学園ものなのに...
今回もお楽しみください!
一夏side
さて、デュノアを如何やって連れて行くか...
なーんか、廊下から足音が聞こえるなぁ。
しかも物凄く走っている音が。
「あ、君が織斑君だね。僕は「それよりも急ぐぞ!」え?」
嫌な予感しかしない俺はデュノアの手を引き、教室から出る。
ディミオスはしれっとカードに戻り、胸ポケットに戻る。
ていうか、この感触...随分と細いな。
男子だったら、もうちょっと筋肉が無いと違和感がある。
いや、病気とかだったら細くなる可能性があるが、ISに乗れるなら健康だろう。
「えっと、織斑君!?これはいったい...」
「良いから急ぐぞ!取り敢えず、教室は女子が着替えるから直ぐに移動!そして...」
俺がそこまで行ったときに、後ろから物凄い量の足音が聞こえてくる。
チラッと振り返ると...
「いたぞ!転校生だ!」
「織斑君と一緒よ!」
「皆の衆!であえであえ!」
3組の生徒や2年生と3年生の先輩達が俺とデュノアに向かって来ていた。
チクショウ、もう来たのか...
っていうか何でそんなテンションなんだ。
何時からIS学園は武家屋敷になった?
「な、何で皆こんなに迫って来るの!?」
...コイツ、今ボロ出さなかったか?
本来の性別が男子だったらこんな発言はしないはず。
確実に黒だな。
だが、まだ目的が判明していない以上、もう少し泳がせておくか...
「デュノア、俺達はこの学園で3人しかいない男子生徒だ。物珍しさから集まってきて当然だろう」
「あ、そ、そうだね!僕たち、男子だもんね!」
コイツ、隠す気あんのか?
まぁ、いいか。
「お、織斑君!まずいよ!」
そんな事を考えていると、確かにまずい状況になった。
廊下で前後両方に大量の生徒たちに挟まれてしまった。
やろうと思えば全員をブッ飛ばすぐらいできるんだが、そうなると問題になる。
さて、如何するか...
飛び降りるか。
俺はそう判断し、廊下の窓を開ける。
そしてデュノアに向き直り、
「デュノア、気絶するなよ。あと、舌噛むから喋るなよ」
それだけを簡潔に伝える。
「え、ちょ、何を言って...」
デュノアの言葉を最後まで聞かず、俺はデュノアを抱え、開けた窓から飛び降りる。
「うひゃぁぁあああ!?」
『えっ!?』
デュノアや先輩たちの驚愕の声をBGMとして、俺はそのまま落下する。
因みに、俺達1年生の教室は4階なので、俺は4階から飛び降りたことになる。
それにIS学園の1階は通常の建物よりも天井が高いので、必然的に4階の位置は通常の建物の4階よりも高い。
そんなところから飛び降りたので、皆が驚愕の声を上げるのは当然か。
俺はデュノアを抱えたまま空中で一回転し、足から地面に着地する。
勿論、着地の瞬間に膝を曲げて衝撃を抑える事で、怪我をするだなんてミスはしない。
「よし、このまま授業で使う第一アリーナに行くぞ。着替えはアリーナの更衣室でするから覚えておけ」
「う、うん...分かったよ...」
デュノアは飛び降りた衝撃から抜け出せていないな。
全く、代表候補生ならこれくらいは出来るようになっておけよな?
そうして移動し、男子更衣室に着いた。
俺は自身のロッカーの扉を開けながら、デュノアに声を掛ける。
「ここが男子更衣室だ。別のアリーナを使う時も男子更衣室はここにしかないからここで着替える事になる。それと、各個人にロッカーが振り分けられてる。デュノアのはそれだ」
「分かった。えっと、こっちは?」
「それは深夜のだ」
俺はロッカーからジャージを取り出しながらそう答える。
どうせここでしか着替えないから、洗濯をしない分をここに置きっぱなしなのだ。
授業が終わったら汗が染みてるから持って帰る事になる。
「あ、織斑君。僕の事はシャルルで良いよ」
「分かった。俺の事も一夏で良いぞ」
「うん、これからよろしくね、一夏」
「ああ、よろしくな、シャルル」
そう簡潔に挨拶を交わすと、俺は制服を脱ぐ。
「ちょっ!?な、何を!?」
「もう直ぐ授業が始まる。さっさと着替えないと怒られるぞ」
「わ、分かった!」
そう言ってシャルルも着替え始める。
服を脱いでここまで動揺するってことは、やっぱり女子だな。
そんな事を思いながら、俺は着替え終わる。
「アレ?一夏、ISスーツは?」
シャルルが俺のジャージ姿を見て疑問の声を上げる。
まぁ、そりゃそうか...
