作者は日本語以外の言語能力が著しく低いのでHPのチェックしたりをしていませんが、嬉しい限りです。
インフレが早すぎたんだよぉ!
もうこの際過去のカード使えなくて良いから日本でも再開してくれ~~!!
ブシロードさ~ん!!
三人称side
「う、く、あ…朝、か……?」
時刻は朝の7:30。
教員寮の自室のベッドの上で、一夏は目を覚ました。
状態を起こし、時刻を確認してから身体を軽く伸ばし、一気に力を抜く。
フラフラと覚束ない足取りで、洗面所に向かい軽く身だしなみを整える。
その際、鏡で見た自分の顔に生気が無く、一夏はついつい苦笑を浮かべた。
身だしなみを整え終えたとは、完全栄養食のパンとコップと水を取り出し、水を一口飲んでからもぐもぐと食べ始める。
「…こんなに、不味かったっけ……」
一夏はボソッとそう呟くと、何も考えないようにしながらただただパンを口に入れ、水で流し込むという行為を繰り返す。
数回繰り返し、パンを完食。
「ご馳走様……」
一夏は気だるげにそう言い、ゴミを捨ててから窓に近付き、空を見上げる。
「今頃、みんな戦ってるんだろうな……」
そう呟く一夏の表情は、とても悔しそうだった。
みんなが必死に戦っている中、自分だけ地上に居るというのが許せないんだろう。
「まぁ、俺には俺で万が一の時の戦闘員という役目があるんだ。大事な事だ」
《その状態で戦闘だなんてさせる訳無いだろうが》
一夏の呟きに、背後でカードからSDになったオルコスがそう返答する。
「そんな状態って、どんな状態だよ」
《その、あからさまに体調が悪い状態だ。昨日、帰って来たばっかりは流石に疲労だと思ったが、しっかり寝ても全然改善して無いじゃないか》
「……」
オルコスのその指摘に、一夏は黙る事しか出来なかった。
昨日、イギリスでギガハウリング・クラッシャーを宇宙に打ち上げ、そのままオルコットの屋敷で荷物を回収し、軽く挨拶をして出発し、IS学園に帰って来た。
真耶やスコール達が出迎えてくれたのだが、あまりの疲労具合に挨拶もそこそこに、白式と白騎士に支えられながら自分の部屋へと戻り、そのままベッドに直行。
1分かからず寝てしまったのだ。
着替えもしなかったし、身体も洗わなかったし、なんなら何も飲んでないし食べてない。
寝ている隙にオルコス達が服を脱がせ、身体を拭いて着替えさせたり、身体を起こして水を飲ませたりしたのだが、一夏は一度も起きなかった。
そして今。
意識を覚醒させたは良いものの、まだフラフラで万全な状態とはとても言えない。
それに、何時もの一夏に比べ明らかに覇気がない。
何時もの一夏は朝トレーニングをしているし、出来るだけの時間の余裕が無くても朝からハキハキと喋ったり行動したりしていた。
普段通りで体調万全だったらオルコスも何も言わないのだが、こんな状況では戦闘許可は出せない。
「だが、ナターシャとイーリスの2人がまたアフリカに向かって、千冬姉達が居ない今専用機持ちは社長とオータムさんと俺だけだ。戦わない訳には……」
《それでもだ。その状態で戦闘をするとかえって足手纏いに……》
《何でマスターたちは戦闘が起こる前提で話してるのかな?》
《こんなピンポイントで戦闘が起こる事なんてあまりないと思いますが……》
このまま話し合っても平行線になる事を理解したので、白式と白騎士がそうツッコミを入れる。
「いやいや、こういう話し合いでは戦闘しない場合の想定は必要ないんだ。戦闘が起こらなかったら『考えすぎでした、良かった良かった』で終わりだからな」
《まぁ、そうなってくれるのが1番だが。2番はお前が戦闘に出ない事だ》
「だから、そういう訳にはいかないんだって!」
またその言い合いを始めた一夏とオルコスに、白式と白騎士は同時にため息をつく。
《マスター、そろそろ登校時間では?》
「えっ?……ヤバい!!」
白騎士の指摘に、一夏は時計を確認し、慌てて準備を開始する。
昨日疲れ果てていたので授業の準備も、朝ご飯を食べてそのままだったので制服への着替えも、何も終わっていない。
IS学園に入学してどころか、小中を含めた学生生活で初めて登校時間ギリギリに準備をするという経験をした。
超速で準備を終わらせ、そのままの勢いで部屋を飛び出た一夏。
施錠などはオルコスに任せる事が出来るが、足元がおぼつかず何時もの速度で移動が出来ない。
結果として、朝のSHR30秒前という本当にギリギリの時間に滑り込むことには成功した。
クラスメイト達は、珍しい事態に驚き半分、エクスカリバーなどの詳しい情報は知らされていないが、一夏達が海外に向かったという事だけは知らされていたので納得半分といった感じだ。
実技担当の千冬が居ないので、幸いな事にIS実技の授業は無い。
一夏は体調が優れない事をクラスメイトや教員にバレないまま午前中を乗り越える事に成功した。
そうして昼休み。
一夏は食堂で昼食を食べていた。
昨日も今日の朝も弁当の準備をしている余裕など無かったので、必然的に此処で昼食を食べる事になるのだ。
まぁ、ここまでだったら特に違和感はない。
