さてさて、どんな話をするのか...
今回もお楽しみ下さい!
UAが30000を超えました!ありがとうございます!
簪side
あれから、私とお姉ちゃん、それに一夏とディミオスソードと共に、生徒指導室に来ていた。
一夏が織斑先生に許可を取り、この教室を開けてくれたようだ。
正直、あの後直ぐに許可を取れるのは凄い行動力だ。
だから...この空気も何とかして、一夏!
「今日は消灯を超えていい許可も貰ってるから、気がすむまで話してて良いですよ」
《我らがいると話しづらいこともあるだろう...外で待っているぞ》
え、待って、行かないで~~!
そんな心の中の叫びなど聞こえるはずもなく、一夏達は出て行ってしまった。
「「.....」」
部屋の中の沈黙が辛い...
確かに、お姉ちゃんと話そうとは思ったけど、まさか昨日の今日で話すことになるとは思わなかった...
でも、何か喋らないと...
あ、そうだ。
「お姉ちゃん、何で一夏を成敗しようとしたの?」
そうだ、これを聞かないといけなかった。
私がそう言うと、お姉ちゃんは身を乗り出してくる。
「だって、織斑一夏が簪ちゃんを泣かせたから...!」
私は、それを聞いて、呆れてため息をついた。
そして、お姉ちゃんを見ながら言葉を発する。
「別に、一夏は私を泣かせてない。一夏が私を励ましてくれて、それで感極まって泣いちゃっただけ」
「え...」
私がそう言うと、お姉ちゃんは呆けた表情になった。
自身が勘違いしているのに気付いたんだろう。
「お姉ちゃんは何時もそう。私の交友関係にいちいち首を突っ込んでくる。私の友達は、私が決めるものなのに...」
「だって、簪ちゃんに悪い影響が出ないように...「ふざけないで!!」か、簪ちゃん...」
私でも信じられないぐらいの声量が出た。
でも、ここで私の思った事を言わないと、この人は、何時までも何時までも...!
「私のやる事をいちいちいちいち観察して!そのくせ私のやりたい事に反対して!何なの!?」
「か、簪ちゃん。落ち着いて...」
「落ち着けないよ!何時も何時も、私を守るって言っておきながら、私の事を苦しめて!考えたことある?私の立場から!!」
「そ、それは...」
お姉ちゃんはそこで黙ってしまう。
やっぱり考えたことは無かったみたいだ。
「何が、『あなたは無能でいなさいな。私が守ってあげるから』!?ふざけないでよ!無能でいなさいって言われた私の気持ち、考えたことある!?」
「.....」
「私だって、私、だって...」
私は目から涙がこぼれているのが分かる。
まさか、高校生になって2日連続で泣くことがあるなんてなぁ。
「お姉ちゃんの役に、立ちたいのに.....」
「へっ...?」
「
「簪ちゃん...」
お姉ちゃんを事を見ると、お姉ちゃんも涙がこぼれそうだった。
2人きりで泣いている姉妹。
はたから見ると、どう見えるんだろうな...
そんな事を考えていると、お姉ちゃんが
「ごめん、簪ちゃん」
と頭を下げて来た。
お姉ちゃんが頭を下げる場面だなんて初めて見た。
その事に私が驚いていると、お姉ちゃんが言葉を発する。
「簪ちゃんの気持ちを考えずに、私だけの価値観を押し付けてた」
「お姉ちゃん...」
「だけ、ど、大事な、妹に、危険なこ、とを、させたく、無かったの...」
お姉ちゃんも泣いていて、声が震えている。
そんなお姉ちゃんに対して、私も声を震わせながら声を掛ける。
「わた、しも、お姉ちゃんの事、ちゃんと分かろうと、してなかった...ごめんなさい」
「ううん、良いのよ、簪ちゃん...」
「お姉ちゃん...おねえぢゃ~~ん!!」
私は、涙をボロボロ流しながらお姉ちゃんに抱き着く。
「がんざし...ちゃん...」
お姉ちゃんも泣きながら、私の事を抱きしめてくれる。
...ああ、こうやってお姉ちゃんと触れ合うのって、久しぶりだなぁ。
暫く抱きしめ合っていた私達だったけど、泣き止んだタイミングで離れた。
泣き止んだのは...お姉ちゃんの
「ハァハァ」
という、何やら怪しい声を聞いたからだ。
「お姉ちゃん、一夏に謝らないとね」
「うん...そうだね」
一夏がいなかったら、こうやってお姉ちゃんと仲直り出来なかっただろう。
それに、クラスメイトと馴染めもしなかった。
これは...恩人だね。
「じゃあ、取り敢えず部屋を出ましょう」
「うん」
私とお姉ちゃんは部屋を並んで出る。
すると、部屋の目の前に一夏はいたのだが...
