チェルシーもエクシアも、登場シーンが少ないから口調があってるかが心配だ...
ロバートとロザリーはオリなので特に気にしてないです。
今回もいつも通りの完成度ですが、楽しんでください!
一夏side
遂に、エクシアさんへの面会の日がやってきた。
俺はオルコット家の車を借りて、エクシアさんが入院している病院に向かっている。
運転手さんと俺、チェルシーさんの他にも、セシリア、ロバートさん、ロザリーさんが付いてきている。
姉であるチェルシーさんは当然として、他の三人は何故?と思っていたのだが、
「チェルシーは私達の大切な仲間...いえ、家族ですわ。ですから、こういう場面の時こそ、協力するものですわ」
とセシリアが言い、ロバートさんとロザリーさんもこれに頷いていた。
このことにチェルシーさんは感極まっていたが、ロザリーさんが、
「涙を流すのは、エクシアちゃんが無事に目を覚ましてからにしなさい」
と言ったことにより、チェルシーさんは泣かず、微笑みを浮かべた。
因みにだが、車の中で俺とチェルシーさんは隣同士だったんだが...何故かチェルシーさんは物凄く近かった。
それはもう、腕を組んでるんじゃないかと思う程には。
実際、俺は腕に何やら柔らかい感触を感じたり、いい匂いを感じたりしてました...
この時、セシリアからは突き刺すような視線を向けられ、ロバートさんとロザリーさんはニヤニヤしてるような視線を向けられた。
いったい何なんだ...?
ディミオスはステルスカーテンで飛んでいるから、車の中にいない。
だから、助けを求めることも出来ず、ただただ困惑する俺だった...
そんなこんなで、俺達は病院に着いた。
...デカい。
如何やらイギリスでも屈指の大病院らしく、途轍もなくデカくて綺麗だ。
というか、イギリスに来てから高級そうなものしか見てない気がする。
列車(横転して半壊)だったり、オルコットの屋敷だったり、この病院だったり。
俺以外の人は何回か来たことがあるからか、それともこの大きさの建物を見慣れているからかは分からなかったが、驚いている様子は無かった。
「そんなとこで止まってないで、行きましょう、一夏」
「は、はい」
俺が立ち竦んでいると、チェルシーさんが声を掛けてきた。
俺は返事をすると、病院の入り口に向かう。
俺が歩き出すと、さっきまでたっていた位置から、ポスっと、何かが着地した音が聞こえた。
ディミオスがSDになって着地したようだ。
それを確認しながら、病院の入り口に入り、受付に向かった。
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受付に説明をし、とうとうエクシアさんの病室に入れることになった。
俺達は案内の看護師さんに付いていき、エクシアさんの病室に向かっていた。
ディミオスSDは、しっかりと後ろを付いてきている。
病院の人や他の入院患者の方に蹴られないか少し心配だが...
特に蹴られてないから問題ないだろう。
そんなこんなで、俺たちはエクシアさんの病室前に着いた。
「では、私はこれで失礼します」
「はい。ありがとうございました」
病室前に着いたので、案内をしてくれた看護師さんは戻っていった。
チェルシーさんがノックをしてから、俺達は病室の中に入る。
「失礼します...」
エクシアさんの意識がないとはいえ、礼儀は守らないといけない。
俺は挨拶をしてから病室に入った。
するとそこには、チェルシーさんに似た少女が眠っていた。
腕には点滴、体には電極、口元には酸素マスクと、かなりの重症なのは素人目でもすぐに分かった。
この人が...