一夏は食堂を利用する回数こそ少ないものの、数度は利用したことがあるし何よりIS学園の生徒である為、食堂を利用していて何も問題は無い。
のだが。
違和感があるのはここからで。
「……なんでいるんですか、社長、オータムさん」
一夏は昼食に選んだサラダを1口食べ、箸を置いてから目の前に座っているスコールとオータムにジト目を向けながらそう言葉を零す。
そう、目の前には専用機持ちではあるものの、IS学園の生徒では無い2人が、普通に生徒食堂で食事をしているのだ。
しかも、オータムに至っては以前から着用している警備員の制服だ。
ただでさえ生徒以外が此処で食事しているというだけでも違和感なのに、その警備員の制服のせいでその違和感が加速している。
事実、3人は食堂中の視線を集めていた。
まぁ、一夏は普段から否が応でも視線を集めているし、オータムとスコールは過去の経験から(さらにスコールは社長業もあるので)視線には慣れているので、特に問題は無いのだが。
「別に良いじゃない、私達が何処でお昼ご飯食べても」
「そうだそうだー」
「オータムさんってそんな適当な返事する人でしたっけ」
「昼飯の時ぐらいだらけさせろ」
「いや、別に此処で食べるのも、適当な返事をするのも駄目だとは言ってないんですが……」
一夏のその呟きを聞いた後、2人は手に持っていたフォークを一夏と同じくお盆の上に置く。
そして、急に真面目な表情を浮かべるとジッと一夏の事を見る。
突然の雰囲気の変化に、一夏も必然的に真面目な表情と雰囲気にもなる。
「一夏、私達が無理を言って此処であなたと一緒にご飯を食べて話してるのは、あなたの事が心配だからよ」
その瞬間、一夏は喉奥に氷を放り込まれたかのような感覚を覚えた。
まさか、昨日からの体調不良を未だ引きずっている事がバレたのか。
確かに帰って来たばっかりのフラフラな様子は見られている。
もしかしたら……
などと一夏が考えていると、スコールが続きを話す。
「一夏、あなた最近休めてないんじゃない?」
「ああ、それですか……」
思わずそう声を漏らしてしまった。
今まさに体調が悪い事がバレていない事に対する安堵半分、この話題だったら結局辿り着かれるかもしれないという不安半分といった感じだ。
「それってなんだそれって。なんか別にあるか?」
「いや、な、無いですけど…」
オータムからのジト目攻撃に、一夏は露骨に視線を逸らしながらそう言葉を漏らす。
だが、直ぐに咳払いをしてから2人に向き直る。
「まぁ、確かにここ最近いろいろな事が立て続けに起きすぎて、滅茶苦茶忙しかったですが…まぁ、休めてないって事は無いですよ。ほら、昨日なんか帰って来て直ぐに寝ちゃいましたし。元気ですよ」
一夏は無理くり笑顔を作り、右肩を回しながらそう言う。
2人を安心させようという意図があったのだが、それに反して2人は笑みを浮かべるでもなく、怪訝そうな表情を浮かべるでもなく。
ただただジッと一夏の事を見ていた。
(…変にアピールしたから逆に気が付かれたか……?ヤバい、身体に力が入らない…あああ!昼飯食ったんだから力振り絞れ俺の身体!)
一夏が必死にその動きを維持していると、2人は同時にふぅと息を吐く。
「まぁ、お前がそう言うなら信じるさ」
「でも、無理は絶対にしない事。良いわね?」
「はい」
2人の言葉に、素直に頷く一夏。
その脳裏では、朝のオルコスとの小競り合いを思い返していた。
(オルコスも、白式も白騎士も、そして社長とオータムさんも。俺の事を心配していろいろ言ってくれてる…まぁ、今までの怪我とか体調不良のアレを考えれば当然なんだが)
学園祭での吐血事件から始まった一夏の体調不良。
このエクスカリバー事件を解決すれば、そろそろ冬休みも見えて来る季節だというのに、万全に治ったという事を一夏は一度も言っていないし、定期的に症状が出ている。
周囲が少々過保護になるのも致し方ない。
そこまで考えて、一夏は別の事を思い浮かべる。
今まさに宇宙で戦ってる大切な人達の事だ。
大切な友人。
かけがえのない家族。
そして、この上ない程愛おしい恋人。
オルコス達が心配してくれているのと同様、程度の差はあれど心配してくれているという訳で。
(何度も思ってる筈なんだけどな。これ以上心配はさせないって。でも…)
一夏は自然な動作で右手を心臓の前に持ってくる。
(俺は、もう……だから、せめて、みんなを……)
「……か!いち…か!一夏!!」
「はいっ!?」
ずっと考え込んでいた為、周囲の音を聞いていなかった。
目の前でオータムが数度名前を叫んだことで漸く気が付いた。
スコールとオータムは、再びため息をつく。
「言ってる側から…本当に大丈夫か?」
「大丈夫ですって」
「無理は絶対にしちゃ駄目よ?」
「はい」
こればっかりは口酸っぱく言われても仕方が無い。
一夏は素直に返事をする。
そんなこんなで昼食を食べ終えた。
昼食後に菓子類をつまむ習慣は一夏達にはないので、そのまま食器類を返却しようと席を立つ。
その、瞬間だった。
ジリリリリリリリリリリリ!!!
