う。

 

 

「いや、良いよ…自分ででき、ゴホッ!ゲホッ!ゴホッ!!」

 

 

「良いから。自分の身体を大事にしてくれ」

 

 

「こういう時くらい、私達の事を頼って?」

 

 

「ゲホッ!……ああ、お願い」

 

 

2人の真剣な表情を見た一夏は、大人しくタオルを渡す。

クラリッサとチェルシーは手分けして一夏の身体を拭いていく。

高校生ながら、バディワールドでの生活で鍛えられ、引き締まった肉体。

それに触れた2人は再び顔を赤くする。

 

 

「かわいい……」

 

 

さっきは反応する余裕が無かったが、流石にこんな至近距離で、しかも身体拭かれているだけだったら多少の余裕はある。

一夏に言われ恥ずかしくなり、更に顔を赤くしながらも身体を拭いていくクラリッサとチェルシー。

身体を拭き終わり、洗ってある服を一夏に着せる。

 

 

「はい、体温計」

 

 

「ありがとう…」

 

 

クラリッサが枕元の体温計を手渡し、そのまま体温を測る。

 

 

ピピピ、ピピピ、ピピピ

 

 

「38度9分…」

 

 

ほぼほぼ変わっていない体温。

それを見た一夏は疲れたようなため息を吐く。

 

 

「一夏、もうお昼なんだけど、何が食べられる?お粥?リンゴ?」

 

 

「あー……お粥、お願いして良い?」

 

 

「任せろ」

 

 

クラリッサとチェルシーは自分のパンを食べるのを忘れ、直ぐにお粥を調理する。

 

 

「はい、どうぞ」

 

 

「いただきます」

 

 

「自分で食べられるか?」

 

 

「大丈夫大丈夫、朝は自分で食べたし…」

 

 

多少頭をふらつかせながらも、順調に食べ進める一夏。

無事完食し、両手を合わせる。

 

 

「ご馳走様でした」

 

 

「お粗末様でした。一夏、調子はどう?」

 

 

「まだあんまり良くない…薬飲んで、寝る事にするよ」

 

 

「ほら、水だ」

 

 

「ありがと…」

 

 

クラリッサから水を受け取り、風邪薬を服用する。

 

 

「ふぅ…修学旅行、行きたかったなぁ……」

 

 

水の入ったコップを机の上に置き、遠い目をしながらそう呟く一夏。

そんな一夏に何て声を掛けたら良いのか分からず、クラリッサとチェルシーは何とも言えない表情を浮かべる。

2人の表情を見て、一夏は弱々しい笑顔を浮かべる。

 

 

「まぁ、恋人の看病を受けれるなら、それも良いかな?」

 

 

2人の事を見ながら、ウインクする一夏。

顔がほんのり赤いのは、熱があるからか、それとも恥ずかしいからか。

 

 

「おやすみ、クラリッサ、チェルシー」

 

 

「ああ、おやすみ、一夏」

 

 

「いい夢見てね」

 

 

逃げるように横になり、瞼を閉じる一夏。

やはりまだ熱があるからか、そう時間も掛からず一夏は夢の世界へと旅立った。

スヤスヤと眠る一夏。

クラリッサとチェルシーはまだほんのり頬を赤く染めながら、互いに顔を合わせる。

そうして頷き合うと、一夏の両頬に口づけをする。

 

 

「一夏、ゆっくり休んでくれ」

 

 

「私達は、一夏の側にいるからな」

 

 

2人は一夏の手をしっかりと握る。

こうして時間は過ぎてゆく……

 

 


 

 

京都。

修学旅行2日目の夜、就寝時間前。

修学旅行は2泊3日なので、修学旅行最後の夜という事である。

 

 

IS学園生が宿泊している旅館。

その共通スペースの一角に、1年生専用機持ち全員の姿があった。

全員もう部屋に行けば寝られる状態ではあるが、真剣な表情を浮かべており、その表情にあった雰囲気で話し合っている。

 

