何となくだが、社畜のスローガンのようだ...
今回もお楽しみください!
一夏side
5月になった。
世間では、GWと呼ばれる連休だ。
結局あの襲撃事件翌日は織斑先生が言ったように臨時休校になり、クラス対抗戦も全学年で中止となった。
何か、あの襲撃者のターゲットは俺だったから申し訳ねぇ。
その更に翌日。
その日は普通に授業があったので教室に行ったのだが...
物凄いクラスメイトに心配された。
皆も襲撃者が来たことまでは見ていたので、アリーナにいた俺を心配してくれた。
守秘義務があるので詳しく説明は出来なかったが、それでも、心配してくれる友人がいるというのは嬉しい。
ただ、対抗戦前の約束で週1でデザートを作る事になってしまった。
だけれども、これはこれで嬉しい。
皆が俺の作ったものを食べて笑ってくれるのは、嬉しい。
因みにだが、俺は1組の皆とその場にいた教員と警備員の皆さんに作ったんだけど、何故か大人の皆さんは織斑先生以外ショックを受けたような表情だった。
俺、何かやらかしたかなぁ?
そして、GW。
新学年が始まってから初の大型連休の為、学園の皆は思い思いの休日を過ごしている。
清香みたいに部活を頑張る生徒、簪のように漫画やアニメを見まくる生徒、静寐や由子のようにショッピング等の遊びをする生徒...
更には社会人の皆さんも、忙しい仕事の息抜きとして、休暇を楽しんでいる事だろう。
そんな中、俺は...
「はい、はい、あー、はい。そうですね...社長の都合のつくときで...あ、2日後ですか?分かりました。その日は朝から向かいます。はい、はい、失礼します」
仕事だ。
俺には、『PurgatoryKnights』所属の人間としての仕事がある。
他の国家代表や候補生、企業代表はこのような事務作業はしないのだろう。
IS操縦者というのは、ISの為に身体づくりをしないといけないので、事務作業なんかやっている余裕は無いのだ。
せいぜい、報告書を制作するぐらいだろう。
しかし、俺には仕事がある。
理由は簡単、
何処にも所属していない深夜と異なり、俺のデータは現在『PurgatoryKnights』のみで取り扱っている。
そのため、抗議や俺との模擬戦依頼、又は引き抜こうとする書類などが後を絶たない。
よって、本人である俺が処理した方がスムーズにいく仕事は俺が処理をしている。
「ふぃー、いったんしゅーりょー」
疲れた...
特に日本政府、書類多すぎなんだよ。
そんな送って来るなよ。
何が国籍が無くても日本人だろ?だ。
誰が好き好んで自分の事を見捨てた国に協力するかっての。
まぁ、文句は言ってられない。
この仕事は俺がいなかったら来ない仕事だし、何より今も出勤している社員の方もいるんだ。
原因である俺が文句を言えるもんでもない。
言っておきますが、現在出勤している社員の方にはGW期間とは別で1週間の休暇がありますからね。
『PurgatoryKnights』は社員を第一に考える会社です。
《一夏、時間まであと1時間15分だ》
「りょーかい」
ディミオスにそう言われ、使用していた会社のノートPCをシャットダウンした後、しまう。
このPCは主任お手製のPCなため、そんじょそこらのPCとはスペックもセキュリティも段違いのものなので、社外持ち出しOK...というより、持ち出し用のPCだ。
いやぁ、主任ってすげぇ。
「取り敢えず、何か口に入れてから着替えよう」
そう言いながら、俺はキッチンに向かい、棚を開ける。
今日はこれから人と会う予定があるのだ。
お腹が鳴るだなんて失礼が無いようにしないといけないが、匂いのあるもんは駄目だ。
如何するか...バナナでいいや。
この前のデザート作りで余ったバナナが冷蔵庫にあったので取り出し、食べる。
食べ終わったのち、皮を捨ててクローゼットを開ける。
そのまま制服を取り出して着替え、身だしなみを整える。
《...本当に、
「ああ、保険にな」
ディミオスが質問をしてきたので、俺は即答する。
確かに、渡しておくことの不安はあるかもだけど、保険は掛けとかないといけない。
もしもの時の、ね。
「さて、ボチボチ向かうか。遅れるのは駄目だけど、早く着く分には時間潰せばいいだけだし」
《そうだな...》
そして、ディミオスと共に部屋から出て、目的の場所に向かう。
道中、グラウンドから声が聞こえてくる。
「お願い!」
「任せて!」
部活だなぁ。
流石に女子部しかIS学園には存在してないし、俺には仕事があるので、今現在帰宅部だ。
確かに部活って青春の象徴みたいだし、憧れが無くは無いが、入ってなくても学園生活は楽しい。
だからもう、入らなくていいかな~~。
そんな事を思いながら校舎の中に入る。
目的の場所に向かって歩いていると、今度は楽器の音が聞こえてくる。
《うるさいな...》
「言っちゃだめだよ」
確かに吹奏楽部の練習は如何してもうるさくなっちゃうけど、本人達は頑張ってるんだから、言うなよ...