『緊急事態、緊急事態です。至急、全ての教員、並びに専用機持ちは緊急会議室に集合してください。また、一般生徒は直ぐに避難が出来る準備をし、各教室や食堂などに集まって下さい。繰り返します……』
「「「っ!?」」」
突如としてけたたましい警告音と、行動指示のアナウンスが流れる。
周囲の生徒がざわざわしながらも避難行動の準備をする中、一夏、スコール、オータムの3人は視線を合わせると、そのまま同時に地面を蹴り全速力で会議室に向かう。
専用機持ちが3人しかいない。
そして、今までの襲撃とは明らかに違った警告音。
もう、廊下は走ってはいけないとか言ってられなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
(ヤバい、ただ走ってるだけなのに視界が…それに、足も…もっと、もっとだ!もっとしっかりしろ俺!緊急事態なんだぞ!!)
体調が悪く、ただ走っているだけでも疲労してきた一夏。
もはやこの状況じゃ戦闘なんて出来ないと、一夏本人も痛感してしまったが、それでも向かわない訳にはいかない。
フラフラなのを隣に居るスコールとオータムにバレないように必死に走り、緊急会議室に到着。
何時もならノック前に軽く身だしなみを整えるのだが、そんな事頭から抜け落ちていた。
そのままの勢いでノックし、中に入っていく。
「何がありました!?」
「全員が揃ってから直ぐに説明します!全員直ぐに来るので、今は心構えをしておいてください!」
「はい!」
何時もより明らかに焦っている十蔵に対応される。
どんな時でも冷静沈着といったイメージの十蔵がここまで焦っているのは非常に珍しい。
否が応でも気が引き締まる。
そこから、1分もせずに学園中の教師陣が集まった。
全員焦りながら来たため、髪が髪型が崩れてしまったりしているが、そんなもの関係ない。
「全員揃いましたね、単調直入に説明をします。襲撃者です」
『っ!!』
ただでさえ緊張の表情を浮かべていた全員が、更にピリッとした表情になる。
「この映像を見てください。今現在IS学園に向かって来ている襲撃者のものです」
十蔵がそういうと同時、背後のディスプレイに映像が映る。
画面が4分割され、それぞれに北、東、南、西と方角を表す言葉が記されている。
『……?』
だが、それを見た一夏とスコールとオータム以外の全員が首を捻った。
何故なら、わざわざ4分割されているのに同じような映像が流れているし、何より空も海も地面も映ってないからだ。
襲撃者の映像だというなら、監視カメラの映像になる。
監視カメラが設置されているのは大体空、海、そして敷地内の地面のいずれかで、背景でそう言ったものが映っているのが普通だろう。
だが、この映像は4分割された全ての映像に、背景は映っていない。
そして、映っているものは漆黒の物体。
それがビッシリと……
『えっ!?』
ここまで来て、先程から呆けていた教員達も気が付いた。
この画面にビッシリ埋め尽くされているのが、全て襲撃者のISだという事を。
「か、数が多すぎる!こ、こんなの!」
「い、いくら亡国企業でも、こんな量の用意が出来る訳!」
「落ち着いて下さい!ありえなくても、今実際に起きてるんです!生徒の安全を確保する教員が焦っていては話になりません!今すぐ行動を開始します!」
『っ!はいっ!』
焦っていた教員達だったが、十蔵の叱責で無理矢理冷静さを取り戻した。
「一先ず、直ぐに生徒の避難誘導をします。避難場所は、以前までと同じ通り「待った!」織斑君?どうかしました?」
十蔵の指示を遮る形で一夏が右手を上げながら声を発する。
「今までを思い出してください。悔やむことですが、IS学園は何度も襲撃を受け、その度に一般生徒を同じ場所に避難させてきました。だから、敵に避難所の場所も、どれくらい持ちこたえられるのかも把握されている可能性の方が高いです」
「それは…確かに…」
「しかもあの数です。全員が無事に避難したとしても、場所が把握されていたら生徒全員を守り切れるかどうか怪しい。移動の際にリスクがあるのは十分承知していますが、避難後の事を考えると本土の方が安全かと」
「……」
思案は一瞬。