「これは会社に作って貰った特別なISスーツだ。それにしても、深夜もそうだが男子なのによく普通のISスーツを着れるな...」
俺には恥ずかしくて無理だぞ...
あんなピッチピチのもの着るのは。
いや、シャルルは女子の可能性があるからまだ納得できるが、深夜はすげえな。
「さて、さっさとアリーナに出よう。俺だって何回も出席簿は壊したくないからな」
「こ、壊すの前提なんだ...」
当たり前だろ?
織斑先生は事あるごとに出席簿で殴って来るんだから。
その度叩き割る俺の身にもなってくれ。
そして、シャルルと軽く雑談をしながらアリーナにやって来た。
鎌を掛けようかとも思ったが、まだ怪しんでることを察せられるのはよくないと思い、本当にただの雑談しかしなかった。
アリーナに出ると、注目されるのが分かる。
まぁ、シャルルは転校生だし注目されて当然だな。
「織斑君のISスーツ、変わってるわね」
「ね。ぱっと見ジャージに見える...」
訂正。
如何やら俺のジャージも注目されているようだ。
そう言えば、合同実習って初めてだから、1組以外の生徒はこれを初めて見る訳か。
「一夏!」
「鈴、うるさい」
そんな事を思っていると、鈴がやって来た。
やって来るのは良いのだが、声のボリュームは考えて欲しい。
「アンタのISスーツ変わってるわね」
「会社に作って貰った。俺は通常のISスーツなど着ない」
「あ、アンタが転校生ね」
おい、話題変わるの唐突過ぎだろ。
もうちょっと考えろ。
「私は中国国家代表候補生で、2組クラス代表の凰鈴音よ!鈴って呼んで頂戴!よろしくね!」
「僕はフランス代表候補生のシャルル・デュノアです。よろしくお願いします」
そう言って、2人は握手をする。
鈴って本当にコミュ力高いな...
っていうか、握手したけど違和感に気付かないの?
これは鈴が鈍感なのか、気付いた俺がおかしいのか...
前者だな。
俺がそう判断した瞬間、チャイムが鳴り、
「さて、全員整列をしろ!」
織斑先生がやって来た。
その後ろには篠ノ之と深夜がいる。
ああ、そう言えばここから復帰だったな。
そのまま2人は俺達の列に混じって来た。
「さて、それでは授業を始める。今日は本格的にISへの搭乗を開始する。その前に、専用機持ちの模擬戦を見てもらう!オルコット!凰!前に出ろ!」
「「はい!」」
呼ばれた2人は返事をし、前に出る。
うん、気合も十分のようだ。
ん?深夜が驚いた表情を浮かべてるな。
何処かに驚く要素何てあったか?
「織斑先生、模擬戦は鈴さんとすればよろしいのですか?」
「いや、もう直ぐ対戦相手が来るから...」
「きゃぁぁああああ!ど、退いてください~~!」
セシリアが対戦相手を織斑先生に確かめると、織斑先生は対戦相手が来るというが、その瞬間に頭上から声が聞こえる。
俺を含めた全員が上を見ると、ラファール・リヴァイヴを纏った山田先生が此方に突っ込んで来ていた。
着地点は...完全に俺じゃねえか!
周りの生徒は一目散に逃げるが。このままでは確実に何人かが巻きこまれる。
しかも、最悪な事にダークコアデッキケースを取り出す暇もない。
つまり...!
「ディミオス!俺を上げろ!」
《了解した》
俺はディミオスに指示を出すと、その場でジャンプをする。
すると、ポケットから出て来たディミオスが俺の事を弾き上げる。
ディミオスはSDだったとしたも、やっぱりモンスターなので物凄い力がある。
そのため、結構な高さまでのジャンプが出来るのだ。
そして、俺は山田先生の横に着た瞬間、
「ハァ!!」
思いっ切り蹴りを叩き込む。
制御不能で落っこちて来たのなら、軌道を変えてしまえばいい。
受け止めるという選択肢がないでもないが、腕が使い物にならなくなりそうだったのでこっちにした。
『ええええぇぇぇぇ!?!?』
織斑先生を含め、全員が驚愕したような声を上げる。
まぁ、ISを蹴り飛ばすだなんて事、俺以外でしたことある人はいないだろうからな...