「この子が、私の妹のエクシアです...」
チェルシーさんが悲しそうな声で、エクシアさんの事を紹介してくれる。
やっぱり、大切な妹の痛々しい姿は見ていて辛いものなんだろう。
さっきからメイド服のスカートの裾を握りしめている。
俺はそんなチェルシーさんに声を掛ける。
「チェルシーさん、大丈夫ですか」
「は、はい...大丈夫です」
「本当ですの?辛そうですわよ」
「お嬢様...いえ、大丈夫です」
俺と同じことを思っていたセシリアが同じ質問をチェルシーさんにするも、チェルシーさんは大丈夫としか答えなかった。
これも、今日でエクシアさんが目覚める可能性があるからだろう。
その可能性が無かったら、ここまで来れてなかった。
そんなことがヒシヒシと伝わってくる雰囲気だった。
そんなチェルシーさんを見て、俺はディミオスに声を掛ける。
「ディミオス、これは...」
《いくら我でも、それぐらいの雰囲気を感じ取ることはできる》
「そうか、なら...」
俺とディミオスは短い会話でお互いの言いたいことを理解する。
そして俺は。チェルシーさんに声を掛ける。
「チェルシーさん」
「は、はい?」
「...今から、エクシアさんを蘇生します」
「っ!はい、お願いします」
俺はそれだけを言うと、エクシアさんのベッドの側に移動した。
そして、ポケットからダークコアデッキケースを取り出す。
「ディザスターフォース、発動」
俺はディザスターフォースを発動し、煉獄騎士の鎧を装着する。
俺と同じタイミングでディミオスSDも、ステルスカーテンを脱ぐ。
そして、ディミオスもエクシアさんの側に移動してきた。
俺は鎧の頭部の前パーツを開ける。
そして、左手でエクシアさんの左手を握ると、チェルシーさんに声を掛ける。
「チエルシーさん、エクシアさんの右手を握ってあげてください」
「分かりました」
ム、二人きりじゃないから敬語か...
なんか寂しいな...
そんな今あまり関係ない事を考えながらも、ディミオスと会話をする。
「ディミオス、いくよ」
《好きなタイミングでやれ》
ディミオスからの許可も出たので、俺はエクシアさんに魔法を使用する。
「キャスト。ダークネス・ヒーリング」
俺が魔法を使った瞬間、ディミオスから紫色のエネルギーが出て、俺の左手に集まった。
後ろでセシリア、ロバートさん、ロザリーさんが驚いているが、チェルシーさんは反応せずエクシアさんをジッと見つめている。
俺の左手のエネルギーは、握っていたエクシアさんの左手を通じ、エクシアさんの全身を包み込んだ。
全身を包み込んだエネルギーは、そのまま体に浸透するように溶けていった。
完全に溶け切っても、エクシアさんは目を覚まさない。
まさか、失敗か...?
俺がそう思い、焦り始めた瞬間、
「ん、んぅ。あれ、私...」
と、声が聞こえた。
それは俺は今まで聞いたことがない声だった。
俺はすぐにエクシアさんの顔を見る。
チェルシーさん、セシリア、ロバートさん、ロザリーさんも、一斉に同じ事をする。
すると、そこには目をうっすらと開けたエクシアさんがいた...
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チェルシーside
私は今、妹のエクシアが入院している病室にいます。
一夏とディミオスソードが、エクシアの心臓病を治療できる可能性があるからです。
エクシアの心臓病はかなりの重度で、イギリス最高峰のこの病院でも直すことが出来てませんでした。
そんな中、僅かでも出て来た希望に頼る事にしました。
いよいよエクシアの治療が始まるという直前、一夏とお嬢様が私に声を掛けてきました。
如何やら二人から見ると、私はあまり調子が良いように見えないそうです。
確かに、こんなに痛々しいエクシアを見るのは心苦しいですが、それでも今日はキチンと向き合わないといけません。
治療の時、一夏は私にエクシアの右手を握ってくれと頼まれ、右手を握りました。
そして、一夏が魔法を使いました。
紫のエネルギーが出てきて、お嬢様達が驚いていますが、私はそんなこと気になりませんでした。
エクシアの全身がエネルギーに包み込まれ、浸透するように溶けていっても、エクシアは目を覚ましませんでした。
一夏はどこか焦り始めているようでした。
まさか、失敗...?
私が絶望に叩き込まれそうになる直前に、
「ん、んぅ。あれ、私...」
と、声が聞こえました。
それは、最近は聞いてなかった懐かしい声で...