十蔵は指示を改めて出す。
「織斑君の意見を採用します。全生徒を本土に避難させます。警備員と共に誘導、並びにISを使用した警護を行ってください」
『はい!』
指示から1分も関わらず、誘導と警護のメンバーを決め、そのメンバーはそのままダッシュで行動を開始する。
「では、襲撃者にどう対応するかを決めます。正直に言わなくても分かると思いますあ、かなり厳しい状態です。数で圧倒的に敗北しており、尚且つ専用機持ちも3人です」
「そうなると、やはり専用機持ち中心に作戦を立てるしか…」
「それしかありません。お三方、問題はありませんか?」
「私は特に」
「同じく。いつでも行けるぜ!」
十蔵の言葉に、スコールとオータムが間髪入れず返答する。
部屋の視線は自然にまだ返事をしていない一夏に集まる。
だが、一夏は何も言わず俯きながら右手で心臓を抑えていた。
(どうする…?この状態で戦っても…だけど、この状況では戦わざるを得ない……)
一夏は考えていた。
十蔵や教員の言う通り、自分も戦闘に参加しないと、ただでさえ高い敗北の可能性が更に濃厚になってしまう。
しかし、体調不良である事が足を引っ張る。
ここまで走って来るので、まともな戦闘が出来ない事は痛感した。
普通なら辞退して、一般生徒と共に避難すべきだ。
だけれども、貴重な専用機持ちであるという事。
そして、男性IS操縦者という明らかに襲撃目標の1つになりそうな自分の立場がそれを拒む。
一夏はどうすればいいのか分からなくなっていた。
だが、もう悩んでる時間が無い。
その焦りが判断を鈍くさせる。
……と、この時。
一夏は気が付いた。
カタカタカタカタ
胸ポケットに入っているオルコスのバディカードが小刻みに震えている事に。
「……」
それだけ。
ただそれだけなのに、一夏はその意図が理解できた。
「あれこれ考えてると、時間が無いですね。俺が本土じゃない側半分引き受けますので、残り半分任せました」
『……えっ!?』
一夏の言葉を一瞬理解が出来ず呆けていたが、理解した瞬間驚きの声を発する。
「待って下さい織斑君!この数ですよ!?いくら何でも1人で半分は……!!」
「タッグマッチにソロで出場させた学園がそれ言いますか?」
一夏は冗談めかすような口調でそう言う。
うっ、と一瞬黙ったその隙を付き、一夏は震える身体を無理矢理奮い立たせ会議室の窓に近付き、勢いのまま開け放つと、ダークコアデッキケースを取り出し煉獄騎士の鎧を身に纏うと、窓から飛び降りた。
「ちょ、織斑君!?戻って下さい!!」
真耶が慌ててその窓に駆け寄ろうとするが、スコールとオータムがそれを制止する。
「心配なのは分かるわ。でも、一夏がやるって言ってるんだから、ここは信用しないと。それに……」
「一夏が半分引き受けてもなお、この人数はかなりキツイ。やるしかない」
「でも……」
ドガァアアアアン!!
真耶がまだ渋っていると、戦闘音が鳴りだした。
ここまで来たら、もう腹をくくるしかない。
残りの半分を如何担当するかを30秒で決め、スコールとオータムは専用機を展開、真耶達はアリーナに訓練機を取りに行き、一夏に少し遅れる形で戦闘を開始した。
時刻は少しだけ遡り、一夏が会議室から飛び降りた直後。
綺麗に地面に着地した煉獄騎士は物陰に身を潜り込ませ、見上げる形で襲撃者の事を見る。
「多いな……」
映像では無く、この目で見て改めてそう思う。
一夏はスッと視線を外すと、オルコスのバディカードを取り出す。
「…オルコス」
その名を呼ぶと、ボンッという音と共にオルコスがSDで出現する。
《なんだ?》
「…本当に、良いのか?」
先程無言で受け取った意図が、本当に正しいのか。
それを確認するように、一夏は尋ねる。
オルコスはゆっくりと頷いてから、言葉を発する。
《ああ、此処は我らが戦う。お前は休んでいろ》
「……」
オルコスの言葉に、一夏はいったん無言になる。
そこまでは問題無く理解が出来た。
だけれども、この先が問題だ。
「でも、コールやキャストをするとなると必然的に俺も出る事に……」
そう、モンスターや魔法の使用には、ファイターである一夏を介す必要がある。
オルコス達だけでの戦闘はほぼ不可能だ。