そんな事を思いながら、目的の場所に向かっていく。
暫く歩いて、目的の場所に着いた。
扉をノックする前に身だしなみをもう一度確認する。
「あー、ディミオス、ポケットにいる?」
《いや、別に良いだろう》
「オッケー」
ディミオスと会話した後、その扉を4回ノックする。
「織斑一夏とディミオスソードです。入ってもよろしいですか?」
「はい、大丈夫ですよ」
入室の許可を得たので、俺は扉を開ける。
「《失礼します》」
勿論、この時に軽く会釈をするのを忘れない。
そう、今日会う人物というのは...
「今日はありがとうございます、学園長」
そう、轡木学園長だ。
俺はあの会議でしか会ったことが無かったので、一度ちゃんと合わないといけないと思ったからだ。
「いえいえ、気にしないで下さい織斑君。そこに座って下さい」
「では...」
学園長に促されたため、俺はソファーに座る。
うん、普通に良いソファーだ。
俺が座ったのを確認すると、学園長は机を挟んだ向かいのソファーに座る。
「さて、それでは何の用でしょうか、織斑君」
「いえ、入学してから今日まで、まだキチンとした挨拶が出来ていなかったもので...あ、これ名刺です、良かったら」
「では頂きます」
そう言って、学園長は俺の名刺を受け取った。
ふぅぅぅ、緊張する...
「織斑君、男子生徒は君と橘君しかいませんが、学園生活は如何ですか?」
「そうですね...確かに同性の友人は出来ないですが、皆が性別とか気にしないので、楽しく過ごせてます」
「そうですか、それは良かったです。生徒が楽しく過ごせるなら、私達も嬉しいです」
ここで、学園長は微笑む。
...何ていい学園長なんだぁ。
「学園長、一つお願いがあるんですが...」
「何ですか?織斑君」
学園長にそう言われたので、俺はポケットから
「
「
学園長は驚いたような表情を浮かべる。
まぁ、それは当然だろう。
いきなり
「今回の襲撃事件の様な事が、この先起こらない可能性はありません。
「.....」
学園長は、考えるように顎に手を置いた。
もう一押ししないと。
「もしもの時は起こらないようにするのが最善ですが、だからといってサブプランを立てない訳にはいきません。預かっていていただくだけで大丈夫なので、お願いします」
俺はそう言いながら頭を下げる。
完全に空気だったディミオスも、俺と同じタイミングで頭を下げる。
すると学園長は、
「分かりました、顔を上げてください」
と言った。
俺が顔を上げると、そこには優しい笑顔を浮かべた学園長がいた。
「織斑君が覚悟を決めていたのは伝わりました。万が一の時の為、
「ありがとうございます」
俺は再びディミオスと共に頭を下げる。
そして、暫くそうしていた後、頭を上げる。
ふぅ、これでもしもの時の保険も出来たな...