私はそれを認識した瞬間、エクシアの顔を見ました。
一夏やお嬢様達も同じタイミングでエクシアの顔を見す。
すると、エクシアはうっすらと目を開けていました。
私は目頭が急に熱くなるのを感じながら、声を絞り出します。
「エ、エクシア?だ、大丈夫?」
「お、お姉様?大丈夫って...それにここは...?」
私の記憶の中にあるエクシアと、変わらない雰囲気でエクシアが呟きました。
私は泣きながらエクシアに抱き着きました。
「エクシア!エクシアぁ!!」
「ちょっ!?お姉様!?本当に如何されたんですか!?」
エクシアの声は元気そうです。
それが嬉しくて、私は腕に力を更に籠める。
「あー良かったぁ...」
《うむ、我もヒヤヒヤしたぞ》
一夏とディミオスソードが安堵の声を漏らします。
やっぱり二人(一人一ドラゴン?)も不安だったようだ。
エクシアは声が聞こえた方向を向き、困惑の表情を浮かべる。
「えっと...どちら様ですか?」
「ん、ああ。自己紹介してなかったね。ディザスターフォース、解除」
一夏はそういうと、煉獄騎士の鎧をエネルギー体にした後、ダークコアデッキケースに戻しました。
そしてそのまま笑顔で自己紹介をします。
「はじめまして!織斑一夏です。よろしくね」
一夏の笑顔は私に向けられたものではないのに、私は顔が赤くなっているのを感じます。
それを一夏は不思議そうに眺めてきます。
...恥ずかしい。
私が恥ずかしがっていると、一夏が声を発します。
「取り敢えず、エクシアさんに説明をします。チェルシーさんは一回離れてもらってもいいですか?」
一夏に言われ、私はエクシアに抱き着きっぱなしだったことを思い出し、エクシアから離れました。
そして、一夏はエクシアに説明を開始します。
如何やら、魔法を使った治療をしたため、全てをしっかりと説明するようです。
その光景を眺めていると、お嬢様達が声を掛けてくれます。
「良かったですわね、チェルシー」
「はい、ありがとうございます。お嬢様」
「本当に良かったわ~私も泣きそうよ」
「取り敢えず元気もあるようで、本当に良かった...」
「奥様、旦那様...ありがとうございます」
私達がこんな会話をしていると、ちょうどエクシアへの説明も終わったようです。
エクシアは目をパチクリさせています。
まぁ、急に異世界とか言われて混乱しない人の方が少ないですよね。
それでも、冗談などではないと分かっているようですね。
「そ、そうだったんですか...」
「そうですよ、エクシアさん。これが事実です」
エクシアが確認するように呟いたことに、一夏が肯定で返します。
エクシアは暫く考えているようでしたが、一夏に向き直りました。
「なら、お礼を言わせて下さい。私を助けてくれて、ありがとうございます」
「いえ、エクシアさんが完全に回復して元気になってくれれば、それで十分ですよ」
「そ、それであの...私の方が年下ですし、呼び捨てで大丈夫ですよ」
「それもそうか...じゃあ、これからよろしくね、エクシア」
一夏はまた笑顔になりながらエクシアに改めてよろしくと言いました。
呼び捨てだなんて、エクシアが羨ましいですね...
私がそんなことを考えていると、エクシアも一夏に返事をします。
「はい、こちらこそよろしくお願いします、お兄様!」
「何故!?」
エクシアが一夏をお兄様と呼び、間髪入れずに一夏が突っ込みました。
本当に、何でお兄様何でしょうか?
一夏とエクシアの会話を聞きながら、私もそんなことを考えていました。
そして、医者の判断により、エクシアは一週間で退院できるようになり、エクシアの一夏の呼び方もお兄様で固定されました...
今回でエクシアの治療、救出は完了しました。
心臓病の人の病室には入れないことも多いと思いますが、今作では入れたことにしてください。
一夏が使った魔法、『ダークネス・ヒーリング』ですが、これ黒竜のカードなんですよね。
でも、黒竜の設置があれば追加回復があるだけで、一応それ以外のデッキでもライフ回復出来るので、今回使ってもらいました。
使用コストが自モンスター破壊なので、煉獄騎士団のデッキにも...入らないです。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
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