《コールを介さず、直接戦闘に出れば問題無いだろう》
「駄目だ!!」
オルコスの言葉を、脊髄反射レベルの速度で一夏が否定する。
確かに、コールを介さないで、ダークネスドラゴンWへのゲートから直接煉獄騎士団を呼び出せば、一夏は前線に立たなくていいし、何より一度に戦える数も多くなる。
今回の状況なら、寧ろベストな選択であるだろう。
それなのにも関わらず、一夏が即座に否定したのには…普段からその戦法を取っていないのには勿論理由がある。
脳裏にチラつくのは、学園祭の時。
吐血をし、気絶をしてしまっている中で襲撃を受けた。
その際に当時のバディであったディミオスがコールなしで直接戦闘を行い、ISブレードに貫かれそのまま死んだ。
その光景が未だに頭にこびりついている一夏。
即座に否定するのも無理は無い。
「俺は、また大事な相棒を、仲間を!亡くしたくないんだよ!!」
《…気持ちは分かる。だが、一夏。我らに固執し過ぎて、大事な部分を見失っているな》
「大事な、部分だって?」
《この学園を。今宇宙で戦ってる仲間の帰って来る場所を、守るべきものを、守る。今まで、そうして戦ってきたじゃないか》
「っ…」
オルコスの優しい口調の言葉に、一夏は息を詰まらせる。
そうだ、確かに今までその想いを胸に戦ってきた。
此処で戦わなければ、今までの戦いを…ディミオスを侮辱する事になる。
《マスター、私達の事、信じてくれませんか?》
「何時の間に…」
何時の間にか立っていた白騎士の言葉に、思わずそう返す。
隣に立つ白式もうんうんと頷いている。
一夏ははぁ、と息を吐いてから言葉を発する。
「分かった。ここは任せた。だけど、ヤバいって判断したら直ぐに俺も出るからな」
《ああ、任せろ。お前は休んでいろ》
一夏はとうとう、自身も戦場に立つ事を諦め、オルコス達に全てを託すことにした。
その場に座り込み、身体から力を抜く。
それを見たオルコス、白騎士、白式はSDと人間態を解除する。
そして、オルコスはその手に持つ剣を地面に突き立て、声を発する。
《今此処に現れよ、血盟の騎士達よ!!》
その声と同時、オルコスの背後にダークネスドラゴンWへのゲートが開く。
《おおおおおおおおお!!!!》
雄叫びと共に、煉獄騎士団全竜が、この世界にやって来た。
《ほぉ、此処が一夏の世界か…》
《青い空を初めて見たような気がするな…》
「ああ、そっか…ジャイアントシザーとかブラッドアックスは1回もコールしたこと無かったな」
(そもそもデッキに入れてないから……すまん、バニラは採用理由が無さすぎるんだ)
一夏がこっちの世界で今まで1回もコールしなかった団員達が感想を漏らすと同時、一夏が申し訳なさそうな声を出す。
本当は煉獄騎士団全投入デッキを使いたいのだが、そうするとダークネスドラゴンWの汎用札が入れられなくなり、デッキの安定性が落ちる為採用する団員は絞る必要がある。
そうなってくると、バニラと呼ばれる能力を持たないモンスターはデッキスロットの圧迫にしかならないので、採用候補にすら上がらないのだ。
一夏が煉獄騎士の鎧の下で申し訳なさそうな表情を浮かべるが、仮面の下の詳しい表情など分かりようもないので、オルコス達は特に気にせず空を…襲撃者を見上げている。
《話は聞いていたな?》
《はい、あの無粋な襲撃者を削除する。それが我々の任務》
《そうだ。お前達…行けるか?》
《無論》
《いつでも》
《ハハハハ!!うずうずしてきたぜ!!》
《昂ってきたぁ!!》
《早く戦わせてくださいよぉ!!》
後半に行くにつれドンドン野蛮になっていく声に、オルコスと一夏は苦笑を浮かべる。
《さぁ、行くぞ!ディミオス様の意思を受け継ぎ、そして、我がバディの大切な居場所を!我らの守るべき場所を守るのだ!!》
《うぉおおおおおおおおおおお!!》
オルコスの号令と共に、白騎士と白式も含めた煉獄騎士団全竜が咆哮をあげ、襲撃者に向かって攻撃を開始する。
「なっ!?」
「こいつらは、織斑一夏の…!?」
「迎撃だ!撃てぇ!!」
勿論襲撃者もそれに気が付き、すぐさま迎撃の態勢を整え、オルコス達に向かって発砲を行う。
バババババババババババババババババババババァアアアアアン!!