蹴り飛ばされた山田先生は、そのまま軌道がそれ、誰もいないアリーナの壁際に落下する。
「バディスキル、インフェルノサークル」
俺は落下しながら誰にも聞こえないぐらいの声量でそう言う。
すると、俺の両足にサークルが出現し、俺はそのまま飛べるようになる。
本来だったら4階から飛び降りた時にも使いたかったが、これはISの部分展開扱いになる。
そのため、さっきは使えなかった。
全く、ルールっていうのは偶に面倒に感じるなぁ。
そう考えながら、俺は地面に着地すると同時にバディスキルを解除する。
「ふぅ、これで良し」
「織斑、何が『これで良し』だ!何教師を蹴り飛ばしている!」
「織斑先生、蹴り飛ばさなかったら何人か巻き込まれてましたよ?」
俺がそう言うと、織斑先生はため息をつく。
そして鈴とセシリアに向かって声を発する。
「オルコット、凰。お前たちの相手は山田先生だ」
「それは、2対1という事ですか?」
「そうだ」
織斑先生がそう言うと、セシリアは納得したような表情を浮かべるが、鈴は何処か不満気だ。
鈴、もしかしなくても山田先生の強さを知らないな?
過去の試合とかを見て参考にしたりしないのかよ...
使ってるのがISじゃない俺でもしてるんだから、代表候補生、ちゃんとしろよ...
「何だ、凰、不満か?」
「い、いえ、そういう訳では...」
「問題ない、山田先生は元日本代表候補生だ。今のお前たちが2人で挑んでも勝てる訳がない」
織斑先生がそう言うと、鈴はムッとした表情になった。
だが、セシリアは
「...そうかもしれませんわね」
と呟いたので、しっかりと分析が出来ているな。
ところで、
「山田先生は何時まで寝てるのかな?」
《お前が蹴り飛ばしたんだろう》
「そうなんだけどね」
俺とディミオスがそんな会話をしていると、
「や、やれます!」
と言いながら、山田先生が復帰した。
チョッと涙目なのは、皆の前で恥をかいたからだろう。
そのまま、山田先生は空中に飛び、定位置に着く。
それを確認すると、織斑先生はセシリアと鈴に指示を出し、2人はISを展開。
そのまま山田先生と対峙するように位置に着く。
「それでは!模擬戦...開始!」
織斑先生の声で、3人は模擬戦を開始する。
...これは、勝負が見えてるなぁ。
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結局、俺の予想通りに試合は進み、山田先生の勝利で模擬戦は終了した。
セシリアも鈴も動きは悪くないのだが、連携が上手くいっていなかった。
具体的には、セシリアの射線を鈴が完全に塞いでしまう場面が非常に多かった。
この模擬戦の途中、シャルルが山田先生の使っていたラファール・リヴァイヴについて解説していたのだが、その解説はお手本のようなものだった。
まぁ、ラファール・リヴァイヴを作ったデュノア社の社長の子供らしいし、これぐらいは当然か...
俺はそんな事を思いながら、アリーナに座り込んでるセシリアと鈴に声を掛ける。
「お疲れ様。連携がなってなかったな」
「そうでしたわね...」
「アンタは如何だっていうのよ!」
セシリアは大人しくそれを認めるも、鈴は抵抗を見せる。
...正直に言うと、大人しく認めた方がカッコいい。
俺はそんな事を思いながら、鈴の言葉に返す。
「おいおい、俺の戦闘スタイルを忘れたか?」
「アンタの戦闘スタイル?...あ」
ここで鈴も、周りで聞き耳を立てている生徒も思い出したようだ。
俺の戦闘スタイルはモンスターコールをして、そのモンスター達と戦うスタイルだ。
連携や指揮の訓練など鬼のようにやった。
まぁ、別に俺個人でも戦えるけど。
「んん、今見てもらったように、IS学園の教員は全員がこのレベルの操縦技術の持ち主だ。これからもキチンと敬意をもって接するように!」
『はい!』
織斑先生の声に1組と2君の生徒全員がシンクロして返事をする。
おお、すげえ揃ってる。
さて、ここからが授業の本番だ。
頑張るか!
うーん、一夏の人外レベルが高くなったなぁ。
まさか4階から飛び降りたり、ISを蹴り飛ばせるようになるなんてなぁ...
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
感想もドシドシお願いします!