「一夏!すまなかった!だから...それだけは!!」
と、織斑先生が一夏に土下座していた。
一夏は、そんな織斑先生を見下ろしている。
い、いったい何が...
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一夏side
「...仲直り、出来ると良いんだけどなぁ」
《そうだな》
生徒指導室から出てくる際の簪の行かないでくれと言っている目線は感じたが、ここで俺が残ってしまってはいけない。
そのため、俺はそのまま生徒指導室から出て来た。
生徒指導室は中でのやり取りが漏れないように、校舎内でも屈指の防音室でもある。
中の会話は俺には聞こえない。
さて、話が終わるまで暇だな...
「...篠ノ之は、如何やったらおとなしくなるかねぇ」
《如何やってもおとなしくならないと思うが》
「そうなんだよなぁ...」
篠ノ之は、鉄パイプを振り回したというのに自室謹慎は今週だけだ。
本当に、一か月間でもいいから長期で自室謹慎にしてほしいものだ。
そうしないと、あの篠ノ之は反省しない。
「もしくは、主任に頼れるといいんだが...」
《...主任は、あんなアホに割ける時間は無いだろう》
そう、主任...束さんが篠ノ之に罰を与えられない原因なので、あの人に
「篠ノ之箒に何をしても、私は何もしない」
と全世界に発信してもらえれば、篠ノ之は退学まっしぐらの、刑務所行きとなる。
がしかし、束さんにそんな事をしている余裕などない。
『PurgatoryKnights』開発主任にそんな事をしている余裕はないぐらい忙しい。
忙しいはずなのに、俺が会社に顔を出すと絡んで来たなぁ。
クロエさんもあんな自由奔放な人の助手で大変だな...
「ム、まだだったのか」
「織斑先生」
そんな事を考えながら生徒指導室前にいると、織斑先生がやって来た。
織斑先生は、その手に生徒指導室の鍵を持っているので、もう終わったと思っているのだろう。
しかし、話の内容は一切分からないので、何処まで話しているか分からない。
「まぁ、詰まる話もありそうなので、待ってあげましょう」
「そうだな...そのために消灯を過ぎてもいい許可を出したんだからな」
織斑先生はそう言いながら壁に寄り掛かる。
如何やら織斑先生もここで待つらしい。
「織斑先生、お仕事は大丈夫なんですか?」
「ああ、もうすでに今日の分は終わらせてある」
...怪しい。
このずぼらな姉が、もう終わらせただと?