 

「……修学旅行、楽しかった」

 

 

「楽しかった。それは間違いない」

 

 

「でも、だけど……」

 

 

「……やっぱり、お兄ちゃんがいないから、罪悪感と物足りなさがある」

 

 

『うんうん』

 

 

マドカの言葉に、全員が頷く。

そう、わざわざこんな時間に集まって話している事は、一夏に関する事だ。

 

 

出発の時は気持ちを切り替える事が出来なかったが、そこは青春ど真ん中の女子高生。

京都に来てしまえば、気持ちを切り替え全力で楽しんだ。

だが、もう直ぐで修学旅行が終わりだと思うと、改めて一夏について考えてしまう。

 

 

「一夏の為に何かしてあげたいけど…」

 

 

「私たちだけでは限界がありますわ」

 

 

「せめて人数が居れば、何か出来るような気はするけど…」

 

 

「その人数をどうするかなのよね…」

 

 

鈴のその言葉に、全員が考え込む。

全員、一夏のために何かをしてあげたいと思っている。

だが、セシリアの言う通り自分達だけでは限界がある。

だからといって、大人数を簡単に用意する手段など……

 

 

「あっ!あるじゃん!人集められる方法!!」

 

 

唐突にシャルロットが何かを思い出したかのように表情を明るいものにし、両手をパンと合わせた。

 

 

「そんなもの、ありましたっけ?」

 

 

「みんな忘れてない?僕達、部活とかそう言うのとは違う、ある組織のメンバーじゃん。まぁ、今は事実上空中解散してるけどさ」

 

 

『あっ!!』

 

 

その言葉に、シャルロット以外も思い出した。

かなりの人数がいるにも関わらず、結成されてから特に何の活動もしなかった、事実上の死に組織。

だが、一応連絡手段は確保されている為、色んな人に声を掛ける事は可能。

そして、この手段で連絡できるという事は、協力を得られる可能性は高い。

 

 

専用機持ち達はそこから時間ギリギリまで話し合いを重ね、計画を練った。

そして修学旅行終了後、1年生全員に声を掛け、どうしても参加出来ない生徒を除き、ほぼ全員の賛同を得る事に成功した。

教師の許可ももぎ取り、これで後は自分達で準備をしていくだけ。

一夏に気付かれないように準備を進め、計画実行の時を待つのだった……

 

 


 

 

「なぁ、オルコス」

 

 

《何だ一夏》

 

 

「これ、なんだと思う?」

 

 

《我に聞くな》

 

 

修学旅行の日程3日間思いっ切り寝込んだ一夏。

その甲斐あって修学旅行が終わったときには無事完治しており、週明けには何も問題なく登校出来た。

 

 

そんな修学旅行から1週間とちょっとが経ったある日の放課後。

一夏とオルコスは屋上で時間を潰していた。

そんな一夏の手元には、封筒と1枚の手紙。

これは、朝登校した時にはもう既に一夏の机の上に、手紙が封筒に入った状態で置いてあったものだ。

 

 

封筒にも手紙にも差出人の名前は書かれていない。

そして手紙には

 

『19:00に、食堂に来て下さい。それまでは、絶対に来ないで下さい』

 

とだけ書かれていた。

 

 

正直従う理由は無いが、同じく従わない理由も無い。

しばしの検討の結果、一夏は食堂に行く事にした。

屋上にいる理由は、此処からでは如何あがいても食堂の様子が分からないからである。

 

 

「みんなこれが何か絶対知ってる反応してたよな?」

 

 

《ああ。差出人は誰なのか、そして食堂で何があるのか。確実に知っている》

 

 

「情報アドバンテージ向こうにあるのきちぃー。何があるんだろう?」

 

 