学園長は、そのまま
おお...あの金庫、持ち運べないぐらいデケェ。
「ああ、学園長」
「何ですか、織斑君?」
俺がある事を思い付き、学園長に声を掛ける。
学園長は、そのまま俺に何の用なのか聞き直してくる。
「学園で、何か『PurgatoryKnights』に発注するものはありますか?ありましたら、私が代理で発注しますが?」
「そうですね...ならば、初級者用の練習キットを追加で7セット程お願いします」
「分かりました」
そう、営業を忘れない。
本来だったらこのような営業の仕方はしてはいけないし、そもそも俺の仕事では無いのだが...
まぁ、IS学園だし大丈夫でしょう。
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さてさて、今日の予定は全て終了した。
そもそも学園長と会う予定しかなかったので、それが終わってしまったらもう何も予定が無いのだ。
そんな俺は、教員寮の自室に戻ってきて、何をしているのかと言うと...
「「ふにゅぅぅぅあああ」」
白騎士と白式の頭を撫でていた。
やる事が無くなった俺は、この2人にせがまれて白式のコアに意識だけ来ていた。
前回と同じく白い海岸で、白いワンピースに身を包んだ白式と、ヘッドバイザーを外した白騎士。
その2人が俺に頭を撫でられ、幸せそうな顔をしている。
毎度思うんだが、そんなにいいもんか?
簪も、ナデナデタイムを延長してたし...
2日後会社に行ったとき、マドカに会えたらやってみよう。
「そろそろ止めていいか?」
「「駄目(です)!!」」
「は、はい」
そ、そんなにか...?
「如何しても止めたいって言うなら、私達の事を抱きしめてください」
「いいね、白騎士お姉ちゃん!マスター、是非!」
抱きしめるか...
何だろう、特に頭を撫でる事の延長のはずだ。
なのに、やりたいと思わない。
いや、寧ろ、やる事に対しての抵抗感がある。
前もこう思ったことがあるが、本当に何でだろう...
頭を撫でるのは、鈴とかの友人に対しても全然できるが、抱きしめるとなると、抵抗感が生まれる。
抱きしめる事に抵抗感が無いのは、クラリッサさんとチェルシーさんだけ...
この2人には、寧ろ自分から抱きしめたいとすら思うかもしれない。
何でだ?
何で俺の中でこの2人が特別なんだ?
俺は、二人に対してどんな感情を持ってんだ?
「もう、マスター!」
「んあ?如何した、白式」
「マスター、先程から私達が声を掛けているのに何も反応しなかったですけど、如何したんですか?」
「白騎士...いや、考え事をしていたんだ」
俺がそう言うと、二人とも一応納得してくれたようだ。
ああ、なんて言い子なんだ...
白騎士は見た目は完全に年上だが、実際に造られたのは俺が生まれた(造られた)後なので、実際に俺が年上だ。
「それで、悪いんだけど、抱きしめるのはちょっと...」
「フーン、正直チョッと悲しいけど、マスターがしたくないなら、無理強いはしないよ」
「ええ、私達は、あくまでもマスターのサポート役なので」
本当に、ディミオスとはまた違った良い仲間だよ...
俺はそう思いながら、2人の頭をまた撫で始める。
すると2人は直ぐに幸せそうな顔になり、
「「ああぁぁぁぁ、気持ちいぃ...」」
と声を出した。
よし、こんなに良いサポート役もいる事だし、これからも頑張っていこう!
取り敢えず、2日後の仕事だ!
...あれ、今ってGWだよな?
『仕事』が多いなぁ。
まぁ、『素晴らしい』仲間もいるし、頑張ろう!
『PurgatoryKnights』はホワイト企業です。
一夏みたいな特殊な立場の人間や、社長等の上司はどのような企業でも忙しいんですよ。
『PurgatoryKnights』は常に社員を募集しています。
どの様な人でも、輝ける部署が一つはあるはずです。
是非、会社説明会にご来場ください。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください。
感想を頂けると嬉しいので、沢山の感想、お待ちしています!