無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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今回は一夏とチェルシーの距離を近付けます。
強引と思われるところがあるかもしれませんがご了承ください。


そんな今回ですが、楽しんでいって下さい!!


プロローグ21 煉獄騎士とチェルシー

チェルシーside

 

 

一夏がオルコット家の屋敷に住み始めて、四日が経ちました。

その四日間で分かったことは...一夏が凄すぎです。

 

 

一夏は毎日トレーニングをしています。

それだけなら、IS操縦者であり国家代表候補生を目指しておられるお嬢様もしていますし、何ともないと思われるかもしれません。

しかし、一夏のトレーニングはお嬢様がしているトレーニングの比ではありませんでした。

 

 

一夏は毎朝屋敷の周りで走り込みをしています。

この屋敷はイギリス貴族の屋敷ですので相当広く、奥様の専属執事兼SPの男性でも一周するのに18分は掛かります。

しかし、一夏はこれを10分で走り切ってしまいます。

しかも...80㎏の重りを背負ってです。

80㎏だなんて、重量挙げに使われる重さですよ?

それを背負って走るだなんて...考えられません。

しかも、一夏は適度に筋肉は付いていますが、どちらかと言うと細身の方です。

そんな人が、こんなことが出来るだなんて...

それ以外にも、一夏のトレーニングは普通の人間の限界を超えているようなものばかり。

何でそんなことが出来るのか一夏に尋ねると

 

 

「いやぁ、最初はこんなこと出来なかったですよ。継続して続けてきたっていうのと、周りが人間の身体能力を軽々上回るモンスターしかいなかったので、負けないようにやってたからですかね...」

 

 

という返事が返ってきました。

正直、それだけでそんな身体能力になるとは思えませんがね...

 

 

身体能力以外にも、一夏の凄いところはありました。

ある日、一夏が料理を作ってくれました。

 

 

「お世話になりっぱなしっていうのも嫌なので、一食作らせてください」

 

 

とのことだったので、夕食を作って頂きました。

メニューは私達にはあまり馴染みのない、日本食...野菜炒め定食と呼ばれるものでした。

一夏は相当な自信作らしく、

 

 

「めっちゃうまそうでしょう?コツは弱火でじっくり炒める事なのです」

 

 

という、今までの口調とは違った感じで自慢してきました。

正直、その自慢にイラっとしないくらいに美味しそうでした。

私だけでなく、お嬢様も旦那様も奥様も、普段料理しているシェフも、他のメイドたちも同じ様なことを思っていそうでした。

そんな私達ですが、冷めてしまうのも勿体ないので早速食べることにしました。

その野菜炒めは...絶品でした。

今まで食べたことも無いような美味しさでした。

...正直、女としての自信とメイドとしての威厳が打ち砕かれたように感じます。

周りを見ると、皆さん衝撃を受けたようです。

その中でも、シェフと他のメイドが特に衝撃を受けているようでした。

まぁ、シェフは本職ですし、メイドは私と同じく自信と威厳が砕かれたようでした。

 

 

そして、今日も一夏はトレーニングをしている。

如何やら、ディミオスソードとの訓練のようだ。

正直、私から見ると何をしているのか良くわからない。

でも、何か魔法と言っていたような...?

 

 

「ディミオス、本当にこれで蘇生できるのか?」

 

 

《蘇生というよりも、瀕死のものを復活出来るだけだ。一応使えるようになって損は無いだろう》

 

 

「確かにな....ディザスターフォース、解除」

 

 

いま、一夏とディミオスソードは何と言った?

瀕死の人間を蘇生できる?

それが本当なら、あの子は...

私はそう思うと、半分無意識に一夏のことを呼んでいた。

 

 

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一夏side

 

 

「一夏...」

 

 

「ん?チェルシーさん、どうしましたか?」

 

 

ディミオスととある魔法の練習を終え、ディザスターフォースを解除したところにチェルシーさんに声を掛けられた。

チェルシーさんは、いつものお姉さん感はなく、縋りつくような雰囲気を出していた。

こんな感じのチェルシーさんは見たことがなかったので、俺は心配になった。

そして、チェルシーさんはそのままの雰囲気を崩すことはなく、俺に語り掛けてくる。

 

 

「一夏...さっきの話は本当なんですか...?」

 

 

「さっきの話って、蘇生の話ですか?」

 

 

「うん...」

 

 

しまった。

さっきの話をチェルシーさんに聞かれてしまったらしい。

だが、チェルシーさんは周りに言いふらすことも無いだろうから、他の人じゃなかっただけマシか。

だけれども、このチェルシーさんは普段と違いすぎる。

本当にどうしたんだろうか...?

 

 

「...本当に、本当に蘇生ができるの?」

 

 

「は、はい。一応は...」

 

 

「なら、なら...!」

 

 

チェルシーさんは、涙目になりながら叫んでくる。

本当に大丈夫だろうか。

俺はそんなことを思いながら、チェルシーさんの言葉を待つ。

すると、すぐにチェルシーさんは言葉を発する。

 

 

「私の妹を、助けて...!」

 

 

「えっ...?」

 

 

チェルシーさんって、妹いたんだ...

頼れるお姉さん感があるのは、本当にお姉さんだったからか。

じゃなくて!!

助けてって...

いったい何でだ!?

 

 

「チ、チェルシーさん、ひとまず落ち着いてください。せ、説明をお願いします」

 

 

「そ、そうね...取り敢えず落ち着きます...」

 

 

そういうとチェルシーさんはいったん深呼吸をした。

その後すぐに説明を開始した。

 

 

「私には、エクシアっていう妹がいるの...」

 

 

「はぁ、エクシアさんっていうんですね」

 

 

「そうなの...一夏やお嬢様より年下で、私よりも明るい性格の子だったの。でも、それが...」

 

 

ここまで言うと、チェルシーさんは言葉を詰まらせてしまう。

如何やら、相当なものだったらしい。

しかし、エクシアさんか...