手紙に気が付いたとき、当然ながら一夏はクラスメイト達に手紙に関する質問をした。

だが、全員が全員同じ様な反応ではぐらかすので、その時点で一夏はクラス全員の企みだと察した。

自分以外の全員が知っていて、何かを企んでいるという状況で、楽観視等出来ない。

例えその相手がクラスメイト達だったとしてもだ。

 

 

「どうしよう、食堂行ったら『死ねぇ!』とか襲われたら。あの人数だし、友達だしな…結構面倒くさい」

 

 

《何故そんな発想になる。そして、その状態でも面倒くさいで終わるのか》

 

 

「いや、まぁ、思い付いちゃったもんは仕方が無いじゃん。あと、相手が生身だったら如何にでもなる」

 

 

《生身じゃ無かったら?》

 

 

「流石にしんどいな……」

 

 

少々物騒な会話をしながら2人は暇を潰す。

まだ時刻は16:50。

指定の時間まで、まだまだタップリと暇を潰さないといけない。

 

 

クラリッサとチェルシーは仕事があるのでそう簡単に連絡できない。

そして、白式と白騎士はダークネスドラゴンWにて修行中だ。

メンジョ―はかせとジェネシスが造った2人の強化パーツ。

まだ試作品というのもあって上手く調整が出来なかった。

はかせとジェネシスはこっち側に問題があるから気にしないで、とは言ったものの、そこは真面目な白式と白騎士。

自分達も出来るだけの事はしておこうと、修行を始めたのだ。

 

 

無論、一夏が呼べば直ぐに駆けつけてくれるのだが、頑張っている2人の邪魔をしたくは無いので、究極の事態でない限り呼ぶ事は無い。

 

 

一夏とオルコスは雑談をしたりしながら時間を潰すが、流石にだんだんと話題も無くなり暇になって来る。

 

 

「俺のターン!ドロー!チャージ、アンド、ドロー!!」

 

 

となれば、バディファイトをするしかない。

一夏が使用しているのは《コスモドラグーン》デッキ。

デッキの1番上を公開し、それが《コスモドラグーン》なら固有の効果を発動できるという変わった能力を持つ、スタードラゴンWのデッキ。

オルコスが使用しているのは《七瀬》デッキ。

自分のソウルを抜き、相手のゲージを破壊する《白竜仙人 七瀬》を中心としたカタナWのデッキ。

 

 

「ライトにコール、『RA07:ハインライン』!コール時効果、“ルナ・ゲート”!デッキの1番上を公開し、《コスモドラグーン》なら手札に加え、更におまけに1ドローできる!」

 

 

《さぁ、デッキを捲れ!》

 

 

「オープン!公開するのは、『DGS(ドラグーンスキル) スターダスト・マニューバ!』《コスモドラグーン》なので手札に加え、1ドロー!!」

 

 

《ちっ》

 

 

「キャスト、『スペース・エージェント』!デッキの上から3枚をゲージに置き、その後デッキの上1枚を確認!それをデッキの上か下に置く!ぐっ…下だ」

 

 

《ここで外れを引くか》

 

 

「なんでコスモドラグーンの魔法《コスモドラグーン》持ってねぇんだよ!」

 

 

《設計ミスじゃないか?》

 

 

「まぁ良い!アタックフェイズ!」

 

 

一夏とオルコスのファイトは白熱していく。

当然1回のファイトだけでは時間を潰すことは出来ず、連戦する。

ずっと同じデッキだと飽きるので、デッキを変更しながらファイトを続ける。

 

 

「なんか、屋上でバディファイトやってると、話に聞く相棒学園みたいだな」

 

 

《話に聞く、な》

 

 

「光君元気かなぁ」

 

 

《誰だ?》

 

 

「ん、ああ、オルコスは会ったこと無かったっけ。相棒学園の中等部3年生の子。俺の知り合い」

 

 

《……ああ、夏休みにファイトした》

 

 

「そうそう」

 

 