反応速度、射撃の正確性と統一性。
この一瞬の間だけで、襲撃者がかなりレベルの高い訓練を積んできた事を嫌でも理解させられる。
《無駄だ!》
《しゃらくせぇ!!》
だが、そんなもの煉獄騎士団の前には無意味だ。
向かってくる弾丸を、各々の武装で全て弾き返しながら襲撃者に接近していく。
襲撃者が訓練を積んでいるように、煉獄騎士団もダークネスドラゴンWで常に鍛錬を積んでいる。
そして、たとえ攻撃力や防御力、打撃力が低かったとしても、バディモンスターという時点で人間にとっては脅威そのもの。
それはISを纏っていたとしても例外ではない。
しかも、オルコス達は1回の攻撃で相手のSEを自身の打撃力分一気に減らすことができ、しかもいつもと違い、能力や魔法を使わなくても連続で攻撃が可能だ。
ガキガキガキガキィン!!
ドガァン!ドガァン!
金属同士がぶつかり合う音、何かが爆発する音と共に、激しい戦闘が繰り広げられる。
次々と襲撃者が身に纏うISのSEが0になり、地面に倒れ伏していく。
煉獄騎士団無双。
そう表すのが最適と言えるほどに、一瞬の危なげも無くドンドンと襲撃者を戦闘不能にしていく。
「……凄いな」
先程からずっと物陰から戦闘を眺めている一夏は、呆然とそう呟いた。
ヤバいと判断したら直ぐ出ると言ったが、今のところ全くヤバくない。
エクスピアソードを握りしめながら、煉獄騎士団の戦闘を見ていた。
(…何故だ、胸騒ぎがする……特に不安要素は無い筈なのに)
戦場に立っている事によりアドレナリンが大量に分泌されているからか、一夏は自分の体調が悪すぎる事を感じないまま、思考を続ける。
(『俺が引き受ける』とか言っておきながらオルコス達に任せてる罪悪感…って訳じゃ無いだろうし…なんだ?本当になんだ?)
一夏が思考を巡らせている隙にも、オルコス達はドンドンと襲撃者を倒していく。
空を覆い尽くさんと言わんばかりの人数が居た襲撃者も、もう既に煉獄騎士団の方が数が多いほど数を減らしている。
もう少しで終わるというのに、一夏の胸騒ぎは大きくなっていく一方だ。
(何かを見落としてる…そんな気がしてならない……)
《これで、最後だ!!》
オルコスが最後の1人に渾身の一撃を叩き込み、SEを0にする。
《良し、一夏!終わったぞ!》
「あ、ああ!取り敢えず拘束してから、向こうの増援に…………!?」
オルコスの報告に、一夏が反応した時。
一夏の胸騒ぎは最高潮に達した。
その瞬間に、何が何処で起こるのか分からないのに一夏の身体は動き出していた。
地面を思いっ切り蹴り、高く跳躍する。
「キャスト!誇りを
そして、直ぐに防御魔法を発動する。
ガキィン!!
ギリギリ間に合った。
突如として上空から放たれた攻撃を、防ぐことに成功した。
「ぐぅっ……!?」
《一夏!?》
だがしかし、衝撃を完全に殺すことは出来ず、跳躍していた一夏は思いっ切り地面に叩きつけられてしまった。
空中に居るオルコスは、慌てて翼をはためかせ、一夏の側に着地する。
それ以外の団員は、攻撃が飛んできた方向に各々の武装の切っ先を向け、厳戒態勢をとる。
だがしかし、その方向には誰も何も確認できない。
ワンテンポ遅れる形で一夏とオルコスもそこを見るも、やはり何もない。
防御魔法を使用しても地面に叩きつけられる程の高威力の攻撃。
目視も出来ないほど離れている場所や、小さいものからの攻撃だとは思えない。
そこそこなサイズで、そこそこな距離のはず。
それなのに、目視する事が出来ないとなれば……
《ステルスだ!狼狽えるな、敵はそこに居る!》
オルコスの言葉に、クロスボウやグラッジアローといった遠距離武器を持つ団員が、視線の先に向かって攻撃を行う。
空に向かって一直線に放たれたその攻撃は、とある地点に到達すると、
ガキィン!