チェルシーさんの妹だったら相当可愛いんだろうな。

だって、チェルシーさんがこんなに美人なんだから。

って、そんなこと考えてる場合じゃない!!

俺が自分の中で脱線をしていたのを戻すと、そのタイミングでチェルシーさんが次の言葉を口にする。

 

 

「心臓病で、倒れたの...」

 

 

「っ!」

 

 

「旦那様と奥様は、何とか直そうとして下さった。でも、どの医者でもエクシアのことは直せないって、だから...だから!!」

 

 

なるほど、それでか...

チェルシーさんは、妹であるエクシアさんの事をとても大事に思っているんだろう。

いや、思ってるんだ。

普段の敬語も崩れるほどに...

だからこそエクシアさんが助かる可能性を、俺たちの会話を聞いて、その如何にかしてあげたい思いに限界が訪れていた。

なんて、優しい人なんだ。

妹のために、ここまで泣けるだなんて...

恐らく千冬姉も、俺に何かがあったとしてもここまでは泣かないだろう。

本当に、優しい人だ...

 

 

「ディミオス...使うぞ」

 

 

《我も特に止めはしない。好きなようにするといい》

 

 

「分かった」

 

 

俺はディミオスと短い会話をすると、そのままチェルシーさんを抱きしめる。

 

 

「っ!?い、一夏?」

 

 

「チェルシーさん。あなたはとても優しい人だ...でも、優しすぎるからエクシアさんの事で心を擦り減らしてしまっている。そんなことじゃエクシアさんも喜びませんよ。辛いなら、俺でも頼ってください。

力になれるかは分かりませんが」

 

 

「一夏...」

 

 

「エクシアさんには、可能なこと全てをさせてもらいます。ですから、チェルシーさんも、エクシアさんに見せる表情を考えていて下さい。まさか、そのままなんて言いませんよね?」

 

 

俺は笑いながらそんなことを言う。

これが正しい答えかどうかはわからないが、チェルシーさんの心が少しでも救われたなら...

チェルシーさんは、何故か顔を赤くして少し慌てたようだった。

それでも暫くすると、クスリと微笑んだ。

やっぱり、女の人の笑顔って素敵だな。

クラリッサさんもそうだったし。

...あれ、でもそれ以外の人も素敵だとは思うけど、二人ほど魅力的に感じないなぁ。

何でだろう?

 

 

「そうだね、エクシアには笑顔を見せないとね」

 

 

「そうですよ。エクシアさんも、お姉さんのことが大好きですよ。...たぶん」

 

 

「そこは言い切るとこじゃない?」

 

 

「だってエクシアさんと会ったことないですし...」

 

 

俺のこの言葉に、俺とチェルシーさんは笑いあう。

ん?というか...

 

 

「チェルシーさん、敬語外してくれましたね」

 

 

「えっ...あ!?」

 

 

チェルシーさんは、自分が敬語を外して話していたことに今気づいたようだった。

アワアワしてる、さっきまでとはまた違ったチェルシーさんを見る事が出来たな。

 

 

「え、あの、その...ご、ごめんなさい!!」

 

 

「何で謝るんですか?寧ろ嬉しかったですよ」

 

 

「う、嬉しい?」

 

 

「はい、距離が縮まったように感じるので」

 

 

俺がそういうと、チエルシーさんはまた顔を赤くしてしまった。

本当に何でだ?

別に熱がある訳でもなさそうだが...

 

 

《一夏...我がいることを忘れてラブコメをするな》

 

 

「いや、別に忘れてないけど....っていうか、ラブコメってなんだよ」

 

 

《何?お前、本気で言っているのか?」

 

 

「おう」

 

 

本当にディミオスは何を言ってるんだ?

ラブコメしてる?

ラブコメって、漫画とかラノベとかの種類だろうが。

 

 

《なるほど...お前はそんな感じか...クラリッサ・ハルフォーフもチェルシー・ブランケットも苦労しそうだ》

 

 

「いや、本当に何言ってるんだディミオス」

 

 

クラリッサさんとチェルシーさんが苦労する?

いったい何にだ?

俺がそんなことを考えていると、チェルシーさんが

 

 

「ふふ、ディミオスソードの言う通りかもしれないね...」

 

 

と、微笑みながら言ってきた。

本当に何なんだ?

そもそも、何について話していたっけ?

...そうだ、チェルシーさんの敬語が外れたことだ。

 

 

「チェルシーさん、これからは敬語じゃなくていいですよ」

 

 

「そうね...二人きりの時はそうさせてもらうわ」

 

 

チェルシーさんはそう言ってまた微笑んだ。

取り敢えず、チェルシーさんは大丈夫そうだな。

でも、エクシアさんを救えなかったら意味がない。

だから、俺は...

 

 

「エクシアさんを、必ず治す」

 

 

そして、チェルシーさんがエクシアさんとの面会の時間を作ってくれた。

心臓病の患者なのに面会できるのかよとも思ったが、身内ということで特別に許可が出たようだ。

...いや、俺は身内じゃないけどね?

何はともあれ、これで準備は整った。

後は、俺次第だ...

 

 

 

 




今回、VTシステム以上のフライングでエクシアに登場していただきました!
まだ名前だけですが。
今作では、まだ生体融合措置を取られていません。


さて、一夏の身体能力が人間を辞めてきました。
煉獄騎士はあくまでも鎧なので、ISと戦うにはここまでしないといけませんでした。
それに、チェルシーがヒロインしてましたねぇ。
これで大丈夫だったかな?


次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!


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