そんなこんなで時間は過ぎ、途中で時間になり屋上から移動したり等しながら時間を潰したお陰で、漸く時間になった。

一夏はオルコスと共に食堂に向かう。

さっきなんとなくで物騒な話題をしてしまった為、一応直ぐに交戦できるようにしている。

 

 

「なんか変に緊張してきたな」

 

 

《まぁ、気持ちは分からんでもない》

 

 

次の角を曲がれば食堂はすぐそこ。

緊張を感じながらも、足踏みすることなくそのまま角を曲がり……

 

 

「《ん?》」

 

 

一夏とオルコスは同時にそんな疑問の声を発した。

だが、それも仕方があるまい。

 

 

ワイワイガヤガヤ

 

 

そんな擬音がピッタリ当てはまるくらいに、食堂内は盛り上がっていた。

机の上には沢山の料理が並べられており、食堂内には1年生がほぼ全員が集まっていた。

もう既に食事は始まっているのか、全員が食べながらの談笑を楽しんでいた。

 

 

「なんかの記念パーティー?」

 

 

《そんな大人の欲望渦巻く雰囲気ではないがな》

 

 

一夏とオルコスは状況が飲み込めず、そんな呆けた内容の言葉を発する。

そんな呟きで、2人が来た事に数人が気が付いた。

 

 

「織斑君来たよー!!」

 

 

「来たぞー!!」

 

 

1人の大声に、一夏が便乗し声を発する。

すると、食堂の奥の方から専用機持ちが一夏とオルコスの元にやって来た。

 

 

「お兄ちゃん!ようこそ!」

 

 

「マドカ……これはいったいどういう事だ?」

 

 

一夏に1番最初に声を掛けたマドカに、取り敢えずこれがどういう状況なのか聞くことにした。

マドカは自信満々に胸を張ると、同じく自信満々に説明を開始する。

 

 

「今日はなんと、修学旅行後夜祭!!」

 

 

「はぁ?」

 

 

修学旅行という言葉と、後夜祭という言葉の意味は理解している。

だが、それを繋げた単語の意味は理解できない。

珍しく間抜けな表情を浮かべながら疑問の声を発した一夏に、専用機持ち達が説明を開始する。

 

 

「一夏、アンタは修学旅行来れなかったじゃない?」

 

 

「ああ」

 

 

「だから、今日は全力で楽しもうの会を一夏の為に開催する」

 

 

「うん……う~ん?」

 

 

一夏は若干首を捻る。

言っている事は理解できる。

だが、わざわざやる理由が分からない。

そもそも修学旅行に行けなかったのは自分が体調管理を怠ったのが原因なのだから、わざわざフォローされる事でもないと考えている。

 

 

「なんでわざわざ……」

 

 

一夏は思わずそう声を漏らしてしまう。

 

 

「そりゃあ勿論、お兄ちゃんに楽しんで貰いたいから!それだけだよ!!」

 

 

そんな一夏にマドカが笑顔でそう声を掛ける。

それに続けるように、シャルロットも同じく笑顔で一夏に語り掛ける。

 

 

「ねぇ一夏。いっぱい人が集まってるじゃん」

 

 

「そうだな。これ、もしかしなくても1年生全員か?」

 

 

「うん。本当に都合がつかない子以外は全員いるよ。それでね一夏、こんな人数、どうやって声を掛けて、なんでみんな集まってくれたと思う?」

 

 

「え……体調管理を怠った馬鹿を蔑みながら盛り上がるため?」

 

 

《おい》

 

 

「冗談だよ……分かんないな」

 

 

オルコスのツッコミに流れるように返しながら思考を巡らせるも、一夏には理由を思い付く事が出来なかった。

そんな反応に専用機持ち達は苦笑を浮かべるも、シャルロットは優しく説明を開始する。

 

 

「僕達が忘れかけてたから、一夏は忘れてるかもしれないけど、僕達はとある組織のメンバーなんだよ」

 

 

「組織のメンバー…?」

 