と全てが弾かれた。
「《っ!!》」
その光景を見ていた一夏と煉獄騎士団は、改めてその場所に向かって視線の武器を向ける。
すると、何もないように見えたその空間に滲み出るように、とあるものが姿を現した。
その体表を覆うは、大量の銃火器。
ライフルやマシンガンなどと種類は統一されておらず、実弾銃とエネルギー弾銃も混在している。
そして、大量の銃火器が、3つ首の巨大な竜のような形を作っていた。
視認した瞬間、一夏やオルコスが驚きの表情を浮かべる。
その銃火器の多さや大きさに驚いた訳では無い。
何故此処に居るのか理解が出来ないといった驚きだ。
だが、そうなるもの仕方が無い。
以前一夏達がそれを見たのは、IS学園から離れた京都だったのだから。
「深夜……」
一夏が呆然とそう呟く。
そう、こちらに向かって来ているのは、京都の亡国企業襲撃作戦にて対峙した、深夜のISだ。
だが、以前と全く同じという訳では無い。
大きく変わっている所と言えば、そのカラーリングだろうか。
以前は銃火器そのままといった感じだったが、今はまるで酸化し始めた血液のように赤黒くなっていた。
竜の胸部にあたる部分には、変わらず深夜の頭と肩だけが露出している。
《アイツは敵だ!攻撃しろ!》
《了解!》
一夏にあまり戦闘して欲しくないオルコスが先に指示を出しつつ、自分も地面を蹴り行動を開始。
一気に深夜に接近をする。
以前の戦闘では、開始直後の攻撃は全くと言って良いほど効かず、クラリッサとチェルシーと楯無のサポートありで何度も何度も攻撃を重ねる事で漸くダメージが通り始めた。
しかも、その後一夏が気絶した代わりに万全の状態の千冬と簪の増援があってやっと撤退にさせられた。
今回も否が応でも苦しい戦いになる。
だが、煉獄騎士団はある程度消耗しているとは言えまだまだ余裕がある。
長年共に居た為連携も申し分なく、何より前回より戦闘員が多い。
オルコスは撤退させるではなく、自分達で倒し切るという決意と自信があった。
懸念点と言えば、機体のカラーリングの変更だろう。
外見が変化しているという事は、調整を受けている事。
スペックも変化している可能性がある。
自信はあるが、過信してはいけない。
常に注意を払って行動する事が必要だ。
言葉には出してはいないが、オルコスの雰囲気から団員達もその考えを読み取った。
細く息を吐き、集中力を高める。
《ハァア!》
《くらいやがれぇ!!》
先ずは先程攻撃した遠距離武器組が再び攻撃をする。
だが、前の攻撃とは異なり、目標が視認出来る。
狙いを定める事は容易だ。
ほぼ同時に、そしてほぼ同じ様な場所に攻撃が着弾する。
だが、こちらに向かってくる深夜は何もリアクションをしない。
つまり、ダメージが殆ど入っていない。
《怯むな!攻撃を続けろ!》
それを見たオルコスが叫ぶと同時、接近武器所有の団員が深夜に接近しきった。
《ハァアアアア!》
《セヤァア!!》
《オラァア!》
ガキィン!ガキィン!ガキィン!
団員が連続して、入れ替わりながら同じ場所へと攻撃を繰り返す。
だがしかし、それでも深夜はリアクションをしない。
《くっ……!!》
《全然効かねぇ!》
《攻撃を続けろ!》
ガキィン!ガキィン!ガキィン!
何度攻撃しても、深夜には少しもダメージが入らない。
そして、深夜はドンドンとIS学園に近付いて来る。
「くそ…やっぱり、アレにはそう簡単にダメージが与えられないか……!!」
その進行方向に立つ一夏は、仮面の下で苦渋の表情を浮かべ、エクスピアソードを構える。
オルコス達が一斉に攻撃しても殆ど意味なかったのだ。
体調がボロボロの自分が加わった所で、状況が大きく変動するとは思えない。
だけれども、やるしか無かった。
一夏が跳躍しようと足に力を籠めた、その瞬間だった。
「がぁああああああああああ!!」
「《っ!?》」
唐突に深夜が咆哮をあげた。
それと同時、翼のような形を形成している銃火器がはためいたかと思うと、深夜は一気に加速した。
空気が切り裂かれ、その流れが見えると錯覚してしまう程の速度と風。
一夏は思わず右腕を顔の前に持ってくる。
背中のマントがバタバタとはためく。
「ギャアアアアアアアアアアアア!!」
深夜が咆哮をあげると同時、その巨大な身体がIS学園の敷地に勢いのまま降り立った。
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
「う、ぐぅ、わぁあああああ!?!?」
その瞬間、爆音と共に途轍もない衝撃波が周囲を襲った。
一夏は悲鳴と共に吹き飛び、身に纏っている鎧がガシャンガシャンと音を立てているのを、何故か遠くの方で感じながらゴロゴロと転がっていく。
着地の際の衝撃で、孤島であるIS学園の敷地の一部が消し飛んだ。
島が震え、衝撃波でアリーナや校舎が倒壊してゆく。
「う、ぐぅ……!!」
運よく島から放り出されたり、崩れた瓦礫に埋もれるといった事は無かった。
一夏は頭をフラフラと揺らし、なんとか手放すことの無かったエクスピアソードを杖替わりにしてなんとか立ち上がる。
「っ……」
一瞬にして滅茶苦茶に破壊されたIS学園。
それを見て、一夏は言葉を失ってしまう。
避難を本土の方にするという提案をしておいて良かったと思うと同時、
ドゴォン!
深夜が着地し、地面が抉れた方向から大きな音が響いて来る。
まだ衝撃が抜けきってない身体を動かし、そちらの方を確認する。
ズシン!ズシン!ズシン!ズシン!