確かに、教員になってやる事はきっきりやるようになったのかもしれないが、あの、IS国家代表現役だというのに酒を飲みまくっていて、自宅の冷蔵庫を酒でパンパンにする姉は如何も信じられない。
「...山田先生に全てを押し付けたんじゃないんですか?」
「そんな訳が無いだろう...お前は私を何だと思っているんだ、織斑」
「生活能力皆無駄目姉」
「い、一夏ぁ...」
俺が思ったまんまの織斑先生...いや、千冬姉に思っている事を言う。
確かに、『織斑先生』は尊敬できるのだが、『千冬姉』はどう頑張っても尊敬が出来ない。
因みに、『織斑選手』や『織斑教官』も尊敬できるんだが、プライベートはダメダメだ。
「そこまでいう事無いだろう!」
「ここまで言われて当然だろ。掃除、洗濯、料理すべてが出来ず、酒を飲みまくる生活能力の無さ。教職なのに、暴力を直ぐ振るう仕事力の無さ...」
「う!!」
俺が指摘をすると、千冬姉は反応する。
つまり...そう認識しているって事だ。
「認識しているなら、改める事だな」
「私にそんな事出来る訳ないだろう!」
「開き直るな!!少しでも改善する努力をしないと、1年間酒は禁止だ!!」
「なっ...!」
織斑先生はショックを受けた顔をすると、一瞬で土下座する。
この時、扉が開くような音がしたが気にしてはいけない。
「一夏!すまなかった!だから...それだけは!!」
.....如何しよっかなぁ?
ん、待て。
この人確か、教員寮じゃなくて、生徒寮の寮長室で生活してたな。
まさか...
「千冬姉、まさか、寮長室の冷蔵庫に酒入れてねえだろぉな...」
「う、それは...」
《その反応は肯定だ》
「.....無条件で一ヶ月は酒禁止!!あとで寮長室の酒は、教員寮の皆さんに配る!!」
「はい...」
はぁ、全く...
まさか生徒寮に持ち込むなんて...
何でこんな人が世間の憧れの女性ランキングトップで、理想の上司ランキングトップなんだ...
確かに、確かに尊敬できるところもなくは無いが、この飲兵衛は...
「あの...一夏?」
「んあ?」
声を掛けられたので、そっちの方向を向く。
するとそこには、
「簪、更識会長...仲直り出来たようですね」
2人が並んで立っていた。
泣いた痕は残っているが、そこには触れないのがマナーだろう。
「一夏、何やってるの?」
「...この駄目姉の説教」
「織斑先生が土下座しているの、初めて見たわ」
更識会長、それはそうでしょう。
腐ってもこの駄目姉は世界最強なんだから...
「更識姉妹.....このことは誰にも言うなよ!!」
「「は、はい!」
「だから、生徒を脅すな!」
「はい!」
全く.....
「あ、あの...織斑君」
「更識会長?如何しましたか?」
さっきまでと違い、苗字で更識会長が俺の事を呼んでくる。
簪がついでに誤解を解いてくれたようだ。
「その...早とちりであなたに襲い掛かろうとして、ごめんなさい」
「ああ、特に危ないとは思わなかったので、気にしないで良いですよ」
「ありがとう」
そう言って、更識会長は扇子を開く。
『感謝!!』
《それは如何いう仕組みだ?》
「フフ、秘密よ」
そう言われると気になるな...
「ああ、そうだ。会長、俺の事は一夏で良いですよ」
「なら、私は一夏君って呼ばせてもらうわね。一夏君も、私の事は楯無でいいわよ」
「...会長、名前楯無っていうんですか」
「え、ウソ!!」
だって、簪からは姉としか聞いてないし、俺も簪のお姉さんなら苗字は更識だな~~で呼んでたから、名前を知らなかった...
「つーん、どーせ私は影の薄い生徒会長ですよーだ」
「すみませんって、楯無さん。今度生徒会の仕事手伝いますから」
俺が出来るのか如何か知らんけど。
まぁ、こういっておけば良いだろう。
「なら、ビシバシ扱き使うからね!!」
「上等です」
アハハハハ、とこの場にいる生徒3人が笑う。
ディミオスも声には出していないが穏やかな表情になっていた。
千冬姉は、さっきから全くと言って良いほど動いていない。
そんなに禁酒がショックか?
まぁ、これをきっかけに生活態度を改めてくれ。
だんだん千冬の扱いが雑になって来た。
何時もはきっちりとした先生なんだけどなぁ。
簪と楯無が和解出来て良かったです...
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
感想を頂くと凄く嬉しいので、是非お願いします!