 

「うん、織斑一夏ファンクラブなんだけどさ」

 

 

「…………ああ!あったなそんな非公認組織!!」

 

 

存在を思い出すのに10秒以上かかるほどに印象が薄すぎた組織、一夏のファンクラブ。

結成してから特にこれといった活動をせず、一夏がその存在を知ったのも体育大会の時だ。

印象に残らないのも無理はない。

 

 

「それでね、連絡できたのはファンクラブがあったから。そして、みんな集まったのは、一夏の事が好きだからだよ」

 

 

あ、likeの方でね。

と付け加えながら笑顔でシャルロットは言う。

その言葉を聞き、一夏はバッと周囲を確認する。

専用機持ち達を始めとして、さっきまでワイワイ騒いでいた1年生全員が一夏に対して優しい笑顔を浮かべていた。

それを見た一夏は右手で顔を覆い、笑い始める。

 

 

「フフフ…アハハハハ!!楽しんで貰う会にしては、人数が多すぎる気もするが……」

 

 

「あ、あはは……」

 

 

一夏の指摘に数人が苦笑いを浮かべる。

だが、一夏はそんなもの気にならないように右手を顔から離す。

そして、ニコッと良い笑顔を浮かべる。

 

 

「ありがとう。さぁ、時間は有限だぜ?」

 

 

『おおおおおおお!!』

 

 

そうして、一夏も混じって1年生は時間ギリギリまで全力で楽しんだ。

修学旅行とは全く違う雰囲気だが、まぎれもなくこの時間も思い出にしっかりと書き込まれただろう。

 

 

ワイワイガヤガヤ

 

 

再びそんな擬音がピッタリになるほど盛り上がり始めた食堂内。

その中心となった自身の相棒を、オルコスは端の方から眺めていた。

中々いい笑顔を浮かべながら会話を浮かべる一夏。

 

 

(《取り敢えず、今は安定しているようだが……》)

 

 

オルコスは内心ひやひやしていた。

発熱してからの一週間、一夏は特に症状が出たりしなかった。

だからこそ、オルコスは心配しているのだ。

次何時症状が出るのか分からないからだ。

 

 

(《……一夏、無理はするなよ》)

 

 

無理をしがちな相棒へ、心の中で心配の声を送る。

 

 

こうして時間は過ぎていくのだった。

 




現時点での一夏の使用デッキレシピ

デッキ名:新生煉獄騎士団
フラッグ:ダークネスドラゴンW
バディ:贖罪の煉獄騎士団団長 オルコスソード・ドラゴン

モンスター 27枚
贖罪の煉獄騎士団団長 オルコスソード・ドラゴンx4
煉獄騎士団の解放者 オルコスソード・ドラゴンx4
新生煉獄騎士団 ホワイトタイプ・ドラゴンx4
新生煉獄騎士団 ホワイトナイト・ドラゴンx4
新生煉獄騎士団 ホーリーグレイブ・ドラゴンx2
新生煉獄騎士団 ニードルクロー・ドラゴンx2
煉獄騎士団 グラッジアロー・ドラゴンx2
煉獄騎士団 シーフタン・ドラゴンx2
C・ダリルベルクx3

魔法 19枚
誇りを剣に、刃は不滅x3
煉獄騎士よ、永遠なれx3
我らが行くは血濡れの魔道x3
煉獄魔導 血盟陣x3
悪の凶宴x3
死地への誘いx2
煉獄唱歌 “呪われし永遠なる戦の調べ”x2

アイテム 3枚
新生煉獄騎士団の剣 エクスピアソードx2
ドラゴンフォース “煉獄の型”x1

必殺技 1枚
ジェノサイド・パニッシャー!!x1

ドラゴンフォース入手後からの使用デッキ。
オリカを使用しているので現実で再現不可能。


次回から章が変わります。

次回も何時になるか分かりませんが、楽しみにしておいてください!

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