その銃火器によって作られている巨大な身体で1歩、1歩と踏みしめて歩く度。
知らなかったら地震かと勘違いしてしまう程の揺れが襲ってくる。
「深夜……」
竜の胸部から肩と頭だけが露出している深夜。
その生気の無さすぎて、人形なんじゃないかとも思ってしまう目を見て、一夏は思わず言葉を詰まらせてしまう。
正直言って、深夜との思い出というものはあまりない。
IS学園に入学したての、本当に最初の方に2人しかいない男子生徒という事で会話をしたり、クラス代表決定戦で試合を行ったくらいだ。
その後は一夏とクラリッサとチェルシーが交際を始めたり、一夏の仕事が忙しくなって来たりして、必然的に深夜と関わる事も、関わろうとする事も無くなっていった。
深夜が失踪するまでの約半年間。
一夏から見た深夜との思い出は、上記2つの出来事と、臨海学校の際に刺された事。
この3つくらいなものだ。
「なんで、そんな事になってんだよ…!」
深夜と深く関わらなかった事を、一夏は悔いた。
もしかしたら、入学してから深夜と関わっていれば、深夜が何故そのような状態になってしまったのか、察せられたかもしれない。
なんなら失踪する前に止められたのかもしれない。
そう考えてしまう。
……深夜は一夏を蹴落とし、自分が主人公になる事しか考えてなかったので、理解し合うのは不可能だったのだが。
そんな事、他人が知る筈も無い。
ズシン!ズシン!ズシン!ズシン!
深夜は変わらず島を震わせながら歩みを進める。
「っ!オルコス、みんな……」
ここまで来て、漸く一夏は煉獄騎士団の状態の確認を失念している事を思い出した。
ガバッと視線を周囲に向ける。
「っ!みんな!!」
すると、地面に倒れ伏していたり、瓦礫の下敷きになっている煉獄騎士団を発見。
痛む身体を無視して走り出し、慌てて駆け寄っていく。
《ぐぅ…》
《が、がぁ…》
「シーフタン!デスシックル!」
一番近くに居たシーフタンとデスシックルの側に近寄ると、様子を確認する。
どちらもなんとか生きているものの、この状態では戦闘続行が不可能だと一目見て判断できるほどには、酷い有様だった。
《ぐぅ…一夏、無事か…?》
「オルコス!」
苦悶の声を漏らしながらも、ボロボロの大地を踏みしめながらオルコスが近付いてきた。
マントや身に纏う鎧も、大地と同じようにボロボロで、ある程度の形を保っているのが奇跡だと思えるほどだ。
「大丈夫なのか!?」
《ああ、戦闘は、なん、と、か…継続、出来そう、だ…》
「そう、か…」
正直、オルコスもかなりのダメージを受けてしまっている。
だけれども、デスシックル達に比べると幾分かマシなようだ。
本当はオルコスも戦闘不可能だと言いたかったのだが、先程自分の我儘を聞いてもらったし、今戦力を大幅に減らす訳にはいかない。
一夏は頷くしかなかった。
「他に戦えるのは?」
《…白式と白騎士、シルバースタッフとクロスボウ、ニードルクローとホーリーグレイブだ》
「俺とオルコス含め、8か…」
流石に厳しい。
先程ほぼ万全な状態で、煉獄騎士団全員で攻撃しても意味が無かったのだ。
手負いの8人でなんとか出来るとは思えない。
《マス、ター、ご無事ですか?》
「白騎士!大丈夫なのか!?」
《はい、私は、なんとか…》
《私も、大丈夫だよ、マスター!》
《俺達も、な》
「みんな!」
すると、離れた位置にまで吹き飛ばされていたまだ戦えるメンバーが漸く合流した。
全員鎧などはボロボロだが、周囲に居る他の団員よりかは幾分かマシなようだ。
ズシン!ズシン!ズシン!ズシン!
深夜の歩みは止まらない。
ジリジリと距離が縮まっていく。
「くっ……!!」
一夏はまだ若干身体に鞭を打ち、エクスピアソードの切っ先を深夜に向ける。
《無茶だ!》
「向こう側の状況も、分からないんだ!無茶だったとしても、やるしかない!」
《…ああ、そうだな……!》
それに続くように、オルコス達も武装を深夜に向ける。
だが、そんな一夏達の抵抗を嘲笑うかのように、竜の胸元の生気の無い顔の深夜の口元が一瞬歪んだかと思うと、3つ首の竜の眼が全て同時に光り、そこから大量の銃火器で構成された身体が発光を始める。
「っ――――――!!」
「がぁああああああああああ!!」
一夏が何か言葉を発しようと口を開いた瞬間、咆哮が辺りに響く。
光は一瞬にして放射状に広がり、IS学園の敷地全てを飲み込んだ。